負けずに今週中になんとかプロローグは終わらせたいです。
「はぁ・・・。」
移動教室からの授業が終わり教室へ帰る宏樹は大きな溜息をついていた。
溜息を見かけて拓哉が心配して声をかけてくる。
「相棒、後は終礼だけでもう帰れるぞ。なんだ、溜息なんか付いたりして。」
「大体検討は付くだろ?」
「あー・・・例の件?」
「そういうこと。」
数日前宏樹は穂乃果から生徒会室に呼び出された・・・
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『えっとね・・・・伊達くんにμ’sの写真係になって欲しいの!!』
『はい?』
『だからぁ・・伊達くんに写真係になって欲しいんだって!』
『状況が全く理解が出来ないんだが・・・。』
『えっと・・・経緯を説明するとー・・』
何やら思い出しながら話しだす穂乃果。
『この前生徒会のお仕事をしていてこの前のオープンスクールのパンフレットが資料の中に紛れてたの』
『ほおほお』
こうなったら最後まで話しに付き合うかと宏樹は腹を決め相槌を打ち出す。
『よく見てみたら去年と雰囲気がガラッと違ってて作った人が気になって絵里ちゃんに聞いてみたの』
『余計なことをする前に生徒会の仕事をせんかい。』
『えへへ・・・だって気になったら仕事にならないもん!』
エッヘンと言わんばっかりに堂々とサボりを認める穂乃果に宏樹は呆れる。
『でね?聞いたら伊達くんが写真とかをイチから撮り直してデザインとかもアドバイスをしてたって教えてくれて・・・』
『あんまり役に立たなかったけどな。』
『ううん。そんなこと無いよ!あと、希ちゃんが伊達くんは音ノ木坂学院のHPも作りなおしてくれたって教えてくれて・・・』
『あの、先輩は余計なことを・・・』
自分の若干の黒歴史になりつつあるものがほじくり返されて微妙な気持ちになってる宏樹を他所に穂乃果は更に話を続ける。
『だから、HPも確認したの!』
『マジで仕事せぇや。』
『あうぅ・・希ちゃんみたいな言葉遣いになってる!・・・HPも昔とガラッと雰囲気が変わってて学校の風景の写真とか部活の様子とか動画とか貼り付けられてて如何にも現代って感じになってて・・・』
『エライ抽象的な感想だな。』
もう、一々水を差さないで!と宏樹は一蹴される。
『穂乃果、その時ピーンと来たの!』
『俺に写真とか動画を編集してもらったらもっとμ’sがアピール出来そうって?』
『そう!!』
ニコニコと喋る穂乃果とは対照的に宏樹の表情は曇っている。
『穂乃果ね・・自分たち以外に廃校を阻止できないかって思ってる人が居て嬉しかったの!』
『・・・誰だって・・母校が無くなるのなんて嫌だからな・・・。』
宏樹は少し真剣な表情で穂乃果の顔から目を逸らし窓を見た。
『確かにそうだよ・・・・。でもね、何か出来る事は無いかって頑張れる人は中々居ないと思うんだ・・・』
再び穂乃果を見ると穂乃果は真っ直ぐな瞳で宏樹を見つめていた。
宏樹は少しドキリとする。
いつも教室でグータラしている穂乃果ではなく多分今自分が向かい合ってる人物はμ’sのリーダーの穂乃果。
廃校を阻止したくて前だけ見て走ってきた瞳・・・そんな瞳に宏樹は吸い込まれそうになる。
『どうかな??』
『えっ?』
見惚れていたことに事に気が付き我に返った宏樹は少し焦る。
『是非ともμ'sの写真係を!!』
一通り喋りたいことは終わったのだろうか穂乃果はグイグイと宏樹に迫ってくる。
『ちょっ・・・チョット待て!高坂!近いから!!』
『そんなこと言って逃さないよ!!』
更に迫ってくる穂乃果。
流石に近すぎるので両手に手をかけて押し返す。
『落ち着け!とりあえず、深呼吸でもしようか?』
『落ち着いてるよ!逃げようとしないでよ!』
どうしても捕まえたい獲物になってしまったようで穂乃果のしつこさに宏樹も困る。
『・・即答は厳しいから考えさせてくれないか?』
『えー・・・でも確かにイキナリお願いしてるし・・・。』
『なっ?考える時間ナシで入って俺が文句言ったりしたら嫌だろ?』
『うん・・。納得して入ってもらいたいし・・・。』
穂乃果は宏樹の言い分を聞き入れてくれ宏樹はなんとか生徒会室から逃げ切れた。
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宏樹の足取りは重い。
「あんだけ写真の役に立つ場所がないとか何とか言ってたから即答しそうなもんだけどなぁ・・」
「俺にも色々あるんだよ自分の考えが。」
「さいでっか。まぁ、いつもこういうことは自分で結論出してるしじっくり考えれば?」
「言われなくてもそうさせてもらってるよ。」
