◎・アビドス本館・
「生徒会だとぉ……」
「つまりお前の先日の行為はただの違法行為だ」
「認めん……認められるかぁ! そんな理屈! そんなものここでお前たちを消せばただの紙切れだ! 総員集結せよ!」
基地の奥から、追加で現れる兵力。更なる敵兵力の増援にアヤネが声にならない悲鳴を上げる。
「この数、外で『ODI ET AMO』の侵入を防いでいる部隊を除いた全兵力が……。カイザーPMC、総力戦に待ちこむようです」
「そんなこと知ったことか! ホシノはどこだ!」
グランが武装を展開してカイザー理事に向ける。
「あの副会長なら、あの建物の地下ににいる。彼女の元に行きたいのであらば行けばいい。それが君たちにできればだがね。それに近くにはあの『熾天使』もいるが君たちに相手できるかね?」
戦車や歩兵が展開される。
「この兵力、簡単には通してくれそうにはありませんね」
「別に良い。居場所が分かれば、後はこじ開けるだけだ。『やれ』」
――ドカアアァァァァン――
「こ、この爆発は!」
突如、カイザーの施設が爆発する。いきなりの爆発に浮足立つカイザー達。爆発の煙の中から
「じゃーん! やっほ~☆」
「……お待たせ」
「お邪魔します!」
「べ、便利屋の皆さん!?」
アヤネが現れて便利屋の面々に驚く。
「やっーと追いついた! けどなんだかベストタイミング?」
「待たせたわね、代表。便利屋68、依頼をこなしに来たわ」
「あ、あんたたち……!」
アルがグラン達とカイザー理事の間に立つ。
「対策委員会、ここは私たちに任せて、先にいきなさい!」
「うっわー、アルちゃん。ますますかっこよくなってるじゃん」
「さ、流石です! 一生ついて行きます! アル様!」
便利屋の他の面々も次々にカイザーに立ち向かっていく。
「あ、アンタたち、全部終わったら……。その時は一緒にラーメン食べに行くわよ!」
「この御恩、必ず返します」
「ん、ありがと」
「お願いします!」
「頼んだぞ便利屋」
「ありがとう! でもアルたちも怪我しないように気を付けて!」
便利屋にお礼を言いながら、走り出すグラン達。一部のカイザーPMCが追跡しようとするが、両手をすぐさまアルに打ち抜かれる。
「ここからは一歩たりとも進ませないわ。覚悟しなさいカイザーグループ。ハルカを係長として、さらに新入社員を迎えた私たちに死角はないわ! 行くわよ、新入社員たち!」
「セレブリティ・アッシュだ。自分で言うのもなんだが、役に立つと思うぜ」
「サベージビースト、いくぜ! マッハで蜂の巣にしてやんよ!」
◎・・・
「ねぇ、ホシノちゃん。私ね、ホシノちゃんとグランくんに初めて出会った時、これは夢なんじゃないかなって思って、何度も頬をつねったの。ずっと一人だったのに、可愛くて強くて、頼れる後輩が二人も来てくれるなんていう夢みたいなことが、本当に嬉しくて……。うーん、上手く説明できてないかもしれないけど……。ただ、こうして三人で過ごせることが、私にとっては奇跡見たいものなの」
「……少し、分かります。こうして毎日毎日、一緒に居たいです。昨日も今日も、明日も。こんな当たり前がずっと続けば良い、そう思ってます」
「ふふふ、そうだね」
「こういう日常がきっと一番大事なことで、そこに少しの幸せを加えるもの……それが『奇跡』」
「ほほーう。ホシノちゃんもわかってきたね。……ねぇ、ホシノちゃん。いつかホシノちゃんたちにも可愛い後輩ができたら、その時は――――
懐かしいことを思い出した。私とユメ先輩とグランが居たころの思い出だ。あの頃は大変なこともあったけど幸せだった。……私は後輩たちを幸せにしてあげたかった。無理に借金に追われることなく、あの子たちが笑ってアビドスを卒業出来ればそれでよかった。多分、アビドスは滅んじゃうけどそれでも後輩たちを無理に返済の為に働かせるよりかは全然いい。……それだけで良かった。けど結局、私はまた大人に騙されて、後輩たちの頑張りも何もかもを台無しにしてしまった。
私はいつもそうだ。追い詰められたら、目先の考えや感情にとらわれて、何でもしちゃって、その結果失敗するんだ。グランに出ていけといった時も、今回も……。
私はユメ先輩みたいにはなれませんでした、ユメ先輩。
「先輩はすぐそこにいるはずです!!」
「ん、壊れない……もう一度……」
「このドアが硬くてッ……!」
「どけっ! 吹き飛ばす!」
カアウゥゥゥゥン!
