義理の兄、なんだそれは!?   作:鞍馬エル

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途中まで書いてたから、割と早くできた

出来?
うーん、そうだねぇ



という訳であまり絡まなかった2人の話


まだラウムが生きてた頃の物語


 アムロとラウム

「ラウムさん、今度少し飲まないか?」

 

そんなアムロさんの言葉にその場は一瞬で静かになりました

無理もないと思います。

アムロさんにとって、ラウムさんは『自分の罪そのもの』

そう以前俺やカミーユさん、ジュドーさんの前で言っていたのだから

 

オードリーもアムロさんとはあまり話そうとしません

どうしても実父であるドズルさんをどうしようもなかったとは思いますが倒したのですから

 

誰も口にする事はありませんが、お義父さんとアムロさんは一番歳が近い

俺やオードリーはお義父さんの子供として

カミーユさんとファさんは先生と患者

ジュドーさんとは友人、なのだろうと思います

ルーさんは友人の奥さん、にしては結構親しそうだけど

 

セイラさんは幼い頃に関わったらしく、たまに「ラウム兄さん」とふとした時に呼んでしまい、直ぐ気付いて顔を赤くしてます

 

 

なお、バナージが知らないだけでファとルーはラウムの家事全般の教え子であったりする

曰く

 

「これでも独り身生活が長かったからな。一通りの事くらいは出来る」

との事

 

なお、ファとルーは全力で首を横に振る(そんな程度じゃない)だろうが

 

だから、お義父さんとアムロさんはお互い一線を引いて生活しているのでした

別にそれは俺達が意識しないと分からない一線で、それこそ初対面の人や滅多に会わない人達からすれば全く分からないくらい自然なもの

 

 

「気にするなと言っても彼は納得しないだろうし、残念だが私にとってもドズルくんやガルマくんの存在は決して軽くはないからね

恨んでいるつもりはないが、言いたい事は山程あるさ」

 

とはお義父さんの話だ

 

 

そんなアムロさんがお義父さんと話をしようというのだ

実際、オードリーは少し顔を顰めている。

 

 

「別に構わないが、こんなおっさんと飲むよりも若い子達と飲む方が楽しいと思うけどな」

 

お義父さんはそう言って苦笑いしました

 

 

----

 

「今日はわざわざすまない、ラウムさん」

 

「別に構わんさ。ところで具合はどうなんだ?

カミーユ先生からはやはりキチンとした病院なりで治療を受けるべき。そう聞いているが」

 

「いや、そうなんだがな。俺も世間では死んだ事になっているみたいだし、ブライトが色々してくれたおかげで一応口座の預金も引き落とせた。家賃自体は払えると思うから、もし良かったらこのまま住まわせて欲しいと思う」

 

その日の晩、アムロの部屋にラウムが来てのんびり話をしていた

 

「まぁ、家賃云々はそこまで気にしなくてもいいさ

此処はある意味では療養所みたいなものだからな。何せ家主が一番病んでいるのだから」

 

「…もう、長くないのか」

 

「そうだな。出来ればミネバとバナージの子供やカミーユやジュドーの子供を見てみたかったが、来年を迎える事は無理だと思う」

 

アムロにアルコールを注ぎながら、ラウムは淡々と答える

 

「…そうか」

 

「そんな顔をしてくれるな

言っては何だが、漸くこの身にあった荷物が降ろせたのだから。俺としては本望さ」

 

「…」

 

そう言われて「そうだよな」と思える程にアムロとて鈍くはない

だが、どう声を掛ければ良いのか分からない

 

戦争で敵を倒す(殺す)事は数あれど、アムロが人を助けられた事など殆どないのだから

 

----

 

「なるほどなぁ。キャスバルは随分と拗らせていたか」

 

「俺としては、シャアにそんな過去があったなんて思わなかったが」

 

「人に歴史ありさ」

 

アムロとラウムは共通の話題であるシャア(キャスバル)の話をしていた

 

なお

 

「やめろ、ラウム!

