問題児たちが異世界から来るそうですよ?~箱庭に訪れる冬~   作:bliz

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遅くなってしまいすいません。
テスト終わってから書き始めたのと百万人のアーサーにハマってしまい……

話が変わりますが、結城友奈は勇者であるの11話の夏凛の戦闘シーンで鳥肌が立ちました。……何だあれは。

最後に今回だけ(たぶん)のオマケがありますがいらなければ言ってください


突破と次への課題!

「いよいよ決勝だね」

 

「ああ、油断せずにいくぞ。俺達二人なら負けないだろ?」

 

「うん」

 

『それでは、入場してください』

 

俺と耀は勧められた造物主達の決闘に参加し、今は予選の決勝だ。

フィールドまで進み、相手を確認すると土でできた沢山の兵士がいた。

 

『試合開始!』

 

合図と同時に飛び出し、近くにいた兵士を斬りつけ、そのままの勢いで他の兵士も斬る。

耀も風を纏った拳で兵士を倒していく。

二人で相手を倒し続け、ある違和感に気づく。

 

「数が減らない?」

 

「確かに、結構倒してるはずなんだけど減る気配がない。増えてるってわけじゃなさそうだらから再生しているんだと思う」

 

「どうするの?これじゃあ終わらないよ」

 

「何か条件があると思うんだけど、それがわからないことには……」

 

こうしている間にも兵士は迫ってきているのでそれを倒す。

一体一体は大したことがないのだが、絶えず襲ってくるので休むまもなく動き続けなければならない。

倒し続けると少しずつ疲労が溜まってくる。このままの状態ではいけないので打開策を考える。

 

「耀、こいつらは俺がやるから空中から様子を見てくれないか。おかしな動きをしている奴を見つけたら攻撃してくれ」

 

「わかった」

 

耀は空に飛び上がるとフィールドの全体を見渡し兵士達の動きを観察する。

すると、兵士達が三つのグループに分かれていることに気がつく

一つ目のグループが攻撃して倒されると次に二つ目のグループが攻撃し、その間に倒された兵士が復活して次に備えるというのを繰り返している。

三つ目のグループは何もせず、後ろから見ている。

 

「何で何もしてない兵士がいるんだろ?とりあえず攻撃してみようかな」

 

耀は三つ目のグループに向かって急降下し、そのままの勢いで攻撃するが、そこにいた兵士達が壁になるように立ち塞がり少し残ってしまう。

再生する前に残りも倒そうとするが急に一つ目と二つ目のグループの兵士達が向きを変え襲ってくるので仕方なく中断して戻る。

 

「耀、何やったんだ?急に兵士達が攻撃をやめたんだが」

 

耀は自分がやったことを説明する。

 

「……立ち塞がって、急に攻撃をやめた……数が多い方が有利なのに攻撃してこないグループ…………倒されたくない何かがある?」

 

「どうするの?」

 

「フィールドの両端から倒しながら進んで真ん中に追い込む。周りの兵士が完全にいなくなったら進んで、後ろに出てきた兵士はあまり気にしないように」

 

「わかった」

 

耀が反対側の端に着いたことを確認すると、目の前の兵士を倒しながら進み始める。

倒しながら進んで行くと、正面からの攻撃が少し緩くなったので周囲を確認すると、他の兵士に囲われている一回りだけ大きい兵士が目についた。

 

「あいつだな。耀!一回り大きい奴を狙え!たぶんそいつが再生の条件だ!」

 

「うん!」

 

俺の声を聞いて仕組みがばれたのがわかったのか相手が兵士に指示を出す。

すると、周りの兵士が集まって大きくなっていき四体の大きな兵士になった。

 

「こんなのもあったのかよ……」

 

兵士は二体ずつに分かれて俺と耀の相手をするらしい。

俺に向かって来た奴の一体が手に持っている剣を降り下ろしてくる。

それをかわして手を斬り落とすと、もう一体がハンマーを降り下ろす。

降り下ろされたハンマーを相手の方に転がることで回避し、薙刀を使い両足を切断する。

すぐにもう一体の攻撃がきたのでそれも同じように回避し、足を斬り、動きを封じる。

「さて、今のうちに倒すか。耀の方はどうだ?」

 

確認すると、耀の方に向かった兵士も同じように足を破壊され倒れていた。

 

「吹雪の方も倒したんだね。それじゃああれを倒して終わりだね」

 

「耀、それフラグにしか聞こえ……ですよねー」

 

言い終わる前に、倒そうとした兵士が他の兵士を吸収し巨大な一体のゴーレムになった。

 

「……フラグ回収?」

 

「そんなこといってる場合じゃないだろ。とっとと倒すぞ。俺が隙を作るから止めは任せた」

 

俺はゴーレムに向かって走っていき、降り下ろされた剣をその場で回避し、次の攻撃もかわす。

ゴーレムの腕は四本になっており、さっきまでとは攻撃の数が段違いに増えている。

反撃することを諦め、回避に集中しその場で攻撃を回避し続ける。

 

「さて、もういいかな」

 

