常識という概念をなくしたぼっちちゃん   作:餡 子太郎

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陰キャLv120のぼっちちゃん アー写を撮る

 

虹夏「では今から結束バンドミーティング始めま〜す!!」

 

喜多さんを結束バンドに再加入して暫く経ち、虹夏ちゃんから何故か招集があった。ミーティング自体はやってもいいと思うが、何をするのか全く予想がつかない。

 

虹夏「えー、では、メンバー全員集まったところで、今回の議題はこれ!よりバンドらしくなるためには〜!!」

 

成程、形から入ろうってことかな?確かにこういうのって、形から入った方がモチベが上がったりするんだよね。ちょっと分かる。分かるだけであって、やる気はない。

 

虹夏「喜多ちゃんが戻ってきて結束バンドが本格始動したわけだから、より一層バンドらしくなっていきたいなと。まあ練習あるのみなのは分かっているけど、そればっかりだとねぇ。色々話すのも大事かなって」

 

郁代「ありですね!最近流行っているメイクとかも真似してるうちに様になってくるというか!」

 

虹夏「そうそう!そんな感じ!!」

 

え?形から入ってくるの?流石に予想外。

 

虹夏「ということで早速グッズを作ってみた!!」

 

ひとり「それただの色付き結束バンドじゃないですか」

 

虹夏「えっ?可愛いじゃん。いろんな色あるよ?」

 

可愛い...のか?アリスさんの上海人形の方がまだ可愛いんだけど...。私は蓬莱人形派です。

 

リョウ「物販で500円で売ろう。サイン入りは650円」

 

郁代「安い買います!!」

 

ひとり「金むしり取る気満々じゃないですか」

 

郁代「後藤さん!!それじゃリョウ先輩に貢げないじゃない!!!」

 

バンド内でお金を循環させてどうするんですか...。

 

虹夏「ぼっちちゃんは分かってないねぇ〜。こういうのはその場で買うから意味があるんだよ。その辺の結束バンド買っても意味ないじゃん!」

 

ひとり「例えばお祭りで唐揚げが売ってあって、その値段が500円だとして、知り合いの揚げる唐揚げタダのどちらがいいですか?」

 

虹夏「なんか妙に身近な例え出してきた...」

 

郁代「後藤さん、多分その発言はそれなりに敵を作ると思うわよ?」

 

ひとり「ぶっちゃけ家族か知り合いの作る唐揚げの方が美味しいので。ここ最近、他の唐揚げだと満足にならなくなってしまって」

 

虹夏「マジで喧嘩売ってるじゃん」

 

違うんだ虹夏ちゃん、これも全部霧影龍騎って奴の仕業なんだ...。

 

ひとり「ちょっと話脱線しましたね、ちゃんと取りまとめてくださいよ虹夏ちゃん」

 

虹夏「あたしの所為なの?」

 

リーダーなんだからしっかりして貰わないと。私は既に非常識、リョウさんはクズ、喜多さんはリョウさん専属イエスマン。まともな人って言ったら虹夏ちゃん、君に決めた!!

 

ひとり「まあ冗談は置いといて、結束バンド用のSNSアカウントを開設するのはどうでしょうか?今後本格的に活動するならありだと思いますけど(私はやらないけど)」

 

虹夏「急に真面目になったね...,.、バンドらしいかどうかは別としていい案だね」

 

郁代「ならそれ私がやります!よくイソスタやってるので!」

 

虹夏「じゃあSNS大臣は喜多ちゃんに決定!!」

 

なんか話題を出したら勝手に決まったんだが...。喜多さん、やっぱりイソスタやってたんだ。イソスタって何するやつなのかよく分からないんだよな。陽キャは大体イソスタやってるイメージが容易にある。つーかやる気になれない、幻想郷に来てから思考がデジタルからアナログにグレードダウンしちゃったからね、仕方ない仕方ない。

 

虹夏「あとはファンクラブの設立?」

 

ひとり「むっちゃ気が早くないですか?」

 

リョウ「そして年会費は1万円。会員特典として、握手会と年に一度のたこ焼きパーティ。材料はファン持ちで」

 

ひとり「会員番号1番になる人が来るのに何年必要なんですかね」

 

リョウさんは最早金銭欲を隠す気がまるでないな。私としては正直者として好感が持てるのだが、万人受けする性格ではないだろうなぁ......。

 

郁代「安い入ります!!」

 

虹夏「喜多ちゃんもメンバーだからね?」

 

お前は一体どっちの味方だぁ!!(シーマ様)

