東方旅天使   作:黒檻さん/詩歌

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どうも、冷凍レンジです。

先日、お祭りに行って来ました。
やはり人が多いと歩きづらいですね……

それでは第二話、お楽しみ下さい。


妖怪襲来、鬼現る

 朝日がハクの顔を照らす。

 少し眩しく思ったハクは重たい瞼を開け、意識を覚醒させた。

 

「ふあぁ〜……朝ですか。こんなに眠れたのはこの世界では初めてですね」

 

 今までは基本寝ておらず、もし眠ったとしても昼寝程度だ。

 昨日は昼前に寝たから約二十時間睡眠だった。

 

 とりあえず永琳を探す為に服と髪を整え、部屋を出る。

 すると何処からか美味しそうな香りがするではないか。

 

 天使は食事を取らなくても生きていけるが、食べなければその分お腹が減った感覚になる。

 数年間暖かいご飯を食べていないハクにとっては、凄く楽しみなものだった。

 能力を使ってご飯を創ればいいじゃないか、と思う人もいるかもしれない。

 しかし、能力で創った物はどれも冷たく、お世辞にも美味しいとは言えない物だった。

 

 香りの元を辿って行くと、ある部屋に辿り着いた。昨日ハクが永琳に天使の姿を見せた部屋だ。

 

 ガチャ、と扉を開くと、昨日と同じ赤と青の服を着た永琳が朝食を食べ始めようとしていた。

 

「おはようございます」

 

「おはようハク。今ご飯用意するわね」

 

 しっかりハクの分も作ってくれていた。

 少し小さめのお椀にご飯を盛り付け、お味噌汁とおかずをセットでハクに渡す。

 

 白米に、赤味噌で作られた味噌汁。それと魚のフライだった。

 

「ありがとうございます。では、頂きますね」

 

「ええ、どうぞ」

 

 席に着いたハクがおかずを一口食べると、口いっぱいに広がる暖かさと美味しさが噛み合わさって何とも言えない幸福感に満ちた。

 

「とても美味しいです!」

 

 そんな幸福そうなハクを眺めながら、永琳も朝食を食べていた。

 

「そう言ってくれると嬉しいわ」

 

 そう言い永琳はテレビをつける。

 ハクはテレビもあるのかと驚いたが、それよりも放送されている内容に驚いた。

 

「ーー昨日未明、とある路地裏にて五人の遺体が発見されました。警察は身元の確認を急いでいます」

 

 永琳はハクを呆れた顔で見る。

 ハクは少し顔が引きつっていた。

 

「あの……すみませんでした」

 

 ハクが永琳に謝罪すると、永琳は苦笑しながらテレビの画面を切り、新聞を持つ。

 ハクが新聞を横から覗いてみると、そこには大きく「天使、現る」という見出しがあった。

 

「あの上層部の爺達が貴女の存在を会見で話したわ。おかげで家の前に沢山記者と野次馬がいるわよ?」

 

 だから朝なのに少し声がしていたのか、とハクは思いながら最後の一口を食べる。

 朝食を食べ終えたハクは面倒くさそうに玄関へと向かっていく。

 

「何処へ行くのかしら?」

 

 永琳が尋ねると、ハクはとても良い笑顔で

 

「ちょっと黙らせて来ますね♪」

 

 と言った。しっかりと拳が硬く握られている。

 

「全く……」

 

 永琳が呆れていると、外から説教の声と大勢の悲鳴が聞こえた。

 

「貴方達!ここは人の家の前ですよ!?しかも何故朝から迷惑を顧みず家の前で集まってカメラを構えるんですか!?お仕置きです!!」

 

 ハクは人間レベルまで下げた力で記者の頭を殴っていく。

 一番うるさかった記者にはちょっぴり力を解放してピンポイントで気絶させた。

 

 その二分後には静かになり、野次馬と記者は全員いなくなった。

 気絶させられた記者は仲間に運ばれていったようだ。

 

「静かになりました。これで安心ですね」

 

 この言葉で永琳の顔が引きつったのは言うまでも無い。

 

 永琳も朝食を食べ終え、片付けをしている時にハクは、まだ服が浴衣だったと気が付いた。

 

「永琳、私の服って何処ですか?」

 

「貴女の枕元に置いたはずよ」

 

 早速寝ていた部屋に戻り確認すると、完全に血が取れた服が畳んであった。

 

「一晩で服の血が取れるなんて、科学も進歩していますね」

 

 素早く着替える。

 やはり普段から着ている服が一番落ち着くようだ。

 

「さて、昨日出来なかった街散策でもしましょう」

 

