長い……。本当に長かった。多分最長記録。難産&長文ですが許してください。みれがエデン条約編なんです……。
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第3次特別学力試験を翌朝に控えた夜更け、先生が寝泊まりしている部屋のドアをノックする音が響く。明日の事を思い眠れずにいた先生はドアを開けて訪問者を招き入れる。
「こ、こんばんは、先生……ま、まだ起きていらっしゃいましたか」
「ヒフミも、眠れないの?」
「は、はい……」
先生が屈んでヒフミに目線を合わせながらそう質問するとヒフミは両手を組みながらそう返事をした。そんなヒフミの様子に苦笑しているとヒフミの後ろに人影を発見する。
「私も来ちゃいました♡」
「ハナコちゃん……」
人影の正体はハナコだった。いつもと変わらないハナコの様子に思わず笑いそうになる先生と感嘆しているのか、呆れているのかどっちつかずな感情のヒフミ。そうやって先生の部屋の前でやいのやいのしているとヒフミタチの寝室のドアがガチャリと相手中からコハルが目を擦りながら出てくる。
「みんな何してるの……」
「コハルちゃんまで……」
「明日は試験なのに、何してるのよ。休むことも大事だって言ったのはそっちでしょ……!?」
「まぁ、そうなのですが……」
コハルの指摘に気まずいのか苦笑を浮かべるハナコ。
「何かアズサもどっか行っちゃったみたいだし……。緊張する気持ちは凄く分かるけど……」
コハルがそう言った後ハナコは真剣な表情になって先生たちに話し出す。
「実は先程、シスターフッドの方々に少し会って来たんです。色々と調べたいことがあって。……足楯、私たちが試験を受ける予定の第19分館についてなのですが……」
「ま、まさかまた場所が変わって……!?」
「いえ、そうではありません。ただそこはこの後、かなりの数の正義実現委員が派遣されて、建物全体を隔離するとのことです」
「!!?」
「建物全体を?」
ハナコの報告にコハルとヒフミは驚き先生は眉を顰める。
「『エデン条約に必要な重要書類を保護する』という名目でティーパーティーからの要請があり、建物全体を正義実現委員会として守る厳戒態勢に入ったとか。それから本館の方にも戒厳令が出ているようです。昨日から変に静かだったのは、このせいみたいですね」
「か、戒厳令……そんなの聞いたの初めてです……」
「恐らく、誰一人あの建物への出入りは許されません。エデン条約が締結されるまで、ずっと」
「ちょっ、ちょっとまって! そしたら私たちの試験はどうなるの!?」
ハナコの言葉にコハルは大声を出して叫ぶ。
「……つまりこういうことです。試験を受けたいのであれば、正義実現委員会を敵に回せ、と」
「あ……」
「そ、そんな……わ、私がハスミ先輩に事情を説明して……!」
「……難しいと思います。ハスミさんには裏側の理由は知らされていませんでしょうし。ハスミさんが私たちを助けたらそれはティーパーティーに対する明確な離反と同義。ハスミさんも正義実現委員会から追放されてしまうのではないでしょうか」
「うっ、うぅ……」
コハルの提案に対してハナコは丁寧にしかしきっぱりとコハルに否定を告げる。その残酷な事実にコハルは涙を浮かべてしまう。
「まったく……どうやらナギサさんは本気で、私たちを退学にさせようとしているみたいですね」
「どうして、そこまで……」
ハナコの言葉にヒフミが悲しみを抱えた表情を浮かべて俯く。そんなヒフミの肩に手を当てて慰める先生。そこに新たな人影が加わる。
「……私のせいだ」
アズサだった。
「アズサちゃん!? ど、どこに行っていたんですか……?」
「みんな、聞いて。話したいことがある」
「アズサちゃん……?」