 

なんなんだこのミーティングは...。やる意味あるのだろうか...。

 

郁代「後藤さんは何か案ある?」

 

ひとり「えっ?」

 

喜多さんの質問に私はアホみたいな声を出してしまった。急に言われても弾幕ごっことか、宴会の幹事とか、博麗神社の掃除とか、

 

虹夏「あー、それなら大丈夫。ぼっちちゃんにはオリジナルソングの作詞っていう重要任務があるから!」

 

ひとり「........えっ?」

 

あー、この前のミーティングで言ってましたね。リョウさん作曲で、ひとりが作詞担当だって。確か禁句が多いならひとりが書けばいいとか...。

 

やっべ、逃げ場がないじゃん(白目)

 

郁代「えー!リョウ先輩の曲楽しみです!もう作ってるんですか!?」

 

リョウ「ううん。思いついたらそのうち」

 

郁代「わー、楽しみ!!」

 

虹夏「頼むよリョウ!それと作詞大臣!」

 

郁代「後藤さんすごい仕事任されてカッコいいわね!!」

 

ひとり「!?」

 

や、やめろぉぉぉぉぉぉ!!そんな重度な期待を押し付けるなぁぁぁぁぁ!!ま、まあ?私にかかれば作詞なんて朝飯前、ちょちょいのちょいだけどねぇ〜!!上等だよこの野郎!!今こそ陰キャLv120の私の実力を見せてやらぁ!!

 

 

 

 

そんな風にヤケクソになってた時期が私にもありました...。

 

龍騎「んで一週間経過しても尚、一文字も書けてないと?」

 

ひとり「ハイ...」

 

結局、こうなりました...。いざ書いてみようと思ってもどんな感じの歌詞にするか、どんな内容にするのか、ネタの一つも二つも全く浮かんでこない。過去の私無能すぎる!!誰か!誰かタイムマシン持ってきて!!ドラえも~ん!!

 

龍騎「はぁ...、取り敢えず一言謝罪して期限伸ばして貰えよ。ネタがあっても流石に一週間じゃあ、足りないだろ?それに書いてる途中に新しいネタ思いついては書き直すっていうスパイラルに陥る可能性だってあるし。ソースは作者」

 

メタいですよ。でもなんとなく分かる、かと言って歌うのは喜多さんだからなぁ...。陽キャに合いそうな歌詞にしたいし...。

 

龍騎「......別に他人に合わせなくてもよくね?」

 

ひとり「え?」

 

霧影さんの言葉に裏返った声で返事してしまった。

 

龍騎「結局はひとり自身が作詞する訳だから、お前なりに書いてみればいいじゃん。そんでそのリョウって子にアドバイス貰ってこい。別に吊し上げる訳じゃないんだからさ」

 

ひとり「そうなんですか?」

 

龍騎「ワンミスしたら吊し上げってどんなオワタ式だよ」

 

 

 

 

それから虹夏ちゃん達の呼び出しに恐怖に竦みながらも、どうにか集合場所の駅まで来ていた。其処で虹夏ちゃんと喜多さんが居たので私はすかさず...。

 

ひとり「すみません許してくださいなんでもしますから」

 

土下座した。

 

郁代「後藤さん!?」

 

虹夏「え!?なになにどうした?」

 

私の突然の行動に驚いたのか、喜多さんと虹夏ちゃんは大きな声を上げて、何が有ったのかと尋ねるのであった。

 

ひとり「覚悟は出来ています。調子に乗った癖に全然歌詞書きあげてこない私を呼び出して吊し上げられる準備も出来ています」

 

虹夏「そんな外道なことしないよ!何処から持ってきたのその丸太は!?」

 

ひとり「四次元ポケットからです」

 

虹夏「マジで!?」

 

ひとり「ウソです」

 

虹夏「マジで吊るし上げるぞこの野郎」

 

私を吊るし上げるために呼んだのではないと尋ねるとそんなことはしないと返してくれたので、私は安堵して立ち上がった。

 

ひとり「じゃあ、今日集まったのは?」

 

虹夏「この前思い付かなかったけど、まだあったんだよバンドらしいこと」

 

バンドらしい事?虹夏ちゃんにそう言われた私は頭の上に?を出すと、虹夏ちゃんは写真を撮るハンドサインを作る。

 

虹夏「アー写を撮ろう!今ある結束バンドの写真にはぼっちちゃん映ってないしね」

 

