問題児たちが異世界から来るそうですよ?~箱庭に訪れる冬~ 作:bliz
これぐらいとは言わなくても3000以上書けるようになりたい
「ここはどこだ?」
目が覚めて辺りを見渡してみるが一面が真っ白で、建物の影もない。
先も真っ白で距離感もわからなくなってくる。
「どうしてこんなところに。そうだ、俺はたしかレティシアを庇って……」
「お前は石化したんだよ」
「誰だ!どこにいる」
急に声がして、周りを警戒してみるが誰もいない。
「そう気を張るなよ。別に戦おうって訳じゃないんだ。それに今の俺には実体がないんだ、どうせ何もできないよ」
「そうか、この空間では何も出来ないみたいだしあんたを信じるよ。その上で質問だ。お前は何者なのか、ここはどこでお前の目的が何なのか。それを聞かせてもらおうか」
「わかったわかった。まずは名前だがこれは教えられない。だが、次に会うときには教えてやるよ。次に、ここのことだが、ここは精神の世界だ。後は目的か。
「場所と名前のことは置いておこう。だが、最後のはどういうことだ。それじゃあまるで昔の俺を」
「知っているとも。さすがに生まれてすぐってわけじゃあないけどな」
どういうことだ?俺はこいつを知らないぞ。
「お前が一方的に知っているのか、俺も知っているのかどっちだ?」
「後者だ。でも、詳しいことは教えられない。これはお前が思い出し、乗り越えなければならない問題だ」
「おい!それはいったいどういう」
「おっと。そろそろ時間だな、最後にヒントをやるよ。ヒントはおまえの『過去』と『誓い』だ。それと今回のご褒美に能力を少し解放しておいた。それじゃあな」
「おい待てよ。まだ聞きたいことが……」
言い終わらないうちに俺の意識は闇に落ちていった。
「ん、今度は……俺の部屋だな」
目が覚めて辺りを確認してみると見慣れた俺の部屋のベットで寝ていた。
「さて、十六夜たちを探しにいくかな。あれ?なんかデジャブだな」
ガチャ
十六夜たちを探しに行こうとするとドアが開き、耀が部屋に入ってきた。
「え、吹雪どうして……」
「お、耀か。ここまで運んでくれたのか、
ありが……おっと」
お礼を言い終わる前に耀が抱きついてくる。
耀は嬉しそうな表情をしながら泣いている
「ぐすっ。……吹雪のバカ、……心配したんだから。……でもよかった帰ってきてくれて。……十六夜が治してくれるって信じてたけど、もしものことを考えると辛かった」
俺はこんなにも心配をかけてたのか。
俺は耀を安心させるために抱き締める。
「悪いな心配させて。でも、これからも心配をかけるかもしれない」
「どうして……どうして吹雪は自分を犠牲にしてでも守ろうとするの?」
「……そうだな、話しておいたほうがいいか。その前に、十六夜いるんだろ?話があるから入ってこい」
ドアに向かって呼びかけると十六夜と飛鳥が入ってくる。
「バレてたか。入らないほうがいい気がしたからはいらなかったんだが」
「本音は?」
「面白そうだった。それ以外にあるわけがない」
キッパリと言い切る十六夜。
そうだ、こんなやつだったな。
「な、言っただろお嬢様?」
「まさかとは思ったけど当たっとるわ
ね。十六夜君は娯楽レーダーでも持ってるのかしらね」
「おいおい、よくわからない話はいいから、現在の状況を手短に教えてくれ」
「わかったよ。俺らは
「頭が回るやつなのか?」
「いや、違う。ただめんどくさいだけだろう。石化は薬で、攻撃と侮辱は謝罪でそれで無しだと。それで、レティシアを欲しければ黒ウサギと交換だとさ」
話す十六夜の表情を見る限り、その相手はよっぽどらしい。
「それで、手はあるのか?」
「一応あるが時間との勝負になる。それは後で話す。それよりそっちの用件を話せ」