ダラダラと喋りながら二人は教室へ戻る最中3年の教室を横切る。
「伊達くーん!」
宏樹は後ろから声を掛けられ呼び止められる。
「最近よく呼び止められたり呼び出されたりモテモテだねぇ・・」
「うるせぇ。ピーナッツバターぶっかけるぞ。」
「おぉ、怖い。僕は怖いから先に戻りまーす。」
ふざけているが拓哉なりの気遣いだろう。感謝しつつ後ろを振り返る。
振り返った先には3年の絢瀬絵里がいた。
「あ、絢瀬会長。どもっす。」
「あら?もう私は会長じゃないわよ。」
ニコニコと絵里はツッコミを返す。
宏樹は『数ヶ月前はこんな愉快な人じゃなかったよなぁ・・』と心でボヤく。
「えっとそれじゃぁ・・綾瀬先輩ですね。」
「なんか呼ばれ慣れてないのも違和感あるわね」
「どっちがいいんですか!」
「ごめんごめん。君をからかうとチョット面白くて・・。」
からかうのが目的じゃなくてよかったと思いつつ宏樹は話す。
「で、前会長さんは俺に何用ですか?」
「えらく刺があるわね・・・聞きたかっったのは放課後予定があるか聞きたかったの。」
「帰宅部にそれを聞くのは煽りにしか聞こえないですよ。」
「もう・・・拗ねないでよ!」
すこし絵里が困ってる姿を見て満足した宏樹はもとの喋り方に戻る。
「にしても最近猛烈にモテるなぁ・・・」
「あらそうなの?」
「放課後限定なんですけどね。」
「ふふっ、なにそれ。あ、そうそう理由は少し君とお話したかったって所。場所は生徒会室ね。」
生徒会室と聞き宏樹は数日前のことを思い出す。
「何となく察しました。」
「理解が早くて助かるわ。じゃぁ、また放課後。」
絵里がいなくなったことを確認して宏樹はまた大きな溜息を吐く。
「はぁ~・・・ったくどうしたもんかねぇ・・・。」
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放課後、宏樹は生徒会室前に立っていた。
数日前と同じデジャブ感をヒシヒシと体感しつつノックをする。
『どうぞ』という絵里の声が部屋から聞こえてくる
「(ここまで前回と同じだな・・・)」
覚悟を決めて部屋にはいる。
「いらっしゃい。わざわざ放課後にごめんね。」
「前生徒会長のお呼び出しとあれば暇人ですので飛んできますよ」
「む~・・・まだ根に持ってるのね。だから、悪かったって・・」
宏樹は少し困ってる絵里を見て流石に悪乗りが過ぎたなと思う。
「俺も悪乗りしすぎました。実はあんまり気にしてないですよ。」
「あー!酷い!結構気にしてたのに!」
「最初にからかうのが悪いんでしょうが。」
「納得行かない・・・。」
少しムスッとしている絵里を見て宏樹は話しだす。
「絢瀬先輩、メチャメチャ表情豊かになりましたよね?」
「えっ?そうかしら?」
本人に自覚は無いようで宏樹は若干呆れながら話す。
「オープンスクールのパンフレットの相談とかHPの相談の時『超ツンケン』で大して会話もなかったですし」
「えっ?そうだった?」
「そりゃもう、こんな楽しく会話するのが夢のまた夢みたいな。」
「あ、あの時は色々あったのよ!」
少し顔を赤くして必死に抗議をする絵里。
「まぁ、今みたいに楽しく会話できる方が俺は断然嬉しいですけどね。」
「な、ならいいじゃない!」
「いや、でも今まであんだけ冷たかったんだからそりゃイジりたくもなりますよ。」
「別にイジらなくていいじゃない!」
だいぶ困った様子で絵里は話題を変えようとする。
「そう!今回はここで思い出話をするために伊達くんを呼んだんじゃないの!」
「えー・・もう終わりですかぁ・・・」
「悲しそうにしない!」
「穂乃果から写真係のお願いがあったわよね?」
絵里がそのセリフを言ってから生徒会室は真面目な空気になる。
「はい。数日前にここで。」
「正直言うと、伊達くんならあっさり受けてくれると思ってたわ。」
オープンスクールの件もあり絵里は宏樹が承諾してくれるものと思っていたらしい。
「どうして今も保留にしているか教えてもらえないかしら?」
「・・・う~ん・・・。理由は色々ですね。」
少しの間をあけて宏樹はポツリポツリと喋り出す。
「俺なんかがやっていいのかな?とか素人に毛が生えた写真技術で迷惑かけないかな?とかそもそも受け入れられるのかな?とか・・・ホント色々です。」
心に抱えていた不安を吐露する宏樹。
「不安が沢山あるって感じかしら?」
「そんなところですね。」
絵里は宏樹をまっすぐ見て言う。
「伊達くんは・・・やりたいの?やりたくないの?」
「・・・えっ?」
真っ直ぐ見つめてくる絵里の唐突な言葉に宏樹は驚く。
