問題児たちが異世界から来るそうですよ?~箱庭に訪れる冬~ 作:bliz
これらも週一を目標にやっていきますが不安定ですのでご了承ください。
今回は久しぶりに5000字を越えました。
この感じを維持出来るようになりたい……
「それにしても、ここがあのペルセウスかと思うとびっくりするよな」
「吹雪さん達のおかげです。あの時にチャンスをもらえたから、今こうしてるんですよ」
「そのことだが、合格だ。ゲームの時にもらった不可視のギフトとかは返すよ」
火龍誕生祭に行くことになる前の日、俺はペルセウスに来て、ルイオスと話していた。
目的は前のゲームの時のチャンスを活かせたのか確認だ。
「ほんとに変わりすぎだよな……会ったやつ全員に敬礼されたし」
「皆感謝してるってことですよ。……そういえば、火龍誕生祭行くんですか?」
「ん?何だそれ?」
「北側である祭りなんですけど、北の階層支配者を務めるコミュニティの頭首が新しく就任するんでそのお祝いだそうです。新しい頭首は……サンドラって名前だったかな?まだ10歳ぐらいだったはずです」
「かなり若いな。その若さってことは……」
「良く思ってない連中もいるみたいです」
「それは置いといても、行ってみたいな。帰ったら黒ウサギ問い詰めるか」
「やっぱり行きたいですよね。おい!あれ持ってこい」
ルイオスが部下に指示を出すと、革袋を持ってきて、俺に渡した。
その中には、金貨が入っていた。
「流石にいいよ。ここまでしてくれなくても」
「俺達からのお礼ですよ。祭りへの招待状だと思ってください」
「でもな……」
「それじゃあこうしましょう。俺から吹雪さんに部下達の戦闘指南を依頼します。それの報酬ってことで」
「……わかったよ。折角の依頼だ、全力でやるよ。兵を集めてくれるか?」
それから全ての兵を連れて平野へとやってきた。
「まずは、どれぐらいの実力なのか知りたいから、全員かかってこい!全力で制圧するから本気でこいよ」
俺は準備ができたのを確認すると、開戦の合図をしてくれるルイオスに合図を送る。
それを確認したルイオスが手に持っている手榴弾に火を着けて投げる。
その爆発を合図に俺と兵士達が動き出す。
「やっぱ爆破して制圧したいな」
俺は今回手榴弾の使用を縛っている。
……使えたら投げまくって制圧しそうだし。
そんなことを考えていると空中の弓兵が俺を狙って弓を放ってくる。
「こんなのに当たるかよ!さて……薙刀がいいかな」
矢をかわして相手の前衛に接近すると、薙刀を振り回して相手を吹き飛ばしていく。
そのまま相手の集団の中に入ると、武器を変えながら無双していく。
集中の中心で戦っていると急に後ろ側の敵がいなくなる。
それを怪しんで雪で壁を作ると見えないなにかがぶつかる音がした。
「そういや不可視の兜なんてあったな。……対策OK」
相手に気付かれないレベルで足元を常に雪で覆うようにする。
これで自分の周りに一定のスペースを確保するだけで地上の不可視の敵は気にしなくてもいいようになる。
それからも、武器を変えながら制圧していき、三十分で戦闘は終了した。
「さて、やってみて思ったことをいくつか言うぞ。一つ目、開戦直後から弓で狙うのは間違ってはいないが、全員が俺を狙ったらダメだ。一ヶ所に集中するから避けやすくなる。やるならある程度バラしたほうがいい」
「「「「はい!」」」」
「二つ目、正直に突っ込みすぎだ。もう少し攻撃に変化が欲しいな。長物隊の間から奇襲するとか、左右から挟んで正面から弓を放つとか。今言ったことに関するが、常に攻撃し続けると弓が攻撃しづらいから、変化が必要なんだ」
「成る程」
「そして三つ目、お前らの一番のアドバンテージは?」
俺は近くの兵士に尋ねる。
「……不可視……ですか?」
「そうだ。これはどのコミュニティでも使えるってわけじゃない。だからこそこれを活かすべきだ」
「さっきも使っていたのですが」
「確かにな。でも、あれじゃあもったいない。後ろからの奇襲にしか使ってないから他の方向は見える敵に対処すればいいだけになる。それに、奇襲をするために場所を開けただろ?戦いやすくするためだとは思うが逆効果だ。何かしますって教えてるようなものだ」
「一体どうすればいいんですか?」
「あくまでも俺ならって話だが、最前列に配置して急に姿を現させて攻撃するかな」
「何で姿を現すんですか?見えないまま襲った方がいいんじゃないですか」
一人の兵士が質問してくる。
「確かにそれなら確実に当たるだろう。でもそれじゃあ、見えない攻撃ができますって言ってるようなものだ。だから、姿を現すことで転移系のギフトを持っている可能性を疑わせることができる。相手は警戒するものが増えて余計に疲れるからな」
俺はいかに相手を貶め、不意をつくかを意識しているので奇襲に使える物の使い方も思い付く。
「最後に、周囲の状況への注意と自分を知ること。途中から地面が雪で覆われていたのには気づいたか?不可視の兜は見えなくなるが
兵士の一人に立ってもらうとその周囲に雪を降らせる。
