というか、本来ザビ家の人間であるドズルの伴侶となるならそれ相応の家格が必要なはずなんですよね
本人が気にするしないに関わらず
妄想を無駄に肉付けしてみました
2023/05/13追記
ラウムの年齢を変更しました
宇宙世紀0077年もそろそろ終わりに差し掛かってきたある日の事
妹が会わせたい人を連れてくると言い出しました
我が妹もそろそろ良い
…ええ、そんなに妹の恋人に対して口を出すつもりは毛頭ありません。妹と既に大人として生活するのにおかしくない年齢ですので
…しかし、である
「アン、いやあなたがゼナの兄上か。俺、いや私はドズル・ザビ。妹君と交際させてもらっている」
だからと言ってなしてザビ家の人間なんぞを家に連れてくるのですかねぇ!?
ザビ家
それは現在のジオン公国における有力者などというものに収まらない一族だ。口の悪い者は『ザビ家の私兵』などと言っている
ジオン公国の前身であるジオン共和国成立の立役者であるジオン・ダイクンが亡くなった事によりNo.2であるデギン・ザビにその権力が移ったのだからそこに文句をつける謂れはないだろう
が、旧ダイクン派は反ザビ派と言い換えても良い
そう世間では思われているそうだ
勘弁願いたいと素直に思う
ウチの亡くなった両親はダイクン派の中流層だったが、両親とは違い俺個人としてはザビ家に思う事はない
親父は良く
「仲間内ではジオン・ダイクンは名君であり、デギンを始めとしたザビ家一党は簒奪者と言うが、私は違うと思うのだ。確かにジオン共和国を創り上げたのはジオン・ダイクンの指導力あっての事だろう。が、デギン・ザビは経済や人脈などで、その息子ギレンやサスロは政略やマスコミ対策などでそれぞれ協力しあったが故に共和国は成立し得たのだと思う
が、私は違うと思うのだ。確かにジオン共和国を創り上げたのはジオン・ダイクンの指導力あっての事だろう。が、デギン・ザビは経済や人脈などで、その息子ギレンやサスロは政略やマスコミ対策などで
それぞれ協力しあったが故に共和国は成立し得たのだと思う
ダイクンの死に不審な点があるのは認めるが、別に共和国は王政ではないのだから幼いダイクンの息子や娘が跡を継ぐというのもおかしな話だ。私はデギンもギレンもサスロも嫌いだが、あの時ジオン共和国を託せたのはデギンのみだったのだろう」
と言っていた
ま、そんな親父達も『ザビ家の犯行に見せかけたダイクン派の強硬派に殺された』訳なんだがな
別に親父達はダイクンの信奉者ではなく、宇宙市民の独立を目指していただけだ
その為の近道がダイクンに協力する事だっただけで、そこに個人的な好悪の感情はなかったと思いたい
親父達が『事故死』した後、親父達の同僚を名乗る
ザビ家の犯行なんて言われていても、あの光景を見ていたらどっちがマトモな存在なのかなんて分かりきっている
後で親父の知り合いのシュレッサーさんが来てくれた時には既に俺達の手元に残っていた資産の大半は失われていた
…笑えない話だと思う
結局、持ち家であったはずの我が家もいつの間にか所有権がダイクン派の某に移り、俺と妹に残されたのはアパートメントの一室と俺か妹どちらかしか学校に通えない程度の資産だ
当然俺は即日学校を辞め、仕事を始めるしかなかった。せめて妹にはマトモな人生を送って欲しかったから
当時まだ12歳のゼナは親や大人の庇護の必要な年齢だったが、
一応、お袋の知り合いである弁護士さんが後見人になってくれたが、恐らくいや間違いなくダイクン派の息のかかった人物だろう
何せ親父達の遺した遺産を管理していたのがあの男だったのだから
それでも何とか妹であるゼナを学校に通わせ、良い相手を見つけて欲しいと願っていたのだが
まさか
----
ドズル・ザビにとって、恋人であるゼナは勿体ない位の女性だと思う
公国の最高権力者の息子である自分を諌めるなど殆どの者に出来ることではない
ところが彼女は
あなたがドズル・ザビであろうが、デギン公王であろうが関係ありません!してはならぬ事をする慮外者を放置する事こそが何よりも忌むべき事でしょうに
と当時不調法を働いた俺を叱責した
余り嬉しくはないが、サスロ兄を守ろうとして俺は守る事が出来ず全身に傷を負った。ただでさえ2メートルを超える身長とガタイの良さで威圧感があると言うのに、傷だらけの顔も相まって歳上でも意図せず威圧してしまうらしい
そんな俺をゼナは躊躇う事なく間違いを指摘したのだから驚く他なかったな
それから、彼女と時間を見つけて話をする様になりあの強面の兄貴にすら物怖じしない事で気に入られている。キシリアとは多少相性が悪い様だが、それでもキシリアなりにゼナを気にかけているらしい
ガルマなどはゼナの事を
親父とも話をしたかったのだが、兄貴曰く
待てドズル。父上に話をするとなるとそのまま話が大きく動きかねん。先ずは先方に話を持っていき、そこで同意を取り付けてからの方が良いと思わんか?