アムロに私の過去を話してくれるな!」

と向こう側で騒ぐ者がいた様であるが、まぁ普通に鎮圧されていたりする

 

ザビ家+アクシズにシャア(ぼっち)が勝てる訳ないだろ!いい加減にしろ!!

なお、赤いのを物理的に制圧したのはラカンとオウギュストである

 

 

「アンタ達、わかっているだろうねぇ?」

シーマ大佐(かつての上官)に笑顔で言われてしまうと彼等とて拒否できない

 

思い上がった結果、旧式機であるゲルググマリーネカスタムの大立ち回りを許し、部隊のみならず自分すら討ち取られたのだから

その時点で格付けは済んでいたとも言えるだろう

 

 

特にオウギュストは

 

「…アホが」

とのひと言の後に大型ビームランスでコクピットをひと突きされてあっさりやられている

何も言えるわけがなかった

 

 

ラカンは一応、スペースウルフ隊でマシュマーとイリアを倒したが

 

「どこに目をつけてんだろうねぇ、この馬鹿どもは」

とマシュマーを倒した直後、僅かな気の緩みをシーマに狙われてしまいスペースウルフ隊は全滅

 

一騎討ちとなると、インコムが逆に足枷となり大型ビームサーベルでコクピットごと両断されている

 

 

ハマーンに対する反意はあれど、シーマに逆らう事は出来なかった

彼等とてパイロットとしての意地があったのだから

 

まぁ、ヤザンに言わせると

「パイロットとしてのプライド?

はっ、その程度の腕で何ほざきやがる」

と一刀両断されるだろうが

 

 

----

 

「地球連邦ってのは大き過ぎるが故に面倒な組織になった

『人類初の世界的政治機構』なんて謳っていても、その内情は余りにも歪なものでしかない

地域間の格差は今もって是正される事はないし、度重なる戦乱により放棄された都市もあると聞く

アムロを軟禁したのも、連邦政府の一派閥らしいな」

 

「…そうなのか?」

 

「何で軟禁された本人が知らないんだか」

 

「いや、あの時は本当に無気力だったもので」

 

ラウムのジト目にアムロは苦笑を返す

 

「まぁ、仕方ない部分はあるだろうさ

それでもアムロは立派だと思う。…キャスバルは逃げたんだからな」

 

「…そうかも知れない」

 

ジオン公国の軍人とやらは近代の軍事組織としては余りにも未成熟であったとラウムは思っている

戦争に負けた

 

『勝敗は兵家の常』

勝ち負けも大事だが、その後も大事だとラウムは思っている

 

公国の実質的支配者であったザビ家が悉く死亡したとしても、『戦争を引き起こした』責任は免れない

にも関わらず、連邦政府は国名をジオン共和国に戻し、多額の賠償金の支払いを命じ、軍事費(金食い虫)を縮小させた

 

ラウムもこの対応は破格なものであると思っている

個人的感傷を抜きにして考えれば、戦争に負けた敗戦国に対する扱いとしては有史においても相当甘いものだと思えてならない

 

ところが、それすら不服に思う連中が多く、結果ジオン共和国という宇宙市民にとっての希望となり得る可能性を自ら潰した訳だが

 

 

まぁ、そこら辺は既にラウムが関知するものではないと思っているので気にするつもりなどない

ただ、やはり『ジオン』という国家を作るのに懸命になった人間としてはそれなりに思う事は無いわけでもなかった

 

 

----

 

「あのドズル・ザビがそんな人物だったとは思わなかった」

アムロはドズルの昔話を聞いて目を丸くしてしまう

 

愛妻家としてジオンでは有名であったが、連邦軍においては猛将としての姿ばかりが強調されるのは仕方のない事とも言えば仕方ない話

 

「敵の姿が見えれば引き金が鈍る」

そういう考え方も確かにあるのだから

 

「まぁ仕方ない話さ

ギレンさんなら。『冷徹な独裁者』。ドズルくんなら『ジオン軍一の猛将』、キシリア女史なら『冷酷なる策謀家』

そんな仮面を纏うしかなかったのだろうさ

何せジオン公国と連邦の国力差なんて論じるまでもなく隔絶していたのだから。そうでもしなければ保たなかったのだろう」

 

「…そこまでだったのだろうか?

