義理の兄、なんだそれは!?   作:鞍馬エル

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熱中症になりかかりましたが、私は元気です

皆様もどうかお気をつけ下さい


という訳でいつもよりもカオスになっています


 アクシズ・シスターズ

「ところでラウムさん。少しお願いしたい事があるのだが

…構わないだろうか?」

 

「…うー」

 

「こらこら、クェス。やめなさい

頼み事とは珍しいですな、ハマーン嬢?」

 

ハマーンは珍しい事にラウムへ頼み事をする様である

因みにいつもの『クェスバリア』が発動しているが、ラウムはクェスの頭をポンポンと軽く撫でる事であっさり解除している

 

 

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虹の向こう側マメ知識①

『クェスバリア』

 

ラウム・クラヴァスの娘を狙う少女クェス・パラヤが若い女性相手に発動させる一連のアクションの事

まず唸る

次にラウムに密着する(クェス談「牽制」との事)

そしてジト目で見つめるなど

 

なお、相手によっては乗機であったαアジールを喚び出して物理的に排除しようとする模様

現在のところ、シャアのみに使用される対応

                    MINBOU出版『死んでからも使えるマメ知識』より抜粋

 

 

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「…あの、大丈夫なのでしょうか?」

 

「おじさん、私嫌な予感がするんだけど」

 

「クェス、お前の予感は結構当たるがだからと言ってハマーンちゃんのお願いを断るのはどうかと思うんだが」

 

「あの、ちゃんですか?」

 

 

ハマーンはいきなり初めての呼ばれ方をした事で顔を赤くしながら戸惑いつつ確認する

 

「あ、いや。すまないな

マハラジャさんの長女であるマレーネさんの話は色々聞いていたが、ハマーン嬢の事は聞かされていただけだから、つい」

 

何気にこの男、ハマーンの父マハラジャとも親交があったりするのだから侮れない

とはいえ、マレーネと会う事はなかったのではあるが

 

「おじさんの交友関係っておかしくないかしら?」

 

(それは私も思う)

クェスの言葉にハマーンも声に出す事はなかったものの、同意する

 

口に出さないのはやはりと言うべきか良い意味で『子供扱い』された事が気恥ずかしくあったからだ

 

 

何せアクシズの指導者であるマハラジャの娘

マハラジャと肩を並べるほどの実力者や権力者が居れば、ハマーンも『ただの娘』として扱われた事もあっただろうが、それはなかった

 

ハマーンもピー歳(鞍馬エルはファンネルでボコボコにされた模様)だ。子供扱いされるには少しばかり遅かったともいえる

 

が、それはそれとして気恥ずかしくもあるが嬉しくもある

 

 

 

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「実は会って欲しい者達がいまして」

 

「ん?」

 

「ちょっと待ってよ。者()ってどう言う事?

もしかして最近おじさんを遠くから見てた人の事?」

 

クェスは少し不機嫌なのか、言葉に棘がありました

 

 

 

 

 

 

「ううっ」

 

「お、おい。マリーダ。お前が此処で動かないとそろそろアタシも抑えられなくなるんだからしっかりしろ」

 

「し、しかし。流石に嫌われたとあっては」

 

(んもぅ、マリーダは引っ込み思案だし、プルツーも肝心なところでヘタれるし

仕方ないかなぁ、行けっ!ファンネル達っ(超手加減))

 

クェスの言葉を聞いて出鼻を挫かれたマリーダはそれで臆してしまう

が、そうなると困るのがプルツーだ。

彼女は旧グレミー軍の最高戦力であり、専用機であるキュベレイMk-Ⅱ(プルツー専用)を与えられていた

のみならず、グレミー軍最強大型MSクィンマンサをも与えられていた。その上、グレミー軍の『対ハマーン用』の部隊にラカン、オウギュストらの部隊と共に組み込まれていた

故に必然的にプルシスターズの姉として認識されている。そして末の妹がプルトゥエルブことマリーダ

 

「勿論、プルツーが一緒に行くんでしょ?」

 

「行くよな?

行くよね?

さっさと行け」

 

次女(プルスリー)三女(プルフォー)

どこからか声がマリーダとプルツーに向かって飛んできた僅かな後、プルツーには見覚えのある色のファンネルが彼女達の背を押します(超手加減ビームで)

 

「なっ!?や、止めろプル!」

 

「プル姉さん!?何を」

 

(もー、死んでからも甘え下手とか本当に私のクローンなの?2人とも。お姉ちゃんは少し悲しいかな?)