との事だ
私や兄上、ガルマが認めたともなれば父上も嫌とは言わぬでしょう
しかし、ゼナの身内がどう思うのかについて考えなければ今後の事もうまくいかないでしょう?
と珍しくキシリアも俺の背中を押してくれた
しかし、ゼナは自分の事は話してくれるのだが、どうにも家族の事になると口を濁す
とはいえ、此処で逃げる訳には行かないのでゼナの家に向かう事としたのだが
「…ドズル・ザビ、ね
確かデギン公の三男だったか?ギレン殿や今は亡きサスロ殿の弟で、キシリア殿に継ぐザビ家四子だったかな」
俺の言葉を聞いてゼナの兄上は顔を顰めながら、確認する
…正直驚いている。親父はともかくとして兄貴やサスロ兄の事を知っている様な口ぶりなのだから
「あなたは兄貴達を知っているのだろうか?随分詳しい様に見えるのだが?」
「ああ。自己紹介が遅れたな。私はロストだ
…そうさな、ギレン殿やお父上に『クラヴァスの息子』と言えば分かるかも知れん
いや、どうだろうか?あれから既に8年ほど経っているから憶えている訳もないかも知れんな」
ロスト?偽名だろうか
ゼナの兄上が犯罪者だとは思いたくないのだが
「心配せずとも、犯罪者ではないさ
ゼナと付き合っている相手がいるのは何となく理解していたが、それがドズル君だったとは夢にも思わなかったというのが偽らざる本音かね
とはいえ、もうゼナは自分の事は自分で出来る年齢だ。結婚したいというのであれば君達の自由にすれば良いと思うが?」
「いや、私としてはゼナの兄上であるあなたとも仲良くしたいと思っている
出来ればご両親ともお会いしたいのだが」
「…ふむ、そこも話していないのかゼナは
一応訂正しておくが、私やゼナの両親は既に他界していてね。私が唯一ゼナの身内という事になる。あと法的にはゼナの保護者でもあるがね」
それは驚く事だった
確かに俺たちも母を亡くしているが、父は健在。両親が他界しているのであれば他の親族などを頼るべきだと思うのだが
「やれやれ
宇宙市民と地球市民の確執をどうにもドズル君は軽く考えていないかね?
私の両親は地球市民でありながら、コロニーに移住してきた物好きなのさ。当然だが、親族とは縁を切っていると言っても良い
まぁ、また今度来ると良い。これ以上話し込むとなると私も仕事があるのでね」
そう言うと、ロスト氏は仕事の支度を始める
流石にこれ以上居るのは失礼であるだろうから
「突然の訪問にも関わらずありがとうございました」
そう言って俺はゼナの家を後にした
----
「クラヴァス?ケイム・クラヴァスの事か?」
帰宅した俺は兄貴に話をしてみると、兄貴は意外そうな顔をしながら俺の問いに答えてくれた
執務中の筈だが、それよりも俺の話が重要だと思ったのか書類から俺に視線を向け
「クラヴァスはダイクン派の一員だったのだが、ジオン・ダイクンの死によって混乱、迷走したダイクン派の強硬派により事故死に見せかけて殺されたと聞いている
なるほど。ではゼナ嬢はクラヴァス夫妻の娘だったのか。奇縁もあったものだな、ドズル」
鉄面皮の兄貴にしては珍しく苦笑いして俺に話を振ってきた
「ダイクン派の人間なのに、ダイクン派に殺されたのか?
いまいちよく分からんが」
「クラヴァス夫妻はダイクン派の中でも現実主義者として有名だったからな。確か、宇宙市民の窮状を見て地球から移り住んで来た変わり者だと聞いている。その為ダイクンや父上に対してかなり珍しい立ち位置をしていたと私は覚えている。そもそも雑多な連中ならば記憶に留める必要もないだろう?
