捏造満載でお送りします。こうあって欲しかったなっていう妄想まで入ってるので嫌な方はそっと閉じていただくようお願いします。
あと最終話とユニットストーリー『時の運命者 リィエル=アモルタ』I、II、IIIのネタバレ注意。(アキナオ前提です。)
明けし導きの光
運命大戦。
それは、運命者カードに選ばれた者同士が戦い、勝ち残った1人だけが運命を変える力を手にする。
その戦いで勝ち残った最後の2人。お兄ちゃんと呼続スオウ。
そこで勝った呼続スオウは、何も望まなかった。それを願いと定めたブラグドマイヤーは、呼続スオウを中心に周囲数百メートルが虚無になった。
お兄ちゃんは、ブラグドマイヤーの虚無に巻き込まれて死んだ。
あの日の会話は、鮮明に覚えてる。
『お兄ちゃん、出掛けるの?』
『帰り遅くなるから、冷蔵庫のシチュー食べてくれ。』
『バイト?』
そう聞いた私に、お兄ちゃんは手を私の頭に当てて、『行ってきます』とだけ言って家を出て行った。
そんなお兄ちゃんに、私は、『行ってらっしゃい』と返すことしか出来なかった。
結局、お兄ちゃんは帰ってこなかった。次の日も、その次の日も……。
当たり前だよ。お兄ちゃんが死んだなんて知らなかったから。
死ぬなんて知っていたら、お兄ちゃんが向かうのを全力で止めてたのに。
止めていれば、お兄ちゃんは死なずに済んだのに。
……後悔したって、もう遅かった。
死んだなんて知らなかったあの時の私は、お父さんに頼んでお兄ちゃんを探してもらった。でも、お父さんもお兄ちゃんを見つけられなかった。
家のピンポンが鳴り、お兄ちゃんが帰ってきたと思った私は玄関に飛び出した。
でも、そこにいたのはお兄ちゃんのクラスメイトの竹松さんだった。竹松さんに言われてニュースを見た私は、走って向かった。
その現場を見て絶望した。
私は取り残されたんだと。
お兄ちゃんが居なくなってから、私の世界は真っ暗になった。
世界の全部が色褪せて、何を食べても味がしなくて、家に帰るだけで吐き気がした。身体の弱い私は、苦しさに耐えながら必死にお兄ちゃんを探し続けた。それでも、お兄ちゃんは見つからなかった。
大好きなお兄ちゃんがいない世界に意味なんてない。そう思って死のうとしたことさえあった。
……だけど、そんなことできなかった。
お兄ちゃんとの思い出も、記憶も、全部大好きだったから。
でも、突然私の運命が変わった。
お兄ちゃんが居なくなってから3年の月日が経ったある日、病院にいた私の前に1枚の羽が現れ、落ちていった方向を見た時、お兄ちゃんを見つけた。その瞬間私は走った。
やっと見つけた。今までどこ行ってたのって、言いたかった。けど、そこにお兄ちゃんはいなかった。でも、その代わりに1枚の羽が落ちていた。
その羽を手に家まで歩いていった私は、その羽を写真の前に置いて泣いた。
いつになったら帰ってくるの、ずっと待ってるんだよって。あんなことになるなら行かせなかったのにって。そう叫んで泣いた。
戻りたい……お兄ちゃんがいた時間に戻りたい。
そう言った私は突然光に包まれ、目を開けたらそこに、1人の天使のような女性が現れた。
『時の運命者 リィエル=アモルタ』。
その手を取った私は、現実世界に意識を戻され、そのカードを手にはカードがあった。
その直後、カバのぬいぐるみも現れた。
私は運命者カードに選ばれたのだと。
運命を変える戦いに、私は参加する権利を得た。
最後まで勝ち残ったら、カードの力で願いが叶うと。
現実を受け止められなかった私は、ぬいぐるみが喋ってること、カードの力で願いが叶うなんて受け止められるわけなかった。
そんなことを言っていたら、そのぬいぐるみがお兄ちゃんの名前を口にした。妹である私の運命を変えるために運命大戦に参加した、と。
思わず私はそのぬいぐるみを掴んで問いただした。
お兄ちゃんが死んだ事も、お兄ちゃんが運命大戦に出た経緯も全部知っていた。
それを聞いた私は、怒りに任せて思わずそのぬいぐるみを壁に投げつけた。
お前のせいで、お兄ちゃんは死んだんだと。
お兄ちゃんは運命を変えることが出来なかった。だけど、私なら変えられるかもしれない。
どうしても変えたい運命があるか。
そうぬいぐるみに言われた私は迷わず答えた。
「変えたい……じゃない!!変えてみせる!!絶対に!!」
その心にカードは……リィエルは応えてくれた。
