「あっつぅ〜いぃ!」
手で太陽を透かし見てから、駅の待合室に逃げ込むと水筒のお茶で喉を潤した。
特別警備隊に夏服という概念がなかったが、結芽が率先して制服用シャツを改造した半袖Yシャツスタイルで任務を始めると、自然と警備隊メンバーもそのスタイルで統一するようになった。しかし、そうした彼女の行動に反して、日差しは重く、しかし鋭く差し込み、関駅(美濃関前)木造駅舎にはあらゆる方向から光が差し込み、暑さから逃れようがなかった。
その年の三月に十六になった燕結芽は、去年のはじめに夜見の刀使引退と、沙耶香の警備隊への参入を経て、少しずつだが将来のことを考え始めていた。以前ほど症状は出なくなったが、完全に治ったわけではなく、呼吸器官の乱れや神経痛といった肉体的な問題を武術的な技術的で補うために模索を続けていた。
今日は技術的な意見をもらうために、美濃関に戻ってきているある人物の元へと赴いていた。
美濃関学院を擁する岐阜県関市は、山に囲まれた盆地であり、長良川と津保川を中心にした豊かな水脈と木材資源に恵まれ、古代より木曽川水流系地域の鍛治集団が武儀郡にある関などへ移り、そこを中心に美濃鍛治が室町から隆盛を極めた。刃物はこの地域の主力産業であり、家庭用ハサミから包丁、お土産用の模造刀に武芸用の玉鋼の真剣、工業部品切削用の工業刃物と、刃物の範囲だけでも多岐にわたる。また珠鋼の鍛造技術に関する口伝が残り、美濃伝鍛治の技術継承の中心であり、中山道を中心とした滋賀、三重、愛知、岐阜、加賀、長野、山梨の荒魂討伐区域を請け負っていた『美濃関衆』と呼ばれた幕府と各地藩公認の刀使集団が、のちに衆ごとに存在した学校と統合運用される形で美濃関学院として発足している。
長良川鉄道の『せきてらす駅』近くには、美濃鍛治の技術と作品を継承・教育する『関鍛治伝承研究博物館』(実際の伝承館より三倍の規模)があり、研究博物館創設前から教育の中心であった春日神社が隣に鎮座している。とうの美濃関学院は『関駅』のほぼ目の前(現実では関市文化会館が立っている場所)に立っており、学生街としても地域の中心となっている。
職員室で受付を済ませると、さっそく彼女の居場所を尋ねた。
「たしか、今は後輩たちの指導に当たっていますから……武道館の最上階道場にいますよ」
「どうもありがとうございます……わ!」
出入り口方面に振り向くと、ガラス越しに結芽に目線を送る美濃関の生徒がひしめいていた。
「ははは、まぁお手柔らかにお願いしますね」
職員のからかいに苦笑いを返しながら、職員室の扉を開けた。扉から退いた生徒たちはほとんど刀使で二、三人男子生徒が混じっていた。
「ほ、ほんものだ……」
ついその言葉が出た刀使の前に顔を近づけた。
「そうだよ、本物の第四席だよ」
黄色い歓声があがり、質問攻めが始まったが、とにかく千鳥の先輩はどこかと尋ねた。
「先輩なら上にいます! エレベーターはこちらです!」
任務や授業があるだろう生徒は離れたが、まだそこそこの生徒がついてきて、エレベーターに乗れなかった子達は急いで階段を上がっていく。
「まさか燕さんにお会いできるなんて……光栄です!」
エレベーター内、黒におさげ髪の中等部初年のワッペンをつけた刀使が目を輝かせて挨拶してきた。
「任務で美濃関の子達と会うこと多いんだよ? まぁ、あなたみたいな初年刀使で済んでしまう任務なら、私と会うことは滅多にないでしょ」
「わ、わ、わ! これが噂の燕さんの悪態! きゃー!」