廊下の奥から現れたアズサは何かを後悔しているような思い詰めた表情をしていた。先生はアズサの方に近寄りそっとアズサの手を握る。
「いつまでも廊下で話ているわけにはいかないからね。みんな、先生の部屋においで。あったかい飲み物を出すよ」
そう言って先生は自室に生徒たちを招き入れ、暖かい飲み物を渡す。そして一息入れた後、アズサは語り出す。
「みんなにずっと隠していたことがあった。でもここまで来たらもうこれ以上隠しておけない……。ティーパーティーのナギサが探している『トリニティの裏切り者』は、私だ」
「……はい?」
「……え? ぎゅ、急に何の話……?」
「……」
アズサの告白にヒフミとコハルは固まり、先生とハナコはじっと黙ってアズサを見つめている。
「私は元々アリウス分校の出身。今は書類上の身分を偽って、トリニティに潜入している」
「あ、アリウス? 潜入?」
「えっと…・・何それ? アリウス? どういうコト?」
アズサは淡々と説明を続けるがヒフミは驚愕でついて行けず、コハルは事態を飲み込めず置いてけぼりになる。そんな中ハナコが解説を入れる。
「アリウス分校……かつてトリニティの連合に反対した、分派の学園です。その反発のせいでトラブルになり、その後はキヴォトスのどこかに身を潜めてひっそりと過ごしていると聞きましたが……」
ハナコの言葉にアズサは頷いて話を続ける。
「そう。私はここに来るまで、ずっとアリウスの自治区に居た。アリウスとしての任務を受けて、今はこうしてこの学園に潜入している。その任務というのは……ティーパーティーの桐藤ナギサ、彼女のヘイローを破壊すること」
「……っ!?」
「嘘でしょ!? そ、それってつまり……」
「……」
アズサの語った『ヘイローを破壊する』という行為の意味を理解したヒフミとコハルは驚愕して顔が青ざめる。
「アリウスはティーパーティーを消す為なら、何でもしようという覚悟でいる。アリウスはまずティーパーティーのメンバーであるミカを騙して、私をこの学園に入れた。詳細は知らないけどきっとトリニティと和解したいとか、そういう嘘をついたんだと思う」
「成程、ミカさんを……確かに彼女は政治に向いていないと言われていましたが……。恐らくはすべてが終わった後、その罪をミカさんに着せる……そういう流れを想定しているのでしょうか。アリウスがトリニティを憎んでいることは知っていましたが……」
アズサの言葉にハナコが考察を重ねる。しかしそんな話の流れを切ってコハルが喋り出す。
「ま、待って……急に何の話? いや、嘘だとは思わないけど、べつに今の私たちとは関係ないじゃん……? というかこんな重大そうな話なら代表も呼んだ方が良いんじゃ……」
「明日の朝、アリウス分校の生徒たちがナギサを狙ってトリニティに潜入する。……私はナギサを守らなきゃいけない。それからグランにも話さなきゃと思ってトレーラーを見に行ったがもぬけの殻だった」
「あ、明日……!?」
「!?」
「このタイミングで失踪……?」
アズサの言葉にハナコは何か引っかかりを覚えて考え込む。
「うん、私はそれをどうにか阻止しないと」
「本館には戒厳令が出ていて、正義実現委員会は別館で行動できないタイミング……。要人襲撃には最適な日ですね。アリウスもだいぶ頭は回るようです」
「ま、待って! 可笑しくない!? よ、よくわかんないけどアズサはティーパーティーをやっつけに来たんでしょ? なのに守るってどういうこと? 話が合わないじゃん!」
「それは……」
コハルの指摘にアズサは口を閉じて何かを言いよどむ。
「それは、俺も聞きたいな」
「!?」
「グランさん!?」
「あなた、今までどこに!?」
その時部屋の扉が開かれてグランが現れる。
「野暮用だ。それでどういう理屈だ?」
「……私は、最初からナギサを守るためにこの作戦に参加した。アリウス側には作戦は順調に進んでいると嘘の報告をしながら、ずっと裏切るための準備をしていた」
