これでよかとですか?
連邦軍にジオン軍が敗北した事により、ジオン独立戦争はジオン公国の敗北となった
それに伴い、公王制を廃し以前の共和国と戻す事が降伏条項に盛り込まれた
更に連邦政府に対する多額の賠償金や軍備の廃止などの厳しい条件が条項に記載される事となる
が、実のところとしてジオン国民が感じる程厳しい条件とは言えないものであった
公王制を廃止するも何も、公王であったデギンは亡くなった。その跡を継ぐであろうザビ家の人間もまたそのことごとくが涅槃へと旅立った
「次期公王などいるのか?」
というのが公国関係者の本音であり、更に総帥であるギレンも死亡している
公王制に拘る理由などなかったと言えよう
賠償金は確かに大きなものであったが、ジオンのMSメーカーで半官半民企業であるジオニックを始めとした企業群を連邦に売却して、連邦政府が来年以降順次行うコロニー再生計画においてコロニー再生事業を受注する事でほぼ支払える額であった
これには政府内や軍からも疑問の声が噴出したが
「旧世紀において名高い
敗戦国の賠償金にあらゆる補填を求めた結果、当時の敗戦国は驚くほど短時間で今一度世界へと牙を剥いたのです
…なぁに、稀少資源である水や酸素などは我々が握っているのですから彼等が如何に愚かでも短慮を起こす事はありますまい」
と政治官僚達には説明し
「…そもそも試作機の名目で軍は余りにも多すぎる機体を作りすぎたのではありませんかな?
局地戦用の機体など地形や環境に適応させた機体ならば理解できますが、我々に必要なのは長期間運用しても問題のない機体でしょう
ジオンにおけるザクの様な」
そう軍人達には釘をさした
その結果
それを主導した者達やそれを良しとした政治家などはそうであっても、
彼等はガンダムに拘る連邦軍やそれを良しとする政治家達を冷ややかな目で見つめていたのである
この多額の賠償金が一時的とは言え共和国の財政を圧迫
その結果、アクシズへと逃げ出す者が多数出た訳である
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ある弁護士はとある案件にて多額の報酬を受け取って贅沢な生活を送っていたのだが、そもそもジオン国内において弁護士とは余り多くない
その為、彼のした事が同じ弁護士仲間に知れ渡るのも必然であった
その弁護士がクライアントの娘の事を黙っていたのはクライアントへの義理立てもあったが、それだけではない
その情報だけでまたお金をせしめれる。そう思ったからだ
が、同じ弁護士達からすればたまったものではない
数が少ない以上、一人一人に対する周囲からの注目はどうしても集まりやすい
そんな中でクライアントの依頼を裏切ってまでその資産の横領の手伝いをしたとなればジオン国内において『弁護士とは信用ならない』との悪評がつく可能性はあり得るのだ
そうなれば彼等の信用問題にもなり、明らかな悪影響が出る事は容易に想像できる
それ故に彼等はその弁護士に対して
「横領した資産を元の持ち主に戻すべき」
と迫った
「そんな事は不可能だ
…それに出来たとしても私の命がない」
弁護士はそう答えたらしい
が
「弁護士をしている以上、恨まれる事は覚悟しているはず
今更何を言っているのか?」
「馬鹿な事を!
お前達はあいつ等の恐ろしさを知らないからそんな事が言えるんだ」
弁護士の男はそう言って席を立った
…しかし彼は知らなかった
その一言で男に明日が来なくなった事を
その日、不正を働いた男が戻る事はなかった
警察も捜索するが、男の遺体が見つかる事は終ぞなかったという
弁護士と警察。反対の立場ながらも無関係とは言えない間柄
つまり、『
…そういう事だ
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そして夫を亡くした妻だったが、彼女は自分が裕福である事を事あるごとにアピールする人間だった
当然だが、周りからよく思われるはずもない
それでも彼女は気にしなかった
夫の仕事は安定。息子も産まれた
しかし、夫の死により全てが変わった
ジオンの社会はまだまだ出来たばかり、地球より優れている部分も確かにある
が、特に組合などの組織についてはジオン、デギン、ギレンらは懐疑的だった
まぁ、無理もない
連邦に比較してあらゆる点でまだ未成熟なところがあるのだから
それを未成熟と取るか?