「俺の過去の話だ。耀に話そうと思った時に十六夜たちがいたからな」
それに、あいつのヒントに過去があった。
話したら何か思い出せるかもしれないしな。
「それじゃあ話すぞ」
~~~
「は~い。今日は待ちに待った遠足ですね。準備はできてますか?」
「「「「「は~い!」」」」」」
今日は小学校に入学して初めての遠足で、皆浮かれている。
今はバスで目的地の博物館に向かっている。
「おい、今日はおやつなに持ってきた?」
「ねえねえ昨日のあのテレビ見た?」
皆がおもいおもいに行動するなか俺は、
「くそ、どっちだ。どっちを引けば勝てるんだ」
「おいおい、早くジョーカーを引けよ」
ババ抜きをしていた。
相手の陽炎とは昔から付き合いのお陰で、こういうときにどう考えるかはだいたいわかる。
しかし、それは陽炎も同じなのでこちらも読まれてしまう。
その結果、第一ゲームが開始から20分が経過しているのに終わっていない。
「お前ら、見てるほうが暇なんだ早く終わらせてくれよ」
「「そんなことはわかってる。でも、こいつだけには負けたくないんだよ!てことで、お前はとっとと負けろ!」」
「わかったわかった。終わるまで待つから集中してやってくれ。……その方が早く終わるだろうし」
言われたとおり集中した結果、お互いの考えを深いところまで探り続け、
「「はぁはぁ、おかしいだろ終わらないって、疲れたよ」」
到着するまで終わらなかった。
「は~い。それじゃあ時間まで班で行動です。いっぱい見学してきてくださいね」
「恐竜だってさ。これ行こうぜ」
「あ、あれいいね。じゃああれ行こうよ」
バラバラで見学を始めてしばらくした頃、
「おい、動くんじゃねえ!俺らは強盗だ!殺されたくなければおとなしくしてろ!」
部屋に覆面を被った男達が入ってきて銃をかざす。
「お前らは人質だ。余計なことをしなければ解放してやるよ」
そう言うと、そこにいた人を一ヶ所に集め数人の男が周りを囲む。
「怖いよー。先生助けてよ」
「うるせえ、黙ってろ。でなきゃ撃ち殺すぞ!」
他の班の女の子が泣き出すと、強盗は銃を突きつけて黙らせた。
「これだからガキは嫌なんだ。まあ、これだけやっときゃ黙るだろ」
それからは、誰もが黙りこむ。
そして、ただ時間が過ぎていくかのように思ったときに、
ドタッ
班の子の一人が倒れた。
「おい、大丈夫か。しっかりしろ」
「お願いします。この子は持病があって、その薬は先生が持ってるんです。だから、取りに行かせて下さい!」
「うるせえぞ。そんなことは知らねーよ。倒れるそいつが悪いんだ。ごちゃごちゃ言わずに黙ってろ!」
「君達!子供が苦しんでいるのに何とも思わないのか」
他の子が薬を取りに行こうとするが軽くあしらわれ、その態度に腹を立てた男の人が強盗に詰め寄る。
「そんなのは知ったこっちゃねーって言ってんだろ。そんなことよりも、どいつもこいつもうるさいんだよ。……そうだ、見せしめに痛めつけたほうがいいな」
そう言うと強盗は男性の腕をつかみ一本投げのように地面に叩きつけると、そのままその人の脇腹を蹴る。
「これだけやっときゃ黙るだろ。お前らもこうなりたくなかったら、おとなしくしてろ。後、次からはこれじゃあ済まねーぞ」
強盗が脅迫する。
しかし、体調の悪い子の容態は次第に悪くなっていく。
一人の子がもう一度強盗に頼む。
「お願いします。この子の病気は放っておくと生死に関わるんです。だから、取りに行かせて下さい!」
「ダメだって言ってんだろ!お前、俺が何言ってたか忘れてないよな。あれじゃあ済まさないって言ったよな?」
そう言うと強盗はその子に銃を突きつけて、引き金に手をかける。
俺は何もできないのか?