…ふむ、となればロストとやらはラウム・クラヴァスだろう」
「ラウム・クラヴァス」
「ああ。ケイム・クラヴァスが期待を寄せていたと噂されていた一人息子だ。私よりもサスロと関係が深かったよ。仲が良いわけではなかったが」
兄貴は懐かしむ様に目を細める
…いや、家族だから構わないが外でそれをしていないのか非常に気になる所だ。多分初対面の人間や慣れていない連中からすれば睨まれているとしか思えんぞ?
何せ俺とは別の方向で突き抜けているのが兄貴だから。多分兄貴の秘書やってるセシリアくらいじゃないか?兄貴の感情の機微を正確に把握できるのは
こうして考えるとやはり家族以外の理解者は必要なのだと改めて感じてしまう
というか、あの難物であるサスロ兄に親しくできる人物がいたという事実が驚きなのだが
兄貴と珍しく長話をした後、親父の所へと俺は向かった
「クラヴァス一家の事ならば、家長であるケイム・クラヴァスと夫人であったセリア・クラヴァスの事を私よりも知っている父上にも聞いてはどうだ?
当時の私は父上の補佐官に過ぎなかったから、人伝の話くらいしか知らぬ。が、父上は直接接した事も多くあったと聞くからな」
俺は親父から疎まれているのではないか?と兄貴に聞いたが
「それこそ笑えん冗談だな。あの父上がサスロを喪って以降私やキシリアの事も多少なりとも気にかける様になったのだぞ?
ガルマやお前の様な真っ直ぐな性分の子供を気にかけぬはずもなかろうに」
と兄貴は愉快げに
「家族なのだ。物怖じせず接すれば良い。お前の恋人であるゼナ嬢ならばそのくらいの事平気で出来よう?」
と話した
流石にゼナを引き合いに出されてしまっては俺も臆する訳にもいかない
そして、親父の自室で話をすると
「そうか、クラヴァスの娘とお前が、か」
親父は何を思ったのかしばらく目を瞑り
「ドズル。クラヴァスの娘と周囲に知られる事はならん
万が一にも知られた場合、ダイクン派の凶刃がお前の恋人にも届きかねぬからな
ダイクン派の一部の過激さを誰より理解している親父であるからこその発言なのだろうが、意外だった
「しかし、ゼナの両親はダイクン派だったのだろう。ならば奴等にとって味方ではないのか、親父」
俺からすれば、ダイクン派の連中がゼナの両親の遺産を食い荒らしたという事自体信じられるものではない。無論、親父や兄貴の言うことを疑いたい訳ではないのだが
「ダイクン派と言っても様々な思惑で集まった者たちをジオンや私などが動き易いようにまとめ上げただけにすぎん。舵をとる者がいなくなれば彼等の中には武力闘争を真っ先に考えるものとていたのだ、ドズル」
親父のその言葉に俺は驚きを隠せなかった。何せ親父や兄貴の統率力は極めて高いと思っていたのだから
「儂もギレンもそこまで言うほどに有能ではない。優秀だと思った者から足元を掬われるのが政治というものだからな」
そうであるならば、俺には到底政治などできるものではない。そう確信してしまう程の衝撃を受けた
「今度創設予定の軍司令部がソロモンに出来るのだったな?
根回しはしておくから、ラウム・クラヴァスとしっかり話が出来たならば共に連れて行くがよかろう」
そこまでする必要があるのか俺は疑問に思った
その疑問を親父も理解したのか
「ドズル。ダイクン派を甘く見るでない
奴等にとって、今の公国はジオン・ダイクンの思想を軽んじているザビ家の私物なのだ。その我等に迎合している様に見えるクラヴァスの娘の存在を知れば間違いなくサスロの二の舞になろう
ザビ家による支配。覆す為ならば、奴等は例え連邦に利する形になろうとも動き続けよう」
そこにいたのは、ザビ家の家長デギン・ザビではなく、ジオン公国の最高権力者たるデギン・ゾド・ザビだった
----
兄であるラウムに恋人のドズルさんを会わせてみたのですが、兄の様子はいつもと変わらない様でした
これは仲を認めて貰ったのかしら?