俺はそう思えなかったが」

 

アムロの疑問に

 

「ま、そりゃおまえさん達は名高い『木馬』だからな

当時MSの運用データはあったとしても、『MS専用母艦』や『各支援機』まだ揃えた部隊運用データなどありゃしないだろう?

加えて『ジオンのエース』達との交戦記録まであるなら、なんとしても連邦総司令部への到着だけは阻止すべき問題だっただろうな」

 

「全く嬉しくない人気だよ、それは」

 

「違いない」

 

ラウムの考察にアムロが苦笑するとふたりとも顔を見合わせて笑った

 

----

 

事実、当時のジオン軍にとって『木馬撃破』はそれなりに重要視されていたのは事実である

 

が、総帥であるギレンからすれば、ルナツー(連邦軍の拠点)に一度入られた時点で遅きに失したと判断している様なものでもあった

 

が、ジオン軍は軍組織をいくつかの軍に分けており、その裁量権は各軍の司令にある

無論、参謀本部や軍本部から作戦の指示が出る事もあろう

 

しかし、これがまた面倒な事に『方法を論じるよりも結果を出せば良い』という結果主義が当時のジオン軍において蔓延していた

本来なら、それを誰よりも危惧せねばならない筈の参謀本部や軍本部、各軍の司令部要員にすらその考えが浸透していたのだからどうしようもない

 

ルウム戦役における昇格や二つ名の大盤振る舞いは『ジオン軍最後の軍事作戦』という理由と、新兵器MSの有用性を広く国民にも喧伝する為のものであった

 

 

どこぞの人物が言う様に

 

「少佐だって戦場で活躍して出世したんだ、俺だって!」

というのはお門違いにも程がある話

 

元々ギレンやデギンが予定していた『対地球連邦』作戦は所謂一年戦争初期の『1週間戦争』に限定するつもりだったのである

 

あくまでも自分達の敵は『地球連邦政府』であり、間違っても『地球連邦軍』ではない

 

それが開戦プランを策定するにあたってデギンとギレンが共有した認識であった

 

 

地球連邦は『文民統制(シビリアン・コントロール)』を旧世紀から継承していた

故に幾ら連邦軍を疲弊させたとしても、連邦政府が危機感を覚えなければ何も意味をなさない

 

それ故のサイド壊滅や毒ガス、核兵器使用

(コロニー)を用意し、政府に圧力をかけたのである

 

 

まぁ、結果は連邦軍総司令官レビルの思考を読みきれなかったが故にその目論みは潰えたのだが

 

 

結果残ったのがルウムの大勝(MSに対する盲信)と軍組織としては致命的とも言える連邦軍への侮り(敵への過小評価)だった

勿論、ギレン達はこれに危険としてなんとか組織間の連携を強めようと試みたが逆にそれはその組織内の分裂の可能性を高めただけとなってしまった

 

ギレンの親衛隊はデラーズというギレンの事を理解していた人物が統制していた為にそこまでの問題にならなかった

 

しかし、これが逆に『ギレンの信奉者』に対する隔意につながってしまう事はさしものギレンやデラーズにも予測できなかったといえる

 

 

良くも悪くも、彼等は常人に比べて頭がキレる

故に見誤ったという事なのだろう

 

 

ギレンやデラーズがラウムを評価した点の一つがコレであった

 

彼等の視点に理解を示しながらも、一般的な意見をぶつけられるのだから

その上で地球にも明るく、しかもザビ家に類する者

寧ろコレを使わない理由が殆ど無かった

 

 

が、それを知ってなおギレンは情を取ったのである

 

 

「総帥がどの様な選択をされようと、このセシリア

離れるつもりも裏切るつもりもありません

黄泉路までお供したく思います」

 

「人に在らざる者が人を統べるなど不可能かと

私はどの様な道であろうとも総帥を信じて、その道を切り拓くのみです」

 