俺はゴーレムの攻撃がギリギリで届かない位置まで下がる。

ゴーレムは俺を攻撃しようとして大きく窪んでいる(・・・・・・・・)地面を踏み込み転倒する。

今まで同じ位置で避けていたのは相手の攻撃で地面を窪ませるためだ。

 

「今だ、耀!」

 

上空で待機していた耀は体重を象へと変化させて落下し、ゴーレムの頭を潰した。

そして、ゴーレムは動かなくなった。

『勝者、春日部耀!』

 

勝利が決定した瞬間、会場から歓声が巻き起こる。

 

「スゲー!これほんとに予選かよ」

 

「明日からの決勝はもっとレベルが高いだろうな」

 

「あの二人強すぎだろ、ほんとにノーネームかよ!」

 

「というか、男女ペアで出るとか許せねえ!」

 

「リア充爆発しろ!!」

 

…………歓声じゃないのがあったのは気のせいだな。

 

「決勝戦最後の一枠はノーネームの春日部耀に決定した。決勝のゲームは明日以降に開催される、そのゲームのルールは…………ふむ、もう一人の“主催者“にして、今回の主賓からご説明願おう」

 

白夜叉に促され、テラスに一人の少女が現れる。

 

「ふふ、緊張するのはわかる。しかし、おんしは北側のフロアマスターであるからの。凛然とした態度で臨まねば威厳もないからの」

 

白夜叉に言われ、少女の表情がこの場に相応しい引き締まったものへと変わる。

 

「ご紹介に与りました、北のマスター、サンドラ=ドルトレイクです。東と北の共同祭典・火龍誕生祭の日程も、今日で中日を迎える事ができました。然したる事故もなく、進行に協力してくださった東のコミュニティと北のコミュニティの皆様にはこの場を借りてお礼の言葉を申し上げます。以降のゲームにつきましてはお手持ちの招待状をご覧ください」

 

 

 

 

 

説明を聞き終わった後、俺達は主賓室へと招かれ、十六夜がやらかしたことを聞く。

 

「……お前なあ、時計塔蹴り飛ばすなよ」

 

「ヤハハ、勝つためだったんだよ。それに祭りを盛り上げたんだし、いいじゃねえか」

 

「それならいっか」

 

「何で納得するんですか、このおバカ様!」

 

黒ウサギの突っ込みが炸裂し、サンドラの横に控えていた男が進み出てくる。

「貴様ら、ノーネームの分際で我々のゲームに騒ぎを持ち込むとはな。相応の罰を覚悟しているんだろうな!」

 

「これ、マンドラよ。罰を決めるのはおんしではなくサンドラじゃ」

 

「はい。此度の件は負傷者がいなかったことと、時計塔を白夜叉様が修繕してくださったことで不問とします」

 

「太っ腹だな。よかったのか?」

 

「おんしらを呼んだのは私だしの。それと、今回呼んだ事の前報酬だと思ってくれればよい。丁度よい、ジンには話したが、おんしらにも今回の依頼を話しておくか」

 

白夜叉とマンドラはそれぞれの側近に目配せをし下がらせる。

側近達がいなくなるのを確認すると、サンドラの表情と態度が柔らかくなり、年相応のものへと変わる。

 

「ジン、久しぶり!コミュニティが襲われたって聞いて随分心配したんだよ!」

 

「ありがとう。サンドラも元気そうでよかった」

 

「ふふ、当然。魔王に襲われたって聞いて本当はすぐにでも助けに行きたかったんだから!」

 

これって、知り合いの会話だよな?

この二人に特に何かあるってことはない…………よな?

 

「それにしても、サンドラがフロアマスターになったって聞いたときはびっくりし」

 

「軽々しくサンドラの名を呼ぶな!名無しが!!」

 

側にいたマンドラが急に剣を抜き、ジン君に斬りかかる。

 

「知り合いの挨拶にしては穏やかじゃねえな。……お前、止める気なかっただろ?」

 

「十六夜が止めてくれて良かったな。あれ以上動いてたら……死んでたぞ?」

 

十六夜はマンドラが抜いた剣を足で受け止め、俺はマンドラの周囲に剣を浮かべ動けば当たるという所で固定している。

 

「……貴様ら、名無しの分際でこんなことをしてどうなるかわかっているのか!!」

 

「おいおい、これは正当防衛だぜ?」

 

「というかさ、あんたさっきから名無し名無しって言ってるけど、相手がノーネームだから自分達が上とか考えてると……潰れるぞ?そういう考え方は敵を増やし、破滅に繋がるぞ。……まあ、身内が原因で潰れることもあるだろうけどな」

 

「やめんか、このような場で何をやっておるんじゃ。おんしらもここは手を引いておいてくれ」

 

「白夜叉様はこいつらの肩を持つのですか?」

 

「今回、こやつらの言っておることは間違っておらぬ。非があるとすればおんしじゃ」

 

「……わかりました」

 

白夜叉に言われ、俺と十六夜は渋々手を引く。

 

「それじゃあ今回の用件とやらを聞かせてもらおうか。軽く予想はついてるが」

 

「この封筒の中に入っておる。自分達の目で確認するとよい」

 

