シャーレの部長はブラックマーケットの代表   作:四脚好き

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 うひゃぁぁぁあああ! コーラル美味しい! コーラル美味しい! ルビコン最高! ルビコン最高! おらっ! フロムは早くG1ミシガンのASMR出すんだよ!

 あ、今回の話、Chapter 01はすべて読んでからお読みになってください。わりとネタバレやら読んでる前提で書いてますから。


Chapter side story グランのこれまで、そしてこれからの話
The First Heroine


◎・いつかの記憶・

 

 一人きりの学校。今年新入生が無ければ、この学校は自然消滅してしまう。私は焦りと恐怖に支配されていた。この大切な学校、なくしたくない、なくさせない。神様、どうか、どうにかこのアビドスを救ってください。

 

 そして奇跡は起きた。なんと新入生が二人も来てくれたのだ! これでひとまず来年にアビドスが自然消滅してしまうことはなくなった……良かった。

 

「こんにちは~。君たちがグラン君とホシノちゃんだね? ようこそアビドス高等学校へ!」

「小鳥遊ホシノです。よろしくお願いします」

「はい! 水戸グランです! これからよろしくお願いします!」

「ほえ~、おっきい銃。君はスナイパーかな?」

「はい!」

 

 今年入ってきた新入生の二人。一人目は小鳥遊ホシノちゃん! 小柄で可愛い女の子! ……なんだけど、ちょーっと性格がキツめかな? でもその小柄な体に秘められた実力は凄まじくて、急接近からのショットガンによる超攻撃的アタッカー。その攻撃はかなりの驚異だね!

 二人目は水戸グランくん! 女子の私でも嫉妬するほどの綺麗で長い髪を持った男の子! 性格は温厚で落ち着いているけど、あまり自分のことを話してくれないのが心配。スナイパーキャノンと医療ドローンを使った後方支援が得意みたい! 何より脚力が凄くて、一気にビルの屋上まで跳んで高所をとって狙撃支援を開始してくれるから大助かり! 

 ふふふ、色々問題はあるけどこれから楽しい学校生活になりそう! 

 

◎・・・

 

 私たちは三人で地域の不良たちを懲らしめる依頼を受けていた。

 

「ふんふふーん♪」

「楽な仕事だとは私も思っていますが、油断しないでくださいユメ先輩。グラン、支援少ない!」

『ホシノさんの動きが速すぎるんです。支援を開始するころにはもうこちらの射角から殆ど敵は消えています』

 

 口では色々文句を言いあっている二人だが、連携は上手くいってるみたい。私が盾で敵のヘイトをとってタンクとなり、ホシノちゃんが高速で攻撃を仕掛けるアタッカー、グランくんが物資や治療も含めたサポートしてくれている。かなり良いチームが出来たと思う。 

 

「扱いずらい武器とかって話だが、最新型が負ける訳ねぇだろ! 行くぞおおぉぉぉ!!」」

「え!? キャッ!?」

 

 やっちゃった!? グランくんとホシノちゃんの事ばかり考えていたらいつの間にか懐まで入り込まれていたみたいで、盾を吹き飛ばされ体勢を大きく崩される。相手の不良は大きな剣のような物を構え、こちらに振り下ろそうとする。

 

「ッ!」

 

 数秒後に来るであろう痛みに耐えるため目を思いっきり瞑る。…………あれ? いつまでたっても来ない痛みを疑問に思って目をゆっくりと開く。

 

「……ぐほっ」

「先輩に何しようとしてんだ」

 

 そこにいたのは崩れ落ちる不良と、折れた剣。そして……左足から血を流しているグランくんだった。

 

「ぐ、グランくん!? あ、足から血が「先輩! 大丈夫ですか!」え、う、うん。私は大丈夫だけど。グラン君の足が……一体どうして……何があったの?」

「何があった? えっと……あの不良がデカイ剣を構えているのが見えたので俺が跳んで剣ごと不良を蹴り飛ばしました。そのときに少し足が切れたみたいです。まぁ、くっついてますし感覚もあるので大丈夫ですよ」

「大丈夫じゃないよ!!」

「!?」

 

 私は周りを見回して不良が近くにいないことを確認すると、グラン君を抱えて物陰まで走る。

 

「ホシノちゃん、少しの間一人でも大丈夫!?」

「問題ありません。……もうすぐ終わります」

「無茶しちゃだめだからね!」

 

 途中でホシノちゃんに声をかけるのを忘れない。!? っとと!