昔ほど悪態はつかなくなったが、かえって所望される場面が増えており、結芽はこのごろ困惑し気味である。
「強くなったら、背中を預けるから、最初は仲間や先輩を頼る! みんな忘れないでよ」
自分が悪い見本だということを最近は嫌というほど感じているため、後輩には口酸っぱく呼びかけるようにしていた。
「「「「はい!」」」」
元気の良い返事がエレベーター中に響くと、最上階に着いたので扉が開いた。
武道場の入り口で履き物を脱ぎ、一礼して道場内に入ると、実戦入りしている優秀な刀使たちが、体格のよく身長の伸びた年長刀使と仕太刀に立つ三人刀使を囲んで剣の講義をしていた。結芽は講義を邪魔せぬよう、こっそりと話を聞く刀使の後ろに立った。
「こうして一人が前に出るだけで、荒魂は絶好の攻撃チャンスを得る。でも、反面にこの位置に釘付けにされる。ここをタンカーとして受けと突撃の先鋒を請け負えるのは聞いている通りだと思うの、大事なのは私たちのチームの弱点は、相手をする荒魂たちにとっても弱点! どうしても集団での戦いは似たり寄ったりになる。これは群れたり、個体だったり、私たちの手で生み出された荒魂が人間に近い統率行動をとるからだね。だから……」
年長の刀使は結芽を見つけると来るように手招きした。
「はぁーい」
結芽の存在に気づいた刀使たちが一斉にざわめいた。
「みんな、静かにねー! じゃあ、仕太刀の三人はまず清水ちゃんを前に凸形陣へ、結芽ちゃんはとにかく中へ飛び込むように軽く攻めて」
木刀を受け取ると、平青眼で三人に対した。身長の高く恰幅の良い清水という刀使が上段に構えると、両脇の二人は間合いを互い違いになるように下げた。
(なるほどね)
清水が飛び込むと、上段からの打ち下ろしを何度も繰り返す。それを受け流しながら、全体の流れが止まらぬように打ち下ろしのリズムを整えてやり、来るというタイミングに突きを何度も繰り返し、清水は大きく下がった。その瞬間、両脇から木刀が走り、結芽の目の前に突きと斬り付けが目の前で止まった。清水は何を感じたか、ため息をついた。
「見ての通り! 向こうの攻めの力をタンカーが受けて注意を引き、その合間を縫わせるように刃を走らせれば突っ込む形になった荒魂を仕留められる。剣の腕はこうした集団戦の中でどれだけ基本に忠実であるかで真価が発揮されるの、だから試し切り稽古では今まで以上に基本に忠実に太刀を振るうように! じゃあ、私に教えてもらいたい子は並んでてね! 先に教えた子達は引き続き、スリーマンセルの戦術確認と、試し切り稽古を!」
元気の良い返事が返ると、一斉に各々の稽古に向かい出した。
結芽は清水という生徒の肩を叩いた。
「いい気迫だよ! あれなら後ろの二人から注意を逸らせられるね」
清水は困ったように、目を瞬かせた。
「ん? 遠慮なく言っていいよ」
「あの、ええと、私が飛び込んだ瞬間に三人の体を崩せました……か?」
「おやぁ! もしかして体術得意なの? そうだよ、胸を右から捕まえて後ろにひっくり返せば真後ろの一人共々崩れるから、それで視界を失った三人目を真横から薙いで、そこから二人にとどめの突きを考えていたの! 初動が読まれるなんて、私もまだまだだね!」
「まだ……まだ? お、恐れ入りました」
最後衛をしていた短いちぢれ髪の亀井という刀使が、心配そうに中程についていたツインテールで黒髪の刀使へ振り向いた。
口をへの字にして、結芽への闘争心を隠さなかった。
「あの、詩織さん。やっぱり、やめたほうが」
「やるの、わたしなら勝てるんだから」
