義理の兄、なんだそれは!?   作:鞍馬エル

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出来ちゃった

なので躊躇なく投下していくスタイル
お気に入り登録減ったけど、仕方ない

でも、それでも
誰かが読んでくれる限り、私の指は物語を紡ぐ
のかも知れない


今回は謎空間の話です
それでも『かかってこい!』と思われる方はどうぞ


 虹の向こう側

「ラウム、久しぶりだ」

 

「正座」

 

「いや、そのだ」

 

「正座」

 

「だから、は」

 

「正座」

 

「…む、むう」

 

 

「見なよ、ゼナ様

あの赤いのが圧倒されてるよ」

 

「兄さんは怒ると怖いので」

 

「…いや、あれは私でも少し恐怖を感じたのだが」

 

 

----

 

ここはこの世ではない何処か

 

長年探していた兄貴分であるラウムに再会して嬉々として話しかけようとするシャア(キャスバル)に無表情で正座(反省の姿勢)を要求するだけのラウム

しかも、シャアの外見はアクシズ落としをした時の姿

青年にもなって子供の様に扱われる事に不満を持っているのか、やや膨れ顔だ。それでも正座するのはラウムを慕っている証拠なのだろうか?

 

それを少し離れたところからおかしそうに眺めるのはゼナとシーマの主従コンビとハマーン

どうやらラウムの発する威圧感(プレッシャー)にやや気圧されている模様

 

 

----

 

「昔俺言ったよな?『お前は真面目すぎるんだから誰かに相談しないと駄目』ってさぁ!?

お兄ちゃん、ダカールのお前の演説聞いた時心臓止まるかと思ったんだけど!?」

 

「…いや、それはすまない」

 

「ふん。情けない

所詮貴様はニュータイプのなりぞこな

…待て、私と貴様は初対面のはずだが?何故明らかに敵意を持っている!?」

 

「お前さんがシロッコとやらだな?

だとしたら、それだけで十分だ」

 

グワシッ!!

 

そんな効果音がこの場にいる者達には聞こえた気がした

ラウムはシロッコの顔面をアイアンクローで拘束すると

 

「ええぃ、離せっ!

…馬鹿な、振りほどけんだと!?」

 

「シロッコ。残念だが怒れる兄上を止めるのは父上やデギン公でもなし得なかった事だ

…諦めろ」

 

シャアの憐憫の籠った視線を向けられたシロッコは

 

「ちょっと

おはなししようか(・・・・・・・・)?」

 

「待て、何なのだ貴様は!?

ヤザン笑ってないで助けろ」

 

「はっはっは

冗談だろ、これが笑わずにいられるか?」

 

ラウムに何処かへ連れて行かれた

ヤザンはかつての上官の醜態に爆笑している模様

 

「…ま、確かに愉快な光景さね

ああ言ったお高く止まったタイプの人間はアタシも好きになれないからねぇ」

 

「話がわかるじゃねぇか!

全くアンタみたいな奴があの時まだ生きていたなんてなぁ

勿体無いことをしたぜ」

 

「シロッコ、安らかに眠りなさい」

 

「…いやゼナ殿。まだ奴は死んでないと思うが

まぁ私達自体が死んでいるのだから、間違いないのか?」

 

そんなヤザンに同意するシーマ

ヤザン自身は『相手にも強さを求める』タイプの人間だった為、アクシズのトップエースであったシーマと生前やり合いたかったらしい

 

怒れるラウムの怖さを誰よりも理解しているゼナは口先だけ(・・・・)シロッコの冥福を祈っていた。何気に酷い

ハマーンはそんなゼナにツッコミを入れつつ悩むという無駄に高等技術を発揮していた

 

----

 

シロッコが

 

「私だけは(以下略)」して退場するとヤザンも楽しそうにこの場を後にしていった

自身が死んだ事に対してヤザン自身はそこまで悔いに思っていないらしい

 

「俺もたくさんの命を奪ってきたんだ

自分の番になって文句を言う訳にはいかんだろう?」

との事

 

 

なお、ラウムにとってシロッコのそれは妄言でしかないので普通に戻ってきている

 

「久しぶりです。兄さん

そしてミネバ、いえオードリーの事ありがとうございました」

 

「全く死んでもなお兄に負担をかけてくれてからに

最後の最後まで兄泣かせな妹だな、お前は」

 

「お父様とお母様の娘で、あなたの妹ですからね?」

 

「うん。納得したわ

スゴい説得力」

 

妹ゼナと少し話をすると

 

「アンタがシーマさん?か

オードリーから話は聞いている。ゼナも世話になったと

…ありがとう」

 

「いや、寧ろアタシの方がお礼を言いたいくらいさ

ジオンの誇りを汚した汚れ者部隊なんて言われてたアタシらが満足して逝けたのはアンタの妹さんやアンタが一緒に過ごしていた坊やのおかげさね」

 

「言ってたよ。強くてカッコいい人だった、と」

 

「は

中々恥ずかしい事を言ってくれるじゃないか

積もる話があるだろうから、アタシは先に行くとするかね

…ゼナ様。このシーマもう一度会えた事に感謝しております」

 

「シーマ。貴女の事は忘れませんよ

…本当にありがとう」

 

「ハマーン。なんだかんだでアンタと過ごした日々も悪くなかったよ?マシュマー達と待っててやるから話をして終わったら来るんだね」

 

「…ええ、ありがとうシーマお姉様」

 

「懐かしいねぇ、その呼び方」

 

シーマは笑いながらまだ正座しているシャアに近づくと

 

「…赤いの。良かったじゃないか

思う存分話をしてから来な。手荒くコッセル達と歓迎してやるよ」

 

「ああ

…シーマ」

 

「あんだい?」

 

「ありがとう。世話になった」

 

「…はっ

ダメンズだったアンタも少しはマシな面構えする様になったんだねぇ」

 

楽しそうにシーマもその場を後にした

 

 

----

 

「しかし、あの子が結婚するなんて時の流れは早いものね」

 

「そりゃそうだろうよ?あのキャスバル坊ちゃんがあそこまで捻くれるんだからな」

 

「…ラウム兄さん。流石に扱いが雑ではないか?」

 

「アルテイシア、泣いてたが?」

 

「うっ」

 

「ダイクンさんがそんな事を願ってた?少なくとも俺はそう思わんが」

 

「ぐっ」

 

「人類に罰?地球に贖罪?

