五条悟は帰りたい   作:かりん2022

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頑張れ僕らの悟くん先生

「はぁぁ~!? 未来の五条悟ぅ!? このガキが!? 隠し子じゃなくてか!」

「おかか!」

「どう見ても過去って感じだが」

「未来じゃなくて転生した後の僕ね。か弱い魔法使いだから、優しく扱うように」

「ちっ 夏油傑もいるし」

「傑記憶ないから、前世のことで責めないように」

 

 舌打ちされてビクッとする傑を背後に庇う。

 

「過去の私と仲悪かったの?」

「んー。真希やたくさんの人を虐めたかな」

「私、苛めっ子だったの? ごめんなさい……」

 

 へにょんとする傑に、真希は頭を掻いた。

 

「別に生まれる前の事で責めねーよ。記憶があったら別だけど」

「ほんと?」

「本当」

「じゃあ、仲直りの呪いあいっこしよ「傑は魔法使いと遊んでようか」」

 

 グイグイと傑の背を押す。

 

「いい? 戻せない呪いは掛けない、魔法使いじゃない人に杖を向けない。出来る?」

「「「「出来ない」」」」

「いい子にしてたら蛙チョコあげるよ」

「お菓子!」

「食べたい!」

「おやつー」

「隠してたなんてずるいわ!」

「とにかく、二年生は一年生の組み手ね! わぁっ 駄目だってばエマ!」

 

 そうして子供達に群がられつつ、指示を出す。

 ちょ、写真撮ってる場合じゃないでしょ!

 

 エマが蛙チョコを見つけて開ける。

 

「ちょ、外で開けたら……!」

 

 ゲコっゲコっ

 

「逃げたぁ!」

「僕のだ!」

「ああもう、外で逃がした蛙チョコは食べない! 汚いでしょ」

 

 ああもう、とりあえず気が逸れてはくれたかな。地面に落ちたものを食べたくらいで死なないでしょ。

 

「チョコの蛙?」

「ああうん。僕、魔法使いのお菓子は刺激強すぎてあれしか食べられないんだよね」

「魔法使いってのはマジなのか。魔法使えんの? 見たい」

「一年生だからあんまり使えないけどね。ヴィンガーディアム レヴィオーサ!」

 

 ふわり、と木刀が浮く。

 

「おお〜」

「しゃけ!」

「割と地味だな」

「じゃ、そろそろ組み手を始めようか。僕はあっちを見てるから」

 

 目の前でカエルが解体されて子供達の口に入るのを見守りながら、僕は言った。

 

「未来の先生は組み手してくんねーの?」

「冗談でしょ、呪力ないし子供だし、伊地知にも勝てないよ。忙しいのはわかるけど、自分を過信しすぎだよね、過去の僕は」

「魔法使いは身体強化魔法とかねーの?」

「ゲームの見過ぎ」

「ちぇー」

「悟の分も持ってきたよ!」

「うん、ありがとう。食べていいよ傑」

「食べないの?」

「僕は落ちたものはいいかな……」

 

 さて、時間は掛かったがようやく訓練が始まった。

 

「うーん、動体視力も落ちてるなぁ」

 

 子供達も呪いあいを始めた。

 

「ヴィンガーディアム レヴィオーサ!」

「お腹痛くなれ!」

「豚さんの尻尾生えろ!」

「悟、行くよー。なめくじ食らえ!」

「はいプロテゴ」

 

 僕は傑の呪文を盾の呪文で防ぐ。

 そうして、子供達の具合を見てあげた。

 

 地味に豚の尻尾を戻すのが大変だった。自分で戻せない呪文はダメって言っただろ。

 

「ずるいずるいずるい! プロテゴ教えて!」

「難しいですよ」

「知ってる! それ、5年生で習うのよね!」

「私達にも強いの教えてよ。爆殺呪文とか」

「んー。そう、だね。最低限は教えようか。ただし! 生兵法はケガのもとだし、基本は護衛の言う事を聞いてちゃんと逃げるんだよ?」

「「「「はーい」」」」

「ちょっと危ないから、悠仁実験台になってね」

「オレェ!?」

「大丈夫大丈夫。武器を持って立ってるだけでいいから。あ、ちょっと離れてね」

 

 悠仁に向けて、呪文を唱える。

 

「エクスペリアームズ!!!」

 

 杖から迸る光が悠仁を吹っ飛ばし、その手から武器が飛ぶ。

 

「武装解除呪文だよ。無手には通じないから、気をつけて。悠仁、もう一回協力してもらえるかな。今度は武器を持たずにね」

「びっくりしたぁ。いいぜ」

 

「エクスペリアームズ!!!」

「うぉっ あれ? なんともない」

 

「こんな感じかな。呪文覚えた? もう一回見せようか?」

「「「「エクスペリアームズ!」」」」

 

 四重奏の攻撃に僕が張っていたプロテゴは容易く突破されて、僕は隠してた武器をばら撒きながら吹っ飛ばされた。

 

「大丈夫か、悟!」

「刺さったー! わあああああん!」

「わああ、飛んだ武器が腕に刺さっちゃってる!」

「硝子先生呼んでくるわ!」

「めちゃくちゃ武器隠してるんじゃん、先生。じゃなくて、えっと悟くん?」

「ややこしいな。未来の五条先生、一応正真正銘の子供だし悟くんで呼び分けるか」

 

 そんな声が聞こえてきて、僕の意識はフェードアウトしていった。

 硝子にはめちゃくちゃ笑われた。

 今の僕、子供なんだって。

 

 あんな魔法見せるなら武器を外しとくべきって恵の言葉に、僕は反省した。

 なんていうか、生まれ変わって正直僕、IQ下がっちゃったんだよね。

 それはもう明確に。

 種族の違いとか六眼のアシストの違いとか、色々あるんだろうけど。

 やっぱり凹んでしまうのである。




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マシュマロ
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