実のところ、一部の会話を聞いていた私は『謎フィルター』がかかったのか、このような意味を感じてしまったのです
黒歴史の暴露にも等しい暴挙ですが、『書いてしまえばヨシ!』という謎理論により皆様にお届けする次第です
というか、昨日の投稿から更にお気に入りや評価を頂いて挙動不審になってしまいそうになりました
とはいえ、『物語』として始めてしまった以上は短編ですし書き上げる所存です
宜しければ見てやってください
揺らぐことのない者達の最期
弟であるドズルに恋人が出来たという事はキシリアやガルマからの話で私も知っていた
…2人には話をしておいて、兄である私に何の話もない事に一抹の寂しさを感じなくもないが仕方ないと割り切るしかないだろう
しかし、そうなってくると相手の素性やどの様な人物なのかについては気にかけねばならないだろうと頭を悩ませる事になるな
何せジオン共和国から国名を改め、ジオン公国として再出発した訳だが我々ザビ家はそのトップである公王に連なる一族なのだから当然の事であろう
私や父にとって、ジオン・ダイクンとは思想家や活動家としては頼り甲斐のある人物であった。が、その一方で組織を統制する指導者としての能力には些か不安の残る人物ともいえた
世間では我々ザビ家がダイクンを暗殺したと言われているが、身に覚えのない事である
少なくとも、私や父がその様な指示をした事は私の知る限りではない
仮にジオン・ダイクンを暗殺したとしたならば、後々の脅威となりかねぬダイクンの遺児を生かしておく理由などないのだから
そこまで
そして、我々によるダイクン暗殺と判断したダイクン支持者の過激派はサスロを亡き者とし、ドズルにも深い傷を負わせた
私や父はサスロの死やドズルの負傷や国内の治安安定にどうしても意識を取られており、その後過激派に対する対応に追われてしまったが故に、あの様な無様を晒すことになったのだ
(ふっ、独裁者とその冷徹な補佐官などと持ち上げられていても、所詮その程度だったという訳だがな)
情けない事だ
私や父が気づいた時には全てが遅かった
父やダイクンにとって、良き相談役であり数少ない地球の事情を良く知る理解者でもあったクラヴァス夫妻。私も連邦への対策などにおいて何度か話を聞いた人物であったが、夫妻はあの時期に事故死に見せかけて殺されていた
当時の私達は情けない事に不審な部分はあったものの、決定的な証拠がなかった為に後手に回り続けてしまう
その為、クラヴァス夫妻の葬儀に出る事で睨みを効かせるのが精一杯という有様。そして、ようやくクラヴァス夫妻の死が奴等による仕業と判明した頃には、クラヴァス夫妻の子供であるラウムとその妹の居場所を見失ってしまう
忌々しい事に旧クラヴァス邸はその後国内におけるダイクン過激派の拠点として奴等に利用されていた事を知った父の怒り様は凄まじいものだった。更に奴等がラウム達二人から奪った資産もまた過激派どもの活動資金として利用されていたのだから、本当に気分の滅入る話である
残念ながら、クラヴァス夫妻の事故死の調査にあたる際に我々権力者が『私的理由』で圧力をかける事を禁じた為にラウム達二人の行方を探す事は叶わなくなってしまう
それでも父や私、そしてラウムと少ないながらも交流のあったキシリアは手を尽くして二人の行方を探し続けたのだから最早滑稽としか言えないだろうな
あの一件を機にダイクンの過激派についての排除を行なった事で世間からは『ザビ家独裁の為の粛清』と見られている様だが、好きにさせている。残ったダイクン派の中でも独立運動時代からの連中は気付いているのだ。知らぬはダイクン支持を表明しながらも、その内情を知らぬ連中ばかり
そんな連中の事まで気にする理由はない。いや、正確には気にする
共和国として独立後、連邦は宇宙軍を創設し資源採掘基地であったルナツーを要塞化。更に各サイドに
連邦はその圧力を強めつつあるのだ
内憂外患の状態で何が出来るのか
それくらい立場を持つのであれば弁えて欲しいものだが
完全独立を果たした後でならば幾らでもそういった連中と話し合いをして良いと思っている
いや、寧ろ話し合わねばならん
が、今のままでは連邦に良いように使われるだけなのだがな、困ったものだ
そんな中で遂に私のところへとドズルが話をしに来たのだと思ったのだが
「兄貴。実は紹介したい人がいてな?
