義理の兄、なんだそれは!?   作:鞍馬エル

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キャラ堀り回という名の蛇足


 明日(未来)を憂いた者達

「…ふむ、まさか君がその様な考えを持っていたとは

失礼だと思うが意外だよ、ジャミトフ・ハイマンくん」

 

「は、そうやも知れません」

 

「そう固くなる事もないだろう?

既に私もきみも死んだ身だ。色々思う事があってあの様な事をしたのだろう?」

 

「…分かりました閣下」

 

此処は虹の彼方の世界の片隅

欧州式のテラスにある丸テーブル。そこに金髪の男性と白髪の男性が座り話をしようとしていた

2人の手元には英国紳士らしくあろうとするかの御仁らしくカップとソーサーがそれぞれ置かれていた

 

「閣下、か

仮にも連邦軍の一組織を創り上げ、その総帥をしていたきみに言われると少々複雑だがね」

 

「そうは言われましても。そういう閣下は連邦軍総司令官でありましたでしょうに、グリーン・ワイアット閣下」

ジャミトフはそう苦笑しながら返した

 

 

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ジャミトフ・ハイマン

ティターンズ総帥であり、連邦軍のみならず連邦政府にすら大きな影響力を持っていた人物である

 

グリプス戦役において、第三勢力であるアクシズとの交渉後部下であったシロッコにより殺害。結果ティターンズの指揮統制は混乱し、次席指揮官であったバスク・オムが乗艦と共に戦没した事によりシロッコがティターンズの全権を掌握するに至る

 

 

だが、それは0086頃の話でありワイアットが戦没する直前の0083時点では北米閥のトップであったジーン・コリニー中将の腹心ではあったものの一介の大佐に過ぎなかった

 

コリニーと時に対立しながら、それでも連邦軍内の統制を維持しつつ連邦軍の軍備縮小を目指していた連邦政府との折衝を行なっていたワイアットの手腕は立場的に対立していたジャミトフの当時の上官であるコリニーをして

 

「アレとうまく付き合えるとは思えぬ

…思えぬが、それでも奴は確かに今の連邦軍にとって必要なのだろうな」

 

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一年戦争において、連邦軍も勿論だが地球市民全体がジオン軍のコロニー落としにより多大な犠牲を出した

更に一年もの間、ほぼ地球全土が戦火に包まれたと言っても決して誇張表現ではない

そうであるが故に経済的にも疲弊し、兵士の徴用は民間の人員を減らす事にもなった

 

結果何が起きたか?

ただでさえ下降気味であった市民生活の更なる圧迫

 

 

連邦政府からすれば、戦争勝利の為とはいえ軍に注ぎ込んだ人員を可及的速やかに民間へと戻す事で低迷しつつあった経済の再生を考えるのは至極真っ当な考えであろう

 

だがそうなると緊急事態に対応しきれない可能性がある

 

それが連邦軍の偽らざる本音だった

 

 

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ジオン公国からジオン共和国へと体制を戻し、ジオン軍は解体。国防隊として再編成させ、軍事的脅威を失わせた

というのは早計である。確かに共和国政府はそこに属する者達は剣を置いただろう

 

だが、逆を言えば未だに共和国に合流していない者達はそれを受け入れるつもりがない、という事でもある

 

ジオン公国最後の拠点であるというアクシズに向かった者達

地上に取り残されながら未だに戦争を辞めようとしない者達

最終決戦より離脱し、地球圏に潜伏する事を選んだ者達

 

 

特に2番目と3番目に該当する者達は紛れもなく脅威だろう

アクシズは遥か彼方である為に移動するだけでもかなりの物資を消耗する事は容易に予測出来た。既に本国であるサイド3からの継続的支援が望まない以上、彼等の懐事情は決して良くない事は間違いない

 

軍備を充実させようとも、それを行使するに足る状況たり得ないのがアクシズだと連邦軍は認識していた

 

 

勿論逃亡兵の集まりといえる2番目と3番目もそうであるとは言えるのだが、彼等の装備は実戦のそれである

となれば、物資を強奪する事とて容易に出来てしまうだろう

時間が経過すれば彼等とて装備の質を維持するのが難しくなるだろうが、さりとてそれを支援する者がいないとも限らない

 

故に連邦軍とて連邦政府の言う事が正論である事を理解しながらも、急激な軍縮には賛同しかねたのだ

 

 

寧ろ地球圏に拡がったジオン残党に対応する為にはMSの早期更新すら必要である可能性も浮上

だが、連邦軍総司令官に就任したワイアットとてそれがどれだけ連邦政府や連邦市民の負担になるかくらいは理解している

 

