◎・ゲーム開発部 部室・
ユウカが出ていった部室でグランが口を開く。
「それで? どうやってミレニアムプライスを取るんだ? ユウカが言っていた通り、そう簡単に取れるものじゃないぞ」
「グランさんの言う通りだよ、お姉ちゃん。どっちも確率は低いだろうけど……今から私たちがゲームを作るより、部員を募集する方がまだいいんじゃないの?」
グランの言葉に続いて、ミドリがモモイに恐る恐る意見を述べる。
「それならこの一か月、散々やったでしょ……結局、誰も入ってくれなかったし。『ぷーっ! VRですら古いのに、何がレトロ風ゲームだよ』ってバカにされるのは、もうウンザリ」
「な、なかなか切れ味のあるコメントだね……」
モモイが勧誘活動中に言われたであろう言葉をモノマネして見せる。実際にその場面を見ていないのでそのモノマネが似ているかは判断できないが、そのあんまりな言葉に苦笑する先生。
「ユウカの卑怯者め! 私たちみたいなオタクは友達が少ないってことを利用するなんて! 許せない!」
「いや……それはユウカじゃなくて、100%私たちの自業自得だと思うけど」
「とにかく、これ以上部員の募集をしても明るい未来は見えない。それに、まだほかに希望はある!」
「それが『切り札』か?」
モモイの力強い『希望』という言葉を聞いてグランが質問する。するとモモイはにっこりと笑い、腰に手を当てて胸を張る。
「それはもちろん、先生たちのことだよ」
「私?」
「……シャーレの事か?」
先生とグランが首を傾げる。
「話を戻すと、私たちの目的は『廃墟』にあるの。『廃墟』っていうのは……元々連邦生徒会が出入りを制限してた、ミレニアム近郊の謎の廃墟。出入りを制限してたのは『危険な地域だから』って言われてたけど……実際のところ、具体的に何がどう危険なのかを誰も知らない。誰も入ったことが無いのか、そもそも入ることが出来ないのか、それとも戻ってきた人が誰もいないのか……それすらもよく分からない。……そういう、謎に包まれた場所があるの」
モモイから廃墟について説明を受けた先生は唖然としながらモモイに質問する。
「一体どうして、そんなところに行こうと……?」
「良いゲームが作りたいから! 私は証明したいの。たとえ、今の私たちのレベルは『今年のクソゲーランキング1位』に過ぎないとしても。私が大好きな……私を幸せにしてくれた、このゲームたちが……決してガラクタじゃない、大事な宝物だってことを!」
「っ」
「……お姉ちゃん」
モモイの言葉に何か思うことがあったのかハッとするグラン。
「他者からは何ともないものと思われても自分にとってはとても大切なもの……か」
脳裏によぎるのは誰からも見捨てられ廃れていったアビドス自治区とそこで過ごした思い出。グランはモモイの顔を見て拳を握りしめる。
「その為には、どうにか廃墟に入って『アレ』を見つけないと」
「『アレ』?」
「あ、順番が良くなかったかも、今度はこの話をしないとね」
モモイはズィッと先生の方に顔を寄せる。
「先生、『G.Bible』……って、知ってる?」
◎・ミレニアム 廃墟・
「ねぇ……お姉ちゃん、一体いつまでこうしてればいいの?」
「静かに。あっ、先生、もうちょっと頭下げて……!」
「わかった」
先生とモモイとミドリの3人は身を隠しながらに廃墟区域を進んでいく。彼女たちの前に所属不明のロボットが二体歩いていた。
『……■■■■ ■■■■■……』
『…………。■■■』
『■■■■ ■■』
ロボット二体は三人に気が付くことなくその場を離れていった。そして先生たちに通信が入る。
『ロボットは離れていった。三人とも移動して良いぞ』
通信の正体は一人で先行し、廃墟の屋上から屋上を飛び移り偵察をしているグランだった。グランは双眼鏡を使い先生たちとロボットの位置を確認し、できるだけ戦闘をしないで済むようにナビをしていた。
「よし、二人とも進もう」
「ふふふ、なんだか『メタリックコグ ソリッド』みたいでドキドキするね」
「そうだね、お姉ちゃん……じゃなぁい! いったいここは何!? あんな謎のロボットが、数え切れないぐらい動き回ってるし!」
「何って……もう何回も言ってるじゃん」
モモイの言葉にミドリは同意するが、その次の瞬間には目の色を変えて叫んだ。そんなミドリを見てモモイは『何を言っている?』と言わんばかりの表情を浮かべる。
「『廃墟』だよ。出入り禁止の区域っていうからまぁ、ある程度の危険は覚悟していたけど。いやぁ、冷や冷やするね……」
「あのロボット、いったい何なのだろう……? ううん、それより、あんなのが幾つも徘徊してるこの『廃墟』って……一体何なの?」