ゼナという。俺と、その交際している女性なんだが」
「待てドズル
お前は物事の順序というものを理解しているのか?」
私は思わず柄にない様な速さでツッコミを入れてしまった
…セシリア、そこで忍び笑いをするんじゃない!
お互い少し落ち着いた後
「一応私も仕事中なのだがな、ドズル
我が弟はその辺の分別もつけてはくれんのかね?」
「うっ、すまない
だが兄貴にも話をせねばならんと思ってな」
やれやれだ。どうにもドズルは舞い上がっている様にも見える
「仕方のない奴だ。それで付き合っているというのは私も聞いている
どんな相手なのだ?」
私の言葉にドズルは驚いた様な顔をして
「待て兄貴、俺がゼナの事を話すのは今日が初めてのはずだ!
何故ゼナの事を知っている」
…恋は盲目とはよく言うが、ここまで視野狭窄に陥るのであれば流石に看過出来んかも知れん
いや、
私は内心頭を痛めながら
「キシリアやガルマには話をしているのだろう?
何故あの二人に話をしておいて、私に話が届いていないと思ったのだ?」
「いや、そのだな
兄貴とキシリアの仲は良くないものとばかり」
「困ったものだ。流石の私でも家族を大切に思うくらいの精神は持ち合わせているつもりなのだがな」
確かに外向けの顔はそうしていたが、まさか家族にすらそう思われていたというのは割とショックである
確かに私の目つきは悪い。間違いなく父に似たのだろう
その父は色眼鏡をかけた事により、更に人相が悪くなったのだがアレは狙ってやっているのだろうか?
ならば流石というべきなのだろうが、息子であり長い事補佐官をしていた私は確信している
あれで父は目つきの悪さを隠す事で少しでもイメージを改善しようとしているのだという事を
我が父親ながらに往生際の悪い事だ。そう私はため息をつきたくなる
…待てセシリア。その『残念な人』を見るような生暖かい視線を私に向けるのは止めろ
最高権力者という立場を考えれば悪くない選択ではあるのだろうが、威圧感も凄い事になっている気しかしない
全く権力を持つというのは苦労しか生まないと常々思う
権力を振りかざすと良く創作の世界では言われる事が多いが、どちらかと言えば我々は『権力に振り回されている』のだから笑えない
とは言え、これもまた必要なものではある
泣き言ばかり言っても詮無い事だろう
が、願わくば私や父以外の家族にはこんな思いをして欲しくはないものだ
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そして私は
当初は姓すら明かさぬゼナに不信感を持ったものだが、それ以外について彼女は
そうであるからこそ、逆に何故姓を隠すのか?その不自然さは彼女自身も理解していたのだろうな
その疑問はドズルの質問により氷解したわけなのだが
「兄貴。すまないが一つ聞いても良いだろうか?」
その日はドズルがゼナの家族へ挨拶に行った日だったので良く覚えている
家族への挨拶を終えた筈のドズルだが、表情は少し暗い
まさか上手くいかなかったのか?