故にこそワイアットは観艦式(既存艦艇を中心としたイベント)挙行()し、軍事力をともなった反連邦運動を行なう事がどれだけ危険であるのかを形として示そうとしたのだ

…無論連邦軍内における『反軍縮派』とも言える者達に対する牽制でもあった訳だが

 

 

だがそうであったからこそ、観艦式の中止というのは出来なかった

観艦式の中止とはそれ即ち『地球圏の守り手』としての連邦軍の存在を否定しかねないものであったのだから

 

 

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「まぁそうは思っていても中々上手くいかないのが世の中というものだがね」

 

ワイアットは自嘲めいた乾いた笑いを浮かべる

たとえどの様な考えに基づいて動いたとしても、自分達に求められるのは結果だ

勿論手段についても議論せねばならない立場であったが、己がせねばならなかったのは『地球圏に平和をもたらす』事であり、『連邦市民が命の危険を感じる事なく生活できる世界』を守る事なのだ

 

…断じて『眼前の敵を倒す』のが目的ではない

 

敵を倒すのは手段であり、過程

それを取り違えている人間の何と多い事か

ワイアットは此方から彼方を見ていて嘆きたくなったものだ

 

 

「きみはあくまで地球環境を第一としたからこそのその考え方なのだろう?ある意味では間違っていないのではないかね?」

 

「…そう言って頂けると少し救われますな」

そう言うジャミトフの表情はやはり暗い

 

「しかし、だ」

ワイアットは一呼吸おくと

 

 

「いつから軍隊は、我らが連邦軍は己が思想の元で戦う事を許容する程に落ちぶれた(・・・・・)のかね?」

その内心を吐露した

 

 

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軍隊とは暴力装置である

故にこそ、一般の者達よりも拘束が多い。『引き金が軽い』などという事は断じて認められてはならないのだ

 

思想は自由だ

だが、それを軍務にまで持ち込むのであればその人物は残念ながら軍人としての資質に欠けるか自覚が余りにも足りないと思うしかないだろう

 

 

ましてや、それで守るべき者達を混乱に陥れるなどというのは論ずる必要すらない

 

そしてそれが後の世にまで多大な悪影響をもたらしたというのだからワイアットからすれば正気を疑う話だろう

 

 

「ブレックスくんか

…やれやれだな。だからこそ、彼は大佐どまりとしていたのだがね」

 

ブレックス・フォーラの事はワイアットとて知っている

要警戒対象として

 

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「主義の為に戦いたいものだな」

ブレックスが一年戦争の時にふとこぼした言葉だったらしい

 

当時のブレックスの階級は中佐

既に戦隊クラスであれば率いる事もある立場だ

 

 

そんな立場にある人物の口から出た言葉がこれ(・・)

それが発覚した時点で連邦軍の各派閥のトップは話し合いの場を設け、ブレックスの最終階級(・・・・)が大佐である事とされた

 

 

「立場を弁えない発言をする人間に頼らねばならない程連邦軍は人手不足ではない」

とはある人物の発言

 

 

ジャミトフの副官として世間から認識されているバスクもこの扱いであった

ジオンによる拷問により後遺症が残る程の傷を負わされたのは同情するべきかも知れない

 

だが、バスクは民間人ではない。れっきとした連邦軍人である

戦時条約などはそれこそ連邦軍ですら完全に遵守しているとは言い切れないところがある

ましてジオン軍は成立してまだ10年も経っていない未成熟な軍隊

 

どうして軍律や条約を守れるだけの軍規を保てると期待出来ようか?

 

 

 

終戦直前に行われた東アジアにおけるジオン秘密基地に対する極東方面軍の作戦において、病院船と認識されていたジオン軍機動巡洋艦の撃沈を命じたり、友軍内において監視の目を作り上げたりしている事が戦後発覚した

それ故に極東方面軍の作戦などについての精査が行われたのだが、連隊長であるイーサン・ライアー大佐の指示と思われる敵秘密基地への偵察において、不審なMSの反応炉爆発が確認されている

 

南極条約により、核兵器の使用は禁じられておりそれ故にMSに搭載している核融合炉を利用した故意の核攻撃である可能性が浮上していた

 

 

勝つ為には手段を選ばない

 

そう言った無法者が連邦軍内にいたのもまた事実

嘆かわしい事だ

 

 