伸び代があると取るかは人それぞれだが
何もかもが順調だった彼女だが、残念な事にジオンにはまだ弁護士達による互助組織はなかった
…まぁ、あったとすればそれこそ彼女の夫のした事が問題になるだろうが
結果彼女の夫が死んだとしてもその補償が出る事はなかった
一応個人事業主なので、その辺は自己管理である
そして、彼女はあまり貯蓄に頓着する性分ではなかった
当然蓄えがそこまである訳ではない
しかも、数年前に例年よりも多い、いや多過ぎる収入があったのだから
それに慣れてしまった彼女に節制という考えが浮かぶはずもなかった
彼女は自身が孤立している事に漸く気付きました
ですが、何度となく
「ねぇ、少しはみんなと話をした方が良いと思うわよ?」
「お金があるのは分かったけど、余りそれを言わない方が」
と言った事を言われても彼女は全く気にもしませんでした
そうした人達もいつの間にか彼女から離れていき、彼女は安いスーパーや安くあげる方法などを知る手段がないまま、夫を失い子供を女手一つで育てる事になったのです
勿論彼女も
した事もないパートを探して何度となく面接を受けました
しかし、悲しいかな
彼女は今までの生活に慣れすぎていて、無意識に『相手を見下す』様な言動をとってしまっていたのです
いくら人手が欲しい企業でも不和の元になりかねない人物を採用しようとは思いません
それでも、彼女が経験者であればまだ考慮されたかも知れませんが
結局、彼女は色々なところに面接に行っては落とされる生活を余儀なくされてしまいます
不思議な事に彼女自身は隠した気になっていても、彼女が住むのは絶海の孤島でも密林の中でもありません
故に誰かが気付きます
「あの人は就職活動をしている」
と
そこで彼女が周囲から普通の扱いをされていれば
「あそこは少しキツイらしいから考えた方がいいわよ?」
「ウチなら今募集かけているから、どうかしら?」
などと言った話も聞けたでしょう
ですが、彼女は周囲から顰蹙をかっていて、尚且つそれを彼女はどうしようもないと放置していました
故に彼女が何をしようとも周囲の者達はそれを眺めるだけ
話の種にはするでしょう。でも相談相手なんて誰もしなかったのです
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そうこうするうちに戦争が始まりました
ジオン勝利、自治権獲得、完全なる独立などを求めての戦争に国民は嫌でも期待します
まして、開戦当初ジオン軍は連戦連勝だったのですから
勿論戦争ともなれば、国内は少なからず疲弊します
ですが、ある種の熱狂。或いは狂騒ともいえるものに誰しもが囚われてしまいます
当然国内経済などにも悪影響が出ますが、それでも殆どの国民はジオン勝利を願いました
しかし、彼女にとって
『勝つにせよ、負けるにせよ早く終わらないかしら』
と言った考えを持っていました
そして彼女は息子に様々な事を教え込み始めます
礼儀作法、ダンスなど
それは彼女が憧れた
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因みにギレンやサスロ、デギンに言わせると
「礼儀作法は当たり前だが、ダンスは知らんな」
「何処の貴族階級の話だ?
ダンスが踊れたとして、そこになんの意味がある?
