ブラックマーケット内の『塔』その一室。グランはラジオ機材を前にあきれ果てていた。
「俺のラジオねぇ……。一体誰得なんだか。しかもこんなに立派な機材まで揃えて……おい、そういえばこの機材の費用はどこから出した。……目を逸らすな、キッド3!」
グランが椅子に座りながら目の前で機材の準備をしているキッド3に声をかけるがキッド3はニコリと笑った後、顔をそらして機材の準備に戻っていった。
「……まぁ、楽しそうだしいいか」
ラジオ配信用の椅子に座り込むグラン。そして机の上のマイクやコップをいじる。そうしていると机の端に纏められている書類を見つける。
「何だこれ」
グランはその書類を手に取るとそれにはペンネームと質問の内容が書かれていた。
「こんなのいつの間に募集していたんだよ」
ギシッっと椅子に深く座り込み、背凭れに寄りかかりながらハガキを読むグラン。
「『ワルキューレ』に『タダのいち商人』『カリー・ド・マルシェ』『ライ麦畑でつかまえて』『ぐるぐる』『AMS適正無し』か……。ペンネームの癖が凄い。」
そんな風にハガキを読みながら時間を潰しているとキッド3が機材の準備が出来たと伝えてくる。その報告を受けて、グランは姿勢を正す。そしてついに、グランが主役のブラックマーケット初の公式ラジオ番組が始まった。
「こんばんは皆さん、水戸グランです。ブラックマーケット初のラジオ番組『代表の電波も支配しちゃうぞRadio』始まりました。……というか、この番組名考えたの誰だよ。……なに? キッド1? 後で俺の部屋に来るように伝えて置け。 えぇ、失礼しました。なにせ、ラジオ出演なんて経験まったくないのでね。偶に本来の口調が出てしまうかもしれませんがどうかご容赦ください」
グランは普段の声とは違う、少し柔らかめの声でマイクに話しかける。普段とは全く違う声色にキッドたちが感激のあまり失神仕掛ける。というか、キッド1は部屋への呼び出しを受けたこともありかなり興奮していた。グランは収録ブースの外でビクンビクンしているキッド達を努めて見ないようにしながら放送を続ける。
「第二回、第三回とこの番組が続けばコーナーは増えていきますが今回は初回なので『普通のお便り』いわゆる『ふつおた』というものをやっていきます」
慣れないことをしているはずなのに何故かグランの精神はいつもよりも穏やかで落ち着いていた。誰とも話すことなく、目を瞑ればただ静かに自分の声とだけ向き合う空間。外部からの刺激が少ないからこそ、実は繊細な性格のグランにとってこの収録ブースは居心地が良いものなのだろう。
「それじゃあ、早速一通目。ペンネーム『ワルキューレ』さんから。……ヴァルキューレ関係者ではないですよね。『誰と「そういう関係」になっているんですか?』……うん。少なくともヴァルキューレ関係者じゃないことは今、確定しましたね。こんな質問する奴がヴァルキューレにいるとは思いたくもないし……。あ、質問への返答ですがそれなりに居るとだけ言っておきます。相手のプライベートにもかかわる問題ですからね」
そう返答しつつグランは脳内で今まで関係をもった人間を思い出していた。
(まず、キッド1から3だろ。次にチナツ、マコト、キサキに……風俗街の嬢たちか……。ウタハは本番はしてないし、今も交流があってそういう関係があるのは13人か? そーいえば、トリニティには関係持ちがいないんだな。……久々にキサキのとこに行きたくなってきたな)
「最初からかなりぶっ飛んだ質問が来ましたね。……私は外から見たら一体どんな風に思われているんですかね? 長いことブラックマーケットに居たせいでそこらへんの感覚が死んでいるんですよね。さて、次のハガキにいきましょう」
そう言ってグランは一度水分補給をしながら別のハガキを手に取る。
「ペンネーム『タダのいち商人』さんから『扱っている品物にはどのようなものがありますか?できるだけ具体的に教えてください!』……一応カタログはブラックマーケット外縁の店舗にあるし、取り寄せができるだろうが! ……ゴホン。 すいません少し取り乱しました。うーん、これはアレですかね、カタログに載っていないブラックマーケット中心部まで来ないと買えないものとかも含めて聞いてるパターンですよね。ん? あ、資料用意している! ありがと。 はい、今スタッフさんから商品などが乗った資料を受け取ったので少し紹介していきたいと思います」
ハンドガン