リィエルが目の前に現れた夜、夢にリィエルが現れた。
その夢の中で、私はリィエルと話をした。
リィエルはかつての戦いで命を落とし、未来で蘇ったリィエルは恋人だったレザエルを救うために過去に飛んだんだと。
リィエルの話を聞いた後に、私も同じように話した。
それから私は、運命大戦に勝つために、文字通り血のにじむような努力を積み重ねた。
血反吐を吐いても、苦しくても、お兄ちゃんに先立たれた苦しみなんかよりは遥かにマシだと、そう自分に言い聞かせて、ひたすら練習した。
運命を変える戦いに勝ち残って、お兄ちゃんを救うために。
運命大戦で勝ち上がった私は、お兄ちゃんの運命を変えるために3年前に飛んだ。
その時に見えたお兄ちゃんの姿を見て、私は泣きそうになった。今すぐお兄ちゃんの元へ行って泣きたくなった。
……そんな気持ちを抑えて、私は仮面を着け、ぼそっと喋ってみた。
私の声は、あのカバのぬいぐるみと同じ声になっていた。すごくこの仮面を壊したくなったけど、そしたら戻ってきた意味がない。
それから、お兄ちゃんに接触したけど説得は出来なくて、私はお兄ちゃんを脱落させるためにタイゾウさんに会いに行くことにした。
素性のわからないやつと取引はできない、そうタイゾウさんに言われて、私は仕方なく仮面を取った。
そして、今の時代の私に会って欲しいと、そう頼んだ。
タイゾウさんは本来、運命大戦に参加しなかった。
だけど、私が介入したことで未来が変わった。その結果、タイゾウさんはみーたんに勝ち、いよいよお兄ちゃんとの戦いになった。
でも、お兄ちゃんはタイゾウさんに勝ってしまった。
呼続スオウも、勝ってしまった。
……未来は変わらないかもしれない。
そう焦りを覚えた私は、お兄ちゃんに正体を明かし、この後起こる事を包み隠さず言った。
でも、それを聞いても尚、お兄ちゃんの決意は揺るがなかった。
だから私は、お兄ちゃんにファイトを挑んだ。勝って、お兄ちゃんには運命大戦から降りてもらう。
……絶対に死なせない。
死力を尽くして戦う事にした。お兄ちゃんを絶対に倒すために。お兄ちゃんのデッキは、今までの運命大戦で見てきた。どんな構成かも、レザエルのスキルも、何もかも。
お兄ちゃんを倒すための、そのためのデッキ。そのための時の力。
一緒に、私たちの願いを……大切な人を救おう、リィエル。
私は、2度の奇跡によって苦戦を強いられていた。
……嫌だ。お兄ちゃんに死んでなんか欲しくない。大好きなお兄ちゃんを救うために来たのに、未来が変わらないんじゃ……意味が無いよ…。
だけど、1度でダメなら、2度壊す!!何度だって、私が奇跡を壊してみせる!!
でも、私はお兄ちゃんには勝てなかった。
初めてだな……お兄ちゃんと、こうやってお互いの気持ちをぶつけあったの。
大好きなお兄ちゃんに死んで欲しくなくて、それで未来を変えるために運命大戦に勝って、お兄ちゃんのいるこの時代に来たのに!!私が負けたんじゃ……ダメじゃんか……。
お兄ちゃんと戦った後、タイゾウさんのお家にお邪魔させてもらった私はずっと泣いた。
大好きで、大好きでたまらないお兄ちゃんに、あんなきつく当たりたくなかった。
……死ぬならお兄ちゃんと一緒がいいな。そんな考えをする私と、お兄ちゃんなら…未来を変えられるかもしれないと、信じて疑わない私。
泣き続けたらお腹空いたな…。
久しぶりかもしれない…お腹空いたって思ったの。
私は買ったおにぎりを一口食べた。
……相変わらず味を感じない。でも、2個くらい食べた。
餓死なんてしちゃったら、それこそ来た意味ないし。
いよいよ、お兄ちゃんと呼続スオウの決戦。
言われていた未来の通りになってしまった。ブラグドマイヤーのディヴァインスキルを喰らったお兄ちゃん。でも、お兄ちゃんは1枚のカードを出した。
お兄ちゃんに渡したリィエルが、レザエルと……お兄ちゃんを守ってくれた。
まだ油断はできない。だって未来が変わったって言いきれないから。
お兄ちゃんとのファイトで感情を取り戻した呼続スオウ。
お兄ちゃんが言ってた言葉がほんとになるなんて。そしてそのまま、お兄ちゃんが勝った。
……運命が変わった…!!私は、思わずお兄ちゃんに抱きついた。お兄ちゃんが生きてる。それだけで私は嬉しかった。
ありがとう、そして、信じきれなくて、ごめん。
お兄ちゃんの願いは、私の身体を治すこと。
