問題児たちが異世界から来るそうですよ?~箱庭に訪れる冬~   作:bliz

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プロローグ

「はぁ、 だりぃ。早く授業終わらねえかな」

 

 外に降っている雪を見ながら俺は呟く。

そう言ってはいるが、授業はまだ始まったばかりで終わりまでは程遠い。愚痴を言って授業が早く終わるわけもないので諦めて授業を受ける。

途中で寝かけた時に、近くの奴が先生に当てられて焦ったりしている内に授業は進んでいき、終わりを告げるチャイムが鳴る。

 

「……やっと終わった」

 

チャイムを聞いてすぐに授業の用意を片付けると、帰る準備を始める。準備ををしていると後ろから話しかけられる。

 

「おーい、帰ろうぜ」

 

話しかけてきたのは蒼海陽炎(あおみかげろう)

俺の幼馴染みであり親友だ。

直ぐに準備を済ませると陽炎と帰路につく。

 

「お前、今日の体育少し本気出しただろ?」

 

「別に、俺はいつも通りだぜ」

 

陽炎はそう言っているが顔は笑っている。こいつがこういうとぼけかたをする時は大抵が図星だ。

 

「はぁ、そういうことにしといてやるよ」

 

「別に、お前がキーパーやってるから少しぐらい強く蹴っても大丈夫だろう、とか思ってないからな」

 

「それ確信犯だろ!」

 

こうやって笑いあって帰るのが俺達の日常だ。昔は俺達の他に二人の幼馴染みがいてよく四人で遊んだりした。でも、高校に入るのと同時に俺達は別れた。俺と陽炎は地元の高校へ、二人は別の高校に入学した。

 

「……あいつら、元気にしてるかな」

 

「何を急にしんみりしてんだよ。心配するほど会ってないわけじゃねえだろ」

 

「まあな。でも、四人でいるのが当たり前だったからな…………つい」

 

「……それもそうか。でも、あいつらだぜ?普通じゃねえし」

 

「ま、それは俺らもだけどな」

 

「だな」

 

俺達はお互いの髪を見る。俺は銀色で陽炎はオレンジだ。

 

「あれ以来か、こうなったのは」

 

「ああ、あの時はビックリしたけどな。終わってから会ったら四人とも髪の色変わってたし」

 

「変わってたのは髪だけじゃないけどな。……こういうとことかさ!」

 

俺は近くにあった雪を固めて雪玉を作って陽炎に向かって投げる。しかしそれは陽炎に当たる前に消える。

 

「お前な、急に投げるなよ」

「別に問題ないだろ。当たるわけないし」

 

「それとこれとは話が別だろ」

 

「………………サッカー」

 

「わかったよ。これでおあいこだ」

 

こんなことをしているうちに俺の家に着く。

 

「それじゃあ帰るわ」

 

「ああ」

 

家に入るとカバンを適当に放り、着替えながら冷蔵庫から飲み物を取り出して飲む。

 

「はぁ~、やっぱりコーラはうまいな。さて、休んだことだし日課をはじめますか」

 

そう言うと俺は何もない場所から透明な剣を出現させ、それを振る。最初は剣一本だけで、次はもう一本増やして二刀流で剣をふるう。

 

「これはこれぐらいでいいし、次いくか」

 

次は薙刀や槍などの長物を出して振る。さっきとは長さや重心の位置が変わり、動き方が別のものになる。

槍などが終わると弓と的を出して射抜く練習をする。今でこそ当たるようになっているがこれを始めた頃はまともに当たらなかった。

そして、全ての日課を終えてふと机の方を見ると、そこにはさっきまでなかった黒い手紙があった。

 

「あれ、こんなのあったっけ?」

 

手紙を手にとって見てみると『白銀吹雪殿へ』と書かれていた。

よく見みると手紙というよりも招待状のような物のようだ。

 

「俺の名前だよな。誰かが入ってきて置いたわけでもないし」

 

さっき家に入ってくるときは手紙の類いは持ってなく、この部屋に来るまでは何枚か扉があるので気づかないということはありえない。

俺はその事実に自分の口角が上がっていくのを感じる。

 

「差出人不明、更には急に現れた招待状か、おもしろいじゃねーか。でもこういうのって開けたら大概何か起こるような……ま、それは小説ぐらいか」

 

俺は自分の力のことがあるので、異世界や魔法といった現代ではオカルトと言われているものも信じている。だからこそ、嫌な予感と期待に近いものを持ちながら手紙を開ける。

 

 

 

『 悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。 その才能(ギフト)を試すことを望むのならば、己の家族を、友人を、財産を世界の全てを捨て、我らの"箱庭"に来られたし』

 

 

そう書かれていた。

 

「ん? 箱庭? 行くのはいいけど、友人を捨てるのはな……」

 

そんなことを言っていたら体が光に包まれる。

 

「おいちょっと待て、開けたら発動するタイプかよ。流石に理不尽すぎだろ」

 

俺に拒否権があるわけもなく、気がついたら空に投げ出されていた。




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