ユウユ「ど、どうします…??」
ミレイ「どうしよう……。信じてもらえないかもしれないけど正直に話すしかないよね……?」
ユウユ「ですね……。
ミ、ミレイさん、置いていかないでくださいね……?」
不安そうにそうつぶやくユウユに、ミレイは優しく言った。
ミレイ「今のユウユは私だもん。
絶対置いていかないから、安心して?」
ユウユ「あ、ありがとうございます……。」
そのまま2人はリビングへと向かう。
ナツコ「あら、おはよう。2人とも。」
ミレイ「お、おはようございます!」
ナツコ「……あら?ユウユ、喋り方どうしたの?」
2人が入れ替わっていることを知らないナツコだが、ユウユ(ミレイ)の喋り方の違和感に直ぐに気づいた。
ミレイ「(しまった……。)」
ユウユ「ミ、ミレイさん、どうします??バレそうですよ!?」
ミレイ「で、でも喋るしかないよ?!」
ミレイは、ユウユのふりをせずに話しをすることに。
ミレイ「あの、ナツコさん!」
ナツコ「ん??」
ミレイ「なんでこうなったか、私たちにも分からないんですけど、私とユウユ、入れ替わっちゃったみたいなんです。」
ナツコ「えぇっ!?!?」
ユウユ「それで……その……。」
ナツコ「大丈夫、喋り方でわかってたから。
それに、普段のミレイちゃんと違う雰囲気が出てたもの。大丈夫。家ではいつもみたいにしてくれてていいからね?」
ミレイ「ありがとうございます、ナツコさん!」
ユウユ「ありがとう、お母さん。」
ナツコ「いいのいいの。
ほら、早く座って?朝ごはんできてるわよ。」
朝食を済ませ、2人は学校へと向かっていく。
その道中、2人は入れ替わった心境を語る。
ミレイ「ずるいなぁ、ユウユは。」
ユウユ「えっ?」
ミレイ「こーんなにきれいな景色、いつも見えてるんだもん。
普段の私は……見えないから…。」
ユウユ「……実は僕も、似たようなこと思ってました。」
ミレイ「え?」
ユウユ「ミレイさんと入れ替わって、ミレイさんの気持ち……少しはわかった気がするんです。
普段見えてる僕は、ミレイさんの気持ちを、あまり理解してあげられなかった。だからこそ、今入れ替わってる僕は、普段ミレイさんが苦しんでいる気持ち…少しわかったんです。」
ミレイ「……やっぱり、ユウユにはバレちゃうんだね。見えなくて、ずっと苦しくて、辛かったって事。」
ユウユ「今なら……分かります。
ごめんなさい、理解してあげられなくて……。」
ミレイ「……ううん。平気だよ。
きっと、明日には私たちは元に戻ってる。だから、今見えるこの景色、忘れないようにしなくちゃ!」
ユウユ「ふふっ。ですね!」
ミレイ「じゃあ、このまま明るく行こ!」
ユウユ「はい!」
2人は手を繋いで学校へと向かい、教室に着くと、何名かクラスメイト達もいた。
クラスメイトA「おはよ、ユウユ、ミレイちゃん!」
ミレイ「おはよ……うございます。」
ユウユ「おはよう!」
クラスメイトB「……あれ?なんか2人とも、雰囲気違くない?」
2人「「ギクッ!!」」
ミレイ「そ、そんなことない……ですよね、ミレイさん!」
ユウユ「う、うん!そんなことないと思うよ?」
2人が入れ替わってることを知られないために、2人は互いのふりを演じていた。
ミレイ「(ユウユの喋り方、これで大丈夫だよね?)」
ユウユ「(ミレイさん、僕になりきってる。僕、ミレイさんになりきれてるかな…。)」
クラスメイトC「うーん…なんとなーく、2人とも距離が遠いような……。」
ミレイ「そんなことないですってば!
ね、ミレイさん!」
ユウユ「そ、そうだよ!みんな何言ってるの?!」
なんだかんだこの2人、想像以上に互いになりきれている。
クラスメイトB「……気の所為か…。」
ミレイ「バレなくてよかったね。」
ユウユ「で、ですね……。」
それから、何事もなく時が経ち、昼休み。
ミレイ「ユ…じゃなかった。ミレイさん、屋上行きましょう!」
ユウユ「う、うん。」
クラスメイトB「やっぱり、今日のユウユ、なーんか普段のミレイちゃんみたいな雰囲気してんだよなぁ…。」
そんなクラスメイトの呟きを横目に、2人は屋上へと向かう。
ミレイ「ねぇ、ユウユ。」
ユウユ「……なんですか?ミレイさん。」
ミレイ「私、ここから見える景色好き。」
ユウユ「初めて見た…からですか?」
ミレイ「それもあるけど、ユウユが普段見てる景色だから。
いつも私に、ここの景色がー、って言ってくれてるでしょ?今こうして見れて、私嬉しいんだ。」
ユウユ「ふふっ、そう言って貰えて、僕は嬉しいです。」
ミレイ「ねね、こっち向いて?」
不意にミレイは、ユウユに自分の方を向いて、と言い、ユウユはミレイのいるであろう方向を見る。
ユウユ「えっ…はい…。」
ミレイ「口開けて?