……未来の私は含まれてなんかない。当たり前だよ。私は本来この時間軸に存在するはずのない人間だもん。
今の私が元気になって、みーたんやお兄ちゃんと遊んでる姿を見た。
私が叶えたかった未来。未来から来た私に、居場所はない。
未来から来る時に言われた。私が時間の強制力で消えること。
別に、未来に戻ったところできっと、お兄ちゃんは居ない。なら消えた方がマシ…だけど…。
「会いたいけど会いたくなかった。別れが辛くなるから。
嘘ついちゃってごめんね。会えて嬉しかったよ。お兄ちゃん。」
大好きだよ。
私は、3年前の時間から消えた。
ふと、目を開けるとそこには…リィエルがいた。
「起きて。
「なんで……?私、消えたはずじゃ…。」
「そう。ここはあなたと私が初めて出逢った場所。
私は、貴方に消えて欲しくないわ。だってあなたは、お兄さんと一緒に居たかったんでしょう?」
「一緒に居たいよ…。居たいけど……。
そんなこと言ったって、時間の強制力には逆らえないよ……。」
「……忘れたの?私は時の運命者。
私には、まだデザインフォースが残ってる。
だから、一緒に、この時代に過ごしましょう?」
「うん。
……大好きなお兄ちゃんと、これからも居たい…けど…。」
「けど?」
「あそこに行っても、私の居場所はきっとない…。
だって、私自身が居るから。」
「それでも、あなたのお兄さんなら…きっと、居場所を作ってくれる。
あなたが信じなくて、誰が信じるの?」
「そう……だよね。
お願い、リィエル。もう一度私の願いを叶えて!!」
「……わかった。
そのつぶやきと一緒に、光に包まれた私。
「……ヒカリ、ヒカリ!!」
「んっ……?あれ…?」
目を開けると、見慣れた景色が広がっていた。
……間違いない、私の家だ…。
「大丈夫か?ヒカリ。」
「お兄……ちゃん?なんで…。」
「なんでって、家だから居るに決まってるだろ?」
私はお兄ちゃんに抱きついた。
また会えた…!!お兄ちゃんと…また…!!
「なんだよヒカリ、随分と甘えん坊になったなっ。」
「3年もお兄ちゃんに会えなかったんだもん。そりゃそうなるよ。」
「……ごめん。」
「ううん。お兄ちゃんが謝ることない。
……って言いたいけど、やっぱ許さない。」
「……そう、だよな。」
「でも、お兄ちゃんと一緒に居れるなら、私はそれでいい。
本当はね、歴史の強制力で私は消えるはずだったの。だけど、リィエルに願って、この時代に居れるようにしてもらった。」
「あははっ。運命者って、なんでもありなのかな。」
「かもしれないね。(リィエル、また私と…恋人のレザエルと一緒に居れるね。)」
すると、扉の奥から声が聞こえた。
「アキナ、入るぞ。」
呼続スオウの声を聞いて、私は少しもやっとした。
正直言って、まだ私はあの人が嫌い。私からお兄ちゃんを奪った元凶だもん。
「大丈夫か?」
そんなこと考えていたら、いつの間にか呼続スオウに話しかけられていた。
「呼続スオウ…。」
「??なんだ??」
「私は、まだあなたのこと許してないから。」
「おいヒカリ、そういう態度取るなって。確かに、お前にとっては許せないかもしれないけど──」
「許されると思ってない。
けど、いつか許して貰えるようにする。」
そう言って、私に頭を下げてきた。
……私も、嫌わないように努力する。
「ん。それでいいなら、別にいい。」
私はがら空きのお兄ちゃんの身体に抱きついた。
「それはそうと、3年も会ってないからしばらく抱きしめさせて。」
「いいよ。」
「アキナ、ファイトだ。ファイト。今からだ。」
「ちょ、待てってスオウ。今無理だって……。」
「お兄ちゃん何してるの?」
抱きしめてたら、運悪く今の時代の私に出会っちゃった。
「(しまった、今の時代の私に会っちゃった……。どうしよう…。)」
「お兄ちゃんにはナオさんがいながら!他の女の人と浮気してるの!?」
「いや、俺はナオ先輩一筋なんだけど…。
てか俺を抱いてんのはヒカリなんだけどな…。」
「え、何言ってるのお兄ちゃん?今私抱きしめてないけど──って、えぇ!?私のドッペルゲンガーがいる!!」
「あ、バレた。」
「いいよ、お兄ちゃん。」
咳払いをし、今の時代の私に話しかけた。
「初めまして……ってのもおかしいよね。
私は明導ヒカリ。3年後の未来から来たんだよ。」
「え、ほんとに私?なんで?え?」