ギレンの私情ともいえる判断を聞いてなお、セシリアとデラーズは彼の意を汲んで動いたのである

 

 

セシリアはギレンの義弟であり、姪ミネバの最後の希望となり得るラウムの情報を命を賭して守り抜き

 

 

デラーズは敗戦を受け入れられず、しかも地球圏に留まる選択をした者達をまとめ上げ、機を待った

連邦の闇や、連邦の利権に集る者達を炙り出し、叶うならその力の一端でも削ぎ落とす為に

 

そして、己が死を見てそれでもなおジオン再興の為に屈辱すら受け入れられる者達をアクシズ(ミネバの元)へ送り届ける為に

 

 

 

それぞれ覚悟を持ってその命を費やしたのだ

 

 

----

 

「ラウムさん

俺が貴方に言えた義理ではないと思うが

それでも言わせて欲しい。あの子達の為に生きてもらえないのか?」

 

「…本音を言うとな辛いのさ、アムロ

両親を失い、守ってきたと思っていた妹も喪い

あの不器用でそれでも懸命に生きていた家族をも喪った

ジオンの名が、ザビ家の名がその宇宙に響くたびに思ったのだ

何故、俺もあの時死ねなかったのか?、と

 

それはラウムが長い事自身の中に押し込めていた感情だった

 

「俺が強い?冗談はよしてくれ

俺は死ぬのが怖くて、他人から糾弾されるのが怖かったから隠れていただけの臆病者さ

俺に会えて嬉しい?

俺は

俺なんかより、ゼナやドズルくん。ギレン義兄(にい)さん達に会って欲しかった」

 

「父を、母を、祖父母を知らないまま育ってきたあの子に俺が何をした!?

俺はただ隠れてあの子が俺を見つけるまで待っていただけ!」

 

「ほんの少しでも歯車が狂えばそれであの子は生きていなかった!

それだけあの子が生まれながらに背負ってしまった物は大きく、重い。それを知っていながら俺は何もしなかった!!

そんな俺をおじと、そして父と慕ってくれる

なぁ、アムロ?

亡くした妹に似た少女が、実の姪が

自分の事を本当に信用して、頼ってくれる

それが本当に尊いと思えるのかよ!」

 

「それは」

 

「バナージも本当に良い子だ

だからこそ、俺は自分の情けなさが許さなくなる」

 

ラウムは仮にバナージやミネバの立場になったとしたら、耐えられないと確信している

故にこそ、そんな子供達に好かれている自分自身の情けなさに腹が立つ

 

 

いや、既にそんな熱はない

ラウムの熱は妹ゼナを育てる時に全て使い果たしたのだから

 

今、ここにいるのは燃え滓であり、過去の亡霊に過ぎない

 

「…ホント無様過ぎて、我ながら情けねぇ」

 

----

 

普段全く見せない姿のラウムにアムロは声を失っていた

 

どんな時でも毅然と

時に苛烈に、優しく

 

オードリーやバナージを見守っている男の姿はそこに無かった

 

 

そしてアムロは

 

(そうか、俺は

いや、俺達は考え違いをしていたんだ

ラウムさんの心の傷は今も開いていて、そこから血を流し続けているのか)

 

漸くアムロは理解できた

 

そして

(悪い、ラウムさん

でも俺達はまだ貴方に生きていて欲しいんだ)

 

アムロはこの時、自分でも出来る事を探す事を決意した

 

 

 

 

 

…それが既に手遅れだということにアムロが気付くまであと10日程の時間を要する事になるが

 

 

 




という訳で、『遅過ぎた理解』でした

手が届かない事はよくある事なので、特にこの時代には










まさかのアンケート一強状態にワレ困惑
え、なに
もしかしてもっとグレミーを苦しめるべきなのだろうか?
それともプルシスターズを活躍させろ、と?


そうなるとネームが足らんのですわ
いやホント

一応書いてますけどね

 IFルート

  • 狂った者(公国ルート)
  • 潜む刃(ソフィルート)
  • 悪意の先に(アクシズグレミー討伐ルート)
  • その他
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