今回は控えめですが、「ゲームの場合は描写外だけど小説なので書く」みたいな会話、設定描写も多めです。
書き終わった上での投稿なので、一日ペースで更新すると思います。
ポップスターは、居心地がいい。
ワールドツリーは、近くで見るより見上げる方が性に合っているはずだ。彼はそんなことを一人考えて木陰に居た。手元の本をおいて、空を見上げる。そんな日課の中で、その日だけはなにやら様子が変だった。
「……むむ、」
突如ポップスターに突き刺さる杭のような機械。空を覆う巨大な球体。
「な、何なのねこれは……!!」
その回答は、「侵略」でしかないことに気づいていた。すこしだけ、自分が主を喪った、その日の侵略の風景を思い出し、吐き出すように振り払い。彼は、蜘蛛のお坊ちゃまタランザは、駆け出した。
地面も機械が覆いつくしていき、空に数多の兵器たちが舞い踊る。彼は、……例えばカービィに、なぜ行くか問われれば「友人としての義理」や「この地上に住ませてもらってる恩」とか、そう言うだろう。だが、そこにあるのはまた別種の期待であることは、否定もできなかった。
「あれほどの科学技術があるのなら……望みは、望みはあるかもしれないのね……!」
プレインプロンプトン……と呼ぼうか。クッキーカントリー含む、ポップスターの森林もやはり機械化されている。駆け出し、パイプの間を抜けて。
順応しやすく騙されやすく適当、そんなワドルディらしく、彼らも機械に乗ってずんずんと突き進んでくる。
「手先になっちゃったのかねえ」
魔法の糸で繭にして、突き飛ばしながら進んでいく。大して進むのに苦労はしないが、通り抜けできそうなサイズのパイプやら、なにやら。機械によって侵略されていることがありありとわかる。
「あっぶないなぁ!」
爆発!なにやら機械を装備したスカーフィが突撃し、爆音を上げて弾け飛ぶ。さらに触発されてか爆風に当たってか、近くのスカーフィが牙を剥いて襲い掛かる。
焦りつつも魔力を溜め、広範囲に解き放ち。ついでに敵を弾き飛ばしつつ、タランザは肩で息をした。
「急で焦ったのね……」
さて、突き進みながら装置に向かう。まだまだ遠く、たどり着くより前に、ズゴン!と物音。機械音でタランザを見つめたのは、機械の大樹であった。
「ウイスピーウッズ……?の、ロボット?サイボーグ?っぽいのね」
ひとり呟く彼に構わず、機械は追い立ててくる。
ウイスピーボーグ、木らしくもなくズガズガと歩き突き進んで突撃。放つミサイルをかわし、糸でとめ。いちおう、繭をぶつけてタランザも応戦する。
手ごたえがないわけではないが、しかし圧倒的な質量が迫る状態には対応が精いっぱいだ。逃げてその先、パイプを通り抜けて、一旦をやり過ごす。
さて、どこを抜けようが、広がる草原は機械に果てしなくおおわれている。正義の味方ヅラをするつもりも特にないタランザでも、やはりこの風景はどうにかせねばと拳を握るのだった。
しかし、相手側にもそろそろタランザの行動がバレ始めているようだ。パイプの間を糸を張りながら駆け抜ける彼に対し、あちらから、兵器の迎撃が始まった。投下された巨大なアーマーに、ハルトワーカーが乗り込む。
「これは……!」
「敵対者ハッケン。排除シマス!」
「そうやすやすされる義理はないのね」
インベードアーマーは巨大な拳を繰り出してくる。かわすのはたやすく、ハルトワーカーもちょっと手慣れていないようだ。タランザはニヤリと笑って、タランザボウルを投げつけ。
「イテッ!」
「そりゃ災難!」
さらに衝撃で放たれた星くずに糸を絡ませ、ぶん回して叩きつけて。ひるんだアーマーから弾き飛ばされるハルトワーカー。タランザは、吹き飛ばされる敵をクスクス笑って見送る。さて、さっさと向かってやろうかと背を向けて。そしてふと考える。
これは放置してていいのか……?
