「生徒達を守りつつ、自分の死期はずらしたくないんだ! ただでさえ一年ずれてんだし、傑可愛いから、他に取られちゃいそうでさぁ。僕、もう最強じゃないし!」
「先生さぁ……」
肩を落とす俺。そこまでする?
「先生、その日までは大丈夫なんだよね?」
「そうだよ」
「じゃあ、それまで説得頑張る……」
「応じないけどね」
そうして、僕と悠仁は縛りを結んだのだった。
「じゃあ悠仁。これ、守護の籠ったお守りのバッチ。配っておいてね」
「わかった」
「とりあえず、特級呪霊相手でも逃げるだけならなんとかなるはずだから」
「不安だ……」
もちろん、バッチに対しての不安ではない。
五条の事を誤魔化し通せるのかと言う事に対しての不安である。
そしてもちろん、誤魔化されなかった。
「悠仁さあ、このバッチ、なんなわけ?」
「えと、貰ったんだけど、縛りで言えない的な」
「そんなに僕、信じられない?」
五条先生に言われているのである。
「だって、縛っちゃったし。今後援助する代わりに、内緒って」
「ふぅん? 援助って具体的に何?」
「五条先生の大切な人達への守護のお守りの譲渡」
「はぁ? その人、僕の味方な訳? なんで名乗り出ないの?」
「あの人、めちゃくちゃな目標立ててるから……」
「悠仁は知ってるの?」
「聞いたけど言えない。あー。現状よりよくなる事はしても悪くなることはしないと思うよ? 俺はどうかと思うけど、それで助かる部分があるのは事実だし。あとは頑張って五条先生に話すよう説得する」
「ふぅん……? そのお守りが本物って縛れる?」
「あ、それは縛れる。命賭けられるぜ」
「本当にぃ?」
「だって五条先生と同じくらい信じられる人だもん、その人」
「僕と同じくらいねぇ。そんな人がいるなら、名乗り出て欲しいもんだけど」
「俺も頑張って説得する。それと、俺、基礎練習終わったあと、七海さんって人の任務に同行した方がいいって言われた」
「なんで?」
「七海さんが今受ける仕事の、人間をバケモノにする呪霊、俺ならダメージを与えられるだろうって。宿儺と交わる事で、魂の輪郭が掴めているから」
「……そいつ、マジで何もの? まあいいや。七海には連絡をとっておくよ」
そうして、七海と一緒に戦う事になったのだった。
っここでもお守りは大活躍し、順平が助かって呪専に入学する事になるのである。
「で。どういう事なんですか、五条さん」
そうなのだ。悟くんは見てられずに、つい戦いに手出しをしてしまったのだ。
具体的にはアバダで。まあ、真人は逃してしまったのだが。
「何って、そうだね。これから負けて死んで魔法使いに生まれ変わって、新たな生を謳歌してるピッチピチの五条悟くんだよ?」
「……何故、夏油さんには介入しなかったんですか?」
「介入できてたらしたんだけどね。こっちに来たのはごく最近なんだよ」
真面目な顔で、悟くんは言う。
「とにかく、僕は傑との年齢差をこれ以上大きくしたくないんだ。だから、七海達を助けつつ、僕は死ぬように上手い事誘導したい。僕が死ぬタイミングってそんなないし。何せ最強だから」
「ふざけてんですか? あなたが死んだ時点で犠牲がたくさん出るって事ですよ」
「なんとかなるなる」
七海が怒りに身を任せて悟くんをぶん殴ろうとする。
「待ってナナミン! 生まれ変わった先生、無限ないし、虐待されてて食べてないし、力もないから、ナナミンの力で殴ったら死んじゃう!」
「そうだよ、七海。だから優しく取り扱ってね?」
「こ、こいつ……! はぁ。ふざけている場合ではなくて。虐待とは穏やかでないですね。大丈夫なんですか?」
「んー。結構ピンチかな! 傑も気にしててくれるんだけどさ。学校卒業したら行方くらまそうかなーと。傑と」
「はぁ……。はあ……! こっちに来る予定はないんですか? いっその事」
「だからぁ。僕、死んじゃわないと転生できないんだって。それに、アパレシウムかけてからじゃないと呪霊が見えないってのがネックでね。ある程度手助けしたら帰るよ。具体的には8月いっぱい。それ以降は、学校休めないからね」
「ほんとあなたは……」
「ここからは真面目な話だけど。ハロウィンで東京壊滅するんだけど、その戦いで七海も死んでるんだよね。だから、お守りいっぱい作っておくから、必ず付けて、漏瑚相手になったらすぐ徹底する事。いいね?」
「はぁぁぁぁ。なんで死んだんですか、あなた」
「傑の死体、乗っ取られて人質になっててさぁ。それで隙を作られちゃったかな。その間に、漏瑚が悠仁に宿儺の指の一気飲みを強要してね。10本超?」
「えっ オレェ!? まさか東京壊滅させたの俺!?」
「と、傑の術式ね。呪霊1000万体」
「まさか、それを防がないおつもりですか?」
「いや、被害は減らすよ。できうる限りね。ただ、僕の死は動かせないだけで」
「五条さん、あなたは……!」
「僕はさ。公共のために人生全てを捧げてきたつもりだよ」
「っ」
「だからさ。死んだ後ぐらい、ボーナスタイムもらってもいいじゃん」
「そのボーナスタイムが虐待のち駆け落ちですか。救いがないんですが」
「傑といられたら僕はいいかな」
「夏油さんはなんと?」
「もっと年齢離れてたら守れたのにって。でも僕、大人と子供なんて嫌だしね。とはいえ、今すぐ死なれてももう学年一個下になるのは変わらないだろうし」
魔法使いの五条先生の意思は硬そうだ。なんとかならないものかと、悠仁は悩んだ。
その解決方法は、案外あっさり見つかった。
「傑!? なんでここに!?」
「君を探してに決まってるじゃないか、悟」
そういう傑は、呪術師の五条先生に引っ付かれていた。
そう、魔法使いの悟→魔法使いの傑→呪術師の悟伝てで情報が回ってしまったのだ。
「未来の僕、困っているようだけど、解決方法あるよ」
「……何?」
「魔法使いの傑と呪術師の僕が元鞘にもどって、君が生徒になること!」
「はあああああああああああ!?」
「どんなに小さな赤ちゃんになってもいいよ。僕、しっかり面倒見るから。ってことで、死因のメロンパン倒して傑弔ってくるね」
小さな赤ちゃんになった魔法使いの悟を、慌てて七海がキャッチする。
「……なんていうか、すごく……いえ、よしましょう」
そうして、呪術界に平和が訪れたのだった。完。
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