…教養?下らんな。そんな事で判断する輩などこちらから願い下げだ」
「確かに無くはないが、必須という訳でもない
流石に曲解が過ぎるのではないか?」
との事
なお、それを聞いていた某元摂政を務めていた人物は冷や汗をかいていたとかなんとか
どこぞの死神も言っていますが
憧れとは理解から最も遠い感情だよという意味での好例だったのかも知れません
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ただでさえ余裕のない中で、その様な事にかまけている彼女の姿は周りからしたら奇異にしか見えなかった事でしょう
当然彼女と関わろうとする者はいない
そしてジオンは敗北し、公国から共和国へと体制を変える事になりました
それに伴い、戸籍の完全な管理体制の構築を共和国政府は目指します
というのも、戦場から独断で離脱した逃亡兵や戦死した兵などの情報が錯綜しておりこれでは今後の共和国による統治体制に悪影響が出る。そう判断したからです
彼女としてはそんな事に付き合う理由もありません
元より苦しい生活を強いられたジオンに何の思い入れもないのですから
その為、不穏分子などの追放を兼ねたアクシズへの合流を目指す艦隊に彼女はなんとか自分と息子を乗せる事にします
…今の生活よりはマシな生活が送れるだろうと思って
が、そんな訳はありません
そもそも、その艦隊自体が共和国政府による策謀の一つであり、連邦政府も黙認したある意味で『非人道的行為』だったのです
宇宙港を出るまでは共和国の警察などが制止します
しかし、ひとたび宇宙港を出港すればその瞬間から彼等は共和国市民としての資格を失います
…つまり、その時点で彼等の扱いは
これは国内の不穏分子排除と共に条項の一つである
『軍事力の放棄』の為にも必要な事でした
何せ旧ジオン軍の艦艇となると戦中の行状からあまり良いイメージが有りません
加えてアクシズや地球圏に潜伏している者達もいます
となれば、旧公国軍の艦艇というものは保持しているだけでそれに与しているかの様な疑いすら持たれかねないものとなっていたのです
しかし、これを共和国主導ですると某宇宙戦艦のクルーや某電磁ロボのパイロット達みたく占拠からの独断行動や占拠しての抵抗活動などが起きる可能性もあります
旧公国軍の者達やその家族達からの反発も予想されるでしょう
そこで、共和国政府は連邦政府と話し合った上で、保持する予定の艦艇以外の警備や情報管理に手を抜く事で国内の不穏分子の炙り出しや
結果、出航した彼等を待っていたのは
更に宇宙港においても脱出艦隊の手引きをした者達の
警備隊のパイロット達にとって旧公国軍の艦艇は自分達が戦った証でもあり、亡き戦友達の面影を偲ぶ墓標でもありました
それが好き勝手にされている
その事実はパイロットとしての教育を受けていながらも思わず撃鉄に手が伸びる程腹ただしいものであります
彼等は拿捕すべきかと考えていましたが、警備隊本部と共和国政府より
『彼等は再三の解散要求に応じる事なく不法に艦隊を占拠、運用したテロリストである
生存を考慮する必要はない。新たな火種を残すよりも、君達の命こそ優先せよ
繰り返す、撃沈せよ。生存を許す理由はない』
との通信が届くにおいて、彼等はその憤りの感情を目の前の裏切り者達にぶつける事とした
結果アクシズへと向かう艦隊の半数近くが共和国領域にて撃破された
なお、食料などを輸送する
彼等が気付くことは終ぞなかったが、元よりこれは謀略の一環であり、棄民となんら変わらない
そんな連中に用意する食料など共和国にはないし、あったとしてと供する理由など存在する訳がなかった
全ては偽装工作
彼等が後生大事に積み込んだコンテナの中身は全てガラクタばかり
食料はおろか、燃料の一滴すらなかったのである
更に強奪された艦隊の燃料すらアクシズに辿り着くには全て不足している
元より共和国政府は彼等の生存など許すつもりはなかったのだ
死の片道切符
後の世にそう呼ばれる事となるこの航海において、乗り込んだ者達は自らの生存の為に昨日まで親しげに話していた友人すら手にかけねばならない地獄を味わう事となる
そこに彼女が求めた様な生活がある訳もなかった
とりあえずグレミーとその母親がアクシズに向かうまでの経緯を書いてみた
…どうでしょうか?
この続きいります?
とりあえず各選択肢の話はこのくらいまでは用意しておりますが、需要があれば順次投稿します
IFルート
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狂った者(公国ルート)
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潜む刃(ソフィルート)
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悪意の先に(アクシズグレミー討伐ルート)
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その他