体の拘束が解けた。それと同時に懐かしい音が聞こえた。この独特の発砲音……グラン? 夢でも見てるのかな……。そもそもグランは今動ける身体じゃない、『後を追ってこないように』私自身が念入りに傷つけた。こんな所に助けに来るなんて、それこそ
「「「「「「ホシノ(先輩)!!!」」」」」」
みんながそこにいた。シロコちゃん、ノノミちゃん、セリカちゃん、アヤネちゃん、先生……グランも。顔は砂埃と煤にまみれ、制服もボロボロ。それでもみんなが無事で、笑ってそこにいた。
「あ、あれ……どうやって……。どうして、だって……、私は……」
「ホシノ」
先生が私の名を呼びながら、グランの背を押して私の前に立たせる。……よく見たら来ている服がアビドスの制服だ。グランはなんだか恥ずかしそうに頭を掻きながら、目線を合わせない。
「ン゛ン゛っ゛!」
後ろから先生の咳払いが聞こえる。それを聞いたグランはピクリと体を震わせたあと、深呼吸をした。その後にこちらにしっかりと向き直って、真っすぐ見つめてくる。
「無事か、ホシノ?」
「ああっ! なんでそこでそんなセリフなのよ! 違うでしょ! いや、違くないのかもしれないけど! こういうときは! こういうときはこういうのよ! ……お帰り、先輩!」
「あ! 恥ずかしいから言わないって言ってたのにセリカちゃんが一番に言いました!」
「う、うるさい、順番なんてどうでもいいでしょ!」
「ホシノ先輩、お帰りなさい!」
「お帰りなさい、です☆」
「おかえり、ホシノ先輩」
なんともぶっきらぼうなグランの言葉にセリカちゃんが思わず突っ込みを入れる。無事を確かめてくれるのはありがたいけど、確かに少しシチュエーションとズレてる気がするんだよね。
「なんだかみんな期待に満ちた表情だけど求められているのはあのセリフ?」
「もう、分かってるなら焦らさないで!」
「うへ~。可愛い後輩からのお願いじゃあしかたがないな~」
「ただいま」
◎・・・
遥か昔。キヴォトスの端、誰も足を踏み入れない廃墟の中である研究が進められていました。力を持つものを排除して、各勢力のバランスをとることで平和を目指す平和の為の超兵器。
当時のオーパーツを最大限活用し、作られた力の調停者。……あり方としては『戒律の守護者』に近しいものでしょう。
排除対象の情報を収集、分析、研究し必ず仕留める。そんな存在があの砂漠にいたのは、かつての強大なアビドスを滅ぼすためか、それともアビドスこそがアレを作り上げたからなのか? 今はもう確かめようはありません。
背部の大型ブースターユニットで自由に飛び回り、圧倒的な火力ですべてを破壊する赤き天使。そういえば、代表のもつ武器は『すべてを焼き尽くす』というコンセプトらしいですね。すべてを破壊する天使、全てを焼き尽くす人、なかなか面白い対戦カードだと思いませんか、先生?
アレには『9』の数字が刻まれています。『9』とはアラビア数字では最上の記号です。これ以上の数字……十や十一、十二は『1』『0』『2』と『9』より下の記号を組み合わせて表現します。そういう意味で『9』とは特別な意味をもつ記号であると私は考えます。そこからとって、私はアレをこう呼んでいます。
『
『修正プログラム起動。 全システムチェック終了 戦闘モード起動 ターゲット確認 排除開始』
黒服の総力戦みたいなのを書きたかったのに……コイツのエミュ難しすぎん?
現在読者参加企画を計画中です。アビドス編終了後、幾つかのサイドストーリーとイベントストーリーをはさんでその時点での設定などを纏めた話を出します。その話り中で質問コーナーを少しやります。その名も、『代表の電波も支配しちゃうぞRadio』 詳しくは活動報告にあげているので皆さん、是非ご参加ください。
貴方が一番好きなキッドは?
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キッド1 大鷲ハルミ
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キッド2 白羽ムイ
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キッド3 伊知智アム
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キッド4 衛府フセ