そして条約を守らなければならない(・・・・)というペナルティが存在しない以上、極論ではあるが守る守らないは当人の意思一つでどうとでもなってしまうのだ

 

 

 

----

 

「少し過去を顧みればわかる事だ

…だが多くの者達は旧世紀の事を無意識に見下している傾向にある。その先人達の活躍あっての我々なのだがね」

歴史とは流れである

過去の事だからと軽く見る者が多いが、戦争などに至るプロセスや群衆の心理など学ぶべき点は多い

 

「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶという

だが、我々の様な立場の人間が『やってみなければ分からない』というのは余りにも怠慢に過ぎるだろう」

 

「…そうですな」

 

「軍人とて人間だ。歯車になれとは言わんさ

…だが、組織を動かす歯車である事もまた事実。武器がそれぞれの意識を持って勝手に動く事が健全とは私には思えんよ」

思想によって動くのであれば、その人物は速やかに軍服を脱ぎ政治家にでもなれば良い

そうならば、その思想のままに活動する事に何の支障もないのだから

 

何もかもを自分の思い通りに出来る

などというのは思い上がりも甚だしいし、危険極まる考え方であろう

組織の一員であるという事に対して余りにも無関心では困る

 

 

自分達軍人は市民から選ばれた訳ではない

だが、市民の安全を守る事こそが優先されねばならない。それは軍服を纏う時点で理解せねばならない事なのだ

 

----

 

民間人に軍事機密を触れられたから、軍に無理矢理所属させる

一年戦争当初こそレビルと友好な関係を持っていたワイアットであったが、その事を知ってからはレビルと距離を取る事にしていた

 

「容易く『責任を取る』などと口にする人間は信用するに値せんよ

武器を取る事を選んだ者は無意識の内に自身の無力に対する反発が生まれよう。そしてまた武器を取る

アムロ・レイだったかね。断言しても良い

彼は間違いなく血塗られた道を歩む事になるだろう。我々連邦軍は大いに恥じねばならん

我々の無責任が沢山の人間の人生を狂わせたのだからな」

 

連邦政府による事実上のアムロ軟禁

ワイアットはそれを公式の場で支持した数少ない人物である

 

「旧世紀の歴史に大きな影響をもたらした2つの世界大戦

その1つが何故起こったのかを我々は真に理解すべきだろう」

ワイアットは事あるごとにそう口にしていた

 

「今更ではありますが聞いても宜しいですか?」

ジャミトフとてその話を聞いた事はあった。人伝ではあったが

さりとて旧世紀の歴史を知るにはそれなりの手間がかかった。ジャミトフはその手間を惜しんだのである

 

「構わんよ

1人の撃った銃弾。それが世界大戦の呼び水となったのだ」

勿論世界大戦に発展した理由は緊張していた世界情勢もあったのだろう。だが、セルビアの青年が放った銃弾によりオーストリア皇太子夫妻の命を奪ったのは紛れもない事実

 

「制御されていない激情の結果だよ

そしてこれは現代でも起き得る事だとは思わんかね?」

 

「…確かに。あり得ないとは言えませぬな」

戦争を始めるのは簡単なのだ

誰かが武器をそれなりの相手に向け、その命を奪えば良い

若しくは統治組織等に対して脅威となり得る行動を取れば良い

 

だが、容易く始めてしまえる戦争だが終わらせるのは尋常ではない程の難事になる

戦争で家族を、友人を理不尽に奪われた者

彼等の無念や慟哭は何処に向ければ良いというのか?

 

自分達は軍人だ

敵を殺す事をする以上、逆に殺されるのも至極当たり前

 

だが、日々を平和に過ごせる筈の市民の命が脅かされる。それは果たして正常な事であろうか?

その死を当たり前のものとして良いのだろうか?

 

 

 

…否

その理不尽な事が起こらない為に軍は存在する

敵を討つ剣である前に、市民を守る盾であるべきなのだ軍隊とは

 

故にこそ、軍組織とは思想や感情のみで動く事を禁忌とすべきなのである

…断じて民間人を兵士として徴用するなどという無法が許されるべきではないのだ

 

『戦争は政治の延長線上にある』

と言われる事があろう

 

 

だが、その意思決定を持つのは軍組織であるべきではない

それを動かす政府機関であるべきなのだ

 

旧世紀において、文民統制(シビリアン・コントロール)が多くの国家で採用されたのは『軍人の視点でのものの考え方では危険』と見做されたのではないか?