さっきもそうだった。倒れた時にも見てるだけだった。
あの子は勇気を出して強盗に頼んだじゃないか。
それなのに俺は何もできないのか。
「本当にそうか?何もできないことはないんじゃないか?」
頭の中に声が聞こえてくるが、今はそんなことは関係ない。
「そうだ、こんなことを考えてるぐらいなら行動した方がましだ!」
俺は覚悟を決めると強盗に体当たりをする。
「うおーーー!やめろーーーー!」
「てめえ、何しやがる!こうなったらお前からだ」
強盗が俺に銃を向けると同時に辺りが光に包まれた。
そして、俺は意識を失った。
「あれ、ここはどこだ?」
「ここは病院で、今は遠足の日の夕方よ」
目をさますと隣には先生がいた。
「俺はいったい……」
「覚えてないの?あなたは強盗に体当たりをしたのよ。」
先生の言葉で、少しずつ記憶を思い出していく。
「……そうだ!他の皆は?」
「皆無事よ。強盗に蹴られた人も、幸い大ケガにはならなかったらしいわ。でも、皆あなたが銃を向けられてからのことを覚えてないの。あなたは?」
「……覚えてないです」
「それとね、あなたがいた部屋の強盗が全員不思議な状態だったの」
「どんな状態だったんですか?」
「……まるで氷漬けにされたような状態だったらしいわ」
その言葉で更に思い出していく。
「……そうだ、俺は何かの力を手にいれて……それを使って強盗を……」
力を抑えられず自分がやったことを思い出しゾッとする。
「どうしたの?何だか震えてるみたいだけど」
「大丈夫です。少し想像しちゃっただけです」
「そう。最後にこれを見てほしいの」
先生は俺に鏡を渡す。
そこに映ったのは銀髪になった俺だった。
「あなたの髪は突然銀髪になってしまったの。お医者さんは、銃を向けられたショックによるものだろうって言っていたわ」
「……そうですか。俺だけなんですか?」
「あなた以外に三人よ。どうしてあなた達がこんな目に……」
髪の変色の原因はわかっているので、他にもいないか確認する。
「そうですか。それで、俺はこれからどうしたらいいんですか?」
「明日もう一度検査して異常がなければ、退院よ」
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「とまあ、こんな感じだな。それからだよ、誰かが傷つくのが嫌だから自分の手で守れるようにしようって決めたのは」
「そうか、それであの時俺に任せて庇ったのか」
「まあな。実はこの時から、俺は凍らせる能力を使うのにトラウマがあるんだ」
「そうなの?でも、白夜叉とのゲームの時には普通に使ってたじゃない」
「あれは、水を凍らせたからだ。それでも、水の中に何かが入っていると使えない。もし、使おうとしたら気を保っていられないレベルの頭痛に襲われて、しばらく動けなくなる」
あの痛みは本当にひどかった。
あの数日後、ギフトを試したら気を失って3日ぐらい目をさまさなかったし。
「話しておきたかったのはこれだけだ。次は十六夜、逆転の策を教えてくれ」
「簡単だ。クラーケンとグライアイを倒せばいい。ただ、距離が遠くてな。一人じゃギリギリだったんだが、これで間に合う」
「了解。クラーケンに行くからグライアイは任せた」
「それじゃあ、お嬢様と春日部は黒ウサギには秘密にしといてくれ。ドッキリだ」
「わかったわ」
「……了解」
それから他愛もない話をした後、解散することにした。
「それで、耀は何で残ってるんだ?」
「言いたいことがあるの。吹雪が誰かを守ろうとする理由はわかったし、それも理解できる。でも、そのために吹雪が無茶をして傷つくのは辛いの。だから、もっと周りのことを頼って。頼ってくれたら私達も協力するから」
「ありがとな。少し楽になったよ」
お礼に耀の頭を撫でる。
耀の顔は凄く赤い。
「……吹雪、お願いがあるんだけど。……もう一回抱き締めてくれない?」
「わかったけど、どうしたんだ?」
「……いいから。そうして欲しいの」
とりあえず納得して耀の体の後ろに手を回して抱き締める。
さっきはあんな状況だったので何も思わなかったが、改めて考えてみると急にドキドキしてきて、顔が赤くなっていくのがわかる。
「耀、もういいか?」
「…………大丈夫」
手を離すと、耀は少しボーッとして顔が真っ赤だった。
「そ、それじゃあ。帰るね」
「お、おう」
お互いが自分達のしていたことを思い出し、テンパる。
そのまま慌てた様子で耀は出ていった。
「よし、寝るか」
俺は恥ずかしさを誤魔化すように眠りについた。
その後の廊下にて。
「おっ、出てきたぜ」
「それじゃあ感想を聞くとしましょうか」
耀が廊下に出ると十六夜と飛鳥がいた。
「えっ?二人ともどうしてここに…………聞いてたの?」
「「バッチリ聞いてたぜ(わ)!」」
あれが聞かれていたと知って再び耀の顔は赤くなる。
「それにしても意外だったな。春日部があんなことを言うなんて」
「そうね。ほんとに大胆ね」
その後も精神攻撃が続き、吹雪の部屋に逃げ込んで、また波乱があったのは別の話。
活動報告にてアンケートをします。
期限は追って連絡します。
感想お待ちしています。