キャスバル坊ちゃんはいつからそんな大荷物を抱えられる様になったのさ?」

 

「…ぐふっ」

 

「…見惚れる程に見事な連撃ですね」

 

ラウムによる怒涛の三連撃をマトモにくらったシャアはぐうの音も出ない程に打ち据えられた

その容赦の無さには思わずハマーンも感嘆するほど

 

「元々この子はそんなに器用な子じゃないのさ

精々自分の大切なしたいものを必死で守る事が精一杯

何とも背が伸びきったもんだよ、ホント」

 

そう言いながらもラウムの顔にはシャアを見て柔らかな笑顔が浮かんでいた

 

「ところでミネバ様の相手であるバナージについてですが」

 

「いい子だよ。ジュドー君に似ているところもあると俺は思っているが」

 

「…礼儀作法に難あり、ですか?」

 

ハマーンとしては気になるらしい

 

「その辺は残念だけどジュドー君が見習わないといけないだろうね

とは言え、ジュドー君に似て優しく芯のある強い子だよ」

 

「…なるほど。シーマが尊敬しているゼナ殿が心底信頼するあなたの評価なら信じるに足るでしょうね

とはいえ、一度は夢枕にでも立ってみるつもりですが」

 

「おいおい、せめてゼナを連れて行きなさい」

 

「…分かりました

では、私もそろそろ失礼するとします」

 

ハマーンは柔らかな顔で

 

「ゼナ殿が頼りにされるのもわかる気がします

出来れば生きている間にお会いしたかった」

 

と頭を下げて去っていく

 

勿論

 

「シャア、何をしている

あとでセラーナにも会うのだろうが

少しは私にもしっかりとした所を見せて欲しいものだな?義兄殿」

とシャアに声をかけるのも忘れない

 

----

 

 

「さて、約30年ぶりの対面か」

 

「そうですね、兄さん」

 

「私は色々言われているので今更な気もするが」

 

「お前に選択肢はない」

 

「そうですよ」

 

「…この兄妹に勝てる気がしないのだが」

 

シャアは項垂れる

 

 

そして

 

「来たか。久しぶりだな義弟殿」

 

「ええ。ご無沙汰していました。兄上

セシリアさんもお久しぶりです」

 

「お元気そう、というのは違う気もしますが

お久しぶりですね」

 

「久しぶりですね

ミネバ、いえオードリーの事。本当によくやってくれたと思っています。貴方には本当に辛い役割を押し付けたと」

 

「辛くはありましたが、それでも確かに得難い出会いもありました

恨むつもりなどありませんよ、姉上」

 

「お久しぶりです。兄上

今更どんな顔をして会えばよいか?そう考えていましたが」

 

「自然体で良いでしょうに、久しぶりだね。ガルマくん」

 

「久しぶりじゃな、ラウム

お主にとって良き旅路であったか?」

 

「ええ。私には勿体無いくらい良い人達に巡り合えた

そう胸を張ることができますよ、デギン公」

 

「…最後まで自分の道を貫き通したか

見事だ。ラウム」

 

「貴方が教えてくれた道標。それを頼りに歩いた結果です」

 

「ふん。いつまでも亡者の言葉に縛られるのもお前らしい、か」

 

「その不器用さも私ですので。…お久しぶりです。サスロさん」

 

「まさか私にも姪が出来ていたとはな。しかもそれがお前の妹とは。中々に奇縁なものだ」

 

 

 

「もう少し待たせても良かったと思うがな、俺は」

 

「勘弁してほしいな。俺ももうそろそろ休みたかったんだ」

 

「兄上。本当に、本当にミネバの為に頑張って生きてくれた

すまな」

 

「あなた。違うでしょう?

昔兄さんに言われたこと、お忘れですか?」

 

ドズルはゼナの言葉を聞き

 

「そうだな

ラウムの兄上、本当にありがとう!

俺たちの娘は確かに幸せの中で生きていけるのだからな!!」

 

そう豪快にラウムに言った

 

 

あの時

 

「アン、あなたがゼナの兄上か。俺、いや私はドズル・ザビ。妹君と交際させてもらっている」

 

 

あの時の彼の言葉から始まった俺の、いや俺達の物語

 

あれから30年以上経った

何が出来たのかは自信もない。正しいことをしたと思うつもりなんて毛頭ない

 

けど、笑っている皆の顔を見ると俺の

いや、僕のした事が決して間違っていなかった

 

そう思う

 

僕の、僕たちの可愛い娘オードリー

可愛い息子バナージ

 

僕たちは虹の向こうから君達を見守っているからね

 

 

 




本来これで幕引きのはずなのだが、書きたい事が山ほどあるの!

今下書きだけでも6件書いてるし、まだ書きたい事だらけ
うーん、この無計画よ


最近闇成分が欠けている気がするのでそろそろ異伝として大きなのを一つ投下しようと思います(告知)

シロッコの扱いが雑なのは仕様です
ヤザンが出てきたのは好みです
シーマを贔屓にするのは趣向です

…つまり、ヨシッ!

 こういった短編、要ります?

  • いる
  • いらね
  • 書けるなら書いて、ほら役目でしょ?
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