「眠くなっちゃった……」
「子供達をお願い出来るかな。出来れば、未来情報は二人きりで伝えたい」
「良いぜー」
「私は側にいるよ……」
「眠いだろ、傑。大丈夫だから」
そうして僕達は転移で呪専に向かった。
「悟、部外者を学校に入れるのは……傑との子か!?」
「ぶっ飛ばしますよ。ちょっと僕は僕似のこの子と話があるんで、部屋借ります」
僕は部屋に入るなり、一番大切な事を言った。
「傑の体、盗まれて使われてる。脳みそを入れ替えて記憶や体、術式を奪うタイプの呪詛師がいる」
「は?」
「傑の所に飛べばわかるけど」
僕は消えた。嘘だろ!?
僕は途方にくれてしまった。
「起きな」
「ひゃっ」
部屋で待っていてうとうとしていると、急に声を掛けられて僕はハッとする。
「ひゃっ」
五条先生は頭の切り取られた傑を抱き上げていて、とても苛立っていたし、その気持ちはとてもよくわかる。
「未来情報だっけ。信じるよ。話してもらう」
そうして、僕は上層部のところへと連れて行かれた。
そこで僕は、未来の事を話した。
眠気も強かったけど、頑張って話した。
傑の死体に触れようとしたけど、それは五条先生が許さなかった。
「悟。気持ちはわかるが、そこまでだ。まだ子供なんだぞ。未来については改めてゆっくり聞けばいい」
「しかし、彼は僕の生まれ変わりです。これくらい」
「悟」
「さ、悟を虐めてるの?」
そこで、声がして僕は慌てた。
「傑、来ちゃ駄目!」
「傑」
「ひっ そこにあるの。死体? なんで私にそっくりなの」
「傑。あっちに行こう。大丈夫だから」
流石に傑には優しく接するらしい。僕は少し安心した。傑は安心できなかったようだけど。
「触らないで! 悟に何するつもり!!」
「傑。僕は大丈夫。杖をしまって」
「傑君。こっちへ」
「ナメクジくらえ!」
夜蛾先生に傑の呪いが当たり、辺りは騒然とした。
夜蛾先生がナメクジを吐き出す。
「傑!! 落ち着いて」
僕は傑をギュッと抱きしめる。
「さっきのは? 聞いてないけど」
「何もかも話す前に動いちゃったんじゃないか。僕らは魔法使いだよ。魔法使いに転生したんだ。大丈夫。3日もすれば、呪いは解けるから」
「3日か……ウプっ とにかく、子供達は休ませるぞ、悟」
「……っ 仕方ないね」
子供達の所に戻された傑は、泣き出した。
「傑! どうしたの傑!」
「大人の私の死体があった……私殺されちゃうんだ……悟もいじめられてた」
「マグルのくせに悟様に何を!」
稔は杖を取り出した。
「僕は大丈夫だって! ちょっとは休ませてよ、疲れてるんだから!」
「だって、お家に帰れないかもしれないのよ!?」
子供達は次々と杖を取り出した。
「落ち着いてってば!」
パンっと悠仁が手を叩き、そしてしゃがんだ。
「大丈夫! 五条先生はいい人だし、絶対俺が守るから」
「そうだ。あの人なら悪いようにしない。安心しろ」
「あんた達を虐めるって言うなら、私たちも戦うし」
「明日、ちゃんと話すから。僕、もう眠くて……」
「ほら、寝る前にお話してやるから、集まれー」
悠仁がポンポンと敷かれた布団を叩く。
顔を見合わせた子供達。
僕はさっさと悠仁の膝枕で眠った。
起きた僕を、早々に五条先生が連れて行こうとしたけれど、僕はそれをとめた。
「子供達が動揺してるし、僕から子供達への説明の後にしてよ。お腹も空いたし」
そうして、僕は改めて説明をした。
「僕、この人が生まれ変わった姿なんだ」
「だからそっくりで名前も同じなの?」
「多分? わかんない」
「わ、私のそっくりの人は、なんで頭がなかったの?」
「悪い人が、傑の脳みそを取って自分の脳みそを入れたんだよ。呪力を使う人には、そういうことができる人もいる。それで、僕はそれを五条先生に伝えたんだよ。悪い人には、閉じ込められたり、後輩を殺されたり、もう散々な事をされてたしね。それで、五条先生は友達の体を勝手に使ってた人がいた事にすごーく怒ってたんだよ」
「すごーく怒ってた。怖かった」
「ちょっと待って。後輩って七海? 伊地知?」
「それは後でちゃんと話すよ。とにかく傑。君は僕が守るから、心配しないで。皆もね。ただ、しばらくは悪い人達の対処で忙しいから……一年生達と僕以外の人についていっちゃ駄目だよ。出来る?」
「それって悟がしないといけない事なの? マグルのことじゃない!」
「悟様の脳みそがくり抜かれては大変です!」
「僕にとっては過去のこと。他人事じゃないんだよ」
「でも、マグルとはいえ、そんな怖い犯罪者……僕らまだ、子供だよ?」
「悟……」
「大丈夫。パパッと終わらせちゃうからさ。そうしたら帰る方法を探そうね。ああ、そうだ。後で夜蛾先生にも謝らないと駄目だよ」
「うん……」
「五条先生。一年生はとりあえず、護衛任務に専念させてくれないかな。この後、一年生達を殺す為の罠任務があるから、しばらくは目の届かない所での任務を避けさせた方がいいね。悠仁の訓練も早めにしてあげたほうがいい」
「わかったよ。じゃあ、部屋に移動して未来情報を話してもらおうか」
「わ、私、君と一緒じゃダメかい? 邪魔しないよ……」
「悟様を1人には出来ません!」
「ここ、そんなに怖い所なの? 僕も悟と一緒にいる」
「まさか女の子を一人にはしないわよね?」
ということで、僕は子供達をまとわり付かせて、一生懸命情報を話すのだった。
一年生達も一緒にいる事になったのだが、津美紀の件で恵が錯乱し、大変だった。
僕の襟首を締め上げる恵、怯えて泣いて果敢に杖で立ち向かう子供達、もうめちゃくちゃだ。五条先生が杖を取り上げてことなきを得たけれど。
早々と五条悟がメロンパンを倒した為に、封印はすでに解けている。
既に津美紀も逃亡したと連絡が来てしまった。
魔法でなんとか出来たらと思うけど、恵には言わないでおく。変な期待は持たせたくない。
なお、傑の体は五条先生の手できちんと火葬することになった。
僕と傑もその場にいて、花を手向ける事とした。エマやオリバー、稔も泣いてくれた。嬉しかった。
全部の情報を話すのに、3日掛かった。