シャーレの部長はブラックマーケットの代表   作:四脚好き

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24話

◎・柴関跡地・

 

「ゴホッ、ゴホッ……うわぁ、建物がなくなっちゃった……」

「げほっ……これは一体……」

「……」アワアワアワ 

「ゴホン、ゴホン……う、うああぁ」

 

 柴関の跡地、その爆心地に近い位置に便利屋の面々はいた。砂と煙にまみれたアルのコートは見るも絶えない状態になっている。そんな状態のアルを見てか、犯人のハルカはパニックになっている。

 

「……アルちゃん……マジで? マジでやっちゃったの?」

「え?……え?」

 

 ムツキはにんまりと笑顔を浮かべアルの脇を肘で突っつく。逆にアルは現状を把握しきれず頬けていた。

 

「情にほだされるからって、あんなに親切にしてくれた柴関ラーメンを吹っ飛ばしたの? やるじゃーん!! まさに、血も涙もない大悪党! 鬼畜の所業! 悪人中の悪人だよ!」

「え、う?……あ?」

「これが、ハードボイルドなアウトローってやつだね! すごいよアルちゃん! 見直したよ!」

「え……あ! あはははは! とっ、当然でしょう! 冷酷無比、情け無用! 金さえもらえればなんでもオッケー! それがウチのモットーよ!」

 

 どんどん凶悪になっていく、ムツキの笑顔と言葉。その様子に押されたアルは虚勢を張ってそう宣言する。

 

「そういうことだったのね!! アンタたち! よくもこんなひどいことを!」

「……」

「……」

『大将の無事を確認できました! 幸い軽傷だったので、近くのシェルターに案内済みです!!』

 

 そこにちょうど現れた、対策委員会の面々。その顔は怒り一色だった。セリカは怒声を上げ今にでも便利屋に飛び掛かりそうだ。シロコ、ノノミも黙ってはいるが顔は険しく、恐ろしい雰囲気が漏れ出ている。

 

「……ってことは、大暴れしても良いっことね? アンタたち、許さない。ぜっーたい許さないから!!」

「おっと噂をすればってやつだね」

「少しタイミングはずれちゃったけど、どうせ何時かは決着をつけないといけない相手だし。傭兵をこっちに呼ぶ」

 

 セリカの言葉にムツキが返す。カヨコは素早く傭兵たちに連絡を入れ、戦力の確保に努める。

 

「……そっ、そうよ! これでわかったでしょうアビドス! 私がどんな悪党かを! さぁ、勝負よ!」 

 

 アルが愛銃をを構えコートを翻す。

 

「私が一人残さず始末します、アル様」

 

 ハルカがアルの言葉を受け銃を構え走り出す。

 

「くふふ、パーティーの始まりだよ!」

 

 ムツキが手に持ったバッグを広げ、多くの爆弾を放り投げる。

 

「……行くよ」

 

カヨコが静かに愛銃を掲げる。

 

 

「覚悟は良い!」

 

 セリカが手早く、銃のチェックをしてマガジンを入れ直し気合を込める。

 

「……」

 

 シロコは言葉を発することはなく、ただ静かにドローンと銃を準備する。

 

「お仕置きですよー!」

 

 ノノミの銃が轟音を上げ、バレルが回転を始める。

 

「殺してやる。殺してやるぞ、陸八魔アル」

 

 グランが柴関の仇を撃たんと静かに殺気を立ち込める。

 

「戦闘開始!」

 

 そして先生がタブレットを構え、声をかける。

 

「やあああぁぁぁぁ!」「そぉぉら!」

 

 グランとハルカが互いに向けてショットガンを乱射しながら接近する。二人とも十分な距離まで到達した瞬間、互いに蹴りを繰り出す。蹴り対決はグランに軍配が上がった。蹴りが得意なグランが優位な上に、ハルカとは足の長さの差があったため、グランの蹴りの方がハルカの蹴りより、深く相手にに食い込んだのだ。

 

「ぐふっ」

「しゃあ!」

「喰らえー! バーン!」

「なっ!?」

 

 ハルカを吹き飛ばして追撃を仕掛けるグラン。そこにムツキが鞄を投げつける。鞄は大きな爆発をしてグランを吹き飛ばす。

 

『グランさん!』

『グラン、一旦引いて。ノノミは弾幕形成、当てなくてもいいから便利屋に頭にあげさせないで。シロコはドローン準備。セリカはノノミと一緒に弾幕はって!』

「はーい、いっきますよー!」

「ドローン起動」

「ほら、グラン! 今のうちに立て直して!」

 

 セリカとノノミの援護射撃が始まる。その間に、グランは一度便利屋から離れる。グランと便利屋の間を遮るようにシロコのドローンのミサイルが炸裂する。

 

「すまん。助かった」

「気にしないでいいわ。……ん? ねぇ、便利屋の社長はどこ行ったの?」

「なに!?」

 

 セリカが疑問の声を上げる。グランもつられて便利屋の方を確認すると、そこにアルの姿はなかった。

 

『みんな、上!』

「ッ! ノノミ、頭下げろ!」

「はい!」

 

 グランが上方を確認し、ノノミに声をかける。ノノミがすぐに頭を下げると今までノノミの頭があった場所を銃弾が通り過ぎた。銃弾が飛んできた方向を見れば、アルがオフィスビルの上からこちらに向けてスナイパーライフルを構えているのが見えた。

 

『グラン、ビルを跳んで近づいてそげ――――バァァァアアン!――――

「何!?」

「うるさッ!