 

「おい待て、プル

何かお前キャラ変わってないか?」

 

(ぶー、私あんな人みたいに露出多くないよ?)

 

「そのキャラじゃないのくらいわかっているだろうが!?」

 

「あの、プルツー姉さん」

 

「なんだ?」

 

「アンタ達よね?最近おじさんに着いて来てるのは?」

 

プルツーとマリーダがプルの声に注意を向けている間にクェスが2人のそばに近づいていたのである

 

 

 

「ああ、もう」

 

「中々大変そうだな、ハマーン」

 

「…まぁ、そうですが

貴方に言われるのは少し心外ですね」

 

「…解せぬ」

 

ハマーンからすれば、赤いのを始めとした個性が服を着て歩いている様な者達と平然と付き合っているラウムは『人の様なナニカ』に思えてならない

ラウムは否定するが、その一点においてはシロッコや赤いの、シーマにヤザンとも共通している認識だった

 

なお、ギレン達にその話をすると鼻で笑われるのだが

 

とりあえずハマーンは

(負けるな、わたし

深みにハマれば恐らく二度と戻って来れないだろうからな)

 

とラウムに対して警戒感を持ち続ける事を密かに誓った

 

 

…なおその警戒感のレベルが徐々に下がっているのを僅か数日後に理解したハマーンは改めてラウムの恐ろしさを再認識したという

 

 

「甘い上に判断が遅い

奴の本質を理解するのが遅すぎる」

とサスロはハマーンの対応を酷評していたが

 

 

----

 

「…少し段取りが狂ったが、紹介しよう

マリーダ・クルスとプルツーだ」

 

「ひ、姫様とバナージの事

本当にありがとうございます」

 

「?

ああ、もしかしてあの子が言っていたマリーダちゃんかな?」

 

「っ!

ちゃん、ですか?」

 

ハマーンによる紹介を受けてマリーダは緊張気味にラウムに話しかける。が、ラウムの言葉に心を乱されてしまう

 

「あのさ、一応マリーダもそれなりの年なんだけど

あたしはプルツー。一応マリーダの姉になる」

 

「…と言う事は強化人間のクローン計画か?」

 

「そうなりますね」

 

「下衆どもが」

 

ハマーンの答えに対してラウムは珍しく嫌悪感を露わにする

 

「戦力が足らんのは自分達の努力不足だろう

それを無垢な命を弄ぶとは、それでギレンの義兄(あに)

上の縁者などと良くも吠えたものだ

…グレミー・トトだったか?あの弁護士の縁者だとすれば、なんともしようのない人生を送ったと見える」

 

「っ!」

 

「このプレッシャーはなんだ!?」

 

ラウムから放たれる穏やかとは無縁の雰囲気にマリーダとプルツーは怯えと戸惑いの感情を見せた

 

 

さもありなん

彼女達はまだラウムがその手の感情を露わにした事を見た事がないのだから

 

 

なお、クェスの場合だと

 

「…そっか、おじさんもそうやって怒る事あるんだ

なんか嬉しい。おじさんがもっと身近に思えるから」

となるし

 

ゼナ(ブラコン)の場合は

 

「…なんだか懐かしい

兄さんがそうやって怒るのなんていつぶりかしら?」

となる

 

 

もうだめだ、おしまいだぁ

と言いたくなる位に彼女達は手遅れなのかも知れない

 

 

----

 

「その辺にしてもらえると助かるのですが?」

ハマーンとしてもさる人物から頼まれている事なので、「出来ませんでした」というわけにもいかない

 

その人物は

「今私がその方と話をするのはフェアではないと思うのです

かの方が此方に来てからでも私は構いません

…ですが彼女達には」

 

とハマーンに頼み込み、ハマーンもまたそれを異論なく受け入れた

それくらいハマーンにとって恩のある人物だとも言えるのだ、その人物は

 

「っと、すまんな

どうにも此方に来てからちとばかり緩んでいるみたいでな」

 

「…まぁ、それは理解できますが」

 

ハマーンとしても、生前は相当言動などに縛りがあったラウムには伸び伸びと過ごして欲しいと思う部分は確かにある

何せミネバの唯一残された親族なのだ

 

