五条悟は帰りたい   作:かりん2022

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ミッション

「トロールを一刻も早く排除しなければ危険だと思ったので」

「それでも、一年生が使っていい呪文ではないのですよ、Mr.五条。貴方が放った魔法で、傷つく子供が出る可能性もあった」

「すみません……」

「トロールについては調べておきます。しばらく謹慎していなさい。スリザリンはその勇気に30点。ただし、無茶な魔法行使で20点減点とします」

 

 僕は大人しく処分を受け入れる。

 わかってる。いつまでも呪術師の思考のままではダメなんだって。

 

「悟。大丈夫だった?」

 

校長先生の部屋から出ると、心配そうに傑と稔が駆け寄ってきた。

 

「ああ、大丈夫だったよ。しばらく謹慎」

「それは大丈夫って言わないんだよ……」

 

 僕はぎゅうっと傑を抱きしめた。

 

「なんだい、悟?」

「いや、僕ら小さいなって思ってさ」

 

どこからどう見ても子供だ。

そりゃそうだ、11歳の子供なんだ。

 

自重しないとダメだな。殺し合いしてた時期じゃないんだから。

 

それ以来、僕は一層遠巻きにされるようになったのだった。

 

 

 

クリスマス休暇が近づいてきた。

 

「悟は留学生だけど、日本に帰るのかい?」

「まさか」

「じゃあ、家に来ないかい? ロンドンを案内するよ」

「そりゃいいな。一緒に遊ぼうぜ、悟、稔、エマ!」

「マグルの家にですか?」

「むしろ私の家に遊びに来なさいよ」

 

 稔はちょっと遠慮気味である。エマは逆で家に誘ってきた。

 

「実は、休暇はやることがあるんだ。ダイアゴン横丁で校長先生に言われて買い物」

 

悟は、特別なミッションを校長先生から受諾していた。

 

「何買うの?」

「ペット! 生き物を大事に飼って死なせなければ、一年で10点、7年で70点! ただし、死なせちゃったら減点10点」

「あー」

 

 全員、納得したような声を出す。

 

「でも良いなあ。ペットかぁ。アパートじゃ飼えなくてね」

「一緒にペットを選ばない? 休み中は僕が面倒見るし、卒業したら傑は魔法界に住む家を探すことになるんだからさ」

「そう、だね」

「万一飼えないようなら、僕が面倒見るよ。ペットってホグワーツでは飼ってて当たり前みたいだし」

「決まりだ! マグルの世界で遊んで、魔法界で遊んで、そんでペットだ!」

「忙しいね」

 

 傑は楽しそうに笑う。

 

「私はマグルのところで遊ぶなんてしないわよ」

「怖いの?」

「侮辱してるんですか? マグルなんて!」

「そうよマグルなんて怖くないわ!」

 

 稔とエマが叫んで、そうして僕らの予定は決まった。

 

 トロールの件は気になるけれど、ひとまず今は気にすることはないよね。

 伝手もないし、陰謀なんて大人に任せておけばいいのだ。もう僕は呪術師ではないのだから。

 

 

そういうことで、マグルのところで遊ぶ計画を立てる。

計画を立てようと集まると、エマがドンっと大きな本を持ってきた。

 

「敵を知り己を知れば100戦危うからず! これは日本の魔法使いの言葉だったわね!」

「違うよ」

「細かいことはいいのよ。とにかく、マグルについてこれで完璧よ!!」

 

 エマがグッと胸を張る。

 どれどれと傑とオリバーと僕はそれに目を通して、傑とオリバーは笑った。

 

「そんな出鱈目本はゴミ箱に捨てて、真面目に考えるよ」

「ちょっと!?」

「まずは服を手に入れよっか」

「これじゃダメなの?」

「ダメだよ。僕と稔は傑とオリバーから服を借りればいいとして、問題はエマだね」

「そうだね。どうしようか」

「今回は僕がグリンゴッツ銀行で換金するよ。その代わり、僕が選ぶね。お店までの服装は、なんか無難なの探そう」

 

 それにしても、楽しみだな。マグルの世界は……元いた世界は、今、どんななんだろうか。

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