とも考えたが、ドズル・ザビという個人は好みとしてははっきり分かれる人物ではあるものの、そこまで悪感情を持たれる要素はない筈だと思い直した
…我ながら身内贔屓が過ぎる気もしなくはないが、それでも私や父、キシリアやガルマにとって誇らしい家族なのだ
「構わんさ
どの様な話か?」
悪いとは思ったが、なにぶん仕事が立て込んでいる事もあって書類から目を離す訳にもいかない
その時の私はゼナの素性がジオンの上流階級の『訳ありの娘』とばかり思っていたのだが
「クラヴァスという家を知っているか?」
その言葉が他ならぬ
出来たばかりのジオン公国であるからこそ、その政治闘争は加減を知らず地球のソレと比べても陰鬱であり凄惨なものとなっていたのだから
ともすれば暗闘と揶揄される程に過激な事態にも発展しかねないジオンの政治の世界
私や父は既にその世界から逃れる事は出来はしまい
もし仮に背を向けたとなれば、その背を見送るのではなく餞別代わりに刃を突き立ててくるのだから
だからこそ、政治に関心と意欲を持つキシリアに対してジオン国防隊から拡大したジオン軍の一翼となる突撃機動軍司令という地位を与える事になっているのだ
私や父ですら油断すれば命を落としかねない。事実謀略という一点においては私を超えていたはずのサスロであってもその凶刃から逃れる事は出来なかったのだからな
キシリアの様に『自尊心が高く、向上心もあり、野心的な人物』など政治の舞台の裏側で蠢く連中からすれば操り
そう、
奴等の意にそぐわぬと判断された瞬間、キシリアの命は終わるだろう
もしも、ドズルにゼナが政治的野心を吹き込んだとすれば
たとえ弟の愛する人物であろうとも許す事は出来ない
のだから
が、私の危惧は幸運にも無駄に終わった
(嫌なものだ。人の赤心すら疑わねばならぬとは)
弟と話をしながら私は内心ため息をつく事になる
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時が移ろうのは早いものであり、あれだけ優勢だった我がジオン軍の敗勢は最早覆しようもない状況へとなっていた
本来、地球侵攻作戦など机上の空論に過ぎない
このプランは他ならぬクラヴァス夫妻によって否定されていたものなのだから
コロニーという人工的に整えられた環境で機能するMS。そんな物がどれだけ地球環境に適応できるというのか?
夫妻はこうも言っていた
環境を整備された事により、宇宙市民はその免疫能力すら地球に住む者達よりも劣る可能性もあります
宇宙での限定的戦闘ならばともかくとして、地球への侵攻はまず間違いなく失敗するのではないでしょうか?
とも
本当に惜しい人物を我々は喪った
であるからこそ、コロニー落としや核攻撃、毒ガスによる大量虐殺などを初期に行なう事により連邦市民の厭戦機運を高めようとした
仮に南極で終戦条約が結ばれるのであれば、総帥である私や公王である父の頸を差し出す事も現実問題として考慮していたのだがな
だが、その可能性は潰えた
それ自体が我々の勝手な考え方でしかない以上、連邦や連邦軍を批判する権利はあるまい
ガルマは北米で
ドズルはソロモンで
それぞれ最後まで役割を果たして死んでいった
そして、今また
「ソーラ・レイはゲルトルバ照準にて発射する
準備にかかれ」
「はっ、ゲルトルバ照準にて準備を開始します!」
(父上。許せとは言わぬ
父上と共に私もまたこの国を地獄に突き落としたのだからな
が、先に逝ってガルマやドズル達と待っていてもらおう)
父を私は手にかける事を選ぶのだ
「閣下、ソーラ・レイ発射完了しました」
「うむ
そして、父上もまたこの
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敵総指揮官であるレビルを父上と共に葬る事で連邦政府との交渉の機会までの時間を稼ごうとしたが、どうやら手遅れの様だ
ジオン本土サイド3への最後の砦であるア・バオア・クーに連邦軍は押し寄せてきた
戦線は膠着しているが、そのバランスとて非常に危ういものだ
そんな要塞司令部に
「兄上」
「キシリアか」
最後というのはおかしな話に聞こえるだろうが、『ザビ家の罪業を継承する』という意味での家族は我等ザビ家4兄妹と父デギンのみ
ゼナや生まれたばかりのミネバに其の罪が及ばない事をただ祈るばかりだ
情けない事だが、な
「
「
「
「
「
キシリアはそう私や父上しか理解できない方法で自身の意思を示した
(そうか、ならば
私は司令室のモニターから
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兄殺しという大罪を私は犯した
「キシリア閣下!親衛隊の艦隊が離脱していきます
如何しましょうか」
親衛隊
兄上の在り方に傾倒していたデラーズ大佐の艦隊か