はい、あーん!」
ユウユ「はむっ。」
屋上にいる、2人だけの甘い雰囲気。
お昼を食べ終え、昼休み終了までの時間を、2人だけで過ごしていた。
そこに、たまたま通りかかったライカが声をかける。
ライカ「2人とも、ここにいたのか。」
ユウユ「あっ、ライカさん!」
ライカ「……?話し方どうした。」
ミレイ「あー、その……なんて言うか…。」
ユウユ「僕たち入れ替わっちゃったんです!!」
ユウユのカミングアウトを聞き、思わず疑うライカ。
ライカ「そんな非合理的なこと、起こるはずないだろう?」
ミレイ「それが、現実に起きちゃってるの!!
今ユウユと入れ替わっちゃってるんだから!」
ライカ「……その言葉に、嘘はなさそうだな。
つまり、今の近導ユウユは、御薬袋ミレイ…ということだな?」
ミレイ「うん。」
ライカ「……なるほど。
くれぐれも、他にバラしたりするなよ。困るのは君たちの方だろう?」
ユウユ「もちろん、今日1日バレないようにしようと思ってます。」
ライカ「そうか。」
そのままライカは校舎へと降りていく。
ユウユ「その場の勢いでバラしちゃったけど…大丈夫ですかね?」
ミレイ「いいよ。あの人なら、絶対にバラさないって思ってるし。」
昼休み終了のチャイムが鳴り、2人は教室へと戻っていく。
残りの授業を終え、2人は一時帰宅。そのまま着替えて、ワンダヒルへと向かっていく。
ミレイ「……どうする?私たちが入れ替わってること…。」
ユウユ「気づかれたら言うって感じにしましょうか…。」
メグミ「あ、2人とも来た!」
トマリ「やっほー!」
ザクサ「やぁ、2人とも。元気そうだね。」
ウララ「あっ!ユウユさん!それにミレイさんも!」
ミレイ「お待たせしてすみません!」
ユウユ「じゃあ、どうする?ユウユ。」
2人の会話を見て、メグミ、トマリ、ザクサの3人は2人の異変に気づく。
メグミ「……あれ?距離感ちょっと遠い?」
トマリ「確かに、いつもならミレイちゃんがユウユ引っ張ってメリーゴーランドの方行くのに…。」
ザクサ「そうだね。
2人とも、なにかあったのかい?」
ウララ「えっと……??」
ミレイ「……すぐバレちゃった……ね。」
ユウユ「そう…ですね。」
2人は、入れ替わったことのカミングアウトをした。
かれこれ3度目である。
ザクサ「なるほど、それで少し違和感があったのか。」
トマリ「なーるほどねー?
……てか、ユウユもミレイちゃんも、もしかして…?」
ウララ「えっ、トマリさん?」
トマリ「新たな1歩、踏み込んだ?」
2人「「……!?!?」」
ザクサ「トマリ、これ以上はストップ。」
トマリ「えー!気になるじゃーん!!」
2人「「...///」」
メグミ「お互い、デッキはあるんでしょ?」
ミレイ「あるよ?」
メグミ「じゃあさ、ミレイちゃん、ユウユのデッキ使って、私と勝負してくれる?」
ミレイ「うん!