アー写?...あぁ、アーティスト写真の事か。つまり、結束バンドのみんなで宣伝の為に使うアーチストやモデルなどの写真を撮ろうって事か。

 

ひとり「......え?今から?」

 

虹夏「そうそう!4人揃ったし、暇なうちに撮っておこうかなと!」

 

お、おう...。そういう事か....。

 

ひとり「あっ、この前のライブの時はどうしたんですか?」

 

虹夏「あ~、前ライブ出る為に撮ったアー写はあるけど......。ほら、喜多ちゃん居なかったから。」

 

郁代「ご、ごめんなさい!」

 

私が前のライブの時はどうしたのかと聞くと、虹夏ちゃんは私が結束バンドに入る前のアー写を見せてくれた。虹夏ちゃんとリョウさんは一緒に写ってたけど、喜多さんは

修学旅行や卒業式に欠席した人みたいに写っていた。……初めてとはいえ、こんな扱いが酷いアー写は初めて見た。

 

成程、それだったら喜多さんの為にも、ちゃんとしたアー写を撮らないといけないという気持ちになるよね。私は別にそれでもいいけど。

 

虹夏「そんな訳で!今日は天気も良いし、みんなの予定も空いてたからアー写撮っちゃおっかなって」

 

ひとり「外で?」

 

虹夏「スタジオで撮るのはお金無いから無理」

 

えーめんどい。...なんて言ったらガチで吊るし上げられそうなので、大人しくする事にしよう。

 

 

 

 

そこから私達は撮影に使えそうな場所を探しました。階段、植物、公園などなど…どれも虹夏さんのチョイスだそうです。なんともまぁ、幻想郷にピッタリなチョイスですね、勝手になったら消されそうだけど...。考えだけでも恐ろしい.....。

 

虹夏「あとは良さげな壁とか」

 

郁代「あ、ここどうですか!?たくさんポスター貼ってあって下北沢っぽいというか」

 

リョウ「其処、前までよく行ってたCDショップだった」

 

虹夏「レコードショップもライブハウスもどんどん無くなるねぇ」

 

リョウ「昔ながらの店がどんどん消えていく...」

 

郁代「あの、なんだかごめんなさい」

 

これも時代の流れ、宿命と言っても良いですね。

 

でも確かに昔行ってた店がいきなり閉店してるの見ると心にくる。最近、レコード屋も見かけなくなっちゃったしなぁ。

 

虹夏「リョウ、新しい本屋出来て喜んでたじゃん」

 

リョウ「うん、B&C好き」

 

虹夏「喜多ちゃん、リョウに振り回され過ぎないようにね、その場のノリで話してること9割だから」

 

でしょうね(把握済み)

 

郁代「でも、先輩にならいくらでも振り回されたいです!」

 

虹夏「えぇ...(困惑)」

 

ダメだこの(頭が)キタサンブラック...、早く、なんとかしないと...。

 

ひとり「あ、あの、あっちに多分ですけど…良さげな感じの壁が…」

 

虹夏「おぉ!でかしたよ、ぼっちちゃん!」

 

偶然にも見つけた良さげな壁をバックに写真撮影を始めていく。

 

カシャ!

 

虹夏「う〜ん...、メンバーのキャラは出てるけど、いまいちバンド感が...。バンドっぽい要素が欲しいなぁ」

 

リョウ「バンドマンのお手本たる存在こと、私の表情を真似してみて」

 

虹夏「ホントどこから来るの? その自信」

 

郁代「でも先輩の言う通りにすれば間違いなんてないですよ!ね、後藤さん!」

 

ひとり「じゃないんですか?(適当)」

 

虹夏「ぼっちちゃ〜ん、もうちょっとだけやる気だそうよ〜」

 

ごめんなさいね、写真は好きじゃないんですよ。

 

カシャ!!

 

今度は目のハイライトが消えてる...、かっこいい(小並感)

 

虹夏「お通夜だ...」

 

ひとり「そうですか?かっこいいと思いますよ?」

 

虹夏「...ぼっちちゃんって、変わってるね」

 

素直に答えたら変わってるって言われた。解せぬ...。

 

虹夏「にしても、喜多ちゃんはどの写真も可愛く写るね〜」

 

郁代「あぁ、それはよくイソスタに写真上げるからかも」

 

喜多さん見せてくれたスマホには、友達との自撮りやカフェの写真などがアップされていた。

 

そんなスマホの画面から私に理不尽な精神攻撃が襲う!!