 

「生前良く耳にしたものだがね、どうにも我々軍人の中には政府の意思決定に従う事を好ましく思っていない者が多かった様に思える

…が、私からすればそれこそ不見識の極みであり、軍人としての在り方を真剣に考えようともしない不適格な者達に見えたものだ」

 

「…なるほど」

 

「制度が生まれたというならば、それなりの理由がある

ましてや旧世紀から綿々と受け継がれてきたのが文民統制だ。その文民統制に致命的な欠陥があったとすれば何故それを今まで是正しなかったのかね?」

ワイアットは紅茶を口に含むと

 

「ヤザン・ゲーブルだったかね?

少し前に話をする機会があったのだが、彼の様な人物こそ規範的な連邦軍人だろう

尤も彼の階級が高くなればそれだけでは足りなくなるのだがな」

 

「眼前の敵を倒す事にこそ注力すべきだと」

ジャミトフはワイアットの言葉に驚いていた

 

(政治にも理解があり、自分達連邦軍に求められているものを正確に理解しようとする

…なるほどな。確かにこの人物の後任となってしまったのであればあれだけ苦労するのも仕方のない事だったのだろう)

 

「戦争を始める始めないを決めるのは本来政府の専任事項だ

始まってしまったのであれば、それを如何に少ない犠牲で短時間に終わらせるのかを考えねばならん

戦争に勝ったは良いが、守るべき者達が傷付いては本末転倒だろう?」

 

「は」

 

「だからこそ、私はエゥーゴとやらを軍隊と認める訳にはいかんのだよ。何処の世界に自分達の政府の議会を武力占拠する軍がいるというのかね?

それはクーデターと変わるまい」

 

「耳が痛いですな、それは」

 

「我々連邦軍内での対立は構わん。組織内での適度な対立は組織の正常化の為に必要なものだ

だが、些か以上に行き過ぎていたのは分かってはいただろう?ジャミトフくん」

 

「それは、確かに」

ジャミトフとてエゥーゴとの武力抗争などに意味がない事を理解していた。寧ろエゥーゴが此処まで好戦的であった事はジャミトフにとっても想定外とすら言えるほど

 

「余り言いたくはないが、ジオンの残兵を糾合した時点で先鋭的になるのは止められなかったのかもしれんな」

 

「…かも知れませんな」

ワイアット個人としてはジオンに対する負の感情を持つつもりはない

友人であったケイムやその妻セリアを死なせたジオンの人間に対して思う事がないとは言わないが、それはあくまでもワイアット個人の問題

 

如何に気をつけようとも、ワイアットの発言には常に『連邦軍の人間』

としての立場である事が付き纏う

それこそ本当に親しい間柄であっても、発言には気を付けねばならないのだ

 

まぁそれはそうとして、ジオン残党に対しては同じ軍人として決して好ましからざる感情は持っている

 

「彼等は逃げたのだよ。自身の纏う軍服。それに課せられた責務から」

 

軍は負けた

だが自分は負けていない

 

その通りかも知れないが、軍が負けたというのはその軍が守らねばならないものが危機にさらされる事と同義

そこで自分の自尊心の為に守るべきものを危険に晒せるのか?という考えに至らないのは軍人として、軍組織の一員として余りにも怠慢に過ぎるとワイアットは思っている

 

そんな彼等は一度自分達の責任から逃げ出しているのだ

その彼等を同胞として扱い、連邦の体制を変える為に戦う

 

ワイアットからすれば正気を疑う話であろう

 

 

「逃げるのは簡単だよ

…だが、一度逃げる事をしてしまうと逃げ癖がついてしまうのが人間という生き物だ

此方からあの人物を見ていたが、何とも情け無い姿だったものだ

…仮にも彼の姿を見ていただろうに」

 

「あの場合、どの様な対処が正しかったのでしょうか?」

 

「ふむ、それは中々に難しい問題だろう

はっきり言えば連邦政府にも問題があっただろうし、ティターンズにも問題があった

組織として正常な判断の下せない者達ばかりであるならば、何が正解だったのかは私にも分からんよ

…が、一つ言えるとすれば」

 

「何でしょうか」

 

「軍人としての自覚に欠ける人物を上に据えてはならんという事だろう。コーウェンにせよ、ブレックスにせよ、な」

 

ジョン・コーウェンは間違いなく無能とは対極の位置にいる人物だっただろう

MSの有用性に連邦軍内でいち早く気付き、それを部隊としてまとめ上げたのはレビルの援護があったとは言え正しく英断だった

 

だが彼の本質は軍政家でも戦略家でもなく、技術者だろう

仮にレビルが存命であれば間違いなく彼の元でMSの研究や発展に寄与出来た筈

 

