ノドカの薄い赤目って吸い込まれそうで綺麗ですよね。
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「なぁ~んで、こうなったかねぇ……」
俺の名前は水戸グラン。16歳、男子。レッドウィンター連邦学園227号特別クラスに所属して……いた。ある日227号の近くに突然湧き出た温泉、それを嗅ぎつけてやって来たゲヘナの温泉開発部によって温泉郷へと改装させられた227号特別クラス。
……あ、元クラスか、ともかくその……なんだ? あらためて227号温泉郷の運営をノドカ、シグレと共にしていた。今までの227号の貧困とは打って変わっての贅沢な生活、最初は良かったんだが、次第にその贅沢を楽しむことよりも運営の忙しさが目立ってきた。温泉郷の事務室で収支計算をしながら愚痴がこぼれる。
「はぁ~」
その……なんというか、大好きな。そう男女的な意味で好きな幼馴染、天見ノドカが特別クラス行きにされたとき、彼女を支える為、校内で暴力事件を起こしてノドカ同様に特別クラスに送られてきたのだが、最初は227号の余りの環境の酷さに驚いたよ。あのチビはこんな所に生徒を一人で送って無事に過ごせると思ったのか? 俺は出来る限りの事をした。斧片手に木を伐採して、旧校舎を補強したり、薪を作ったりした。そうしてその日その日をどうにか過ごしていると少ししてもう一人の幼馴染、間宵シグレもやって来た。彼女も本人にはいっていないが、ノドカを心配してこの227号にやって来たのだという。それにしても『配給用カンポットにウォッカを混ぜたた』とはぶっ飛んだことをしやがる。
でもそんな事も過去の話……。思わずため息が口から出るが、仕事の手は休めない。きっと『先生』もそうするだろうから。
「こうやって、先生を意識しているあたり未練タラタラでキモイよなぁ……」
未練、そう俺の恋は実らなかった。ある日からノドカはある人物に夢中になった。
それが『先生』。キヴォトスの外からやって来た大人。連邦生徒会長自ら作った組織、『シャーレ』に所属する大人。ヘイローを持たない銃弾一発で死にかける脆い身体、しかし卓越した指揮能力を持ち、先生が指揮すれば少人数でもレッドウィンター事務局相手に勝つことも不可能ではない。その力はかつて先生とあのヒゲチビがやって来て共にクーデターを起こしたマリナ保安委員長を相手した時に身をもって味わっている。
だが、何よりも特筆すべきは先生自身の魅力だろう。あのヒゲチビにその側近、それに他校の生徒もその多くが先生のことを信頼して、慕い、時には恋している。そしてノドカも、先生に恋をしている生徒の一人だった。
「……」
先生の魅力は俺でも分かる。人を惹きつけてやまない笑顔、常に生徒第一で動き自分の身ですら捧げそうなその高潔さ、優しく時には厳しく俺達生徒を導いてくれる『大人』としてのあり様。先生の良いところは語りつくせないほどある。俺にはない魅力を先生は持ちすぎている。でも悔しかった、諦めきれなかった。
俺の方が強い。先生みたいに、銃弾一発では傷つかないし、先生が持てないような荷物も持てる。俺の方が付き合いが長い。たった数か月前にキヴォトスに来ただけの大人なんかよりも、幼馴染の俺は小さい頃からノドカを知っている。俺の方がノドカを助けた。先生がノドカを助けたのはヒゲチビと一緒に来たあの時だけ、俺はノドカが天体観測しているときにキヴォトスクマを何度も退けたし、旧校舎の補修もした。それから、それから、それから……。
「俺の方が……汚い」
これだけ先生と俺の差を上げても何故か俺は先制に勝てる気が一切してこない。だから俺は今、最低な望に縋って日々を過ごしている。先生は高潔な人だ、『大人』として『先生』として。そんな人が生徒と付き合うだろうか、否だ。だから俺はその瞬間を待っている。
傷ついたノドカを慰めて、その流れで告白してノドカを手に入れようと考えている。彼女の傷に付け入るという、ノドカが焦がれた『先生』が最もしなさそうなことを俺はしようとしている。だから、俺は今だ見っともなくノドカの前にいるし、俺自身も先生に憧れがあるせいで、先生とは真逆の事をしようとしているくせに、少しでも先生を追い越そうと先生がしそうなことは何でもするという間違った努力を続けている。
「本当に……気持ち悪い」
自分の思考に吐き気を催し咄嗟に口元に手を当てて机に突っ伏す。どうにかこうにか逆流してこようとする胃の内容物を押し戻し、荒い息を整える。そうしていると事務室の扉が開く。
「やっほ~、グラン。仕事、手伝お――ッ、だ、大丈夫!?」
「シ……グレ」
部屋に入ってきたのは浴衣姿でどことなく顔が赤いシグレだった。だた、俺の様子を見た途端顔色がサーッと引いて慌てて駆け寄ってきくれる。胸を抑え蹲る俺の背中を優しく摩ってくれるシグレの手の感触がとても心地よかった。
「もう、大丈夫だ。落ち着いた」
「本当? ならいいけど……」
俺がそう言って上体を起こすとシグレはほっとしたような表情を浮かべ俺の隣に座る。