基本的に『ODI ET AMO』のハンドガンは衝撃力の高い特殊弾を射出する。それを使い衝撃により対象の体勢を崩すことを目的としている。
・ERIGERON HG21 『ODI ET AMO』が最初に開発したハンドガン。攻撃力は低めだが、リロード速度や連射性に優れて回転率で敵を牽制しながら体勢を崩し、距離を詰めるのにも使える。『ODI ET AMO』の領域内ではもっとも簡単に手に入る武器。
・UHG-22 上記のハンドガンを更に連射性方向に振り切ったもの。ハッキリ言って弱い。後に強化型の『UHG-22/A PROVO』が製作されたことで更に居場所がなくなった。ただし非常に安価の為、需要は意外とある。
・GINESTRA BHG 16 バースト連射型のハンドガン。1回のトリガーで3発の弾丸を連続的に発射する。全弾当たった時の攻撃力と衝撃力はとても高い。ただし、バースト機構や大型弾を使うため重いのとリロードに時間がかかる。
・SENECI HG21-2 『ERIGERON HG21』の強化型。軽量化し携行性を更に高めた。ハンドガンの中では最軽量かつ、連射型以外では最大の弾数。威力と衝撃力は控えめ。
・OXEYE HG 25 『ERIGERON HG21』の強化型。単発の衝撃力が高く、相手の機動力の抑制に高い効果が期待できる。純粋な強化型で軒並みの性能が向上している。全ての性能が高水準でまとまっているが特徴がなくそれぞれの性能で特化型には負けが癖がなく、扱いやすい。『ODI ET AMO』の構成員の多くにサブウェポンとして配布されている。
・UHG-22/A PROVO 『UHG-22』の強化型。高速連射が可能なハンドガン。弾数が増加し、長期戦に適合している。弾数が多くリロードも早いが集弾性が劣悪で恐ろしくバラける。多少値は張るがそれでも『UHG-22』よりもこちらを買う方が良い。敵集団などに向けて乱射する等が良いだろう。
・SOPHORA BHG 16-2 『GINESTRA BHG 16』の強化型。バースト型ハンドガンで攻撃力と衝撃力が共に向上させながらリロード速度も向上させることに成功したハンドガン。『ODI ET AMO』のハンドガンでは最も高価だが、その値に見合う性能がある。
ショットガン
散弾で近距離の敵に大ダメージと衝撃を与える武装。散弾の為近距離でしか真価を発揮できないが、瞬間火力と衝撃力がかなり高い為上手く使えれば一気に勝負を決められる。
・USG-11 ELMIRA 『ODI ET AMO』が最初に開発したショットガン。基本的に強化型の劣化であることが多い初期型武器のなかではかなり優秀な部類。強化型の『USG-11/H』に比べて攻撃力、衝撃力で劣りはするものの、リロード速度、射程、安定性では勝る。つまり『USG-11/H』の尖った部分を削った代わりに使い勝手を増したもの。迷ったらコレを買うと良い。
・KO-3K NOCTUIDAE 大量の散弾を一斉に発射するショットガン。単発の威力に優れている。性能的には今ひとつぱっとしないが、最軽量である。他に比べ性能が酷く劣っている訳でもないため、どうしても機動力を確保しつつショットガンを使いたいなら。もしくは、サブウェポンとして使うのも良い。
・BERUFKRAUT SG54 ダブルバレルショットガン。散弾があまり拡散せず、近距離での使用を想定したショットガン。開発部の研究員が酔った勢いで作った旧式技術の中折れ式ショットガン。ロマンを求めるなら。
・USG-11/H 『USG-11 ELMIRA』の強化型。小型弾を散開発射するショットガンです一度に射出される散弾数が増加している。全弾命中時の火力、衝撃力、全て優秀。しかし装弾数と射程に大きな不安がある為、闇雲な乱射は禁物。『USG-11 ELMIRA』よりかは性能に尖りが出たがこちらも腐りにくい武器。
・KO-3K2 『KO-3K NOCTUIDAE』の強化型。更に大量の散弾を一斉に発射するショットガン。攻撃力に特化した高火力型。我らが代表も使っている武器。弾速・有効距離も優秀なため多少距離が離れていても火力が出せる。代表の「銃身増やせば威力上がるだろ」という冗談から生まれた。
・ZINNIA SG54 『BERUFKRAUT SG54』の強化型。リロードのしやすさが上がっている。勢いで製作されたものを正式採用できるまで強化させ、弾数とリロードに優れる継続火力重視型に仕上げた。攻撃力と発射速度は心もとないが、装弾数、リロード、射撃安定性などが他のショットガンより優秀で使いやすい。