 

しかし、ソロモンでティアンム。最終決戦前にレビルと相次いで軍の主流派であったレビルの閥の者達が戦死。本来それを継げる立場にあったエルランはジオンに内通していた

故にコーウェンがその閥を纏めねばならなかったのである

 

加えて艦隊派と任されていたコリニーや古典派と揶揄されていたワイアットの派閥との力関係などもあって、これを断る事は無理だったのだろう

 

 

連邦政府はジオンに勝利した原動力となったレビルの閥を継いだコーウェンにそれなりの地位を与える事には同意したものの、連邦軍総司令官にはレビルと対立していたワイアットを据える判断を下した

 

つまり連邦政府はレビルの功績は認めたものの、その派閥に対して決して好意的ではなかったという事だ

 

 

事実連邦軍総司令官になったワイアットに対して連邦政府からは段階的な軍縮や開発計画の大幅な見直しなどの話が持ち込まれている

 

特に広範に渡っていたMSの開発計画についてはかなり強い文言でその計画の縮小や破棄を求められた

決して連邦軍のやり方に対して好意的でなかった事をワイアットはそこで理解する事となる

 

 

 

故にワイアットは艦隊旗艦型戦艦であるバーミンガムの建造計画を推進する事となった訳だ

 

バーミンガムはこの時代にあって、MS搭載能力を持たない戦艦だ

故に時代遅れと酷評される事になったが、ワイアットからすれば評価する場所が違うのだ

 

MSの運用についてならば、サラミスやマゼランの改良型に同時期に計画していた艦隊随伴型巡洋艦に任せる事とし、バーミンガムはそれらの統括的指揮に専念するコンセプトの元に建造されたもの

そもそも艦隊旗艦が砲戦や戦場において前線に出る事自体が問題でしかない

バーミンガムに搭載されている火砲はあくまでも対艦戦やMS隊の足並みを乱す意味以上のものはない

 

後方にあるならば、輸送艦であるコロンブス級の搭載機も戦力として機能出来る。そう言った意味においてこそバーミンガムの真価は発揮できるのだ

 

コンペイトウにおけるデラーズ・フリートによる観艦式襲撃の際、バーミンガムはその高い管制能力を活用してデラーズ・フリートのMS群を撃破する事に貢献した

 

まぁ結局は核攻撃により消滅した訳だが

 

 

「その艦隊随伴型巡洋艦はかなり高性能でした

事実グリプスにおいても艦隊旗艦として活躍しましたからな」

 

「艦隊旗艦としての運用は私としては想定外だったのだがね」

 

艦隊随伴型巡洋艦。その名はアレクサンドリアという

本来量産を前提としていたのだが、観艦式襲撃に伴う連邦宇宙艦隊の消滅を受けて連邦軍艦政本部は方針転換するしかなかった

 

高いコストの高性能艦よりも、低コストの量産艦の数を用意する

 

更に面倒な事だったが、せっかく用意した新型巡洋艦や新型戦艦の一部はエゥーゴに渡る事となり連邦艦政本部の人間は

 

Fuck you(クソ野郎どもが)」と怒りの声を上げていたとか何とか

 

 

「我々が撒いてしまった戦乱の種は今なお地球圏に住まう者達を苦しめている

何とも不甲斐のない事だよ」

 

「…そうですな」

 

火星におけるレジオン。ペズンにおけるニューディサイズの反乱。ヌーベル・エゥーゴによる連邦政府恫喝

地球圏の、地球の事を想い行動した筈の彼等の願いとは裏腹の事態になっているのはジャミトフとしても慚愧に耐えない

 

「挙句、一民間企業の私兵となる者すら出る始末

彼等にはこの軍服の重みが分からぬと見える」

 

「私は地球に人類は不要と考えておりました

今でもそれは変わりませぬ。…いえもっと強固になったとすら」

 

「確かにそうかも知れないな

余りにも問題を起こし過ぎる

…新天地である宇宙に進出してまで我々は何をしているのやら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼等は願う

地球圏の安定を

市民が当たり前の様に明日を迎えられる日が来る事を




いつも通り捏造だらけ

未だに読んでくださる方が居られる事に感謝を
この次位にイフルートを書く予定(進捗率7割)

期待せずにお待ちいただければ、と思う次第

 IFルート

  • 狂った者(公国ルート)
  • 潜む刃(ソフィルート)
  • 悪意の先に(アクシズグレミー討伐ルート)
  • その他
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