運命
死んだら魔法使いとして転生した。
「異世界って本当にあったのかよ」
魔法使いとして、かなり昔の時代に転生してしまったらしい。
呪霊がいないのか、呪術師ではなくなったから見えないのかはわからなかった。
日本ではあるようだが、どう考えても並行世界の日本だ。それで昔。
そうして、僕はイギリスへと留学する羽目になるらしい。
予言では、僕の運命がそこにあるようなのだ。
あの女の子みたいなピンクのローブを着る羽目にならなくて良かったけれど。
術式がない以上、以前のようには行かないけれど。
僕は、最強である努力は続けるつもりである。
生まれた時から続いていた努力。今更、苦にするわけがなかった。
列車に乗る。隣には、目を輝かせた子供。斎賀 稔は従者である。いらないと言ったのだが、純血も色々大変らしい。稔は悪くない、むしろいい子なのだが、いかんせん、中身大人である。小さな子供を逆に面倒見てしまっても悪くないよね?
一応、マホウトコロの教科書は全て予習済みである。世界が違うとはいえ、大人だったのだ。一年生の授業でつまづけはしない。
後は学校で派閥を作ればいいのだが、それだけは自信がない。
前世でも苦手だったし、周りは子供ばかりだしなぁ。
大人の記憶がある以上、もう一度青春をって感じでもないし。
そこに、声が掛かった。
「やあ。君達、日本人? 私もそうなんだ。一緒に座ってもいい?」
黒髪の少年。その声は、幼かったけれど、僕は間違えなかった。
「私の名前は夏油傑。君は?」
「五条 悟……」
「斎賀 稔です」
「傑。座ってよ。こっちではもう長いのか? 僕、こちらに来たばかりでさ」
「そうなんだ。私は5歳からずっとロンドン暮らしだよ。だから日本語が少し変だったらごめんね」
「大丈夫だよ。それより、ロンドンの事を教えてよ。今度案内をして」
「いいよ」
話を弾ませていると、更にその後、少年がやってきた。
「やれやれ。やっと空いてる席が見つかった。座っても?」
「いいよ」
「ふぅ、それにしても魔法使いなんて、この科学の発達した20世紀に!」
「えっ20世紀なの今!?」
魔法界でしか生活してなかったから、それが一番の衝撃である。
僕はマグルの世界を見に行く事に決めた。
「僕の名前はオリバー・マルス。君達の名前は?」
「五条悟」「夏油傑」「斎賀稔」
「皆、日本人なんだ? 僕は日本のアニメが好きだよ」
「それはどうも。アニメ見ないけどね」
「私も見ないかなぁ」
「アニメとはなんですか?」
「なんだ、つまんない」
そうやって話をしていると、購買のカートがやってきたので、早速お菓子を吟味する。4人ともイギリス魔法界のお菓子が初見だったので、キャアキャア騒ぎながら楽しい時間帯を過ごしたのだった。
「組み分け帽子、君達はどの寮に移動になると思う?」
「うーん。順当にグリフィンドールかな。勇敢さが問われる寮」
「スリザリンは純血主義だから、マグル出の私は無理かなぁ。私もグリフィンドールだと思うよ?」
「僕もマホウトコロの男児。故にグリフィンドールだと思います」
「僕だってグリフィンドールさ!」
「「「「グリフィンドールに乾杯!」」」」
そうして、僕達はジュースで乾杯した。
……まあ、皆、まとめてスリザリンだったんだけどね。