父マハラジャとも親交のあった人物でもあるラウムはそう言った意味においても丁重に扱いたい人物でもある

 

 

別にハマーンとしても、赤いのやシロッコ辺りにしてくれるのであれば何一つ文句を言うつもりはない

寧ろ

 

「いいぞ、もっとやれ」

と応援しても良いとすら考えている

 

が、流石に今回の件については自重して欲しいとハマーンは思っている。別に話が分からない御仁ではない事も理解しているだけに

 

 

----

 

「改めて自己紹介するか

ラウム・クラヴァスだ。マリーダちゃんの事はミネバとバナージからよく聞いている

…となると君は彼女の姉、かな?

もしかしてプルツーさん、でいいのかね?」

 

「ええ、マリーダ・クルスと言います

姫様やバナージが笑って過ごせるのは貴方のおかげと思っています。ラウムさんありがとう」

 

「なんであたしの名前を知っているのか?は置いておくよ

初めましてだよな、プルツーだ」

 

「確かにこうして見ると似てるな。どちらも他人を思いやれる優しい娘だというのも良くわかる」

 

「…はぁ」

 

ラウムの言葉にクェスは憂鬱そうなため息をつく

 

 

クェスとて、人の感情には鈍くない

寧ろ聡い方だ

 

その彼女の勘が告げている

 

「あ、これはダメなやつね」

 

 

----

 

「そっか、『人に歴史あり』とは言うが、中々ヘビーな人生を送ったんだなぁ。プルツーも」

 

「いや、それを言うならラウムのおっさんも大概じゃないか?

というか、グレミーの親父って弁護士だったのかよ」

 

「仮に俺の知るトト弁護士の息子でなかったとしても、ギレンさんの息子でない事は断言できるな

仮にも義理の兄なんだからな」

 

「はー、本当に世の中どこで繋がっているのかなんて分からないもんなんだな、まさかジュドーの知り合いがマリーダの会いたがっていたおっさんなんて思わないだろう」

 

共通の話題(グレミーとジュドー)を見つけたプルツーとラウムは楽しそうに会話していた

なお

 

「あ、う」

マリーダは未だにちゃん付けで呼ばれた事の動揺から回復しておらず、単音発音機と化していた

 

「…これは、大丈夫なのか?」

ハマーンとしては止めるべきかどうか悩んでしまい、結果として傍観する事になってしまう

 

「あーあ

私は知らないからね」

と何故かクェスは少しラウムから距離を取っていたりする

 

 

そしてその時は唐突に訪れた

 

----

 

「「「「「「「何やってんのよ!このバカ姉貴は!!」」」」」」」

 

「へぶぅっ!」

 

突然、ラウムと親しげに話をしていたプルツーが吹き飛んだのである

 

 

「今ビームが通ったのか?」

これにはラウムも困惑した

 

 

ハマーンとクェスは見た

プルツーの側面に突如として現れたミニチュアサイズの量産型キュベレイの姿を

そして、強烈な思念と共に飛んできたアクティブ・カノンとファンネルからの収束ビーム

 

それがプルツーを横から吹き飛ばしたのである

ビームなら死ぬだろう?

 

既に死んでいるからね、平気なのさ!

 

 

----

 

「キチンとマリーダの手伝いしなさいよ!」

 

「普段から姉貴風吹かせてるんだからちゃんとやってよ!」

 

「うう」

 

吹き飛ばされたプルツーは彼女に良く似た少女達に囲まれて文句を言われている

 

あの(・・)トゥエルブが私達にお願いしてきたのよ?

姉として、姉妹として叶えてあげようとは思わないの?」

 

戦場では鬼のように強いプルツーであっても、流石に姉妹達による連携口撃(・・)には勝てないらしく、ほんのり涙目であった

 

 

因みに

 

「大丈夫なんかね、あの子は」

 

「大丈夫だと思います。プルツー姉さんは私達姉妹の中でも特に頑丈ですので」

 

「…まぁ、マリーダちゃんがそう言うならそうなんだろう

いや、何というか俺の知る兄妹喧嘩とは全く違うもんだなぁ」

 

「そうかも知れません

あの、もし宜しければ姫様やバナージの事を伺っても?」

 

些か的外れな事に感心するラウムと漸く自分の願いを口に出来たマリーダ

 

 

