「ちょっと、絵里!穂乃果!聞いてないわよ!」
「ええ、今初めて報告するし。」
小柄なツインテールの三年生、矢澤にこがクレームを入れるが絵里はあっけらかんと答える。
「そもそも、写真担当が必要なんて話してなかったし、しかも男って!」
にこはともかく不満があるようで必死な剣幕で絵里に訴える。
「まぁまぁ、にこちゃん。この件は穂乃果が伊達くんにお願いしたの。」
「穂乃果がお願いしたぁ!?」
入部希望をしたのならともかく勧誘をした。
そのことに対して更ににこは驚く。
「い・・イキナリ写真担当の方が入部・・しかも男の人・・・き・・緊張する!!ダレカタスケテー」
「μ'sは女子ばっかりだし凛は楽しそうだから賛成にゃ!」
1年生の小泉花陽、星空凛はそれぞれの意見を言いつつ会話に参加する。
「実はここにいる伊達くんは前回のオープンスクールのパンフレットの写真を担当してたんだよ!」
「あんまり自慢げに言うなよ・・ってか何でお前が偉そうなんだよ」
何故か我が事のように話す穂乃果に宏樹はツッコミを入れる。
「あっ!あの写真、伊達くんが撮ってたんだぁ~」
「まぁね、あんまり廃校阻止の役には立たなかったけど。」
お決まりの切り返しでことりに答える宏樹。
「あとね!μ'sと伊達くんは繋がりがないわけじゃないんだよ!」
「ん?」
穂乃果の言葉に宏樹が反応する。
「高坂・・アレの事言うのか?」
「うん!この際全部言った方がいいし!」
苦笑する宏樹に穂乃果は笑顔で答え話を続ける。
「実はね・・1番最初のμ'sの講堂のLIVEのビラ作り・・・伊達くんに協力してもらってたの!」
「「ええっ!!!!」」
海未とことりは穂乃果の言葉に驚く。
「あなたは・・ビラは私に任せてと言っていたじゃないですか!それを部外者である宏樹にお願いするなんて!!」
「ゴメンってぇ!!・・・・宏樹??」
「「・・・・あっ。」」
宏樹と海未がしまったという顔をして、その場に一瞬沈黙が走る。
「海未ちゃんは伊達くんを下の名前で呼ぶほど仲が良いんや~」
今まで黙ってた3年生の東條希がニヤニヤと話しだす。
「え・・えっとですね・・。」
「はぁ・・・もう、いいじゃん。海未。1年半ボロが出なかっただけマシだろ?」
「・・・はい。」
顔が真っ赤になってる海未をなだめて宏樹は話しだす。
「実は俺と海未は幼なじみなんです。」
「「「「「「「えええぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」」」」」
衝撃の告白にメンバーは本日2度めの叫び声を上げる。
「それ私達も知らなかったよ!!」
「うんうん!!海未ちゃん!どういうこと!?」
幼馴染コンビが食いついてくる。
「えっとですね・・それには深い訳がありまして・・・」
しどろもどろの海未を見かねて宏樹が助け舟を出す。
「高坂と南はコイツの男耐性の無さ知ってるだろ?」
「うん。」
「なんか、男友達がいるのも破廉恥だ的なことを言われてだな。高校生活の間は幼馴染である事を黙っててくれって言われたわけだ。どうやら幼馴染2人には隠せてたみたいだけど・・。」
「・・・なんか海未ちゃんらしいね。」
ことりは理由を聞いて少し苦笑いする。
「で、ですが!今となっては男の方の友達がいるのは普通であるとわかってるんです!」
「でも、最初隠した手前言い出せなかった・・・だろ?」
「・・・はい。」
経緯を説明し終わった海未の顔は真っ赤になっていた。
「色々と海未らしいわね・・。」
にこは呆れながら話を戻す。
「で?話しの続きは?」
「そうそう!以前は手伝いもしてくれたし、廃校阻止も頑張ってくれてて写真の技術もある・・・そんな熱意や技術がある人に手伝ってもらえたらきっとμ'sを・・・音ノ木坂学院をもっと沢山の人に知ってもらえるかなって思って誘ったの!」
「はぁ・・・」
にこはどうやら納得出来て無いようで不満な顔で返事をする。
「単純に予選に向けてのアピールにもなると思ってるわ」
見かねた絵里が喋り出す。
「これから予選、最終予選、決勝と進んでいく中でアピールする材料として写真があるのはとても強いことだと思うの。」
