いつも、いつも、誤字脱字報告ありがとうございます。
◎・ゲーム開発部 部室・
部室の後ろにあったロッカーから出てきたゲーム開発部の部長だという少女、花岡ユズはアリスから離れると佇まいを直した。
「とにかく、あらためまして。ゲーム開発部の部長、ユズです。この部に来てくれてありがとう、アリスちゃん。これからよろしくね」
「よろ、しく……? ……理解」
アリスはユズの挨拶を聞いてなにかを思い出したのか両手を上げて万歳の体勢を取る、そして勢いよく俺の足の上から立ち上がる。……っ!! あ、足が……しびれ……。
「ユズが仲間になりましたパンパカパーン! ……合っていますか?」
「あ、うん。だいだいそんな感じ、かな」
「おい。ゲーム語彙の弊害が早速出てるぞ」
思わず先生のほうを見てそう話す。先生は苦笑いしながら首を振る。いや、これやっぱり駄目だろう。確かに最初の口調に比べればまだ良いのかもしれ……良いのかこれ?
「ふふっ、その様子だと、本当に私たちのゲームを楽しんでくれたんだね……仲間が増えるのは、RPGの醍醐味だもんね。あ、もしRPGを面白いなって思ってくれたなら……私が、他にもおすすめのゲームを教えて上げる」
そういってアリスに近づくユズ。すると他のゲーム開発部もアリスの傍にやってくる。
「ちょっと待ったぁ! アリスにおススメするのは私が先! 良質なゲームをやればやるほど話し方も自然になって、私たちの計画の成功率も上がるんだし! さぁ、まずは『英雄神話』と『ファイナル・ファンタジア』と『アイズ・エターナル』と……」
「何言ってるの、アリスちゃんはゲーム初心者だよ!? 『ゼルナの伝説・夢見るアイランド』から始めるのが一番だって!」
「これだけは譲れない、次にやるべきは『ロマンシング物語』だよ。あ、でも第3弾だけはちょっと、個人的には、やらなくても良いかなって……」
ゲーム開発部がアリスにどのゲームをやらせるかで議論している間に、アリスの傍を離れ、部室の扉の近くにいた先生のほうによる。
「っつぅ……。流石にずっとのっけているのは足が痺れるな。まぁ、片足だけだけど」
「……グランは冗談が下手だね」
先生の目がスゥっと細められて俺の方を横目で見てくる。うーん、案外受けると思ったんだがなぁ。キッド4にもあんまり受けなかったんだよなぁ……。キッド2は大爆笑だったのにな。
「まぁ、ともかくアリスは馴染めそうだな」
「そうだね。色々不思議なとこがあるけど、あの子も私の大切な生徒だよ。……というか、グランが予想以上に懐かれていて驚いたんだけど」
先生はこちらを見て笑顔でそういう。確かにそれは俺も思っている。なぜだか知らないが、俺はアリスに凄くなつかれている。……あんまりにも純粋なもんだから俺もなんとなくアリスを受け入れてしまっているが……。はぁ、何故だか
「いや……そんなことは無理か……」
「グラン?」
「いや、なんでもない」
こちらの顔を覗き込んできた先生になんでもないと言って首を振り頭に浮かんだ考えを消す。アリスのほうを見ればゲーム開発部と仲良く話しておりおすすめのゲームを受け取っている。
「……期待。再び、ゲームを始めます」
お、また何かを始めるらしいな。
―2時間後―
「うわっ、アリス、読むスピード早くない? 会話が出力されるとほぼ同時に読み終わってるみたいな……」
「アリスちゃん、次は『伝説のオーク』やろう! ターン制バトルの面白さを教えて上げる!」
う、うーん。別に構わないんだがいつまでやるつもりなんだ。
―更に時は経ち―
「Zzz」
「ふにゃ……」
「……クリア」
夜も更けてモモイとミドリ、ユズはすでに寝てしまっている。先生も既にアレグロブリーズの方に戻ってしまっている。今頃寝ている……いや、先生のことだし、下手したら仕事しているか……?