 

ひとり「く”あ”っ”!!」ドサッ

 

虹夏「ぼっちちゃんが瀕死状態に!?」

 

せ、青春コンプレックスが...!青春コンプレックスがぁ!!!

 

 

 

 

説明しよう!!

 

非常識スキルを身につけ、陰キャLv120になったぼっちちゃんには、重大な弱点が存在していたのだ!!

それは、青春コンプレックスの耐性が低下してしまった事である!!幻想郷には海も無ければ、青春のせの字も存在しないので、トゥイッターやらイソスタ等のキラキラした写真等を見にすると、心臓発作を起こしてしまうのだ!!

 

郁代「後藤さん、死なないで!!」

 

ひとり「どうやら...、此処までのようだ...。後の事は...、頼む...」ガクッ

 

郁代「後藤さんが変なこと言ってる〜!」

 

虹夏「おーいぼっちちゃーん、戻っておいでー」

 

郁代「SNSはもういいから戻ってきて〜!!」

 

........はっ!私は何処!?此処は誰!?

 

郁代「あ、戻ってきた」

 

虹夏「ぼっちちゃん大丈夫?」

 

ひとり「致命傷です」

 

くっ...、油断した...!まさか喜多さんには三種の神器の一つ、SNSを持っていたとは!!やっぱり喜多さん、ハイパームテキでしょ!?改造TASだ!インチキだ!チートだ!運営に訴えてやる!!

 

ちなみに残りの二つは前回食らった防御貫通攻撃のオーラと、対陰キャ殲滅用兵器のスマイルである。

 

虹夏「じゃあ、アー写撮影再開ね!」

 

それから結束バンド皆んなで、写真を撮る事に。

 

虹夏「う〜ん…なかなか良いの決まらないね〜」

 

郁代「あ、ジャンプとかどうですか?絵になるし、皆の素の感じが出ると思いますよ!」

 

虹夏「それ良いね〜! 喜多ちゃん採用!」

 

リョウ「有識者が言っていた、オープニングでジャンプするアニメは神アニメだと」

 

言いたい事は分かりますが、全部が全部そうとは限らないでしょ。確かに最初の所でジャンプしてるアニメは面白いけど...。

 

リョウ「つまりアー写でジャンプすれば神バンドになるのでは?」

 

ひとり「夢見過ぎです」

 

虹夏「とりあえずやってみよー!」

 

 

そしてシャッターを切って、虹夏ちゃんが写真を確認すると、良からぬ物が写っていることに気付く。

 

虹夏「どれどれ〜?」

 

リョウ「あ、ぼっちのパンツ…」

 

虹夏「とんでもないもの撮れちゃったな〜」

 

虹夏ちゃんが撮った写真を確認すると、私がジャンプした時に、スカートがめくれていた。

 

ひとり「無価値な物を映してすみません、消してください」

 

虹夏「もっと可愛い反応を期待してたのに、なんでそんなに気にしてないの!?」

 

ひとり「...知り合いの服を興味本位で試着したら、目の前に当の本人がやってきて、何事もなかったように去っていくのと比べたら市販のパンツ映ったぐらいどうって事はないですよ.......」

 

虹夏「...なんかごめん」

 

その後、何回か撮り直し、ようやく虹夏ちゃんが納得のいくアー写が撮れた。

 

虹夏「うん、バンドらしくなってきた、人気バンドの道にまた一歩近づいたと思うよ!」

 

ひとり「そうですね」

 

郁代「結束バンド、本格始動ですね!」

 

虹夏「よーし! 夏にライブ(未定)とデモCD配布(未定)して冬にファーストアルバムリリース(未定)下北沢発祥のエモエモなロックバンドになるぞ〜!」

 

確定情報が何ひとつ無い...。ってか一つ一つの難易度が高すぎる。

 

虹夏「あはは、まだ曲も出来てないんだけどね、あれリョウは?」

 

郁代「気づいたらもう...」

 

虹夏「ホント、自由なんだから〜、じゃあ今日はありがとね、皆解散〜!」

 

という事で、解散合図が出たので、幻想郷に行こうとしたら、リョウさんから連絡が入ってきた。画面を見ると、おしゃれな喫茶店らしき写真に、『此処にきて』との一言。

 

......嫌な感じがする。あ、ついでに歌詞について相談しよう。

 

先の読めない展開に、私は不安になりながらも、リョウさんが居るであろう喫茶店に向かうのであった。

大人組の中で誰が霧影龍騎に惚れやすいか

  • 伊知地星歌
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  • 廣井きくり
  • 岩下志麻
  • 清水イライザ
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