「二重スパイか。……それは誰の命令だ」
ハナコが唐突に現れたグランに詰め寄るが、グランはそんなハナコを押しのけてアズサの前にやってきて質問を続ける。その様相はさながら尋問のようでヒフミタチはハラハラとして、先生は万が一のことがあればすぐに割り込めるように待機した。
「誰の命令でもない。私自身の判断だ。桐藤ナギサがいなくなればエデン条約は締結されず、キヴォトスの混乱は深まるばかりだ。そうしたらまたアリウスのような学園がきっと生まれる……」
「だから平和のために……ですか? とっても甘い夢の様な話ですね。今回の条約の名前くらい虚しい響きです。アズサちゃんは嘘つきで、裏切り者だった……。トリニティでもアリウスでも本音を隠してアズサちゃんの周りにはアズサちゃんに騙された人しかいなかった、ずっと全てを騙していた。そういうことであってますか?」
ハナコはアズサの顔を真っすぐ見つめてそう話す。アズサは見つめられた目を真っすぐに見つめ返して頷く。
「いつか言った通りだ。私はみんなのことも、みんなの信頼も……みんなの心も、裏切ってしまう事になる、と。その結果がこれだ。私のせいで補習授業部はこんな危機に陥っている本当にゴメン、私のことを恨んでほしい。今の状況は全て、私がもたらしたことだから……」
「それは違うよ」
「先生……?」
自罰的な発言をしたアズサの隣によって自分の方を向かせて目線を合わしてそうハッキリと言い切った先生。
「元々の原因は『信じられなかったこと』だよ。ナギサがもっとヒフミを、ハナコを、アズサを、ハスミとコハルを信じていたら。ミカがもっとナギサのことを信じていたら。もっとお互いを深く信じられていたら、こんなことにはならなかった」
先生の言葉を聞いてハナコが話を続ける。
「そうですね。今のナギサさんのように誰も信じられなくなってしまった人を変えることは難しいです」
「ぷふっ」
「……? ともかく誰かを信じるという行為は元々難しいですし」
ハナコの話の途中で噴き出したグランにハナコは疑問を感じながらも話をつづけた。
「ですが、アズサちゃんは私たちを信じて本心を語ってくれました。謝ってくれました。……ごめんなさい、先ほどのは何と言いますか、どうしても意地悪したくなってしまったんです。アズサちゃんの真っすぐな顔を見ていると何だか落ち着かなくって」
そう言ってハナコはアズサに向かって頭を下げる。そんなハナコの耳元でグランが一言。
「"トリニティ"出ちゃてるぞー」
「黙ってください」
素早く反撃でグランの脇腹をつねろうとするハナコ。しかし指先の感触に戸惑いを覚えてつねりは失敗に終わる。そんなハナコの戸惑いを置いてグランはアズサに質問する。
「しかし、不思議なことがある。お前の目的は桐藤ナギサを守ること。なら態々目立つ補習授業部と行動を共にせず、一人隠れて襲撃に対して準備することが出来たはずだ。どうしてそうしなかった?」
「それは……多分補習授業部での時間が楽しかったんだ。何かを学ぶということ、みんなで何かをするということ。その楽しさを知ってしまった私はいつの間にかその時間を手放せなくなっていた。まだまだ知りたいことが、たくさんある。海とか、お祭りとか、遊園地とか……行きたいとこ、知りたいことがまだまだたくさんあって……」
「分かります、その気持ち……。実は……同じように思った人が、居たんです」
「……?」
アズサの言葉にハナコは少しだけ遠い目をして同意した。
「その人にとってトリニティ総合学園は、嘘と偽りで飾り立てられた、欺瞞に満ちた空間でした。誰にも本心を離すことが出来ず、誰にも本当の姿を見せることが出来ないまま……。その人にとって全てのことは無意味で……学校を、止めようとしたんです。何せそのまま学園に居続けることは、監獄にいるのと同じでしたから。ですが……その人とアズサちゃんは違いました」