判断に困るところだと思います
私が幼い頃に両親は事故死したと聞きました
ですが、そうであるならば兄が私を養う為に働く事はおかしいはず
事故死であれば、親戚なら両親と親しかった人なりが私達の後見人になってくれるものだと最近になって気付きました
ですが私達の後見人は両親と親交の深かったとされる弁護士。にも関わらず、私は一度もその人を見た事はありません
私が親しい大人と認識しているのは兄の働く会社の兄の上司達だけ
そして、記憶にある我が家は既に遥か遠く
そうなれば私でも気付いてしまいました
もう、あの時の様な生活には戻れない事を
本来であれば、兄も学校に通っている年齢です
私は何度も兄に「私も働くから兄さんも学校に行きましょう?」と懇願しましたが、兄はいつも
「俺の事は気にしなくてもいいから、ゼナは自分の事だけ考えてくれ」
と言うばかり
そんな兄と無力な自分に苛々していた時に私はドズルさんと出逢いました。ザビ家の事を知っていた事や私の両親がダイクン派と呼ばれている閥に属していた事を知ってしまった事などからドズルさんに半ば八つ当たりの様な事をしてしまったのです
余りにも幼い。醜い所業でした
ですがドズルさんはそんな私を何故か気に入り、当初は困惑したものです。ですが、私に多くの隠し事をする兄と違い、いつも愚直なまでに真っすぐたろうとするドズルさんに私もまた惹かれていきました
そして、ドズルさんと付き合う事になり、お互い時間をかけて相手を知る努力をしていったのだと思います
…いえ、ドズルさんは家族であるギレンさんやキシリアさん。ガルマさんにも会わせてくれましたが私は唯一の肉親である兄にすら会わせる事をしなかったのですから、私が努力をしたと言うのはおかしな話でしょう。
そして漸く兄とドズルさんを会わせる決意をして、会わせたのですが私はその席に同席しませんでした
やはり怖かったのだと思います
だから言い訳をして逃げたのでしょう
「随分、面白い人物と付き合う事になったんだな」
「…はい」
食事中とはいえ、お互い手を止めて兄は私に話しかけてきました
基本、食事中の会話を好まない兄でありましたが兄の会社は繁忙期らしく食事を終えると夜勤に向かうそうです。その為今日の話をする時間はこの様な時間しかないと聞きました
「既にゼナもいい歳だ。態々俺に紹介するまでもなかろうに」
そう言う兄の目には冷ややかなものが混じっていました
無理もないと思います。恐らく私達の両親の死の原因は政争なのでしょうから。兄は名前を捨て、家名を捨て漸く
これが完全に一般家庭の娘であれば、とるに足らない相手と見逃される事もあるかも知れません
ですが、政争で殺されたとなると少なからず私達の両親は影響力を持っていたのでしょう。私も兄も政治に関心はあれども積極的に関わる気はありません。でも、私がドズルさんと結婚する事になったとしたらそんな事を認める者はそう多くない筈
少なくとも、両親を除いた者達や両親の同志であったダイクン派の関係者は間違いなく『ザビ家に媚を売る裏切り者』と断じてくるでしょう
私もそれを理解したので、ドズルさんにも「あなたと一緒になれない」と伝えたのですが
「何を言う!俺がゼナを、ゼナの家族も守ってみせる!!今更お前以外の女を愛せると俺には思えんのだ。頼む、ゼナ。俺の子供を産んではくれまいか」
そう言われてしまえば、私も嫌とは言えませんでした
あの人は元々強く周りを引っ張っていける人です。そんな人が「自分の子供を産んでほしい」と懇願するのです
女冥利に尽きるというものでしょう
「仮に彼と一緒になるとすれば、お前や彼のみならずお前達の子供の命すら危うくなる可能性もある。下手をすれば、ザビ家の功罪を生まれながらに背負わせる事にもなるのだが、それも考えた上での話なのだな?」
それもドズルさんと考え抜いた事でした
長子であり、長男であるギレンさんはドズルさんやガルマさんが言うには秘書を長く勤めているセシリアさんと仲が良いそうです。ですが、それが男女の関係に発展するかどうか?は未知数だとか
キシリアさんは非常に上昇志向の強い女性であり、その為結婚願望は余り高くないそうです
ガルマさんは『ザビ家の人間』として扱われる事にやや拒否感を示しているらしく、『一人のガルマ・ザビという男』として自身が納得できるまでは難しいとドズルさんと私は思っています