絶対負けない……!!」
メグミ「ユウユのデッキを使ったミレイちゃんとのファイト、やってみたいと思ってたんだ。だから、私だって負けない!!」
2人がファイトする中、ザクサとユウユは話をしていた。
ザクサ「ミレイちゃんと入れ替わって、ユウユはどう思ってるんだい?」
ユウユ「入れ替わってみて、僕はミレイさんの気持ちを、あまり理解出来ていないんじゃなかったんだって…思ったんです。
ミレイさんは、目が見えないことに対して、昔は色々なことを言われたりしていたのは、ハルカさんから聞いていました。
……お付き合いして、僕はミレイさんに寄り添う事しかできていなかった。ミレイさんが目が見えなくてどんなに辛いか、どんなに苦しかったか…それを、理解してあげられなかった。」
ザクサ「それで…ミレイちゃんの気持ちは、わかったのかい?」
ユウユ「もちろん、全部わかるなんて思ってません。
これからもミレイさんは、僕やザクサさん達が見ている景色を、聞くことしか出来ない。僕は、これから先もずっと、ミレイさんに寄り添って、ミレイさんを支えてあげたいって……より強く思えました。」
ザクサ「ユウユは、変わらず優しいね。」
ユウユ「ミレイさんにもよく言われます。
……僕はミレイさんじゃないからこそ、僕は僕なりに、ミレイさんを支えてあげたいです。これからも辛い思いはきっとすると思うんですけど、それよりも僕がミレイさんを、幸せにします。」
ザクサ「うん。いい心がけだ。
俺もトマリを幸せにできるようにしないとね。」
ファイトが終わったミレイとメグミが戻ってきていた。
ミレイ「ユウユ?何話してたの?」
ザクサ「ユウユが、ミレイちゃんを幸せにしなきゃって意気込んでたよ。」
ユウユ「ちょっ、ザクサさん!」
ミレイ「ありがと、ユウユ。」
メグミ「時間、平気?」
ユウユ「……あ!早く帰んなきゃ!」
ミレイ「じゃあ、また来るね!」
ウララ「またー!」
ワンダヒルを出て、家へと戻る2人。
ユウユ「ただいまー。」
ナツコ「おかえり。ご飯出来てるわよ?」
ミレイ「ありがとうございます!
ユウユ、行こ!」
ユウユ「はい!」
晩御飯を済ませ、ミレイはアキコ達に呼ばれた。
ミレイ「なんで、私呼ばれたんですか?」
アキコ「ふふっ、今、ユウユの身体にはミレイちゃんがいるんでしょ?
だから、ユウユに女装させた衣装見つけたから、着せてあげようと思ってね?ミレイちゃん、前に見たいって言ってたじゃない?」
ミレイ「えっ、いいんですか!?」
ユキコ「いいのいいの!準備はいい?」
ミレイ「はい!」
それから、2人はユウユ(ミレイ)を女装させて盛り上がっていた。
ユキコ「どうだった?ミレイちゃん!」
ミレイ「楽しかったです!ありがとうございました!」
アキコ「やっぱりミレイちゃん可愛い!
って言っても、今はユウユの身体だけどね?」
ミレイ「私、ユウユの女装姿も、顔も見るの初めてだったから…新鮮でした。」
ユキコ「楽しんで貰えたなら、嬉しいわ。」
笑顔でそう言うユキコ。
そんな時、ユウユがミレイを呼びに来る。
ユウユ「ミレイさん、お風呂空きましたよ?」
ミレイ「ありがと、ユウユ。すぐ行くね!」
風呂を済ませ、ミレイはユウユの部屋へと向かう。
そして布団に入り、背中を向けているユウユに背後から抱きしめる。
ミレイ「ねぇ、ユウユ?」
ユウユ「なんですか?ミレイさん。」
ミレイ「今日、入れ替わっててね?ユウユって、こんなにいい顔してたんだ…って、思ったんだ。」
ユウユ「えっ……?」
ミレイ「私、今までユウユの顔を見れずにいたから…。
今日、初めてユウユの顔見れて、ユウユの見た景色を見れてよかった。」
ユウユ「僕は……ミレイさんの苦労をわかりました。
全部わかったって、思ってません。けれど、少しだけ、ミレイさんの苦しみを、わかってあげられたと思うんです。
僕は、これからもミレイさんを支えたい。今まで辛い思いをしてきたと思います。でも、それを超えるくらい、僕がミレイさんを幸せにします。」
ミレイ「約束……だよ?
絶対、幸せにしてね?///」
ユウユ「はい!」
2人は向かい合って、互いの手を握る。
ミレイは頬を赤らめ、ユウユを見る。
ミレイ「チュー、するね?」
ユウユ「いいですよ。」
2人の唇が重なり、ミレイはユウユを抱きしめる。
ミレイ「ねね、昨日の夜の事…覚えてるよね?」
ユウユ「えっ、はい…。僕たち…一線超えましたよね…。」
ミレイ「あれ、その……またやってくれる…?」
ユウユ「ミレイさんが、大丈夫なら…。」
ミレイ「優しくしてくれて、ありがとう。
大好きだよ?」
ユウユ「はい、僕も大好きです。」
ミレイ「おやすみなさい……。ユウユ……。」
ユウユ「おやすみなさい、ミレイさん。」
2人は眠りについた。
トリクスタのイタズラが巻き起こした入れ替わり騒動。だが、お互い、より一層、絆が深まった1日であった。