「説明すると長くなるんだけど…えっと、私自身を救うために、未来から来たの。」
間違ったことは言ってない。うん。
だってお兄ちゃんを救う=私自身が救われるってこと。だから間違ってない。
「私を助けに?私自身が?」
「まぁ、細かい話は置いといて…ヒカリ──
って、どっちもヒカリだ。えっと、未来の方の。」
「何、お兄ちゃん。」
「一旦離してくれない?……苦しいんだけど。」
「やだ。お兄ちゃんを堪能してる。」
「言い方……。」
今の時代の私もお兄ちゃんを抱きしめてきた。
「じゃあ私もお兄ちゃんを堪能する!」
「ちょ、ヒカリまで…。──ってどっちもヒカリなんだけどな…。」
「「ア・キ・君?(先・輩?)」」
ふと声の方を見ると、お盆を持ったナオさんとみーたんが居た。
なんか、どうやら怒ってるみたい。
「ちょ、ナオ先輩、西塔さん、ちょっと助けて……。」
「なーにやってるのかな?アキ君。」
「アキナ先輩、有罪です。」
そう言ってナオさんとみーたんはお兄ちゃんの手を掴んだ。
「ちょ、なんで!?」
「アキナ、ファイトだ。ファイト。」
「スオウ、今無理だって!」
「アキ君には私というものがいながら!年上の妹に抱かれていい気分になっちゃって!!」
「ナオ先輩!?」
「先輩にはナオさんが居ますし、それに、私だって先輩のこと好きなんですからね!!
モヤモヤするので許しません。」
「西塔さんまで!?」
「もー!いくら未来の私って言っても、お兄ちゃんは私のお兄ちゃんだから!
3年後の私って事はもうお姉さんでしょ?!私に譲って〜!!」
「私は3年もお兄ちゃんに会えなかったんだから!!
私にも、ナオさんにもみーたんにも渡せない!!」
「なーんでー!!私のお兄ちゃんなのー!!」
「私のお兄ちゃんということは私のお兄ちゃんですー!!」
「ファイトだ、ファイト。早く。」
言い争いしてたら、タイゾウさんが居合わせた。
気まずそうだなぁ。
「アキナくーん。どうしたんだー?
──って、どういう状況?」
「あ、えっと、タイゾウさん、助けてください…。」
「えっと…まぁ、頑張れ。」
「え、ちょっと!!タイゾウさん!見捨てないでくださーい!!」
「アキ君!!一旦こっち向いて!」
「ちょ、ナオ先輩!?」
そう言ってナオさん、お兄ちゃんの口にキスし始めた。
ずるいずるいずるいー!!!!
「ナオさんずるいです!
私だって!」
「ダーメ!アキ君の唇は私の特権だから!」
「いくらナオさんでも妹として許せませんー!!」
「そうだー!!妹2人に許可取ってくださーい!」
「少しくらい私たちにも譲ってくださいよ!!」
「大変だなぁ…アキナ君も。」
「ファイトしたい。相手してくれ。」
「ちょっと、スオウ助けろよ!!」
「じゃあファイトだ!」
「んな無茶な!!」
「あっはは…。モテる男は大変だな、アキナ君。」
「浮気はダメだよ?アキ君。」
「しませんって!」
「ほら、みんな1回離れてあげなよ?アキナ君が困ってるんから。」
そう言って私たちをお兄ちゃんから引き剥がすタイゾウさん。
でも私は頑なに動かないようにずっと抱きしめていた。
「こらっ、ヒカリちゃんっ。」
「やだ。お兄ちゃんと離れたくない。」
「わかったから1回離れなって。」
「うぅ…。」
お兄ちゃんから引き剥がされた私は、その場に座り込んだ。
「みんな1回落ち着くこと。いい?」
タイゾウさんに諭された。
私はずっと冷静。お兄ちゃんに会えなかった分の思いがただ爆発しただけ。
「はい、落ち着きました。」
私は一言そう伝えた上で、またお兄ちゃんに抱きついた。
「ちょっ、ヒカリ!?」
「やっぱお兄ちゃんに甘えたい。」
「まぁ、今回ばっかりはヒカリちゃんに譲ってあげよう。」
「ヒカリちゃん、嬉しそう。」
「アキナ、その状態でいいからファイトしろ。」
「わかった、わかったから!
ヒカリ、背中に抱きついていいから1回離れてくれ?」
「……わかった。」
これが私の過ごしたかった未来。
少しずつだけど、私の空虚な3年間を、取り戻せたら…。いいな。
ありがとう、リィエル。
書きたいこと多すぎて詰め込んだら終わりが見えなくなりかけた。(制作期間約3日)
実はユウミレで触れられてない裏の話作ろうかなと思っているんですが需要があるなら作ろうかなと思っております。
ぜひTwitterやら感想に見たいですって言ってくれれば考えますね。