 ハクは書き置きを残し、窓から出かける。

 勿論靴などは履いていないが、飛んで移動する為、必要無さそうだ。

 

 ハクが窓から外に出た数秒後、永琳がハクの部屋の書き置きを発見する。

 

『街を散策してきます。暗くなる前には帰ります』

 

 と、綺麗な字で書かれていた。

 

 永琳は空いている窓と置きっ放しの靴を見てため息をつくのであった。

 

 

 

 

「は〜、どれも大きい建物ですね」

 

 街を飛んで散策しているハク。

 何故か下の方が騒がしくなったので、ハク少し耳を澄ました。

 

「なぁ、あれって新聞にかいてあった天使だろ?」

「そうだろうな。翼とか頭の輪っかとかがあるもんな」

 

 大抵が自分の事だった。

 複雑な気分になりながらも飛んでいると、凄く大きい和風の家が見えた。

 

「この時代はお金持ちが多いですね〜」

 

 お金持ちより大富豪のほうが表現的には良いかもしれない。それほどの大きさなのだ。

 

 家を眺めていると、昨日ハクが入ってきた門の辺りが騒がしくなった。

 耳を澄ますと「妖怪だー!」と言う声が聞こえる。

 

「妖怪ですか……見に行ってみましょう」

 

 興味本位で見に行ってみると、そこでは妖怪と人間が戦う姿があった。

 

 人間はビームサーベルのような武器と、レーザー光線で妖怪に応戦している。

 しかし、妖怪は沢山いるようで人間側もバタバタと倒れていく。

 

 ハクは、人間側の司令官らしき人物に話しかける。

 

「あの、大丈夫ですか?」

 

「おお、貴女は噂のハク殿ですか。申し訳ないが少し加勢して下さらんかね」

 

「ええ、手伝いますよ」

 

 ハクと司令官が会話をしていると、負傷した兵士が報告をしに来た。

 

「報告です!αポイントにて大妖怪を確認!恐らく鬼と思われます!!」

 

 鬼。数少ない大妖怪の中でもかなりの強者だとハクは認識している。

 

「だそうだ。すまないが加勢してくれ。おいお前!ハク殿をαへ案しろ!」

 

「はっ!ハク殿、こちらでございます!」

 

 兵士に着いていくと、門の手前で大量の倒れた兵士を発見。

 その向こう側から悲鳴が聞こえてくる。

 

 悲鳴の方へ向かうと、小さな角を付けた長髪の女性がいた。恐らく彼女が鬼だろう。

 

「我が名は鬼の嵐華と申す!人間共、相手をしてもらおう!」

 

 相当な戦闘狂のようで、目に入った人間を次々と倒していく。

 

 そんな中、鬼は人間側に一人異常な者を発見する。ハクだ。

 

「そこの翼の生えた人間!我と勝負じゃ!」

 

『翼の生えた人間』という表現に腹を立てたハクは、相手を睨みながらも了承の返事をする。

 

「かかって来なさい。すぐに終わらせてあげますよ」

 

「先に終わるのはどっちだろうな!」

 

 ハクの軽い挑発に乗った嵐華は、人間には視認する事の出来ない速さでハクに近づき、勢い良く殴るが……

 

 

 

 パシッ

 

 

 

 ハクはその拳を片手で止め、嵐華に強烈な殺気を浴びせる。

 

 すると、嵐華は冷や汗をかきながら一歩後ずさった。

 

「何じゃお主は……人間では無いな!?」

 

 凄く今更な発言をした嵐華へ、神力を具現化させ作った剣を投げつける。

 

 剣の速度は音速を遥かに凌駕し、嵐華の服を貫いた。

 

「まだ戦うのであれば、全力で迎撃させて頂きますよ?」

 

 圧倒的な力を目にして、流石にマズイと感じた嵐華は妖怪達に指令を出す。

 

「総員撤退!逃げるのじゃ!」

 

 次々と妖怪達が逃げていく中、嵐華は妖怪達を守る為に一人で囮になる。

 

「人間共!ここから先は通さんぞ!!」

 

 しかし、人間達はこれ以上追撃はせずに負傷者の手当てを始める。

 

 妖怪達が全員撤退したのを確認した嵐華は

 

「翼の生えた人間!貴様には必ず勝つからな!!」

 

 と言い残して森へ去っていった。

 

 妖怪達が撤退した後、ハクは軽く伸びをする。

 すると、先程出会った司令官がやって来た。

 

「ハク殿お頼み申し上げる。是非、これからも力を貸して下さらんか?今回のような妖怪がいつ襲ってくるかも分からん。その時に戦力が必要なのだ」

 