「確かに、この東京ブロックで写真でアピールしてるアイドルはあんまり居ないのでインパクトを残すには大切かもしれません。」
絵里の話を聞いて急に饒舌になる花陽をみて宏樹はビビる。
「急に饒舌になるなぁ・・・」
「凛はアイドルの話になると熱くなるこっちのかよちんも好きにゃー」
蚊帳の外になった当事者と友人は世間話をし出して和やかな空気になる。
そんな中今まで喋ってなかった赤髪の1年生西木野真姫が口を開く。
「でも、盗撮されて写真売られたりしないの?写真に詳しいならカメラとかに詳しいだろうし。」
「えっ?」
思わぬ事を言われて宏樹は言葉を失う。
「確かに私達μ'sも人気が出てきて写真をアイドルショップに売ればそこそこのお金は稼げるかもしれません・・・。」
花陽は冷静に分析して話す。
「確かに盗撮しないか?って言われたら、しませんって言えるけど完全に納得させる材料は持ち合わせてないな・・」
宏樹はアハハ・・と苦笑する。
「う~ん・・・。大丈夫だと思うよ。」
沈黙が流れていた中で穂乃果が喋り出す。
「何を根拠に言ってるのよ。」
真姫は穂乃果の言葉に噛み付く。
「う~ん・・・なんていうのかなぁ・・・。」
「伊達くんにはそんな勇気ないと思うんだ!」
「・・・・へっ?」
笑顔で宏樹の心を固まらせる一言を穂乃果は放つ。
「あぁ・・・宏樹はビビリでヘタレですからね。」
救いようのない追い打ちが幼馴染からも放たれる。
「(´・ω・`)」
「随分可愛らしいヘコみ方してるにゃ。」
凛からのツッコミで我に返った宏樹は抗議する。
「ふっざけんな!!俺はヘタレじゃねぇし!・・・あれだ・・・男は狼なんだよ!可愛い子がいれば襲うし!お金に困れば写真だって売っぱらうし!・・その・・歩く安全地帯みたいな言い方は納得行かねぇぞ!」
「この必死さ見たら誰だって安心できると思わへん?真姫ちゃん。」
「・・・そうね。心配して損したわ。」
希のコメントと真姫の納得具合をみて宏樹の男としてプライドは地の果てまで落ちた。
「(`;ω;´)」
「まーた、随分可愛らしい顔で泣いてるにゃ。」
「はいはーい、ここで伊達くんの写真の実力を見てもらおうと思いまーす!」
穂乃果は元気よく写真を取り出す。
「伊達先輩はいいんですか・・?」
「いいですよ適当に放っておけば元気になります。」
心配する花陽に海未は冷たく答える。
「コレってこの前の講堂のLIVEの写真?」
「そうよ。許可を貰って撮ってもらったの。伊達くんの写真の実力を皆に判断してもらおうかと思って。」
ことりの質問に絵里は答える。
「すごいです!動画とはまた違った伝え方が出来そうですね!」
「これなら宇宙NO.1アイドルにこにーの可愛さが十二分に伝わりそうね~」
「にこっち、ノリノリやんさっきまで納得してなかったのに。」
「こんな写真取れると思ってなかったのよ!」
宏樹を他所にメンバーは盛り上がる。
「これで納得してもらえたかな?」
穂乃果がメンバーに了解を得ようとする。
「伊達くんの写真係としての入部に意義はありますか!?」
「「「「「「「「異議な~し!!」」」」」」」」
メンバーから満場一致の言葉が出る。
「それじゃぁ改めて・・・あぁ!!伊達くんヘコんだままだ!!」
穂乃果が慌てて宏樹に声をかける。
「伊達くん!皆から一言あるよ!!」
「ああ・・・もう俺は男を辞めたほうが良いんだろうか・・・ってなんだよ高坂?」
「なんか変な言葉が聞こえたけど・・・」
「気にすんな。」
「それじゃぁ・・・改めて・・皆!せぇ~の!」
「「「「「「「これからよろしく!!」」」」」」」
宏樹はμ'sメンバーの了承の言葉が聞こえ少し間があいて自分が写真係として入部が認められたことに気がつく。
「精一杯お手伝いさせてもらいます!こちらこそよろしく!」
こうして宏樹の新しい1年半が始まった。
やっとプロローグ終わった!!今週中に終わってよかった!!
これからの方針やこの小説のコンセプトなどは活動日誌にて
http://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=46533&uid=70374
取り敢えずこれでやりたい放題だぜェェェ!!(ぇ)