「キャッ!?」

 

 先生の指示を遮るように轟音が響き渡る。音のした方を確認すると、カヨコが手元の銃のサプレッサーを外していた。

 

「先生の指示……面倒だから、遮らせてもらったよ」

「えっへへー。カヨコちゃんナイス~」

「い、行きます!」

 

 先生の指示が途切れた所に便利屋の面々が攻勢にでる。上方からの狙撃、轟音による連絡の妨害、ショットガンとマシンガンの連携攻撃、便利屋は一見アルのせいで頼りなさそうだが、その実力はキヴォトスでも指折りだ。

 

「クッソ! とりあえず。俺は狙撃をどうにかする! ノノミはマシンガンにお返ししてやれ! シロコ、セリカはショットガンを近づけるな!」

「了解」

「わかったわ」

「はーい☆」

 

 急遽グランが指示を出す。ノノミがミニガンの掃射をして便利屋の攻勢を一瞬止める。その隙にグランは飛び出して一気に接近する。

 

「こ、今度は負けません!」

 

 また接近戦を仕掛けに来たと思ったハルカが迎撃に出るが二人の間合いの寸前でグランが一気に飛ぶ。

 

「え?」

「そこよ!」

「わっ!」

 

 呆けたハルカにセリカの射撃が襲う。グランはハルカを飛び越えビルの壁面に着地する。そして足に力を入れて、再び飛ぶ。

 

「捕らえた」

「舐めないで!」

 

 お互いに銃を突きつけあう二人。そして引き金を引こうとした瞬間、先生から通信がつながった。

 

『二人ともそこから離れて!』

 

 その通信にグランが一瞬動きを止めてしまう。しかし先生からの通信はグランにしか聞こえていないためアルは気が付かずに引き金を引いてしまう。グランの右腕に炸裂する。

 

「がッ!」

「え?」

 

 銃撃を受けてバランスを崩しビルの屋上を転がるグラン。相打ち、なんなら自身の敗北を予想していたアルはなぜグランが動きを止めたのか理解できずに疑問の声を上げる。

 

 

ヒュゥゥゥウウウ

 

「これはッ! 来い!陸八魔!」

「え! キャッ!」

 

 聞こえてきた音の正体に気が付いたグランは勢いよく立ち上がり、アルを抱えてビルから飛び降りる。その時、ビルが爆発に包まれた。

 

ドガガガガーーーン! ドッカーーーン!

 

「うっわ!? 今の爆発何!? アルちゃん無事!?」

「これは……!」

「アル様ー!?」

 

 攻撃を中断してアルの無事を確認しようとする便利屋。同時に対策委員会の面々も攻撃を中止して、状況の確認に努める。

 

「何……?」

「この音は……というか、グランは無事!? 先生、アヤネちゃん、どっちかわからない!?」

『グランは無事! シッテムの箱で確認できた!』

『先ほどの爆発は砲撃です! 3キロメートルの距離に多数の擲弾兵を確認しました! 50mm迫撃砲です! 標的は私たちというより、便利屋の方みたいですが……』

「迫撃砲、ですか……」

『不明勢力の所属、確認できました! これはゲヘナ風紀委員会! 三個中隊規模です!』

 





初期案キャラ設定。本来はこんな感じの作品になるはずだった。
小島アクア。ミレニアムの二年生でセミナーの庶務であり、新素材開発部所属。自身が発見し命名した『コジマ粒子』を使った武器を装備している。庶務として様々な組織との交流があり、シャーレともその活動一環としてやってきた。仕事は真面目に忠実だが、発明関係についてはかなりの変態性を持っており尖った作品が多い。パヴァーヌ一章から登場でアリスの兄的存在である。

アクア「アリス! そんなレールガンじゃなくてこのコジマキャノンを使うんだ! 見ろ、この優しい緑の光を! 私はいつかこの緑で世界中を包みたい! この光があれば先生に聞いた砂漠化が進行しているアビドスとやらもすぐに緑化できる! さぁ、アリスも私と一緒に世界緑化計画を進めて世界を救おう! いつかコジマの光が世界を救うと信じて!」

アリス「はい! 兄様! アリスはコジマキャノンを四つも装備しちゃいます!」

 最終章ではソルディオスオービットを元気に操作するアリスの姿が見れます。

グラン「ホシノ! 良か――電話か」

  • うへ~、電話なってるよー。出てあげな~
  • 電話、さっさと出れば
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