清水を押し除けて、黒髪ツインテールに優しさに滲む目元に豊かな胸、それに反して口はむっと閉じていて結芽を威圧する。
「あの特別警備隊第四席の燕結芽さんですよね!」
「そうだよ」
結芽は彼女に何か悪いことをしたかと頭を巡らしたが、思い当たりがなかった。
「わたしと勝負してください! 御刀で!」
清水と亀井が必死に止めにかかるが、その刀使は言うことを聞こうとしない。
結芽は稽古で胸を貸してくれと頼まれることは多いが、こうして勝負を挑まれるのは久しぶりだった。
「いいけれど、可奈美おねーさぁーん! いいのぉー?」
何か考えるように天井を見上げ、いいよと言わんばかりに笑顔で親指を立てた。
(こういうところでアバウトなの相変わらずだなぁ)
二人が対するスペースが開けられると、小柄な刀使はそのやや小ぶりな太刀を抜き払い、写シを張った。結芽も少し濃口を切って写シを張ると、すぐに青江を鞘に戻してしまった。
亀井が大きなため息をついて審判に立つと、結芽に大丈夫かと尋ねた。
「もちろん、あなたが少しでもできるなら、刃を合わせてあげるよ」
「な、舐めた真似をします……! 私は中等部二年、柳瀬詩織! 去年の御前試合優勝者だからって! 後悔しても知りませんよ!」
始めの号令と同時に詩織は飛び込んだ!
「うぇえええええええ、ひっく、うえええええええん」
十分後、双方写シを切られもせず、取られもせず。だが、詩織は膝を突いて大泣きし始めてしまった。
清水と亀井が詩織を背中をさすって彼女を慰めた。結芽はやりすぎたことはわかったが、十二分に加減したつもりだった。
「いや結芽ちゃん、あれは詩織ちゃんがかわいそう」
「なんでですか可奈美さん? 怪我しないように、でも私の実力がわかってもらえるようにしたつもりで」
「それだよ、刀を手にしてない刀使にことごとく手玉にとられて、自慢の八幡力跳躍も転がされて、唯一された攻撃が最後の張り手……上級者は初心者の子が心折れないように剣を持って手加減するものだよ」
「あ、ああ……」
詩織の方へ目を向けると、少し考えを巡らせてから彼女の前に来た。
「ねぇ三人とも、これから外行かない?」
武道館を抜け出し、しばらく陽の中を歩いた。何事なのかと、気まずい雰囲気があったが結芽は気にしてなかった。
「えっと、清水ちゃんの下の名前は?」
あまりにもフランクな結芽の態度に、やや恐縮しながら答えた。
「慶子です」
「慶子ちゃんね。このあたりにおいしいアイス屋さんとかない? 今朝から暑い中を移動しっぱなしで、冷たいものが恋しくて恋しくて」
彼女は亀井の顔を覗き込むと、そっかと自分の家がカフェであると教えてくれた。
「美濃関のみんなからも、本町商店街の人たちからも人気あるんですよ、ウチの期間限定アイス!」
「じゃ、そこいこっか! 詩織ちゃん、いい剣士にアイスを奢っちゃうよ」
上目に泣き腫らした顔を見せた。
「惨敗だったのに」
「どういう負け方をしたかわかる? なぜ私は躱わせたのかな」
その質問に目を一瞬輝かせ、目を伏してしばらく考えを巡らせた。
「……迅移と見せかけた八幡力跳躍は近間に届いた。なら、剣の走らせ方」
「そうだよ、私が剣で受けなければならない斬り付けなら、私は迷わず鯉口を切った。教科書通りの正確な切り付けでも、ようは加減とタイミングの使いよう。でも、その基本よりもその連続跳躍なら切れるっていう自信が先行してた。中途半端は嫌いなの、わたし」
笑顔の結芽の顔をまっすぐ見た詩織は、体を起こして目を瞬かせた。