 

「グランくん、あんまり動かないで! 抱えずらい!」

「いや! 男で女性にこの抱え方されるのは中々恥ずかしいんですけど!? そ、それに……胸が……

 

 抱え方……胸? あぁ! 『お姫様抱っこ』だから! それにギュッと抱きしめているせいでグランくんの頭が私の胸近くに来ている。というか少し顔が当たって……ッ!

 

「い、今はそんなこと良いから、しっかり治療する!!」

「は、はい!」

 

 物陰の後ろでグランくんを下ろして、足の傷にグラン君のドローンに入っていた医療箱を出してグラン君の足に応急処置をしていく。

 

「う、うわぁ……。思ったよりざっくり行ってる」

「そうだよ! 大丈夫なわけないでしょ!? これ終わったら病院行くからね!」

 

 ざっくり肉が裂けているグランくんの足に消毒液をぶっかけた後、ホチキスで傷をくっつけていく。グランくんの顔が痛みに歪んでいる。

 

「けど……助けてくれてありがとうね」

「い゛い゛い゛いっ゛づづ!? は、はい!けげ゛げけ怪我無くて゛ぇ゛よか゛っだぁぁぁっっ!」

 

 ……ドキドキする。いつもならギュッとハグして『ありがとう』位簡単に言えるはずなのに。……さっき私のことを守ってくれたグランくんの顔が頭をよぎってなんたか上手くできないや……。

 

「こ、このドキドキはさっきの切りかかられたせいだから……」

 

 顔が赤くなるのを自覚しながら応急処置を終える。このあとホシノちゃんと一緒に不良たちを懲らしめてグランくんを病院に運んだ。

 

◎・・・

 

 病院についたあと彼は麻酔をかけられ手術室に運ばれていった。しばらくして出てきたお医者さんに話をきいた。今回は初回だし、応急処置も素早かったことで切除は免れたようだ。ただ、今後同じような怪我(・・・・・・・・・)があれば今度こそ足を切除することになるみたい……。

 

「大丈夫、もう次は起こさせないから」

 

 手術が終わって病室で寝ているグランくんに私は話しかける。当然返事はないが、そう言わずにはいられなかった。この病室は怪我の経過を見るために何日か入院するそうだ。……前から思っていたけど、グランくん。君、イケメン……というより美人過ぎない? 女である私やあのホシノちゃんですら羨ましがっている綺麗な黒髪。濡れ羽色っていうんだっけ? それに白い肌に下まつ毛もバシバシ。足もスラッとしていて長いし……え、何頭身? 

 

「私……この人に助けられたんだよね……。……こ、これはお礼だから」

 

 あの助けられたときの風景が頭の中に浮かび上がる。青い空に、風になびく長い髪、宙を舞う赤い血、いつになく真剣な表情のグランくんの横顔。思い出したらまた顔が熱くなってきちゃった。私は寝ている恩人の唇に自身の唇を軽く押し当てる。これはお礼だし相手の意識もないしノーカンだから! 大丈夫だから! ちょっと雰囲気の勢いでしただけだから! ……ん? 

 

「良いこと思いついたかも!」

 

 アビドスの生徒増加案を思いついた私は病室から飛び出して、途中看護師さんに走っていることを怒られながらも近くの書店に向かった。

 

「名付けて『少女漫画大作戦』!」

 

◎・・・

 

 そうして暫くしてグランくんは退院して再び学校に通うようになって、またいつもの日常を送っている。そんなある日、私は先日書店で買った少女漫画と元々自分の家にあった漫画を大量に持ってグランくんがいつも過ごしている空き教室に突撃する。

 

「ぐーらーんくぅぅぅんん!」

「どうしたんですかユメ先輩。いつもよりだいぶテンション高いですね?」

 

 教室に入るとグラン君は丁度武器の手入れをしていたみたい。机を何個も繋げて置きシートを引いて、工具箱を置いておっきな作業台みたいにして作業をしていた。

 それにしても……。

 

「グランくんの銃はいつ見てもおっきいねぇー」

「銃というよりも(キャノン)ですから。威力と射程は一級品ですよ。……手入れは大変ですけど」

 

 そう言ってグラン君はゆっくりと砲身を分解していく。

 

「もう足は大丈夫なの?」

「……ふふ」

「え? 笑って? ちょっとー! 私、結構心配してるんだよ! 元はと言えば私のせいだし……

「いや、すいません。今朝、ホシノさんからもそう言われまして」

「ホシノちゃんも?」

 

 ふーん、ホシノちゃんが。後輩が仲良くなるのは嬉しいことだけど、もしかして私が思ってるよりも仲良くなってるのかも? ほほう……。これはこれは……。これではっきりしたね。グランくん、君は……

最高に女たらしだよ!!