ガトリングガン
優れた連射力と、豊富な弾数を備えており、対象を絶え間なく攻撃することが可能。
・KO-5K3/LYCAENID 優れた連射力と装弾数を兼ね備えたガトリングガン。近距離から中距離での使用に適しています。弾数の豊富さから雑魚敵の掃討に活躍する。とは言え基本的に強化型が上位互換性能なのでこちらは強化型が手に入れられない場合、安価なこちらを買うと言い。
・USG-23 GENEVA 高火力型のガトリングガン。大型弾を採用し、単発の威力の高さが特徴。初期型武器ではあるがガトリングカテゴリの中では二番目に高い攻撃力を持つ。戦車やヘリ、装甲車を相手にして安価に済ましたいならおすすめ。
・LOWENZAHN GT21 高速連射型のガトリングガン。軽さと連射速度は随一で、雑魚相手ならこちらでもよい。ただ、威力は低めであるため車も歩兵の盾も貫くすることはできない。弾丸をバラまいて弾幕形成やストレス発散に使うと言い。
・KO-5K4/ZAPYATOI 『KO-5K3/LYCAENID』の強化型。優れた連射力と装弾数を兼ね備えたガトリングガン。更に装弾数を増加させ長期戦型となった。装弾数や射程が非常に優秀であり、長距離での牽制も可能となった。ガトリングガンの中では一番の汎用性を持つ。ただ装弾数の関係でとにかく重い。
・USG-23/H 『USG-23 GENEVA』の強化型。高火力型のガトリングガン。攻撃力がさらに向上している。単発火力がライフル並に高く、それを脅威の連射力で発射するため、殲滅力はかなり高い。ただし、装弾数はガトリングガンの中で一番少ないので注意。
・DISTEL GT22 『LOWENZAHN GT21』の強化型。高速連射型で、連射速度と装弾数が強化されている。連射速度は魅力だが、単発火力は豆鉄砲。接近戦で瞬間火力を出せるUSG-23/Hと牽制で撃ちまくれるZAPYATOIに挟まれて使い所が微妙。……開発部は何を思ってコイツを開発した?
ライフル
各要素において、スタンダードな性能を備え、けん制や長期戦に適している。それなりの威力の弾をそれなりの弾速でそれなりの間隔で撃つ万能武装。キヴォトスの『社交』でも最も使われている。
・URF-15 VALDOSTA スタンダードな威力と弾数を備えたライフル。中距離での戦闘に適している。威力はそれなりだが、短いリロードのおかげで攻撃効率は悪くない。ブラックマーケットで最もポピュラーなライフル。
・KO-2K 装弾数の多いライフル。長期戦に適合している。が、ハッキリ言ってそれしか強みがない。補給が十分に行き届いている場面であればこれ程の装弾数は必要ない。補給の目途が立たない戦場、孤立する状況が多いゲリラなどには売れる。
・CALENDULA RF11 単発の攻撃力が高いライフル。命中率が高く、射撃安定と弾速が優れているため疑似的にスナイパーライフルとしても使える。ただ形状が独特であるため整備性、携帯性、リロード時間が劣悪。
・TOURNESOL RF22 連射性の高い速射型ライフル。ただ、それだけである。完全に強化型の劣化版であるため現在の取引数は非常に少ない。
・URF-15/A JESUP 『URF-15 VALDOSTA』の強化型。強化前に比べて軒並み性能が強化され、カスタム性も上がった。『ODI ET AMO』の構成員は特殊部隊などを除けば最初にこのライフルが全員が配布される。これをカスタムしたり、これ以上の武器は自分の稼ぎや、報償として入手するのが一般的。
・KO-2K2/SHERSHEN 『KO-2K』の強化型。装弾数の多い大型ライフル。装弾数がさらに増加している。過剰すぎる弾数をより過剰にした武器。ただ、大型ということもありライフル中最高の射撃安定性がある。
・TANSY RF12 『CALENDULA RF11』の強化型。単発の攻撃力が高いライフルの攻撃力を等に強化、短期決戦向けに調整されている。リロードは遅めだが威力・弾速・射程が高いレベルで纏まっており、信頼性も高い。
・LAMPOURDE RF23 『TOURNESOL RF22』の強化型。速射型ライフル、単発の威力が向上している。攻撃力やリロード速度が高く、ライフルの中では性能が高い。強化前の残念な性能とは大違いである。高価になってしまっているが予算に余裕がありライフルを持ちたいならお勧め。
スナイパーライフル