インベードアーマー自体は壊れてはいなさそうだ。ふと手を伸ばし、そして、主を失ったアーマーはどうやら思い違いをし始めたようだ。ピコピコと読み込んだあと、その鎧は、紫と緑の鎧へ変わった。
ロボボアーマー、タランザモードと言うべきだろうか。腕のパーツが増え、その手には発射口のようなものがある。
「マァ、どうせなら使えるものは使っちゃうほうがいいのね」
乗り込んでグリップを握る。そして……そう、これだけ。こんな簡単に操作できるのか?と怪しみつつぐっとレバーを倒せば、ズンズカ進み始める。こりゃ快適!にやりと笑んで、タランザの猛攻が始まった。
なんだこのメカはと驚く暇もなく、邪魔者たちを踏みつけて蹂躙。さらに前方にはなった糸が一気に敵を絡み取り、さらには糸を鞭のように振るえば、目の前をふさぐ鋼も粉々に。
「あのピンクだまが乗り込んだら大変なことになりそうなのね……」
若干末恐ろしく感じつつ、これで向かってしまえば百人力と、悪だくみのような笑顔で、タランザは駆け抜けた。……のだが、どうも進むには建物の中に入らねばならない場所も多々あるようだ。さすがに上空や迂回で行くとリスクも高そうである。
ため息をついて頭をかきつつ、タランザはロボを降りることにした。ちょうど充電してくれる格納用の発着ガレージもある。使えるのかと心配しつつも、どうやら登場した時点で登録されるようだ。魔法も発動者を参照するものが多く、セキュリティは重要だ。魔術師なりに「大丈夫かこれは」と思いつつも、使えるなら使うに越したことはない。
屋内を駆け抜けた先は、巨大な列車の駅だった。
「こ、こりゃすごいのね……!」
少年らしく目を輝かせるタランザ。向かう先は都合よく杭の方だ。ロボボアーマーは乗り捨てる形になるが、また奪える。柄にもなく、彼はワクワクして乗り込むのであった。
中は侵入者相手の撃退装置ばかりだが、まあやり過ごすのは難しくない。しばし隠れて、彼は外の風景に目をやった。
「……」
「君は……」
「!」
話しかけられ、すぐさま身構えるタランザ。倒すかコモの振りでもしてやり過ごすか、そんなことを考えて、見た先に居るのはメタナイトであった。
「あれれ? あんたは……」
「メタナイトだ。知っているだろう」
「随分、ケガしてるみたいだけど」
「……私の戦艦が墜とされた。部下たちもおいてきた」
「そんな様子じゃとても勝てそうには見えないのね」
「言ってくれるな……。やらないわけには行かないのだ」
「ワタシと一緒に来てもいいけれど」
「いや、いい。ひとりで十分だ」
部下を置いてきたと語る口調は、冷たく徹している。しかし、ぐっと宝剣を握るその手には、様々な感情が浮き出ている。タランザは口にこそしないが、およそ察しはついていた。
きっと、仲間を想ってケガをした彼らを置いてきたのだ。ふと、重なる姿。
いち。
『だって、彼は怪我をしているのよ? 行けなんて、とても』
に。
『私が言い出したからには休ませてやる。……だが、次その失態が許されると思うな』
さん。
『わらわが、貴様の負傷を慮る理由があるのか?』
タランザは、うつむいた。メタナイトはその様子を一瞬気に掛けると、ゆっくり翼を広げた。
「私は先に行く。君の健闘も祈っておこう」
「このタランザが!……先に倒しちゃうかもねぇ」
「だといいんだがな」
列車を飛び去るメタナイト。その背中を見送って、タランザはしばし列車に揺られた。さて、しばらくして、列車が止まった。まだ草原の中だが、それでも随分進んだ。杭は目前だ。
巨大な研究所のふもとで、ハルトマンの扉がタランザを迎え入れる。下手に動かれるより、招きこんで巨大兵器か何かで叩きのめす気だろうか。
「乗っておくべき罠なのね……!」
駆け抜けた先、ドーナツ状の足場の上で迎えてきたのは、ウイスピーボーグだった。ゴーグルになった目や、黒ずんだ頭部。直観的に、強くなったそいつだとわかる。逃げ道はない。今度は戦った方がよさそうだ。
威嚇とばかりにミサイルを放つウイスピーボーグ。その攻撃を糸で絡めとり、ぶん回して投げ返し。手ごたえはある。しかし岩を掘り起こしてくる攻撃は、とっさの事でかわし損ねる。
見るからに凶悪な脚だ。タランザも今一度身構える。
「なんか見るからにヤバそうなのね……!!」
頭部のボールをゆすって落としてくる攻撃は、糸を張ってぽよんぽよんと跳ね返し。案の定それはウイスピーボーグに激突し、怒りをあらわにするのであった。
「感情とかあったのねキミ」
どんどん追い掛け回すウイスピーボーグを背後に、逃走。しかし円状の地面の上では逃げようがない。ここは攻めだ! タランザは魔力を放ち、衝撃波でウイスピーボーグに反撃。さらに怒りをあおったのか、地面を隆起させ、壁でタランザを囲い込む。
「袋小路で追い詰めるって寸法かな」
しかし、もう相手も後がないという事だ。放たれたミサイルを糸に絡めて打ち返せば、ウイスピーボーグは力尽きて情けなくうつむくだけだ。
杭も防護するものがやられたためか、自爆。相手の手に渡るよりは、というのがその策らしい。まあ、都合はいい。……多分。
「さ~てと……」
次は都市化されたエリア、ラスタードロードだ。
絵が上手くないのは突っ込まないでくださいッ