何かを思い返しながら独白を続けるハナコ。そんな姿にグランはハナコの言う『その人』の正体に感づき納得した。どうりで自分のあの勧誘が失敗するわけだ、と。
「話は一瞬変わりますが……アズサちゃんは実際に今回の事が終わったら、この学園での生活は終わってしまうんですよね? そもそも書類を偽装して入学したわけですし、アリウスのことも最後に裏切るのだとしたら、最終的には帰る場所も戻る場所も無いということですよね?」
「あっ……」
「……」
「その場合はシャーレで保護するよ!」
「多分、そう言う話ではないぞ先生」
先生が勢いよく手を上げるのをそっと下ろさせるグラン。
「それを知っていたはずなのにアズサちゃんは……補習授業部で、いつも一生懸命でした。そんな姿を見ていてようやくその人も気が付けたんです。……学園生活の楽しさに。アズサちゃん、もっと学びたいんでしょう? もっと知りたいんでしょう? みんなでいろんなことをやってみたいって、話していたじゃないですか。それを諦めてしまうんですか? ……何も諦める必要はありません」
「ハナコ……」
ハナコはアズサの手を取って微笑みかける。
「桐藤ナギサさん……彼女をアリウスの襲撃から守りましょう。そして私たちは無事に試験を受け、合格するのです。後からどんな文句も言えないように、みんなで90点以上取って、堂々と合格するんです。それが私たちにとって救いとなる、唯一の答えじゃありませんか?」
「でもそんなことは物理的に不可能のはず……。試験は9時から。アリウスの襲撃も同じ時刻に予定されている」
ハナコの提案に戸惑いを浮かべるアズサ。
「ほ、他の方々に助けを求めるとか?」
「それだけでは足りません。今度は私たちの方から仕掛けましょう。何せここには正義実現委員会のエリートと。ゲリラ戦の達人と、ティーパーティーの偏愛を受ける自称凡人と、トリニティのほぼ全てに精通したした人がいます。その上、ちょっとしたマスターキーの様な『シャーレ』の先生までいるんですよ?」
「ま、まぁ」
「おい、俺はどうした?」
「この組み合わせであればきっと……トリニティくらい半日で転覆させられますよ♡」
ハナコはにっこりと笑ってそう言い放つ。
「……はい!?」
「えっ、どういうこと!? 何をする気!?」
「……」
「恐ろしい女……」
ハナコの言葉にそれぞれの反応を見せる面々。
「何をするも何も、試験を受けて合格するだけです♡ 作戦内容は一旦、私にお任せください。さぁ、今こそ力を合わせる時です。行きましょう!」
ハナコが気合を入れて上機嫌に作戦開始の合図を出そうとする。
「あー、少し待て」
「……なんですか」
するとそこにグランが待ったをかける。気分が良いところに水を差されてかハナコが若干むくれながらグランに目を向ける。
「なぁに、少し作戦に少しばかり加えたい奴らがいるんだよ。ほれ」
そう言ってグランは部屋のドアを開ける。そして3人の人物が入ってきてグラン以外の面子は仰天する。
「な、ナギサ様!」
「桐藤ナギサ、何故ここに!?」
「え、え、え!?」
「……それにサクラコさんまで」
「スズミも! ぐ、グラン、一体どういうこと!?」
グランが部屋の中に招き入れたのは桐藤ナギサと歌住サクラコ、そして守月スズミであった。ナギサは少しばかり居心地が悪そうに、そしてサクラコはなぜか半べそで、スズミはそんなサクラコに少し引き気味であった。
「先生には黙っていたが、俺は俺なりのやり方でトリニティの裏切り者を追っていた。そして少し前からそれがアズサだということも知っていたし、ナギサやサクラコと協力してアリウスに対する準備もしていた。と言うことかな。スズミはシャーレ権限で引っ張って来た」
「えぇ……」
