問題児たちが異世界から来るそうですよ?~箱庭に訪れる冬~ 作:bliz
重要な回だったのに思うように進まず……
次の更新はテストのせいで12月の二週目以降になると思います。
お気に入り50件ありがとうごさいます!
これからもよろしくお願いします。
街に着くと俺と耀、十六夜と飛鳥にわかれて行動することにした。
金貨は各自に一枚ずつ渡した。
街では色々な所で展示会が開かれ、道では歩くロウソクとすれ違う。
東側とは違った発展をしている北側の物はどれも目新しく魅力的に見える。
「それにしてもすごいな。東側と違って製作されたギフトがたくさんあるし、どれも質が高そうだ」
「そうだね。見たことが無い物もいっぱいあるし時間があったら全部見て回りたいよ」
そのまま展示されているものを見ながら歩いているとクレープの屋台を見つけた。
「なあ耀、あそこにクレープの屋台があるし食べながら歩かないか?」
「それいいね。じゃあ早く買いに行こ」
列に並んで待っていると俺達の順番になった。
「さて、どれにしようかな。どれもおいしそうなんだけどな」
「私はイチゴにするよ」
「……じゃあチョコバナナで」
少し待ってクレープを受け取って、食べ始める。
「うまいなこのクレープ。これだと他の味も食べたくなってくるな」
「私も。イチゴおいしんだけど他の味も食べてみたくなるよ。……ねえ、交換しない?」
「お、それいいな」
二人でクレープを交換してたべる。
もう一度交換するときに耀の頬にチョコが付いているのに気付く。
「耀、チョコ付いてるぞ」
「えっ……どこ?」
「そこじゃなくて……惜しい……仕方ないか。ちょっと動くなよ……………よし取れた」
俺の頬を指差して場所を伝えるがなかなか取れないので耀の頬に付いているのを指で取る。
「………………ありがと……」
何故か耀が照れてしまった。
それでも、すぐに元に戻りさっきまでと同じように話しながら歩く。
「ん?どうした耀?」
「これかわいいなって思って」
しばらくして、耀が立ち止まったので横に並んで商品を見てみる。
それは鳥の羽根と雪の結晶が描かれたブレスレットだった。
他にも氷を削った彫刻や色々なアクセサリーがある。
「金貨二枚か、俺も金出すし買うか?」
「そんなの悪いよ。また今度見つけたらその時でいいから」
「別に気にしなくてもいいのに。多めに金貨貰ったから問題ないし」
「……でも」
「……あの~、ちょっといいですか」
二人で譲り合っていると小さな女の子が話しかけてきた。
タイミング的に店の子かな?
「その商品のことで相談していらっしゃったと思うんですけど、広場でゲームをやっていて、その賞品として手に入れることができます」
「「あっ」」
女の子に言われてゲームで手に入れるという方法を忘れていたことに気付く。
「……そういえばそういう方法もあったな」
「……完全に忘れてたね」
「それじゃあそれ残しといてくれる?ゲームで勝ってくるから」
「わかりました!」
広場に着くと男の子が契約書類を配っていた。
『ギフトゲーム名 ”芸術への挑戦”
・参加資格 芸術へ挑戦しようとする者
・ルール 参加者は最低一つ以上の作品を作りそれを参加していない者の投票によって評価する。その評価によって順位を決定し、それに見合った賞品を与えるものとする。
・注意事項 投票結果の操作を禁止し、発覚しだいその者を失格とする。
作品の製作に必要な工具は貸し出すが、素材については費用がかかる。
賞品は製作した作品と交換とする。
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。 ”ヒルンヴィウム” 印』
「成る程なこれならいい作品があれば手に入るってわけか」
「それはいいから早くやろ!」
はしゃいでいる耀に連れられ受付へと向かう。
「ここに名前を書いてもらえますか。ギフトカードをお持ちなら見せていただけますでしょうか」
言われた通り名前を書いてギフトカードを見せる。
そのとき長くカードを見ていたが確認だろう。
「素材の方はどうされますか?」
「俺が二人分持ってるから大丈夫だ」
「それでは奥のスペースへどうぞ」
空いているスペースに着いて、開始を待つ。
「素材あるって言ってたけどどうするの?」
「もちろん氷だよ。一応のためにたくさん持ってるからな」
そう言うと俺は大量の氷を取り出す。
「それでは始めてください」
係の人が合図をして皆が一斉に作業を始める。
「これ自由に使ってくれていいから。……さて、何を作るかな」
色々と悩んで何を作るかを決めかねているので周りを見てみると木を削って彫刻を作る人や俺と同じように氷を素材にしている人がいた。
「像でも作るか。芸術は爆発だって言うぐらいだからあれでいいだろ。……投票なら目立ったほうがいいな」
思いつきで巨大な氷を削って像を作っていく。
足場を作って空中で削っているせいなのか下から歓声が聞こえてくる。
「……ここはもうちょっと出てるほうがいいな。……ここはこうして……次は……。よし、できた!楽しかったしまだ作るか。次は火龍誕生祭だし夫妻だな」
一つ完成させてみると案外楽しかったので次の作品を作ることにして二つ巨大な氷を二つ取り出す。
「飛んでる様子を再現するには……下に棒が付いてるタイプでいいか。……鱗を再現して……次は尻尾……次は……」
「吹雪!皆終わってるよ!」
耀に呼ばれて下を見てみると他の人は全員終わっていて俺の作業を見ていた。
呼ばれなかったらずっとやっていたかもしれない。