「ところでお前、自分の仕事はどうした。部屋に入ってくるとき顔が少し赤かったがそれは温泉かそれとも"少しばかり発酵しすぎた"ジュースか?」
「ん~、両方?」
「お前なぁ……」
シグレの顔色について問い詰めると帰ってくるのはまた本校舎への復帰が遠のきそうな発言。こいつだけはノドカの件が無くても何時の日にか特別クラス送りになっていただろうと確信できる。
「私には理解できないんだよね。果物には税金を払ってる。砂糖にも払ってるし、薪にも、他の道具にも税金を払ってる。なのに全部を混ぜ合わせて、火にかけたら突然違法だと言われるなんてね」
「……そうか」
もう、何も言うまい。
「仕事については一区切りついたところだ」
「そう? なら丁度露天風呂が一つ空いてるから入って来なよ。経営者権限で少しの間貸し切りにしたからさ」
「んー、そうするか。折角の温泉、事務室に閉じこもってたらもったいないか」
シグレの言葉に賛成して立ち上がる。
「そーそー、後で美味しい飲み物も持って行ってあげるからさ」
「おいおい、入ってくるつもりか?」
「おや?飲み物を持って行くだけのつもりだったけど、一緒に温泉に入って欲しいの~?」
「俺は別に構わんが?」
「……」
俺の発言に先ほどまでニヤニヤとこちらを揶揄っていたシグレの表情が真顔に変わる。いや、こわ。
「女の子相手にその発言は不味くない?」
「女の子って……小さい頃は何回も一緒に入っていただろう? それに俺とお前は幼馴染で親友。いまさら意識することなんてねぇよ」
一体どれだけ長く一緒にいると思ってんだか。俺の発言を聞いたシグレはなぜか俯いていた。おいおい、そっちも体調不良か? そう思っていたらぼそりとシグレが喋り出す。
「そっか幼馴染……うん、そうだね。それじゃあ、私も後でお邪魔するね。"とびっきりの飲み物"用意していくから」
そう言ってシグレは立ち上がり俺を抜かして部屋から出ていこうとする。そして事務室のドアを開けるとこちらにゆらりと振り返る。
「楽しみにしててね」
「? おう」
何だか意味ありげな笑みを浮かべたシグレを見送る。……一体何だったんだ?
◎・・・
わからせなきゃ、わからせなきゃ、わからせなきゃ、わからせなきゃ。私がどれだけグランを思っているか、どれだけグランに恋焦がれているか、どれだけこの瞬間を待っていたかを。私は自室へと戻り、いざというときの為に用意したとっておきを取り出す。先生の伝手で少し前に訪れた山海経で手に入れた"男の人が元気になる薬"それを私特性のジュースの中に流し込む。
「幼馴染で親友……そうだね、何も違ってない。でも私はそれだけじゃないんだよグラン」
ノドカは同姓の私から見ても可愛らしい女の子。だからグランがノドカに惹かれるが理解できてしまう。
でも悔しかった、諦めきれなかった。 私は覚えている。寒くて震えていた私たちを温めるように優しく抱いてくれた羽の温かみを。私は知っている。グランがノドカに特別な感情を向けていることを。私は見ている。ノドカを先生に取られて悲しみに暮れるグランの姿を。だから私はこの瞬間を待っていた。
傷ついたグランを慰めて、その流れで肉体関係を結んでグランを手に入れようとしている。彼の傷に付け入るという、グランが焦がれた『ノドカ』が一番やらなそうなこと。おまけにこんな薬まで使って。
「本当に私って最低だ……」
それでも溢れる重いは止められない。
グラン この後わからされた。赤い目を持っている。
シグレ わからせて、グランの"濁り酒"を沢山いただいた。
ノドカ 先生の入浴姿ふぉぉぉぉぉぉ!
いつか考えているイベント回グランが若返ります。1年や幼児は体の年齢。記憶は頭の中身、なしだとその体の当時の記憶しかない。ケガは主に四肢欠損のありなし。
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一年、記憶あり、ケガあり
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一年、記憶なし、ケガあり
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一年、記憶あり、ケガなし
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一年、記憶なし、ケガなし
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幼児、記憶あり、ケガあり
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幼児、記憶なし、ケガあり
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幼児、記憶あり、ケガなし
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幼児、記憶なし、ケガなし