「構わん。今は戦線の立て直しが急務だ。捨ておけ」
良くもまぁ私自身思っていない事をすらすらと言えるものだと場違いながら自身の意外な強かさに内心苦笑する
(デラーズ大佐。貴官もまた険しき道を選ぶのだな)
ジオンが敗戦したとしても、恐らく多くの将兵はそれを認める事なく各地に潜伏する事だろう
それもまた良い
この戦闘の真実を知る者が生きている限り、『最終防衛戦の最中に総帥を後ろから撃った卑劣漢』として私の名前は残るだろう
そうすれば、軍人としての責務を全うしたガルマやドズル。それに私の
私は
男子のメンツ、軍の権威。それが傷付けられてもジオンが勝利すればよろしい
と言った事がある
当然私の名誉やメンツもまた取るに足らないものでしかない
私が汚名を被る事であの娘の未来が明るいものになるというのであれば、安い取引だろうから
ザンジバルにて要塞より脱出しようとする私の目の前に
(そうか、それがお前の出した答えなのだな)
過去に囚われ、未来に向かうはずの自身の手を血で染め続ける
それもまた一つの生き方ではあるのだろう
(これもまた因果かも知れんな。かつて父と兄はダイクンと共に歩み、ジオンの基礎を創り上げた。恐らくあの男はザビ家こそが諸悪の根源だと信じてやまないのだろう
いや)
キシリアは思い直す
(そう思わねば、友人として親しくしていたガルマを殺したという事実から逃れる事も出来ぬのだろう
それも良いだろう。昔関わった者の手にかかるのも私には相応しい)
私は迫る死に動ずる事なく、ただ柔らかな笑みを浮かべていた
(ガルマ、ドズル、父上。そちらに私も参ります
兄上、あれだけ大きな事を言いながら何一つ果たせぬ私を兄上は笑うのでしょうか?
せめて、ゼナとミネバの明日が良いものであれば良いのですが)
そして、私は光の中に消えていった
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「我儘な人」
私は一人ズムシティの総帥執務室に残り、いえ残されて様々な
「セシリア。お前には最期の
長年私の補佐を勤め上げたお前にしか任せられぬ仕事だ」
そう
その処理とは義弟であるラウム・クラヴァス氏に関する情報の全てを廃棄する事です
「我等が姪に残せるものなど、あのメッセージくらいなものだ
それではあまりにも情けなかろう。あの義弟殿はなんだかんだ言っても
せめて両親は残せないとしても親族の一人もいないでは、ミネバの結婚式で寂しい思いをする事になろうからな」
冷酷な独裁者と国内はおろか、
家族を喪ったからこそ、二度とその様な目に遭わせない努力を怠らない人
私はたとえ世界全てがあの人を悪魔と非難したとしても、私だけはあの人の
私もまたあの人から遺言を受けています
私はその為だけに生き続けたいと思います
でも、それを果たしたその時は貴方の元に逝くことを許してくださいね?
セシリア・アイリーン
元総帥府のギレン・ザビ直属の秘書官であり、ジオン共和国へと移行した後に戦争犯罪人の一人として収監される
彼女は取調べに対して口を閉ざし、なんと『ラプラス事変』の後まで黙秘を貫いた
黙秘していた彼女の口を開かせた理由について諸説あるが、自分の半生をかけた『ジオン公国』にとって共和国は許し難い裏切り者であったからという意見もある
事実、彼女がラウム・クラヴァスというミネバ・ザビの叔父について言及したのは共和国の調査官にではなく、自治権放棄に伴って共和国入りしていた連邦政府の調査官に対してだった
その翌日、連邦の調査官が他の聞き取りをする為に彼女の元を訪れたが隠し持っていた毒薬で自殺していたのが発見されている
彼女が獄中で記した最期の言葉は
やっと、貴方の元へ
とだけ記されていた
恐らく初孫であった事からデギン公は喜んだのではないか?と思っていたした
色々と独自設定や解釈が多いせいで『これ、大丈夫かな?』と思いながら恐る恐る投稿しているのが現状だったり
誤字脱字についてはかなり注意して書いているつもりなのですが、なかなか根絶出来ないみたいで申し訳ないでふ
もしも、ご意見やご感想などがありましたらお気軽にいただけると嬉しく思います
恐らくこれも含めて5、6話程度のものになるかと思いますがもしも宜しければお付き合いして頂けると嬉しく思います
ご一読下さりありがとうございました
ミネバとバナージの結婚式見たいですか?
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見たい
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別に要らない
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書けるなら書いて、どうぞ