下に降りると投票もほとんど終わっていて、俺が完成させるのを待っていたみたいだった。
「そういえば何作ってたの?」
「昔やってたゲームに出てきたモンスターで、翼が無いのがブラキディオス。翼があるのがリオレウスとリオレイア。レウスとレイアは火竜って呼ばれるから作ってみた」
「実際に会ってみたいけどゲームなんだよね……」
「案外会えるかもよ。箱庭には色んなギフトがあるし、実体化できるものもありそうだし」
「そういえば耀は何作ったんだ?」
「動物を彫ってみたんだけど上手かはわからないよ」
「きっと大丈夫だって」
『集計が終わりました!それでは発表していきたいと思います!』
話していると司会者の声が聞こえてきて、下から順番に発表していく。
『第二位は春日部耀さんの作品です!』
「……えっ?ほんと?」
自分の作品が高く評価されていて驚く耀。
「大丈夫だって言っただろ。ほら、前行ってこいよ」
「うん!」
『それでは第一位の発表です!』
俺は一位の作品がどれなのか期待しているが、なぜか周りはわかっているような雰囲気になっている。
『白銀吹雪さんの作品です!!前へどうぞ!』
「マジか。でも何で皆わかってる雰囲気だったんだろ」
とりあえず促された通り前へと出ていく。
「おめでとうございます!得票数はぶっちぎりでしたよ」
「それって一位が予想できるレベルで?」
「はい。あなたが全体の六割、春日部さんが三割、他の方で一割ですね」
「……そこまでなのか」
「悔しいけど吹雪のやつが一番だもん」
隣にいた耀が話しかけてくる。
「……ただ記憶を頼りに削っただけなんだけどな」
「翼の鱗まで完璧に作ってたからリアリティがすごいんだよ。今にも動きそうだし」
「それを言えば耀のやつもよくできてるだろ。動物の表情が上手く再現されてるし」
「それではこの賞状をどうぞ。これが証明書になりますので店で見せてください」
そう言って司会者が紙を渡してくる。
「それじゃあ行くか」
店に着くとさっきの女の子が店先で待っていて、俺達を見つけると駆け寄ってくる。
「おめでとうございます!」
「ありがとな。それで、賞品ってどれぐらいのがもらえるんだ?」
「え~っと、優勝が何でも一つ、準優勝が金貨一つ分までですね」
「じゃあ金貨一枚分払うからあれもらうのって可能か?」
「はい!大丈夫です」
「良かったな、耀」
「うん!!」
あのブレスレットが手に入ることがわかり耀は笑顔になる。
「さて、俺は何にするかな」
「……ねえ吹雪、賞品何にするか決めてないなら同じのにしない?せっかくの記念なんだし」
耀が少し恥ずかしそうに提案する。
「いいぞ。でも、もう一個あるのか?」
「それならすぐに用意してきますので待っていてください!」
女の子は勢いよく店の奥へと駆けて行った。
「それにしても、あの子元気だな」
「どちらかっていうと元気な子のほうがいいの?」
「別にどっちでもいいな。元気なほうが一緒にいて楽しいけどそうじゃなくても大丈夫だな。……あいつらもそうだったし」
「もしかして幼馴染みにもいたの?吹雪ってよく思い出してるよね」
耀が質問してくるが、少し不機嫌そうなのは気のせいなのか?
「そりゃな……あの事件より前から一緒にいたし、それからはもっと仲良くなった気がすな」
「あーちょっといいかな」
女性が話しかけてくる。
半分が白でもう半分が黒という服装をしていて正直びっくりした。
「あなたは誰?」
「私はヒルンヴィウムのリーダーをしているヘルという。今回の君達の作品は見事なものだったよ。売ってくれと言うものがいなければ私のものにしたかった」
「でも、売れて良かったんじゃないですか?あのゲームは作品を集める目的があったんでしょ?」
「……まあ、大体はそうだな。一つ相談があるのだがこれから定期的に作品を作ってくれないだろうか?もちろん報酬は出す」
「どうするの?」
「俺はいいぞ。耀はどうするんだ」
「私もやってみようかな」
「決まりだな。依頼は手紙という形にしたいのだがどこへ送ればいい?」
「ジン=ラッセルのノーネームに頼む。魔王に関する依頼を受けるって噂を流しているからすぐにわかると思う」
「わかった。では、また手紙を送るよ」
「お待たせしましたー!!」
話が終わった瞬間に女の子がブレスレットを持って戻ってくる。
「それを賞品にしたのか。……そうだ、私から一つ礼として加護を付けておこう。病気に対して少し耐性がつくようにしておいた」
「ありがとな」
「ありがとう。……このお祭りでおすすめのゲームって何かある?これから予定がないからあれば参加したいんだけど」
「条件が限定されるが造物主達の決闘というゲームがあるぞ」
「その条件って?」
「創作系ギフトを所持していることだ。製作者がいるならどんなギフトでも構わないんだが、あるか?どちらかが持っていればもう片方がサポートとして参加することができる」
「私のこれってそうなの?」
耀は生命の目録を見せる。
「大丈夫だ。それにしても、これの製作者は凄いな。独自の進化系をこのペンダントに作り出している。大事に持っておくんだぞ。ゲームはもうすぐ始まるから少し急いで行ったほうがいい」
「ありがとう。それじゃあ行ってくるよ」
そのまま走り出した耀に手を引かれ俺はその場を去った。
「………………本当に彼がそうなのか」
「はい、ゲーム参加時に確認したそうです」
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