「うーん、私もヴェリタスからちょっと聞いただけだから、分からないことだらけだけど……。本来、ここの出入りは厳しく制限されていた、ってことは先生にも言ったよね?」
モモイが一度後ろを振り返り先生に話しかける。
「うん、そこまでは聞いたよ」
「実際にここまで来たことだし、もう一回説明しよっか。ここの出入りを制限して、存在自体をできるだけ隠そうとしてたのは……『連邦生徒会長』だったの」
「連邦生徒会長……」
モモイの口から出てきた名前を先生はもう一度自分で口に出して考える。
「連邦生徒会長って……あの、キヴォトスの生徒会長たちの頂点にいたのに、突然いなくなっちゃった人?」
ミドリは首を傾げながら質問する。
「そう。あの人がいなくなってから連邦生徒会の兵力も撤収しちゃって、そのまま放置されてるみたい。そのおかげでこうして入り込めたんだけど……とにかく! 連邦生徒会の警備がいなくなって、ヴェリタスの助けも得てこの場所に来られたわけだけど。ヒマリ先輩によると、ここは、『キヴォトスから消えて忘れ去られたものが集まる、時代の下水道みたいな場所なのかもしれない』……って」
『忘れ去られたもの、か……』
「グラン? どうかした?」
『いや、なんでもない』
モモイの説明にグランが一瞬反応して呟く。その呟きに先生が反応してグランに声をかけるがグランは何でもない、と言ってはぐらかす。そんなグランと先生のやりとりに気が付かずモモイとミドリもやり取りを続ける。
「ヒマリ先輩って……ヴェリタスのあの、車椅子に乗った美人のヒマリ先輩? いつもRPGの賢者みたいに『私は何でも知っていますよ』って感じのヒマリ先輩が、『かもしれない』って言葉を使うのも珍しいね……それくらい、未知の世界なんだ」
ミドリが脳裏に何度か見たことがあるヴェリタスの部長の姿を思い起こしながら感慨深い顔をする。
「でも、なんでこんなところにG.Bibleが……あれ、ちょっと待って!? まさかとは思うけど……お姉ちゃんが『ここにG.Bibleがある』って言ったのは、『キヴォトスから消えて忘れ去られたものが集まる』って聞いたから!? そ、それだけの理由でこんなところに!?」
ミドリが声を上げながらモモイに詰め寄る。
「それだけじゃないよ。ヴェリタスにG.Bibleの捜索を依頼したら、座標を教えてくれたの。『最後にG.Bibleの稼働が確認された座標』をね。その座標がさしてたのは、『普通の地図には存在しない場所』だった」
「ってことは……!?」
「ここにそのG.Bibleがある?」
ミドリと先生が顔を一度見合わせた後モモイの方を見る。さらに先生は言葉を続ける。
「えっと、結局……G.Bibleって何だっけ?」
「そういえば、それも説明の途中だったね。簡単に言うと昔のミレニアムには、ううん、昔のキヴォトスにはね……伝説的なゲームクリエイターがいたの。その人が作ったのが『G.Bible』そしてその中には、『最高のゲームを作れる秘密の方法』が入っているんだって」
モモイの言葉を聞いていたミドリは少し不安げな顔をする。
「……それ、どこかのゲームクリエイター学校の広告じゃなくて?」
『そもそもキヴォトスにそんな学校あるのか? ……ん? あっ』
「違うよ! G.Bibleはあるって! 読めば最高のゲームを作れるようになる『ゲームの聖書』は、絶対にある! あと、グランさんが考えているような学校は流石のキヴォトスでもないよ! 尖り過ぎ! ともかく、そのG.Bibleを読めば、最高のゲーム……『テイルズ・サガ・クロニクル2』が作れるはず!」
モモイはそう力強く宣言して手元の端末に移されている地図を確認する。
「ヴェリタスから貰ったこの座標に向かって行けば、そこにきっとG.Bibleが……」
『話の途中だがロボットだ!!』
モモイ達の前にロボットの群れが接近していた。
色々なブルアカ二次創作が出来て私も多数の作品を読んできました。その時は『なんで殆どの作者さんはパヴァーヌ一章を飛ばすんだろう?』と思ってました。が、実際書いてみて分かりました。パヴァーヌはゲーム開発部だけで話がドンドン進んでいくんです、先生とオリ主を挟むところが本当に少ない。モモイ、お前本当に主人公だよ。
『代表の性活』 いる?
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いる
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いらない