今は亡きサスロさんも子を残す事に寧ろ懐疑的だったそうなので、そう言った付き合いは慎んでいたそうです
となると、仮に私とあの人が結婚した場合それなりの確率で私達の子供がザビ家を継承せねばならない事になるのでしょう
あの人は
「生まれた子を守るのが父親だ。妻共々守り抜いてこそだろう」
と言ってくれたのでそれを伝えると
「はてさて、本当の意味で彼が理解しているのか不安になる言葉だな、それは
…わかった。そこまで言うなら好きにすると良い
一応忠告しておくが、間違っても盛大な結婚式など考えるなよ?ザビ家の伴侶の座を狙っている者は多い。お前の素性が明らかとなれば要らぬ疑念を周囲に与えかねんでな
近いうちにあちらの家族にも挨拶に赴くとしよう。それで構わんだろう?」
恐らく兄として最大限譲歩した結論なのでしょう
だから私は
「ありがとうございます、兄さん」
そう頭を下げるのでした
----
その後、ロストことラウムは秘密裏にザビ家一家と接触
これにはギレン・ザビ親衛隊の協力があったとされる
ラウム・クラヴァスとしてザビ家の者達に頭を下げ
「どうか妹を宜しくお願いする」
と口にし
「こちらこそ、不甲斐ない弟に大事な妹を託してくれる事に感謝したい」
「本来であれば、国を挙げての慶事。こちらの事情を汲んで婚儀を大々的に行わぬ事を申し出てくれた事にドズルの姉として感謝しています」
「兄上と
「クラヴァスの息子よ。儂から言えるのはただ一言のみだ
すまぬ」
とザビ家の者達もまたラウムの言葉にそれぞれ返答し、それで話は終わった
----
その後の事はそこまで語ることもない
宇宙世紀0079において発生した一年戦争にて、ザビ家末弟ガルマ・ザビは北米ニューヤークで戦死
家長であり、公王であったデギン・ザビは戦況の悪化に伴い連邦との和平を目論んだがそれを察知したキシリアとギレンにより暗殺
ギレン・ザビ、キシリア・ザビは最終決戦であるア・バオア・クー戦の最中に相次いで戦死
そして、その少し前
宇宙世紀0079
12月23日 連邦軍によるソロモン攻略作戦が開始される
連邦軍、ジオン軍共々多数の犠牲者を出す凄惨な戦闘となるも、翌24日の21時過ぎ
ジオン宇宙攻撃軍司令兼ソロモン要塞司令官ドズル・ザビ中将戦死
ドズル・ザビの妻であるゼナ・ザビと9月に生まれた娘ミネバ・ザビはドズルの指示によりソロモンから逃されマ・クベの艦隊に保護される。その後グラナダにおいてキシリアが保護するが、戦況の更なる悪化を危惧したキシリアの命でジオン軍の資源採掘基地であるアクシズへの避難を余儀なくされた
なお、この時点でキシリアはゼナの兄であるラウムに姪であるミネバの事を伝えており、義理とはいえ家族の役割を果たしたと言えよう
何せ当時のソロモンにおいては情報の流出を避けねばならなかった事からミネバの情報を義理の兄であるラウムにドズルは伝える事すら儘ならなかったのだから
「この様な形での連絡をせねばならぬ事、ジオン軍の一員として、またゼナを迎え入れたにも関わらずの体たらく、お詫びのしようもない」
『時代が悪かった。そういう事なのだろうな、キシリア殿
しかし、ガルマ君も
「本来であれば、一度ミネバに会わせるのが筋なのでしょうが」
『そうだな。すまないがゼナに言伝をお願い出来るかな?』
「是非に」
『最後まで健やか、いや
ドズルくんの妻としてミネバの母として』
「必ず伝えましょう」
『キシリア殿。ギレン氏やデギン公と共にもう一度再会できる事を私は願っているよ』
「…そうですね」
その通信の僅か後、デギン、ギレン、キシリアもまた
----
そして、時は流れ宇宙世紀0099
ラプラス事変と呼ばれた一連の戦乱が漸く過去のものとなり始めた頃
「ごめんください」
ロスト、いやラウムの所に来客があった
ラウムの所には所謂『シャアの反乱』の少し前や『第一次ネオジオン紛争』の時にも来訪者はいた
前者は『ダイクンの支持者』であったクラヴァスの意志を継ぐ者としてのラウムを
後者は『ミネバの叔父』としてのラウムを
それぞれ求められた形だった
だが、ラウムは一貫してそれに応じる事はない
彼は家の奥深くに隠している『ザビ家一家とゼナの写った写真』に時間があればいつも手を合わせる生活を送っていた