高速で威力の高い弾丸を射出する有効射程がとても長い武装。
・CYCAD SR03-2 長射程を備えたスナイパーライフル。比較的軽量で、移動しながらの狙撃に適している。速い弾速、早めのリロード時間、多めの装弾数、高い携行性と初期型武器にも関わらず悪くない性能。安価でもあるため迷ったらこれ。
・USR-12 LAUREL 発射速度に優れ、射程距離の長いスナイパーライフル。攻撃力・安定性・射程距離は良好だが、リロード時間が長め。悪くは無いが他に比べて中途半端な性能。
・KO-5K2 携行性に優れた軽量型のスナイパーライフル。徹底的な軽量化で持ち運びには便利だが、色々な性能が犠牲になった。ライフル並の弾速にライフルよりちょっといい射程距離に、長大リロード時間。トドメは装弾数の少なさ。開発部の考えが分からないが、デザインは良い。
・SEIDENBAUM SR13 『CYCAD SR03-2』の強化型長射程を備えたスナイパーライフル。発射速度が向上し、射程距離が延長されている。全体的に高水準な性能を持つ一品。弾速は十分だが速いとは言えない超遠距離から撃つ場合は腕が試される。
・AKAZIEN SR15 長射程を備えたスナイパーライフル。装弾数を増加させた長期戦型。カテゴリ中、最長のリロード時間と低い攻撃力で攻撃効率は最低。使い物にならない弾速。唯一の強みは装弾数の多さ。産廃。現在は中古取引の身で新造なし。
・USR-12/V 『USR-12 LAUREL』の強化型。発射速度に優れ、射程距離の長いスナイパーライフル。発射速度がさらに強化されている。『SEIDENBAUM SR13』と比べて射程は短いが、発射速度と衝撃力が高く、中、長距離での確実な命中が狙える。
・KO-5K3/ZLATKO 『KO-5K2』の強化型。携行性に優れた軽量型のスナイパーライフル。単発の威力が強化されている。特殊弾の採用で攻撃力はスナイパーライフルでNo.1。リロード時間は最長、射程もカテゴリ内では短め。スナイパーライフルだありながらヒット&アウェイで一撃にかける戦法が有効。
ヒートハウザー
複数の榴弾を、独特の放物線弾道で射出する。対象の移動を制限するなどの、けん制に適している。所謂グレネードランチャー。
・KO-7H2 単発の威力に優れ、射程距離の長い榴弾砲。最もシンプルで、最も安価。ヒートハウザー自体独特な武器なので、最初にコレを買って使用感を確かめるのもいいだろう。
・BALSAMINA HH04 単発の威力に優れ、射程距離の長い榴弾砲です。放物線弾道ではあるが比較的真っすぐ跳ぶため遠距離への攻撃にも使える。
・KO-7H3/SVETLYAK 『KO-7H2』の強化型。射出後、放物線軌道をとる榴弾砲。装弾数が向上している。かなり山なりに飛ぶ、そしてバラける。相手より高い位置から撃ちおろすことで疑似爆撃も可能。
・JEWELWOOD HH06 『BALSAMINA HH04』の強化型。攻撃力を最優先させた榴弾砲。発射速度・射程距離も向上している。
兵器類
・AS-12 AVES 偵察型や高機動型と呼ばれるタイプの兵器。頭部のローターと下部に取り付けた大型のブースタにより空中を自由に飛び回る。マシンガン、キャノン、ミサイルなど武装が異なるタイプがいくつかある。
・R2B SHCHIT 防衛型とも言われるタイプ。右腕に盾、左腕に武器を持つ5メートルほどの兵器。強固な装甲で、動きは鈍いが攻撃力と防御力は戦車以上。
・Sz11 SPEER 支援型とも呼ばれる。人型脚部を搭載した移動砲台。建物の上などから砲を展開し味方を援護する。
・T-106E SLON 『ODI ET AMO』の主力戦車。他校の主力戦車『メルカバ』をもとに独自の改造を加えた物。弾策は遅いが、高威力の砲撃と乗員の生存性を高める設計が特徴。
「ここまでが、今までの商品。そして次は『ODI ET AMO』の新商品だ。強く、安く、様々な状況に対応可能! その名も『UNAC』!」
・UNAC 基幹AIと機体の行動を制御するチップにより構成する無人の人型戦闘ロボット。220以上ものチップを組み合わせて、近距離型、支援型、遠距離型など、様々な行動パターンを作ることができる。容易に大量投入が可能であり、手軽に戦力拡充ができる。一人では難しいこともUNACと一緒なら達成できる。共に戦うことでUNACも成長します。貴方だけのUNACを作りましょう。どうぞ戦闘の相棒にUNACを。