アリスの方に再び意識を向けるとクリアしたゲームを片付けた後別のゲームを始めていた。
「アリス」
「はい」
「……まだ続けるのか?」
「はい、アリスはゲームを続行します」
「そうか」
軽く頭を撫でつつ、アリスの隣に座る。今晩は徹夜だなぁ……。
―夜明け―
「……クリア」
「おぉー、頑張ったなアリス」
きれいなあさひだな。……はっ! 半分意識が跳んでいた……もう朝か。アリスは一晩中ゲームをしていたな、睡眠などは必要ないのか? うーん、分からんな。
「うーーん。 えっ、もう朝!? しまった、準備しなきゃ……!」
「……ようやく気が付いたか……。無事に目を覚ましたようで何よりだ、君は運が良いな」
「え!?」
うん? なんか俺の耳が可笑しくなったか? 起きたミドリにアリスが話しかけたんだが、なんか口調が……。
「あ、アリスちゃんか……調子はどう? 色々と覚えられた?」
「君の言葉を肯定しよう、必滅者よ」
「何かまた別の方向に不味くなったよな」
「な、何故か偏った台詞ばかりを覚えちゃったみたいです」
アリスの方からミドリと二人で顔を逸らしてヒソヒソと話す。
「ふぁ……みんな、おはよう……」
ユズも起きてきた。と、なると後はモモイだけなんだか……あいつどこ行ったんだ。すると部室の扉がガチャリと開く音がする。
「おはよう!」
「おはよー」
話題をすればというが、モモイと先生も部室に入ってきた。モモイはアリスの方に歩いて手に持っていた物を渡す。
「アリス、これ」
「……? アリスは『正体不明の書類』を獲得した」
「おっ、またさらに口調が洗練されているね。これは『学生証』だよ」
ミレニアムの学生証ってそんな簡単に作れるのか……? 学生生活から長いことは慣れていたし、そもそもアビドスは半分自治権が崩壊しているようなところだったからそこらへんの手続きがどうなっているのかまったくわからん。
「洗練というか、レトロゲームの会話調そのものだけどね……」
「学生証……?」
「この学生証は、私たちの学校の生徒だっていう証明書。生徒名簿にもヴェリタスがハッキ……いや、登録してくれたから、もうアリスも正式に私たちの仲間だよ!」
「仲間……なるほど、理解しました。パンパカパーン、アリスが『仲間』として合流しました!」
……あぁ、やっぱり学生証を作るのは簡単じゃないんだな。なんか、安心したわ。
「ねぇ、今『ハッキング』って言わなかった……?」
「大丈夫大丈夫! さて服装と学生証、それに話し方! この辺は全部解決できたから……。あとは……武器、だね」
まぁ、キヴォトスなら確かに必要だな。
「よし。せっかくだしアリスと先生、グランに案内するよ」
「案内……?」
アリスは可愛く、首を傾げる。というか俺も?
「私たちの学校、ミレニアムを!」
……いや、俺は結構な回数ミレニアムに来ているんだがな。俺は内心そう思いながらも隣でワクワクしている先生とアリスがいるので黙っておくことにする。そうしてモモイの説明の続きを聞くことに。
「ミレニアム……ううん、キヴォトスの生徒は、みんなそれぞれ自分の武器を持っているの。だから、アリスにも武器を見繕ってもらわないとね。調達する方法は色々あるけど、このミレニアムで一番手っ取り早く、ちゃんとした武器が手に入る場所と言えば……」
「……エンジニア部か?」
俺がそう言えばモモイは無言でうなずく。やっぱりあそこかぁ……。
「エンジニア、部……?」
「機械を作ったり、修理したりする専門家たちのことを、ミレニアムでは『マイスター』って呼んでるんだけど。エンジニア部はそのマイスターがたくさん集まってる、ハードウェアに特化した部活なの」
「機械全般に精通しているのはもちろん、武器の修理とか改造なんかも担当している部活だから」
「多分、使っていない武器とかが色々残っているんじゃないかなって」
確かにあそこなら使っていない武器もあるだろうし、性能も問題ないものが揃っているだろう。少し、不安要素もあるけどな……。
「『ODI ET AMO』の開発部門も最初はエンジニア部の連中を講師として呼んで技術を教わってたぐらいだ。技術は確かなものだぞ」
そう言いながら俺は自分の武器のKO-3K2を出してアリスたちに見せる。
「おおー、グランの武器にもエンジニア部が関わっていたんだ! それじゃあ、早速行ってみよっか!」
元気なモモイを先頭として俺たちはミレニアムの校舎を歩きはじめる。
個人的な嗜好の話なんですが、ウタハの手は荒れていれば荒れてる方がエッチだと思います。個人的には指が一本や、二本無くても良いんですね。左手薬指とか。