既にラウムも40も半ばに差し掛かろうとしている。まだ身体は動くだろうが恐らくあと10年も生きられないだろうと感じている
若い声だとラウムは思った。そしてどことなく懐かしい様な響きを感じてもいた
ラウムは対応すべく表に出ると
目を疑った
「ラウム・クラヴァス
はじめまして、私はミネバ・ラオ・ザビ。あなたの姪になります」
そこには確かに幼い頃の
「…そうか、そうか
はじめまして、だね。ラウム・クラヴァスだ」
ラウムは震える声でミネバの言葉に返すだけだった
親の顔すら殆ど覚えておらず、親族などいない娘
二度と見る事のなかった筈のかつての
一年戦争の3年後起きた『デラーズ紛争』
その中で首魁であり、一度だけ会った事のある
「我等がジオン・ズム・ダイクンと共にあるのかを!」
と発言した時ラウムには
「貴様は何をしているのだ!?」
と叱責されている様に感じてしまった
勿論そんな事などありはしない
が、
そして事あるごとに出てくる
ダイクンの支持者は『シャアの反乱』でほぼ壊滅したが『ザビ家の信奉者』は未だ此処サイド3には多い
ラウムにとって、ゼナは生きる目的であった
両親という支えを突如失ったラウムは『
ドズルに嫁いだゼナだったが、それでも妹が生きているならそれで良かった。幸せになってくれているならばラウムはそれで満たされる
だが、あの日突然それは永遠に失われた
ソロモン陥落。ジオン敗戦。そして、アクシズの地球圏帰還
そこには
そしてコア3をめぐる戦闘でミネバの死が告げられた時、ラウムはテレビなどを全て処分して仕事と家での祈りだけを繰り返す装置と成り果てる事を選んだのである
それ故に0096におけるミネバの演説をラウムが見る事はなかった
「生きて、いたのかい?」
「はい。様々な方に助けられて」
「そうか
すまない。何も出来ない無力な叔父で」
----
「そうか
すまない。何も出来ない無力な叔父で」
そう目の前のおじ様は言いますが、そうではないのです
私がおじ様の事を知ったのはラプラス事変の終わった後の事でした。リディ少尉が家の
「褒められた事ではないんだが、な」
そう苦笑いする少尉に思わず私もクスリと笑ってしまいましたね
そこで知ったのが、ラウム・クラヴァスという私の母親の兄の存在でした。少尉が言うには『かなり巧妙に隠されていた』そうです。伝え聞く父ドズルのイメージと全く異なるのですが、その情報を教えてくれたセシリアという方は
「今は亡きギレン・ザビ氏やキシリア・ザビ、デギン公のご遺志です。ザビ家の怨念に振り回される事がなくなった時これを開示せよ、と」
そう言っていたそうです
どうやらギレン叔父様達と近しい人物だったらしく、話を聞きたかったのですが翌日には亡くなっておられたと聞きます。死因は服毒自殺
遺された遺書には
やっと貴方の元へ
とだけあったそうです
私はラプラス事変以後にも幾度も騒動に巻き込まれましたが、その中での支えとなったのはバナージとまだ見ぬおじ様の存在が確かにありました
だから
「そんな事はありません
おじ様の存在は確かに私の力となってくれました」
「…そうか、その芯の強さは間違いなくドズルくんから受け継いだものなのだろうな。ゼナも強くはあったが、ね」
遠い目でした
もう戻ってこない、懐かしい景色を想う様な優しい目です
ガランシェールの皆も偶にこの様な目をしていました
「おじ様。私は知っての通り母や父の顔も殆ど記憶にありません。もし宜しければ、教えてもらえないでしょうか?」
親の顔すら覚えても知りもしない。それはどれだけ親不孝な事でしょうか?だからこそ、私は知りたいのです
「分かった。ウチにゼナの写真は沢山あるし、ドズルくんとゼナの写真や思い出も色々ある
時間の許す限り話をしようじゃないか」
「お願いします」
私はその日、やっと公人としてではなく、私人としての両親の素顔の一部を知る事が出来ました
それから半年程して、私の恋人であるバナージと共におじ様の所へと交際の報告と結婚したいとの旨を伝えに行く事になるのですが
それはまた別の話になります
というか、オードリーの身内誰もいないとか流石にアレだと思ったのもあってやってみました
ガンダム作品の二次にあるまじき戦闘描写0!
でも力量不足なので許してほしい
ミネバとバナージの結婚式見たいですか?
-
見たい
-
別に要らない
-
書けるなら書いて、どうぞ