飛行術の訓練である。
「箒で飛ぶとか、危なくない? お尻痛くなりそうだし、ひっくり返りそう」
オリバーは箒を持って顔をしかめた。
エマは慣れた様子で股がる。
「クッション魔法が掛かっているから大丈夫よ。ほら、簡単」
ふわりと宙に浮く。
「日本だと絨毯が多いよ」
「絨毯なら操ったこともあるのですが」
「今度一緒に乗ろうよ」
「僕も乗りたい」
「今は箒の時間よ、ほら、上がって来なさいよへなちょこ男子達!」
ムッとした傑は箒に股がる。
箒は危なげなく浮いた。
「意外と簡単だね」
続くオリバー。
もちろん、僕と稔も続いた。
西宮の事を思い出すな。
僕達は、危なげなく追いかけっこを楽しんだ。
こういうのも学生らしくていいな!
訂正。
ただしクィディッチは除く。
「なんだよ150点て、意味ないだろ」
「君ってクィディッチ苦手なの珍しいよね」
「苦手ではないけど……プレイする気はないかなー」
一年生でありながら、僕達はスリザリンのクィディッチメンバーに誘われた。
生憎だが、僕はパスだ。傑とビーターをやるのも楽しそうだが、流石に大人気ないし、クィディッチには思うところがある。
更に言うなら、僕は自己鍛錬の時間を大事にしていた。
予習に復習。授業内容にない鍛錬。
戦闘力はあって損ではないはずだし、鍛えないと落ち着かない。
呪力による体の強化ができないので、なんていうかすごく不安なのだ。
なので魔法の鍛錬は欠かせない。
僕が辞退するならと稔も辞退し、オリバーと傑が参加する事となった。
楽しそうでそれはそれで胸の中がモヤモヤする。
それから、5人はみるみる頭角を表していった。
自分はそれこそ生まれた時から努力を続けているが、それに食らいついてくる4人にびっくりである。
その必死さは嫌いではない。さすが予言されるだけあるメンバーである。
ハロウィンになる頃には、皆で仲良くお菓子を持ち寄って食べる程度には仲良くなっていた。
さて、ホグワーツではハロウィンでは大広間を飾り付けて皆で夕食を食べるのが慣わしだ。
パーティーで、皮付きポテトをよそっていると、トロールが出た、という叫びとパニックが起こった。
なんとパーティ会場にトロールである。
ここにいるのは、幼気な子供達だ。
当然僕は走った。足が遅いのが焦ったい。姿現しの術は、高度でまだ僕にはできなかった。
傑と稔が、悩んだ様子をわずかに見せて絵馬が走って追いかけてくる。
僕は杖を手に、さけんだ。
「コンフリンゴ!!」
トロールは爆発四散し、今まで以上に絶叫と混乱が起き、エマは卒倒した。
「悟! 悟! 何も殺すなんて!」
「なんか不味かった? いや、でもあのトロールが暴れてたら死人が出てたよ」
いけない。敵イコール殺すが染み付いているから……
僕は校長先生に呼ばれてしまったのだった。