シャーレの部長はブラックマーケットの代表   作:四脚好き

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 誤字脱字報告いつもありがとうございます……。ホントに感謝してもしきれません。あー、誤字脱字しなくなる神秘とかないかなぁ。


81話

◎・ゲーム開発部 部室・

 

「うーん……。結果的にに、まだゲーム開発部は存続の危機……ってことだよね」

「そうだね」

 

 ミドリが顎に手を当てながらそういうと隣にいた先生が返事をする。……あの二人距離近くないか? というかミドリが先生にドンドン近づいて行っているのか。

 

「でもこんなの、どう考えても詐欺だよ! 謀略だよ!」

 

 モモイが大声で騒いでいるが、これに関しては自業自得だろうに……。部室にあるソファに座りながら視線を部室端にあるロッカーに向ける。そこにはロッカーからちょこっとだけ顔を出している花岡ユズがいた。

 

「……ゴメン。わたしが、部長会議に参加できなかったせいで……」

「ゆ、ユズちゃんのせいじゃないよ! こういう場合って、お姉ちゃんが代わりに参加することにしてたはずでしょ?」

 

 ん? ということは……。ミドリの言葉を聞いてモモイの方に目線を向ける。

 

「……仕方なかったの。だってその時は、アイテムドロップ率2倍のキャンペーン中で……」

「いや、ホントに自業自得じゃねぇか!」

「うう! だってぇ……」

 

 思わず大きな声が出てしまった。だが、これは仕方がない……許されても良いだろう。ほんとに何もせずにゲームばっかりしてたのかコイツら!? ……それでも今学期まで活動を認めてくれたユウカには感謝するべきだろう。

 

「うう……ともかく、やるべきことは一つ」

「そうだね」

「ミレニアムプライスで受賞できるような、すごいゲームを作ること」

 

 モモイとミドリは真剣な表情で話し始める。……これはあれか? 追い詰められた方がやる気が出てくるタイプのやつか?

 

「ってことは、結局G.Bibleが必要なんじゃん! またあの廃墟に行くの!? やだぁ!!」

 

 あー、そうでもないな。気のせいだった。

 

「……責任、とらないと

「ユズ?」

「え、ユズちゃん?」

 

 何かを小さくユズが呟いたらしい。先生とミドリがユズの方を向いている。つられてユズのほうを見ると何かを決心した顔付きのユズがロッカーから出てきていた。

 

「G.Bibleを探しに、また廃墟に行くなら……わたしも、一緒に行く」

「え、え!? 嘘!?」

「ユズちゃん、もう半年近く校舎の外に出ていないのに。授業もインターネット受講だけだし……」

「え」

 

 それは……大丈夫なのか? 虚弱になってたりしないか?

 

「……元々は、私のせい……だから。それに、この部室は……もうわたしだけのものじゃない。……一緒に、守りたいの」

 

 はぁー。なんだ、心配してた俺がバカみたいだ。俺なんかよりもずっと強いし、カッケェじゃん。『一緒に、守りたい』か。その言葉をあの時俺が言えていれば……なんてな。もう今となってはどうにもならないし、仕方がなかったと納得している。ただ、偶にこうして悲観的に思い出すだけだ。

 

「ユズちゃん……」

「パンパカパーン、ユズがパーティに参加しました」

 

 アリスがそう言って両手を上げる。そんなアリスの様子を見てモモイも覚悟を決めたようだ。

 

「……うん、よし! やるしかない、行こう!」

「アリスちゃんも、武器とか装備持って!」

「アイテムを選択、『光の剣:スーパーノヴァ』を装備しました」

 

 ゲーム部の面々がそれぞれの武器を持ち上げる。

 

「よし、行こっか! 今度こそ、G.Bibleを手に入れるために!」

「うん! みんなで、部室を守ろう!」

 

 

◎・ミレニアム 廃墟地区・

 

「……先生っ! 伏せて!!」

 

ドガァァァァアアン!

 

 ミレニアムの廃墟地区に大きな爆発音が響き渡る。ロボットたちは今度こそ侵入させないと考えているのか、今回は廃墟地区に入ってすぐに先生たちは発見され前回よりも苛烈に攻撃されていた。

 

「うぅ……みんな、大丈夫?」

「私とお姉ちゃんは平気、でも思ったより火力が……先生、大丈夫ですか!?」

「うん、大丈夫」

 

 ユズが土煙を払いながら周りに話しかけるとミドリが姉を確認して先生にも声をかける。それに先生も力強く答える。現在先生たちは壁を背にして籠城していた。

 

「来た、ロボットたち!」

「大丈夫、まだ引き付けられる……!」

「……よし、アリスちゃん! グランさん! やっちゃって!」

 