カフェ『KAMEI』は、詩織の同級生である亀井継花の両親が経営するカフェで、放課後の時間もあって美濃関や周辺の中高生がひしめいている。
陽の少ない奥側の席に座ると、泣いていた詩織の姿はなく、その顔は真剣そのものだった。
注文を済ませると、結芽は詩織の顔をまっすぐ見た。
「もしかするかもだけど、舞衣さんの妹?」
「はい、舞衣は私の姉です」
「そっか、私さ、あなたのお姉さんをコテンパンにしたんだよ。でも、折れなかったよ」
詩織はつい目を泳がせた。
「みなさん、これみよがしにお姉ちゃんの名前出しますよね。正直、うざいと思ってます」
亀井と清水は驚いて、詩織の顔を思わず見た。
「うん、詩織ちゃんを知らないから、出る言葉だよ」
「だから、あなたに勝った。もしくは切先を触れただけでも、それで私の名前におねぇちゃんの影はいなくなります。ふふ、燕さんにコテンパンにされただけで名前もあがりますよ!」
「だったら、私は詩織ちゃんの相手なんかしなかったって言ってあげるよ」
「う」
肩から力を抜くと、なぜ舞衣が折れなかったのかという話を始めた。
「あの時は、助けを求めてきた沙耶香ちゃんを助けるためだった。高津さんの言うことより、舞衣さんにもう一度会いたいって気持ちや、可奈美おねーさんからの叱責に自分なりに答えを見つけてたからこそだった。私があそこで勝てなかった要因は、写シが解けても折れなかった舞衣さんを守るために沙耶香ちゃんが意を決して前に出て、そんな自分を変えた沙耶香ちゃんは強いって、勝負にこだわったから。結局、高津さんの追っ手が来て決闘がおじゃん、二人を助けてから帰って寝たよ」
結芽は手の甲を下にして指差した。
「詩織ちゃんのこだわりって、おねぇちゃんを振り切りたいだけ? あの剣は卑屈さじゃ生まれない、必死に稽古したからこその自信と驕りのはずだよ」
柳瀬詩織は姉と同じ明眼を持つが、問題なのは姉ほど具体的な数値分析ができず、広範な範囲を浅く特定の個を分析できないというもので、全体の煩雑な状況しか分からなかった。だが、姉と違い八幡力をラグなしで連続発動ができる『八艘』という能力をもっていた。それを用いれば迅移よりも柔軟で迅速な行動力と、車太刀という短い太刀であっても驚異的な斬撃力を持ち合わせていた。
だが、才能に驕る自分には目を向けてこなかった。
「わたし、末っ子だから、舞衣お姉ちゃんにはうんと可愛がってもらいました。二つ年上の美結は普通の高校行っちゃいましたけど、私はお姉ちゃんの背中に憧れています。昔も、今も、隣に立って支えたい。この気持ちは変わらない。だから、父の反対を押し切って刀使になりました。でも、舞衣お姉ちゃんは来年に刀使を引退して、大学へ行き、父の仕事を支えるというのです。私は……お姉ちゃんにはなれない」
「そっか、独り立ちしたくて、私に勝負を挑んだんだ」
「はい」
「どうして、勝てるなんて自信を?」
「去年の御前試合選抜会での上位全員を倒したので」
結芽は目を丸々と見開いた。それもそのはず、去年の準決勝で自身を苦しめた美炎を打ち破ったというのである。
「美炎お姉さんにも?」
「はい、引退前に手合わせをお願いして、勝ちました」
(初見殺しに弱いとは思っていたけれど、下級生にまで初見殺しを加えられるとは、去年の私の苦戦はなんだったの……)
だが、それでも勝った。荒削りとはいえ、ポテンシャルの高さは舞衣と同じレベルとわかり、結芽は安心した。