 少し考えたハクは、司令官に一つ質問をする。

 

「お金って出ますかね?永琳の家に住んでいる以上、少しでも払いたいんですが……」

 

「ああ、出来る限りの待遇はさせて頂くつもりだ」

 

「なら交渉成立ですね、何かあれば連絡してください。では、私は帰りますね」

 

 交渉成立して少し嬉しそうな司令官を片目に、ハクはふよふよと空を飛んで再び散策を開始するのであった。

 

 

〜少女散策中〜

 

 

 すでに太陽が沈みかけて、辺りが暗くなり始めた頃、ハクは一軒のお店を発見する。

 宝石の原石を売っている店だ。

 まだ加工前だからか、それとも宝石は全く珍しく無いからかは知らないが、それほど値段は高くなかった。

 

「いいですね……今はお金持ってないですし、今度何か買いましょうか」

 

 現在ハクはお金を持っていなかったので、買うのを諦めてまた今度来る事にした。

 しかし、お店の主人にその呟きが聞こえてしまったらしく、主人が全く売れていない原石をハクに渡した。

 

「私お金持って無いですよ?」

 

「いいんだよ。今日妖怪を迎撃してたろ?そのお礼さ」

 

 何処からハクを見ていたのかは知らないが、現在居る大通りから門までは直線なので、恐らく双眼鏡か何かを使って見ていたのだろう。

 

「ありがとうございます!」

 

「おう!こちらこそありがとな!」

 

 早速ハクは家に帰り、自分の部屋に原石を置く。

 能力で原石を創っても良いのだが、その場合は宝石にした時にあまり輝かないのだ。

 

「さて、頑張って加工しましょうか」

 

 ハクは神力を使って地道に原石を加工していく。

 全ての作業が神力一つで補えるのはハクだからであって、他の神では出来ないだろう。

 

 しかし、後半分になった時に永琳がご飯を完成させたようで、ハクを呼ぶ声が聞こえた。

 

「ハクー、ご飯出来たわよー」

 

 ハクは原石を永琳に見つからないように置いて、ご飯へと向かっていった。

 

 ご飯を食べる部屋に着いたハクは、疑問に思った事を聞いてみた。

 

「永琳、何で私が居るって分かったのですか?」

 

「だって貴女、暗くなる前には帰るって書いてあったじゃない」

 

「それもそうですね」

 

 そして二人は晩ご飯を食べ始める。

 ご飯を食べている途中に、ハクは今日の出来事を話し始めた。勿論原石の事は話さない。

 

 

〜少女食事中〜

 

 

 二人で他愛のない話をしていると、いつの間にかご飯を食べ終えていた。

 

「ごちそうさまでした。私は部屋に戻ってますね」

 

「分かったわ。暫くしたらお風呂に入りなさいよ」

 

 永琳の言葉を聞いた後、ハクは自分の部屋へと戻って原石の加工を再開した。

 

 

 その三時間後、宝石が完成した。

 そして宝石に自分の能力でお守りの様な効果を付ける。

 

 この宝石は永琳に渡そうと思っていたが、生憎と永琳は既に自室で眠っているようだった。

 

 ハクは永琳の枕元に宝石を置いておく。

 そして永琳が起きないように空をふよふよ飛びながら部屋を出た。

 

「ふふふ、明日はどんな反応をしますかね?楽しみです」

 

 ハクは笑顔でお風呂場へと向かって行くのであった。




お楽しみ頂けましたでしょうか?

ここらでハクのプロフィールを紹介します。

名前:ハク

年齢:不明

性別:女

身長:154cm

体重:不明

種族:天使

見た目:真っ白な翼と光輪がある。
スタイルは恐らく誰よりも良いが、胸はまないt……結構控えめ。

髪:白くて腰まで届く長さ。
一部、ハネている。

使用する力:神力、魔力、魔神力

能力:「繁栄と滅亡を司る能力」「創造と破滅を操る程度の能力」

特徴:翼が腰の辺りから生えている。
頭上に光輪が浮いている。
神力などの量が異常なほど多い。

服装:白いシャツに、膝までくらいの薄い紅色のスカート。
基本は飛んで移動、もしくは転送魔法で移動するため素足のままだが、空を飛ぶ事が出来ない状況(歩き)だと黒い靴を履く。
歩きでも短い距離なら素足で出歩く。(全く痛く無いらしく、靴は蒸れるから嫌いらしい)

性格:優しいが、少しでも悪意ある危害を加えると反撃してくる。
気に入らない人や集団は殲滅する。
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