グランの言葉に先生はげんなりとする。
「悪いな先生。俺は先生の話す、理想の様なユメ物語も好きなんだが、立場上そうとも言ってられないことがあるんだ。今度一度腹を割って話そうか? そうしないといつかシャーレの方針で喧嘩しそうだ」
「……そうだね」
先生とグランが話している横でヒフミはおずおずとナギサに近づいていく。
「あ、あのナギサ様」
「……ごめんなさい、ヒフミさん。私は貴女に愛を与える、と言いながら心の底から信用できていなかったのです。そしてこんな目に合わせている。罵っていただいても、紅茶を投げつけられても文句は言えません」
「そ、そんなことは!」
「ですが、今だけ、今だけでも私に力を貸してください。ヒフミさん」
そう言ってナギサはヒフミに頭を下げる。
「ナギサ様、顔を上げてください」
ヒフミはナギサの硬く握りしめられている手を取って自分の両手で包み込む。
「確かに、悲しい事、苦しい事はありました。けど、私はそれでナギサ様を嫌ったり、罵ったりしません。……全部が落ち着いたらまた、お茶会に誘ってくれますか?」
「ヒフミさん……っ。はい! 必ず!」
ナギサの目には涙が浮かんでいた。
「あ、あの大丈夫、ですか……?」
「うぅ……皆さんの友情に少し当てられて目元が……」
その隣ではコハルが人見知りを発揮しながらも泣いているサクラコをほおっておけず、おずおずとハンカチを差し出す。サクラコはそのハンカチを感謝してから受取り、目元の涙を拭く。そして落ち着いた後、ハンカチをコハルの手を握りながら返した。しかし急にシスターに手を握られたハナコはシスターについてのねじ曲がった"とある書物の知識"と人見知りが共鳴反応を起こしてしまう。
「え、エッチなのはダメ!」
「な、何故!? い、一体何ですか……!?」
さらにアズサはスズミの事をじっと見つめていた。その視線に戸惑いながらスズミが質問する。
「あ、あの、私に一体何か……?」
「ん、あぁ、すまない。なんだかどこかであったような……。何か関わりがあったような気がするんだが、どうしても思い出せない」
「あぁ、それでしたら実は私もどことなく親近感のようなモノを感じていたんですよ……何故でしょうね?」
「何故だろう……?」
アズサとスズミは互いに顔を見合わせながら首を傾げていた。
「グランさん……」
「ん?」
先生との話が区切りを迎えたころ、ハナコはグランの隣にやってきて話しかける。二人とも視線は合わせず窓から外を眺めながら会話をする。
「私、やっぱり貴方のこと、嫌いです。もしここがプールの近くだったらまた突き落としてました」
「……そうかい。そりゃ、室内で良かったよ。そういえば、俺もお前について分かったことがあるぞ」
「何ですか?」
「お前の望みは贅沢過ぎてうちじゃ叶えられない。もう2度と勧誘はしない」
グランは肩を竦め呆れたような声でそう言った。
「だからあいつ等のこと大切にしろよ? 日常ってのは簡単そうに見えて失ったら2度と戻ってこない極上の贅沢品だからな」
「……その物言いだと貴方は日常を失ったことがあるように聞こえますが?」
「『ブラックマーケット代表』が態々言ってんだもう分かってるだろうに。態々言わせようとしてくるの、本当にお前はトリニティの鑑だな」
「分かっています、そんなこと。……一々指摘されなくても」
「……」
「……」
「ままならないな」
「えぇ、本当に」
「(ところでヒフミさん)」
「(どうかしましたか、ナギサ様。急に小声で)」
「(その、グランさんと、浦和ハナコさんなのですが……。いつもあのような感じで?)」
「(はい、そうですね。付かず離れずというか、なんというか……)」
「(お付き合いはしていないのですよね?)」
「(見たいです。……ナギサ様?)」
「(はい?)」
「(もしかして……)」
「(……黙秘です)」