 ミドリがロボットたちが十分に近づいたのを確認して通信機に向かって合図する。合図を受けたグランとアリスは先生たちの背後にある離れた廃墟のビルの上に陣取っていた。グランはUSC-26/H SALEMを、アリスはスーパーノヴァを構えている。互いの武器はたくさんのコードと機器で接続されていた。

 

「この作戦なら先生もアリスたちといっしょに後方にいた方が良いのではないですか?」

「それは俺も思っている。でも……あの人は『先生』だからな。生徒だけを囮には出来なかったんだろうさ」

 

 アリスの疑問にグランは遠い目をしながらそう返す。

 

「ま、今は俺たちの仕事をこなすぞ」

「はい、お兄様! 今の私の役割は、光属性広域アタッカー……。狙撃で先生たちの前方にいるモンスターを、殲滅します。お兄様」

「USC-26/H SALEMとスーパーノヴァの照準システムの同調開始、システムリンク」

 

 グランがUSC-26/H SALEMを構えて狙いをつけると照準器に映し出される情報がアリスの持つスーパーノヴァに転送される。狙撃未経験なアリスの為にグランがスポッターとなり、アリスがその補助を受け攻撃を実施する作戦だ。

 

「いきます……光よ!」

 

ドギュュゥゥウウン!

 

 アリスの放った一撃は先生たちの頭上を飛び越えロボットたちを吹き飛ばした。

 

「よし、成功!」

「アリスちゃん、凄い!」

「ま、まだ! 敵の第2陣が接近中!」

 

 成功にモモイとミドリは喜ぶが、ユズはすぐに新たな敵が接近しているのを見つけた。ユズの言葉にモモイ、ミドリ、先生もそちらに目を向ける。

 

「ここで立て続けはちょっと……流石に不利だよ、撤退しよう! 先生もいるんだし、安全第一で作戦を立て直した方が、きっと……」

 

 ミドリがそう進言する。彼女の顔には不安と心配が浮かんでいた。

 

「……ううん。ここで退くわけにはいかない、突破しよう」

「ええっ!?」

「多分ここで退いても、状況は悪くなる一方。ロボットは今の戦闘音を聞いて、この後どんどん集まり続けるはず。全部でどれくらい数がいるか分からないけど、多分今が一番手薄……G.Bibleの座標が示しているあの『工場』に入るには、今が最大のチャンスだと思う」

 

 モモイは真剣な表情で撤退に反対する。

 

「で、でも……」

「私もモモイに賛成だよ。ミドリ」

「先生……」

 

 モモイの言葉に納得できずに今だに心配そうな表情をしているミドリの頭を撫でながら先生はモモイの意見に賛成する。

 

『大丈夫です!』

「アリスちゃん……?」

 

 ミドリ達の元にアリスの通信も入る。

 

『私たちは今まで一緒に、27回のダンジョン探索と、139回のレイドバトルを成功させてきました。今回もきっと……このパーティなら勝利できるはずです!』

「で、でもそれはゲームの話でしょ!」

 

 ミドリはまだまだ不安なようで涙目で先生の腕を掴んでいる。その手の上にユズが自身の手を重ねる。

 

「どう転んでも、危険はある……わたしも、頑張るから」

「で、でも先生は? 私たちとは違って、攻撃を受けたら……!」

 

 ミドリの先生を掴む手は震えており、その心情を物語っていた。

 

『大丈夫です!」

「あ、アリスちゃん? いつの間にこっちに?」

「俺もいるぞ。俺が足止めしておく、お前たちがどうするかを決めるんだ」

 

 アリスとグランが先生たちの後ろに降り立つ。どうやらアリスを抱えてここまで跳んできたようだ。アリスはミドリのほうに向かい、グランは武器を構え、向かってくるロボットたちの迎撃を始める。

 

「どれだけ危険な状況であっても、アリスが先生を守ります」

 

 そこまで言ってアリスは先生の方を向いて手を伸ばす。

 

「先生……アリスを信じて、私たちと一緒に来てくれますか?」

「もちろん」

 

 先生は迷いなく返事をしてアリスの手を取る。

 

「! パンパカパーン! 先生が改めて、仲間になりました!」

 

 先生とアリスのやり取りを見てミドリも決心したようだった。

 

「ふぅ……分かった。私も覚悟を決める! ゲーム開発部、敵を突破するよ! 先生、指揮をお願いします!」

 

 ミドリは武器を構え、ロボットの方に向き直る。そして先生の指揮のもと動き始めたのだった。

 




 アビドススナオオカミとか、ゲヘナシロモップとか、アビドスユメモドキとか生徒に学名風の呼び名つける奴が好きなんです。ということで活動報告の方でグラン君の学名を募集しています。いつか、生態紹介系の回も書きたいのでご協力お願いします。
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