「まぁ、武器類に関してはこんなものかな。あとはブラックマーケット内の不動産……ビルだったり、オフィスだったりですね。あと以外に思われるかもしれませんが、海上施設エリアでは食用の魚の養殖していて販売していたりもします。特に美味しいのはハマチですかね……。でもブリもイナダも旨いよな……え? 全部同じ魚? なにそれ? 『出世魚』? ……へぇー」
今まで別の魚だと思っていたものが実は同じものと知り驚愕するグラン。そりゃ、好きなわけだ、と内心納得するグラン。元々海のないアビドス出身のグランにとって魚など未知の生物に等しい。
「あと扱っている商品は……『探偵』と『出会い』とかですかね。ええ、ここら辺は是非自身でブラックマーケットに訪れてその目で確認してください」
流石に諜報部を駆使した『機密情報』の売買と『風俗』をそのまま公共電波に乗せるわけにもいかず言葉を濁して答えるグランだった。そして次のハガキを手に取る。
「次のペンネームは『カリー・ド・マルシェ』カリー……カレーの事か? カレーか……そんなに好きじゃないんだよな。まぁ、それは今どうでも良いか。えー、質問の内容は『義手とか義足接続するときってやっぱり痛いのか?』 いや、別に痛くはない。偶に勘違いされるんだが、この義肢はミレニアム製でブラックマーケット製じゃない。兵器とかなら兎も角、流石にそこらへんの技術はミレニアムに分がある。痛みはないのに、ここまで私の意思通り動かせるのは本当に感謝している。たしか……この腕自体に私の意識のコピーを電子化して……何だっけな。『ファンタズマ・ビーイング』とかいう技術だったはず」
グランは自分の頭を掻きながら苦笑いする。
「詳しい技術的な話が聞きたいなら私よりミレニアムに問い合わせたほうが良いですよ。さて、お次のお便りはペンネーム『ライ麦畑でつかまえて』さんより『ぶっちゃけホシノとそういう関係になりた―――」
グランはそこまで言ってハガキをくしゃくしゃにしてしまう。そして配信ブースから出て外に居たキッド3にハガキを投げつける。
「こいつを特定しろ。どこでこいつが俺の過去を知ったのか徹底的に吐かせるんだ」
グランの尋常じゃない怒り様にキッド3は慌てて部屋を出ていき部下たちに緊急招集をかけて作業に入るのだった。グランは収録ブースに戻り席に座りながら考える。
(ホシノと"そういう関係"ね……なりたくないと言ったら嘘になるけどホシノを汚したくない気持ちもあって……)
「えー、すいません少しばかり放送事故がありました。生放送ですからね、色々あります。それでは次のハガキにいきましょう。お次のペンネームは……『ぐるぐる』さん、質問は『『ODI ET AMO』の具体的な構成人数はどれくらいいますか? また、どのような部署が存在しますか?』です。これは……あ! はい資料がまたスタッフさんから届けられたので説明していきます」
・ブラックマーケット『ODI ET AMO』支配領域内の人口約83万人
・軍事部門。トップはキッド1
それぞれの部隊名はない。陸軍、約4万人。海軍、約1万人。空軍、約2万人。『ODI ET AMO』の主戦力。開発部門が開発した武装を装備している。何者でもなかった自分たちに居場所を与えてくれた代表に忠誠を誓っており士気は高い。
・医療部門。トップはキッド2
部隊名『救護医師軍』構成員、約1万人。戦場での救護を専門とした軍隊。日常ではブラックマーケット中の診療所のスタッフとして働いている。
・開発部門。トップはキッド3
部隊名『先進技術開発部』構成員、約1万5千人。研究者たちと開発品の実地試験を行う部隊込みの人数。日夜開発に命をかけていると言っても良い。
・諜報部門。トップはキッド3
部隊名『Binoculars』構成員、約8千人。名前の由来は一部の優秀な人材以外は基本的に二人一組で行動するから。
・商業部門。トップはキッド4
部隊名『Monsoon』構成員、16万人。ブラックマーケット内、外問わずに売りさばく商品の製造、管理、運送、販売までを手掛ける部隊。『Nest』で経営系を学んだ人々が配属される。『ODI ET AMO』でもっとも構成員が多く、戦闘経験がない人も所属することが可能。外部の人間でもバイト可。
・内政部門、トップはキッド2
部隊名『管理機関』構成員、3千人。『ODI ET AMO』領域内の行政を管理する組織。領域内各所の役所で勤務しており、人々の戸籍や給与、転入や転出、土木や電気、水道の管理を仕事としている。上位組織に『お茶会』がある。