 

「それで結局、足の状態はどうなの?」

「もう問題ありません。戦闘にも参加できます」

 

 そう話してグランくんは一度机から離れて軽くジャンプしてから回し蹴りをして見せる。……軸のぶれもないし、問題ないっていうのは本当みたい。良かった……。

 

「安心した。……よし! じゃあ、グランくんは『これ』よく読んでほしいな!」

 

 そう言って大量の少女漫画を空いている机の上に置く。グランくんは何を持ってきたのかと疑問に思ったのだろう、ガンオイルを拭きながら漫画に近づいてくる。そして私が机に置いたのが少女漫画だと分かると顔色が疑問一色になった。

 

「これは漫画……? どうしたんです、こんなに?」

「ふ、ふ、ふー。グランくんにはこれらの本を沢山読んでもらって女の子の扱いを学んでもらいます!」

「……なぜ?」

 

 コテンと首を傾げるグランくん。……ああ、偶にそういう仕草を見せるのも卑怯だと思うな、私。

 

「これこそ、アビドス生徒増加案『少女漫画大作戦』! グランくんはイケメンだからしっかり女の子の扱いができるようになればモテモテだと思うの! それでキヴォトス各地で女の子を落とせばその女の子たちがアビドスに転校してくると思うの!」

 

 私は自身悶々に『少女漫画大作戦』の概要を説明する。少女漫画には女の子が理想とする男子の姿が描かれている。その男子の在り方をグランくんが学べばそのビジュアルも相まってモテモテ間違いなし!

 

「……それ、仮に成功したとしても俺が最低な野郎になりませんか?」

「それも問題ないよ! このアビドス自治区はアビドス生徒会が法律! な・の・で! アビドス自治区では一夫多妻を認めちゃいます! 良かったね、グランくん! ハーレムだよ! 男の夢も叶っちゃうよ!」

「いやー、キツいでしょ」

 

 アレ? グランくんの顔が物凄く微妙なものになってるし、声も何段階か低くなってない?

 

「一応、言っときますけど俺にハーレム願望はありませんよ。どちらかというと一人の女性とじっくりイチャイチャしたい……

「ううぅ、せっかく買ったのに駄目だったかぁー」

「……はぁ」

 

 書店の出費やら、ここまで漫画を運んできた労力が……。と、思っていたらグランくんは溜息をついた後、席に座って漫画を読み始めた。

 

「せっかく先輩が持ってきてくれましたし……。まぁ、ハーレムはともかく将来好きな女性の気を引くための勉強として読ませてまらいますよ。でも、具体的にどういうのがいいのか意見を聞きたいので先輩も一緒に読んで教えてください」

 

 グランくんは自分の隣の席を指さす。

 

「よぉーし、先輩が色々教えちゃうぞー!」

「よろしくお願いいたします」

 

 でも……私から提案したのにどうしてだろう。グランくんが自分以外の女性と笑っている姿をそうぞうしたら胸の奥がチクチクする……。

 それはそれとして勉強の成果は割とすぐに出始めた。

 

「んしょ、んー!」

 

 ある日、私は校舎内で資料の整理をしていた。アビドスが砂漠に飲まれた原因、確かに自然現象なのかもしれないけど、それ以外にも何かがあるような気がしてならない。私はなぜかそう思わずにはいられなかった。その"何か"を確かめるため私は昔のアビドスの資料を見直そうとしていた。高い位置にある資料を取ろうと背伸びをするがなかなか取れない。仕方がないので勢いをつけて下の方から無理やり取ろうとするが――

 

 ――グラぁっ――

 

「あっ」

 

 足を滑らせてしまった。傾く視界、重力に従って倒れていくからだ。

 

「危ないですよ、先輩」

 

 ポスっと後ろから誰かに抱きとめられる。……嘘、ホントは誰だかわかってる、グランくんだ。こ、これ!? あすなろ抱きだ! あ、あああ、ああああ! ま、漫画では知ってたけど、この抱きしめ方密着度とかが凄い!? 息が、グランくんの吐息が耳に!?