「そりゃ・・やりたいですよ。被写体がμ’sになった時自分の写真がどうなるか・・考えたらワクワクが止まらなくなります。」
「でも、ワクワクより不安が勝ってしまうと。」
「大正解です。」
「私の個人的な意見なんだけどね・・・」
前置きをした上で絵里は話しだす。
「新しいことをしようとするときはいつも怖いと思うの。もし君が少しでもやりたい、挑戦したい気持ちがあるなら絶対やるべきだと私は思う。」
「不安の壁は自分でぶつかって壊すしか無いのよ。」
宏樹には十分すぎる突き刺さる言葉だった。
「失敗を恐れてたら前に進めないし仮に今日失敗しても明日成功させればいいのだから不安を恐れないで挑戦してみることも大切と思うわ。」
「・・・・私の『今』がそうだから。」
宏樹に向けられる優しい笑顔が『今』が充実していることを物語っていた。
「不安を恐れず・・・か・・・。」
そう呟いて宏樹は少し黙りこむ。
「絢瀬先輩・・・俺たまには挑戦してみます。」
「ありがとう。きっと君なら受けてくれると思ってたわ。」
そう言って絵里は手を差し伸べる。
「ようこそアイドル研究部へ。」
「よろしくお願いします!!」
宏樹はしっかりと握手をして挨拶をする。
「となれば、高坂に連絡しないとなぁ・・・アイツ今練習ですかね?」
「あーその心配はないわ。」
「へ?」
そう言いながら絵里は生徒会室にあるみかん箱に目を向ける。
「みかん箱がどうしたんですか??」
と宏樹が話した瞬間みかん箱が揺れる。
「おわぁ!!なんじゃこりゃ!!」
ガタガタと揺れるみかん箱に驚く宏樹。間髪入れずみかん箱が勝手に開く。
「どわぁぁぁぁ!!!」
「ぷはぁ!!!!」
みかん箱から人が出てきてびっくりした宏樹だが出できた人物が穂乃果であることに気が付き更にびっくりする。
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「ゴメンって~伊達くん!」
「流石に覗き見ってのは人が悪いだろうがよぉ」
「まぁまぁ、そう怒らないで・・。」
驚かされた&覗き見されてた宏樹は少し拗ねており二人になだめられていた。
「というかそもそもこの件ってμ’sの皆は知ってるの?」
「知らないよ!」
「へ?」
「まだ言ってないわね。」
あっけらかんと話してくる二人に宏樹は呆れてしまう。
「いやいやいや・・・皆に承諾されて無くてここで話し進めてもダメでしょ。」
「ちゃんと皆を納得させる考えはあるんだ!」
と自慢げな顔で穂乃果は話してくる。
「伊達くんは今週末講堂でLIVEすることは知ってるわね?」
「あー、ラブライブ!予選に向けたリハも兼ねたやつですよね?」
UTXでのLIVEの前に1度練習がてらLIVEをやろうと言う話になったらしく今週末は講堂でライブが有る。
「そうそう!そこで伊達くんには写真を撮って欲しいの!」
「えっ?それだけ!?」
「そう!それだけ!」
段々、準備が浅いんじゃないかと不安になる宏樹。
「分かりました。撮影許可とかは貰っときますから・・。」
「よろしくね!!伊達くん・・ファイトだよ!!」
「はぁ~・・・」
穂乃果の掛け声でその日は解散となった・・・。
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週の明けた月曜日の放課後、宏樹は溜息をつきながら階段を登っていた。
向かった先は音ノ木坂学院の屋上。μ'sの練習場所である。
「はぁ~緊張する・・・。」
本音を漏らしつつも覚悟を決めて扉を開ける。
「おー!伊達くん来てくれたんだね!」
元気よく穂乃果の声が聞こえる。
「ひ・・・伊達くん!?なんでここに来てるんですか!?」
対照的に海未は驚いた様子。
「はい、皆ー少し練習を中断で少し話があるわー」
絵里は一旦練習を中断させてメンバーを集める。
ざわざわと集まるメンバーに宏樹は既にビビり始めていた。
「えーっと・・・そしたら!伊達くんお願いします!」
何の前振りもない穂乃果の紹介で宏樹は喋り出す。この時点で既に緊張はピークだ。
「えーっと・・音ノ木坂学院2年生の伊達宏樹です。」
「この度!アイドル研究部の写真係になることになりました!!」
大声で自己紹介をするなり頭を下げる宏樹。
数秒の間をおいて・・・
「「「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」」」」」」」
という7人の叫び声が音ノ木坂学院に響き渡った。
最後までご覧頂きありがとうございます。
今回でプロローグがなぜBreak throughなのかをやっと書くことが出来ました。
細かい部分はプロローグが書き終わったあとの活動日誌にでも!