希ファンの方々に少しでも喜んで貰えるような形になれば嬉しいです!
# 01
見覚えのある風景が目の前に現れてくる・・・
『ごめんな・・・希・・・。またパパのお仕事の都合で引っ越さないといけなくなったんだ・・。』
転勤族だった父親に何度も言われたこのセリフ。
『ううん・・私お友達作るの得意だから!次の学校でも沢山お友達作るから大丈夫!』
そして、『当たり前のように』付いていた嘘。
両親にとって理想の『東條希』をこの頃から演じていた・・・・
現実は頻繁に引っ越ししてロクに会話もできないウチには友達と呼べる友達なんて居なかった。
そんな小、中学生時代をウチは過ごしていた。
でも、今は違う。
今はμ’sが、皆がいてウチは幸せ・・・
もう昔の寂しい思いも『誰かのための東條希』も演じなくていい・・・
ウチには最高の居場所が出来た。
『あなたは・・・ホントに今に満足してるの?』
・・・え?
『我慢してることがあるんじゃないの?』
・・・そんなこと無い。ウチは今で幸せ。μ’sが出来て、学院が廃校を逃れて・・・うちの願いはもう十分・・・。
『あなたはまだ、μ’sにとっての東條希を演じてる。』
・・・。
『他人のような顔して自分を見ないで、もっともっと自分に素直になれば?』
・・・あなたは何者?
『う~ん・・・。それはもう少し先でわかるかな?』
そう声の主はウチに語りかけて目の前が真っ白になっていく・・・
「Dancing stars for me~♪」
希の脳が覚醒していく共に最近まで良く聞きなれた歌が聞こえてくる。
「もっと、もっとお~どらせて~♪」
聞き慣れた歌だが歌声が違い少し新鮮な気持ちになり聞き耳を立てる。
「きょ~うだけ まほ~使い どんな夢を見よ~うかな?♪」
「伊達くん、意外と歌上手いやん。」
「あ、先輩起きちゃいました?」
「歌で目が覚めた訳や無いよ。大丈夫。」
部活もなく絵里も用事で早く帰ってしまったので暇な希は生徒会室で仮眠をしていた。
1度仮眠をしてからというもの居心地が良かったのか練習がない日に希は生徒会室で仮眠をするのが日課になりつつある。
「今度は伊達くんの歌を子守唄に寝なアカンねー」
「そんな大層なもんじゃないですよ。」
またまた~と希のふざけモードをスルーしつつ宏樹はまた黙々と生徒会の仕事を始める。
「穂乃果ちゃん達は?」
「予算のゴタゴタの収拾で今日も外回ってますよ。」
「生徒会もたいへんやね~」
「元副会長が言います?それ?」
それとこれは別や~と希はニコニコと話す。
「それにしても伊達くんも真面目やね~正式な生徒会のメンバーじゃないのに仕事の手伝いなんて」
「高坂の仕事の進め方見てたら海未と南が不憫すぎて・・・ね?」
「まぁ、確かに・・・。」
二人で乾いた笑いで目をそらす。
「まぁ、俺がこれやってアイツらがμ'sの練習に少しでも集中出来きればいいかな?くらいの気持ちの手伝いですよ。」
「μ’sにゾッコンなんや?」
「廃校を救った救世主ですからね・・・・。あ、そういえば。」
ふと思い出したように宏樹が話題を変える。
「どうでした?μ’sで初のセンターは?」
「あ~そういえばこの前のハロウィンイベントはそうやったね・・・。」
「ぜひぜひ感想を聞きたいなと・・・。」
「う~ん・・・暫くはしたくないかなぁ・・・」
苦笑いをしつつセンターの難しさを噛みしめるようにそう話す。
「やっぱ大変なんですね。センターやるって・・・」
「目立つ分注目されるからね。」
「確かに今回は先輩の写真が多かったですよ。」
苦笑しつつ希は少し外を見てふと呟く。
「多分、ウチはセンター向けの人間じゃないんじゃないかな?」
呟いた後なんちゃって~とまたニコニコと宏樹の方を見る。
「μ'sのメンバーにセンター向き不向きとか無いと思いますよ。」
宏樹は少し低いトーンで話す。
「えっ?」
「確かにダンスとか歌とか向き不向きはありますけどセンターどうのこうのは無いと思います。」
明らかに不機嫌になってしまっている宏樹に希は若干困惑する。
「た、確かにそうやね!ウチちょっと失礼なこと言っちゃたな・・・ハハ」
「あんまり自分を卑下しないでくださいよ。」
「・・・うん。」
どうやら宏樹が不機嫌になったのは自分が自虐的な発言をしてしまったからと希は気がつく。
「先輩は一歩引いてるというか、そういう感じになりがちなんですよ。」
「・・・。」
「もっと、こう前向きに行ったほうが良いんじゃないですか?」
「なかなか難しいんやて~」
後輩に説教言われて情けない限りだが自分を思ってくれてるので無碍に出来ず最後まで聞こうとする。
「先輩は魅力的な部分が沢山あるんですから卑下しちゃダメですよ。」
「はいはい・・・・えっ?」
さらっと宏樹から言われた言葉に希は固まる。
「さて、仕事終わったし帰るかー」
「ちょっ!ちょっと、伊達くん!?さっきなんて?」
「さー何のことやら?」
そう言いつつ宏樹は荷物をまとめて帰ろうとする。
「先輩をあんまりからかったらダメなんよ!!」
「すんませ~ん!」
顔が真っ赤になってる希を置いてダッシュで宏樹は生徒会室を出て行った。
「・・・一本取られた・・・。」
普段は自分がからかってる側なのでカウンターを食らうと非常に自分が弱いことを実感した希だった。
最後までご覧頂きありがとうございます!
時間軸的にはダイエット回終了直後って感じですかね?
インスパイヤ曲や諸々の解説は後々活動報告で!
取り敢えず、金曜まで研修で軟禁されますので更新はそれ以降となります。
今回はきっとモチベが高いのでサクサク行けるはず!(フラグ)