 

「大丈夫ですかユメ先輩? 高い位置の資料を取るなら自分を呼んでください、危ないですから。もう、ダメじゃないですか……」

「う、うん。あ、ありがとうグランくん。あ、あっ、手」

 

 ま、不味いかも!? グランくんの囁くような声が耳元に! し、しかも、後ろから髪をかき上げられて耳にかけられる。声が直接耳に! 左手を耳に、右手は腰に回されて耳元でささやかれる。 

 

「だ、ダメっ、腰に力が……」

 

 力が入らなくなって座り込んでしまう。しかしグランくんが抱きしめているから倒れこむことはなかったが、全然この状態から復帰できない。

 

「やっぱりダメじゃないですか。もう、先輩は最近仕事しすぎです。一度休みましょう。運びますね」

「え!? グランくん、ちょ、ちょっと下ろして!?」

 

 グランくんにお姫様抱っこをされて保健室まで運ばれる。恥ずかしくて抜け出したいけど、力が抜けているせいで抵抗が全くできない。う、ううぅ、この女たらしめ……。 このあと保健室のベッドでしっかり寝かしつけられた。途中ベッドから起き上がろうとしたが唇に人差し指を当てられ、『メッ、ですよ』と言われた。……クッ、顔が良い! 私は大人しくベッドに寝ることとなった。

 

◎・・・

 

 そうして幾日が過ぎた。最近ホシノちゃんとグランくんの連携は凄く良くなってきていたし、少し厳しい性格のホシノちゃんとマイペースな私の間をグランくんが取り持ってくれてホシノちゃんとも打ち解けれるようになった。そうして三人で一緒に過ごす用になってから私はある事に気が付いた。

 よくよく考えれば他所の学園の子がアビドスに来ることはないし、グランくんはアビドス大好きっ子だしよその学園自治区に行くことがない。つまり、誰も転校してこない。結果、対女性特化グランくんは私とホシノちゃんにその牙をむくことになった。

 そしてホシノちゃんは落ちた。二人が仲良く下校しているのを遠くから見ていたが、ホシノちゃんが顔を赤くしながらグランくんに告白した。そして夕焼けの中二人はその唇を軽く合わせて……歯が当たったのか二人で笑ってた。

 良かった、後輩二人があれだけ仲いいなら私が卒業したあとも二人でうまくやっていくだろう。本当に……本当に……。

 

「私……私、グランくんのこと好きだったんだ……」

 

 物陰から笑いあう二人を見て自分の本当の気持ちを理解して、なんだか悔しくて、悲しくて、あのベッドの時のキスをノーカンにしなければよかったなのにと後悔が襲ってきて……。後輩に嫉妬している自分が惨めで、涙が止まらない。

 

「あーあ、私の初恋終わっちゃった」

 

◎・・・

 

 崩れゆく地下通路。鳴り響くアラート。ホシノちゃんを担いでグランくんが駆け抜けていく姿を見送る。

 

『離してッ! まだユメ先輩が! 離せッ! 離せよッ!』

 

 もう上手く体が動かない、視界も不明瞭だ。それでも大切な後輩たちの為に……、初恋のあの人の為に!

 

「ここから先にはいかせない! 刺し違えて貴方を止める!」

『排除、排除、排除』

 

 きっとあの子たちにはこれから色々な試練が待ち構えることになる。けど私は二人なら手を取り合ってきっと乗り越えられると思う。だから……さようなら、大好きだよ。

 

 





・扱いずらい武器 両手に大質量のブレードを装着するため動きに制限がかかる大変扱いずらい武装だった。

・グランの左足 暫くした後、キッド4との戦闘で失う。

・グランのファーストキス 実はユメ先輩が相手だがユメ先輩以外誰も知らないためホシノもグランもお互いがファーストキスだと思っていた。

・グランが過ごしていた空き教室 現在はホシノが布団などを持ち込んで昼寝に使って、もうそこにはいない人の残りがを求めている。

・『少女漫画大作戦』 幼いノノミには多いに効果を発揮した。

・グランの思わせぶりな女性への態度 ユメ先輩が原因、この時の経験でキッドを始め多くの女性を落とすようになるグランくん。

・グランの恋愛観 今もあんまり変わっていない。実はチナツやミカ、キッドたちなどに対しては性交をしていてもそれは恋愛としてというよりも社交、コミュニケーションの一つとしての意味が強い。

いつか考えているイベント回グランが若返ります。1年や幼児は体の年齢。記憶は頭の中身、なしだとその体の当時の記憶しかない。ケガは主に四肢欠損のありなし。

  • 一年、記憶あり、ケガあり
  • 一年、記憶なし、ケガあり
  • 一年、記憶あり、ケガなし
  • 一年、記憶なし、ケガなし
  • 幼児、記憶あり、ケガあり
  • 幼児、記憶なし、ケガあり
  • 幼児、記憶あり、ケガなし
  • 幼児、記憶なし、ケガなし
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