すると、兵士の周りだけ雪の降り方がかわる。
「この通り、見えなくなっても体がなくなるわけじゃないからこういうことには気をつけろ。自分を知るっていうのはこういうことだ。弱点を知ればそれへの対策ができるし、相手の行動をある程度は予測できる。そこからは自分達に合った方向で強化していけばいい。以上だ」
「「「「「「ありがとうございました!!!!!」」」」」」
一連の指南が終わり、最初に話していた部屋に戻ってくる。
「お疲れ様です。あんなにも改善できる所があったなんて驚きましたよ」
「そういうのは自分では案外わからないものなんだよ。他人から指摘されるてわかることだってたくさんある」
それからも少し話したあと俺はノーネームに戻ってきた。
談話室に着いて一言。
「さて、祭りだな」
どこで聞いていたのか、すぐに十六夜たちがやってくる。
何でこんなに早いんだよ。
「おい、それはどういうことだ」
「話を聞かせてちょうだい」
「わかりやすく簡潔に」
「わかったわかった。北のコミュニティの頭首が交代、その祝い。明日から行こうと思ってたんだけど来るよな?」
「「「もちろん!!」」」
「北側に行くなら金がいるはずなんだがどうするんだ?」
「今日ペルセウスに行ったら祭りの情報と一緒に路銀もくれたから問題なし」
「そう、前のあのペルセウスのことを思うとびっくりするわね」
「変わりすぎてる」
飛鳥と耀が驚くがそれも無理はない。
俺だってかなり驚いたからな。
「さて、祭りのことを黒ウサギは知ってたみたいなんだが」
「「「黒ウサギを反省させよう!」」」
ここまで息が合うとは流石問題児、思考回路がこういうところは似てるな。
……俺もだけど。
「で、何にする?」
「黒ウサギが困ることだな」
「それを弄れるのがいいわね」
「それで得になれば完璧」
こんな感じでしばらく黒ウサギへの罰ゲームを話し合い、出発前に最終決定をすることにして解散になった。
そして次の日の朝、目を覚ますとサウザンドアイズからの手紙があった。
寝ぼけながら読んでみると、
「……えーっと、火龍誕生祭への招待状? 遅いだろ、何で行こうとする日に送ってくるんだよ。…………待てよ、罰ゲームあれでいいんじゃないか」
白夜叉からの招待状だった。
白夜叉からということで黒ウサギへの罰ゲームを思い付く、これなら昨日言ってた条件を満たすはず。
準備を済ませると集合場所に行くと三人とも揃っていた。
「楽しみにしすぎだろ。まだ集合時間じゃないぞ」
「人に言えないわよ。吹雪君だって来てるじゃない。それに、罰ゲームも考えないといけないし」
「それならいいのを考えた」
そう言って三人に罰ゲームの案を話す。
「ハハッ、いいじゃねーか」
「完璧、希望を満たしてる」
「どうせならレティシアたちも呼んでこようか。黒ウサギ一人でやらせた方が勝率があがるし」
「そうね。それじゃあ十六夜君はジン君を、私と春日部さんでレティシアを呼んでくるわ。吹雪君は置き手紙を任せていいかしら」
「了解、十分後でいいよな」
そして十分後、連れてこられたジン君とレティシアがいた。
「……主殿、本当にやるのか?」
「そうですよ。それに、何で黒ウサギだけ残すんですか」
「「「「もちろん。黒ウサギだけ残すのは一番おもしろいから!」」」」
それを聞いて二人は諦めた顔をする。
こうなったら止まらないことを察したらしい。
「それじゃあサウザンドアイズに行くか。白夜叉が連れてってくれれば金が浮くし」
そしてサウザンドアイズに着いた直後、
「待っておったぞぉぉぉぉぉぉっっっ!」
白夜叉が突っ込んできた。
十六夜に目配せをして白夜叉を空中に蹴りあげ、
「合わせろよ十六夜!」
「お前こそ!」
「「イナ○マ○号!!」」
二人でボレーシュートで水路に蹴飛ばす。
「やってみると気持ちいいもんだな」
「ああ、見るのとやるのでは結構違うな」
「……お、おんしらまた私をサッカーボールの様に扱いおったな」
水路からフラフラの白夜叉が上がってくる。
「店に着いて人が飛んできたら普通やるだろ。な、十六夜?」
「もちろんだぜ。どうぞ蹴ってくださいって言ってるようなものだな」
「……これに懲りたら今後はそのような行動は控えてください」
店員さんも加わり白夜叉の敵に回る。
「私に味方はおらんのかーっ!!」
「いないね」
「いないわね」
「私も今回は……」
「僕も……」
他の四人が追い討ちをかける。
白夜叉のライフはとっくにゼロよ(笑)。
「とりあえず中行くぞ」
へこんでいる白夜叉を部屋まで引きずっていく。
~~~~~
こんなことをしていた頃、ノーネームでは
「あ、黒ウサギのお姉ちゃん!」
「どうしたんです?リリ」
「吹雪さんが出掛けるから、お姉ちゃんに会ったらこの手紙を渡してくれって言ってたから」
その言葉を聞いて表情が少し暗くなる黒ウサギ。
「……嫌な予感しかしないのです」
黒ウサギが手紙の中を見てみる。
『 拝啓 アホウサギ
火龍誕生祭に行ってくるから。
P.S.