「じゃあ、これで御前試合準決勝落ちレベルだね。全国レベルの剣士を相手する力はある。でも、使い方を誤ると私みたいな手合いからは転ばされる。あと、剣だけじゃなくて友達も大事にね。ただ強いだけなんて、それ以上に寂しいことなんてないんだから、みんなをよく支えよう」
詩織は隣の清水と亀井の顔を交互に見た。二人は笑顔を返してくれた。
何度も頷いて、大きく深呼吸して、結芽に向き直った。
「はい、わたし、みんなに認められる柳瀬詩織になります! お姉ちゃんの名前に恥じない美濃関の一員に」
「よぉし! じゃあ、アイス食べて可奈美さんのところに行こう! ところで一向に出てこないけど……?」
亀井がカウンターの方に手を振ると、亀井に顔つきのよく似た店員がすぐにアイスを持ってきた。
「あらら、亀井さんは詩織ちゃんのお世話係かなぁ?」
「つ、燕さん!」
恥ずかしがる詩織の口に、自身の頼んだ練乳ピンスを一口つっこんだ。
「結芽! 結芽って呼んで、詩織ちゃん、慶子ちゃん、継花ちゃん」
むっーと顔を膨らませながら、おいしいと一言出ると、自然と笑いが溢れた。
日は沈み、最上階の武道場には結芽と可奈美の姿があるのみである。
「そっか、詩織ちゃんも話を聞いてもらえて、また一歩強くなれたんだね」
可奈美と二人で型を合わせていく、熟達した猛者の正確無比な太刀筋である。
「詩織ちゃんの課題は『八艘』を使わない立ち回り方と太刀筋をしらないこと、私だって舞衣さんの北辰一刀流の抜き付けは避けられなかったんだから、やることさえやれば強くなるよ」
二人は返しの打ち込みの流れに違和感を抱き、すぐに剣を下ろした。
「ここ、複雑すぎるかな。変に打ち込みの数を組み合わせると、覚えることに頭が行って、理が理解しづらい」
「だね、ここはシンプルに左右正面の返しと、深めの切り落としとその間合いを中心にすべきかな」
可奈美はポケットの手帳を取り出すと、乱雑な文字だが正確に修正のポイントを書き込んでいった。
「新制定刀使剣術型の制定筆頭委員か、たしかに可奈美おねえさんにしかできないな」
「私だけじゃないよ、こうして結芽ちゃんとか、全国の刀使や武道家に意見をもらっている。みんなで、刀使から一人でも怪我人を減らし、荒魂を鎮めて、刀使とノロの関係を一日も早く安定させていく。だからこそ、ありがとうね結芽ちゃん!」
気持ちの良い、晴れ渡った笑顔に結芽も自然と笑顔を返していた。
「ところで、結芽ちゃんの悩みについて、最近判明した対処法があるんだけど、もう一振り御刀を持つなんてのはどう?」
「え、どうして? 写シと体は」
「基本一つ、でも紫様や清香ちゃん、それに呼吹ちゃんのような例もあるけど、最近は常に二刀持ちの刀使は写シの強度が約二倍も跳ね上がるの、同時に二刀を扱うセンスと、同時に二振りの御刀に選ばれる幸運が必要。でも、結芽ちゃんの腕と運なら行けるかも」
「ふぅん、初めて聞いたよ」
「最近、紫様がまだ写シが張れることが判明したの、その時に半人前の写シを二振りの御刀で発動できたの、一振りじゃダメだったって姫和ちゃんが教えてくれたの」
「じゃあ、本当に効果があるんだ。わかった、探してみるよ二振目の御刀!」
可奈美は木刀を置くと、結芽に御刀を持つよう促した。その意図を察してすぐに御刀を持ってきた。対して可奈美は柳生の大太刀と千鳥の二振りを手にした。
「可奈美おねぇさんと久しぶりに立ち会いができる! ワクワクするね!」
「うん! 私も結芽ちゃんが来てからずぅーと我慢してたんだ! やろ!」
それから二人は、生徒会長になった舞衣に怒られるまでずっと立ち会いをし続けた。
舞衣が前よりもずっと大人びて見えた。
其ノ三……了