部隊名『お茶会』構成員4人。キッド達のみで構成される。『ODI ET AMO』の重要決定事項や代表からの方針指示があった時にそれらを実行させるために各部門の動きを調整するための議会。
・外交部門、トップはキッド3
部隊名『交枝』構成員、3百人。『ODI ET AMO』の顔として普段様々な組織と交渉をしていたり、代表が交渉に出かけたときは秘書として随伴したりする。
「まぁ、組織の概要説明はこんなものですかね。軍事部門と商業部門は入りやすいので『ぐるぐる』さんも『ODI ET AMO』に所属予定があるのであればいかがでしょうか?」
スタッフから貰ったフリップを置いて一度水を飲むグラン。水を飲んで一息ついた後、次のハガキを手にとる。
「あ、最後のハガキですね。やっぱり初回というだけあってハガキの数も少ないですね。ペンネームは『AMS適正無し』さん……なんの適正だこれ? まぁいいか、質問内容は『個人的に好きなOWは?目がいいからヒュージキャノンとか?(偏見)』……これは身内からのハガキか? OVERED WEAPONは外部に対して情報は流してないし、開発部からか? んー」
グランは顎に手を当てて考え込む。脳内には様々な『OVERED WEAPON』が浮かんでは消える。
「好みはグラインドブレードですかね。使えばわかりますが爽快感が段違いなんですよ。あの目の前の全てをなぎ倒しながら突き進む感じ……。まるで自分が一発の弾丸になったみたいに……。使う場面はそうそうないんですがね」
グランは少し肩を落としながらマイクに話しかける。本当は『OVERED WEAPON』の使用上あまり使わないのが一番なのだか、それでも力に憧れるグランにあの火力は眩しかった。
「さて、最後のハガキも読み終わりましたし、このあとは一体どう…す……れば? あ、フリートーク? あと、30分も? マジか。じゃあ……皆さんこの前、百鬼夜行連合学院で行われた『百夜ノ春ノ桜花祭』にはいきましたか? 実は私、あのお祭りに行ってまして――――
こうしてブラックマーケットの夜は過ぎていく。第一回『代表の電波も支配しちゃうぞRadio』はひとまずの成功を収めたのであった。
◎以下621ルートがあるなら入れたいセリフ
・身分証
『旧市街を漁り、生きている学生証を探せ、密航者には身分証が必要だ』
一つ目、〇〇××
『他学園所属となっている生徒だ。足が付く、避けるぞ』
二つ目、〇▲×
『この学園の生徒のものだ。目当ての物ではない』
三つ目、●●ユメ
『この生徒は死亡済みだ。他を当たれ』
最期
『この学生証は生きている。手に入れた学生証の生徒名を伝える。「水戸グラン」これがお前のアビドスでの名義だ』
・621はゲヘナ学園で給食部の少女と出会う
「大丈夫ですか!? あなたは致死量に近いジュリの手料理を浴びた直後……」
・ゲヘナ風紀委員会本部で青髪のおかしな恰好の女と出会う。
「誰ですかあなた、見ない顔ですね。ここが風紀委員会本部と知っているんですか。……ヒナ委員長見ててくださいよ、この天雨アコが客人をもてなして差し上げますので!!」
戦闘後
「わ、私の横乳スタンプがぁーー!!」
・イオリからヒナの近況を聞く。
「よぉ、風紀委員会の銀鏡イオリだ。アンタが便利屋を片付けてから委員長の機嫌はかなり良い。要件はそれだけだ、じゃあな」
・焼けた空で
「うへー、来たね戦友。やっぱり君は……アビドスを脅かす危険因子だったようだね」
最初、ラミーはハルカにしようと思っていたんだ……でもあの小物っぽさはアコもいけそうと一度思ったら『横乳スタンプ』とかいう単語が頭をよぎってしまったんだ。そしたらもう頭から離れなくて……。まぁ、あの恰好もマッドだし、マッド≒横乳ってことで。
正義実現委員会でグランくんと仲が良いのは? ハスミはプロローグで出会っているため除外
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ツルギ
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マシロ
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イチカ
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正実モブ