黙ってた罰としてゲームをするぞ。
ゲームは鬼ごっこ、今日一日で俺達全員を捕まえなければ一日メイドの罰ゲームだ。
ジンとレティシアも味方にしたから一人で頑張るように(笑)。
敬具 』
「やっぱりですか!あの問題児様方は!!」
~~~~~~
「…………黒ウサギのメイド姿を見るチャンスがあるぞ(ボソッ)」
「なにっ!!黒ウサギのメイド姿はどこじゃ!早く見せんか!」
俺の一言で復活する白夜叉。
それを見る女性陣の反応は冷ややかだった。
「さて、白夜叉。ーーーーーーというわけなんだが、黒ウサギの足止めをしてくれれば一日メイドとして貸してもいいんだが」
「乗った!!なんなら報酬もだそう。だがお主らはよいのか、その権利を譲っても」
「「「「黒ウサギは弄るもの。弄れるネタが増えるから問題ない!」」」」
これまでのいきさつを白夜叉に話し交渉をすると、すぐに乗ってきた上に報酬までくれるようになった。
「では行く前に一つ確認じゃ。フォレスガロの一件以降お主らは打倒魔王を掲げ、魔王に関するトラブルを引き受けると言っておるのは本当か?」
「……はい。仲間を取り戻すためにも必要なことなので」
「全員が了承しておるということでいいんじゃな?」
「はい」
「とりあえず北に行かないか?」
話が長くなりそうなので先に行くように促す。
「それもそうじゃな」
そう言った白夜叉は手を叩き、
「ほれ、着いたぞ」
あり得ないことを言った。
「外に出てみるがいい」
言われて外に出てみると俺達は高台にいて、眼下には赤い壁と色鮮やかな装飾に彩られた街が広がっていた。
街の雰囲気は東側とは全く異なっていてしばらくその光景に見とれていると、
「見つけたのですよ!!このお馬鹿様方!!!」
黒ウサギがやってきた。
「おい、少しは空気読めよ。俺達は街の景色を楽しんでるんだぜ」
「そうだな、だからお前は黒ウサギなんだ」
「そうよ、空気が読めないから黒ウサギなのよ」
「それこそ黒ウサギ」
「す、すいません。……って、追いかけて来させておいて何を言ってるんですか!というか途中から意味がわかりませんよ!!」
来て早々からツッコミ役をこなす黒ウサギ、流石だな。
「とりあえず捕まってもらいますよ」
「だが断る。いけ白夜叉!」
俺は白夜叉の着物の首の辺りを掴んで黒ウサギに投げつける。
黒ウサギはとりあえず白夜叉をキャッチする。
「いきなり何をするんじゃ!」
「約束通り足止めよろしく、抱きつけてるんだからいいだろ?あ、ジン君。白夜叉から魔王に関して話があると思うから聞いといてね。」
「……それもそうじゃな」
「何を言ってるんですか!この駄神様」
「吹雪さん、それどういうことですか」
三人が色々言っているが特に気にしない。
「おーい吹雪、早く行こうぜ」
「そうよ、あなたを待ってたんだから」
「祭り楽しみ」
「三人ともはしゃぎすぎだろ。祭りは逃げないんだから落ち着け」
そう言ってはいるが俺も内心ではかなり楽しみにしている。
「それじゃあ行きますか!」
こうして俺達は街へと向かった。
……後ろから黒ウサギの叫び声が聞こえてきた気がしたが気のせいだな
以前言っていたアンケートですが11月14日までとします。
感想お待ちしています。