これにはマリーダの遥か後方で見守っていた愛機(クシャトリア)もガッツポーズである

そのクシャトリアの隣で楽しそうに頷いているのがZZ

 

基本彼等の世界と虹の向こう側は隔てられている

その為パワーでゴリ押すのが唯一の方法と思われている(・・・・・・・)

が、プルシスターズと量産型キュベレイの様に『乗る事を前提で調整されている』場合などでは親和性の高さから今回の様に喚び出す事も出来たりする

但しスペックは大幅に下がるので、今回の様に激しいツッコミ程度の役割しか果たせないが

 

なお実力で突破してきた場合はその限りではなかったりする

 

 

----

 

何気に若干の危機であったラウムだが、マリーダとの思い出話に興じる事になった

 

なお、クェスはこの様な場を用意したハマーンと口論を繰り広げておりマリーダの相手をする余裕はなかった

その代わりにハマーンの純情ハートに少なくないダメージを負う事にのたりするのだが、今は関係ないので割愛させてもらう

 

 

そして

「失礼かも知れませんが、姫様の事を姉の様に慕っていた部分もありますので」

 

とマリーダが発言した事により

 

「…そうか

なら、ウチの子になるか?」

唐変木(ラウム)が言ったのである

 

まぁ、ラウムとしては半ば娘の様なクェスが既にいる以上そこまで気にする必要もないと思っていた

 

 

なお

 

「ラウムよ。お主の想いは儂としても嬉しく思う

が、今更ではあるだろうがそろそろお主自身の幸せを考えてみてはどうか?」

とデギンからのアドバイスを受けての行動だったりする

 

 

 

「ウチの娘もらってくれなかったラウムに娘を作らせるとかデギン、貴様喧嘩売ってるのか?」

 

「儂は可愛い義理の息子の事を心配して言っただけの事

貴様の妄想に過ぎまいよ」

 

「あんだと?」

 

「…ふっ」

 

その後、仲良くジオンとデギンは取っ組み合いの喧嘩をしたそうな

 

 

 

「父上も随分はしゃいでいるな」

 

「ええ。父上も苦労多き人生でしたから」

 

「あれだけ楽しそうな親父を見るのは久しぶりだな」

 

「父上も凄いものだ。格闘技を嗜んでおられたのだろうか?」

 

「…オイ、お前ら

殴り合いしている父親を見ての感想がそれか?

俺が死んでからお前らどれだけしんどい生活をしたと言うんだ」

 

と温かく殴り合いを見守り、のんびり会話するギレン達に戦慄するサスロの姿があったとかなんとか

 

 

----

 

そして、更なる混沌に満ちる

 

「ではお父さんと

…ところでそうなると姉さん達もお父さんの娘になるのではないでしょうか?」

 

「ちょっと、待ちなさいよ!

おじさん!それどういう事なの!?」

 

ハマーンとの口論が少し収まった時に聞こえた会話の内容を聞いたクェスはラウムに詰め寄る

 

「いや、しかしだな

ミネバを姉と慕うというなら、マリーダが俺の娘になるのはおかしくないと思うのだが?」

 

「そうなると私の姉さん達もお父さんの娘という事になると思う」

 

「なに、その謎理論は!?

しかも微妙に説得力ありそう(ないです)だから否定しづらい!」

 

 

こんなやりとりをしている最中、プルツーを連行してきたプルスリーとプルフォーがこの場に登場

更なる混沌に陥った

 

 

結果として

ラウム・クラヴァスの娘としてプルシスターズ全員が周知される事となったのである

 

なお、プルシスターズの下の方の者達は意識が弱過ぎた為にこの場にいる事が出来なかったらしく、七名しかいないらしい

 

…名前についてはラウムに任せるとの事

 

 

 

 

「ふ、無知とは恐ろしいものだな」

 

「アレにセンスを求めるか、まだ連邦政府が自壊する事を期待する方が可能性はあるだろうに」

 

「兄さんにセンス?

ないものはないんですよ?」

 

とラウムをよく知る者達は語ったらしい

 

 

 

その後、ラウムのそばにクェスとマリーダが

その後ろからプルツー達プルシスターズがついて行くという光景が見られる様になったとかなんとか

 

 




お気に入り増えて、評価も増えてる!?

と、とりあえず頑張ります

今回からアンケートを新たに実施したいと思うので宜しければご協力ください

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