白夜叉は十六夜に封筒を渡し、俺達はその周りに集まる。

十六夜が封を開け、中に書いてあることを確認すると、

 

『火龍誕生祭にて魔王襲来の兆しあり』

 

「やっぱりか。魔王関連の噂に関して確認した時点でそんな気はしてた」

 

「で、白夜叉。ここに書いてることは本当なのか?」

 

「知っての通りサウザンドアイズには特殊な瞳のギフトを持つものがたくさんおる。これはその中の一人が行った予言じゃ」

 

「信憑性はどれくらいだ?」

 

「上に投げれば下に落ちる、という程度だな」

 

「それって予言なの?下に落ちるのは当然なんじゃないの?」

 

「予言だとも。これは“誰が投げた“、“どうやって投げた“、“何故投げた“それがわかっている。それ故に“何処に落ちてくるのか“がわかるという類いの予言書なのだ」

 

その言葉を聞いて俺達は愕然とする。

そして、一番最初に立ち直ったマンドラが怒る。

 

「どういうことだ!なぜそこまでわかっていながら情報がこれだけなのだ!!」

 

「……に、兄様。これにはきっと深い事情が……」

 

「簡単だろ。相手はわかっているが口に出せない。つまり、そういう相手なんだろ。例えば、公表してしまうと問題が起こる立場(・・・・・・・・・・・・・・・・)の相手、とかな」

 

「予想だが、それに補足すると、サンドラのフロアマスター就任をよく思わない連中の可能性が高いな」

 

「つまり、他のフロアマスターが魔王と結託して火龍誕生祭を襲撃すると!?」

 

箱庭組は俺達の考えに驚く。

 

「そんなに驚くことかよ。誰だって自分にとっての利害がある。そのために動くことがある、だろ?」

 

「確かにそうだな。私はこんなことを考えたくないが、否定することができない」

 

白夜叉の表情が苦虫を潰したものになる。

 

「……なあ、犯人考えるのも大事だけどさ、今は魔王について考えないか?犯人がわかっても魔王に全部滅ぼされたら元も子もないし。俺達への依頼はそれだろ?」

 

「そうであったな。魔王の詳細がわからぬことが申し訳ないが、今回の依頼受けてくれるかの」

 

「もちろんです。ノーネームは両コミュニティに協力します」

 

「魔王の詳細がわからないことは問題ないさ。俺達は魔王と戦うって決めた、初見の魔王と戦って勝てなきゃ意味がない。だろ、十六夜?」

 

「もちろんだ。なにより、その方が面白いからな」

 

「心配しなくとも今回は最強のフロアマスターである私が倒すから、おんしらは露払いをしておればよい」

 

「別に、どこかの誰かが偶然(・・)倒しても問題ないんだよな?」

 

「いいだろう。隙あらば魔王の首を狙え、私が許可しよう」

 

これでこの場は解散になった。

 

 

 

 

 

夜になり、俺はヒルンヴィウムのコミュニティに来ていた。

会議をするようだったがその内容は後で聞けばいいのでこちらに来て、ヘルさんと話している。

 

「私に聞きたいことがあるということだが何だ?」

 

「俺のギフトは氷と雪を操るんですけど、像を作って自律行動するようにしたいんです。でも、像を作ってそこから先ができないんです。それでアドバイスを貰えたらと思いまして」

 

「ふむ、そういう場合に考えられるのはいくつかある。一つはギフトで行使できる能力に何らかの制約がある。もう一つが使用者自身に原因がある。この二つが主なものだろう、心当たりはあるか?」

 

「ギフトの方は一応、俺自身のことはわからないので少し話を聞いてもらえますか?」

 

俺はギフトを手に入れるきっかけと成った事件を話す。

 

「こんなこと話してくれてよかったのか?」

 

「はい、今の俺には必要なことだと思うので」

 

「そうか。話を聞いて一つだけ思いついたことがある。確認だが、君の考えはそのギフトを使って仲間を守る、そうだね?」

 

「はい」

 

「考えられる君自身の原因は、無意識なのだろうが自分が(・・・)守ると考えていることだ。自律行動させる場合はその対象を仲間であると考えると上手くいきやすいらしい。君の場合は自分が(・・・)守るのではなく、仲間と(・・・)守る。そう心の底から考えられるようになればいいのではないだろうか」

 

「………………そうですか。話は変わりますが新しい武器を作りたいんですけど、それも見てもらえませんか?どうしても作れない部分があって」

 

「わかった。それじゃあ実物を見せてくれ」

 

俺は新しい武器を見せる。

 

「なるほど、この部分だな。それならここをこうして、この部分をこう変えて」

 

言われた通りに変更していき武器が完成する。

 

「そうか、こうすればよかったのか。ほんとにありがとうございました」

 

「いやいや、私でよければいつでも相談に乗るよ」

 

「それじゃあ帰ります」

 

俺は帰り道を歩き始める。

 

「……………………これでいい方向へ進めばいいのだが」

 

 

 

 

帰り道、俺は言われたことを思い出す。

 

「……自分で守ろうとする、か。やっぱり一人でやろうとしてるのか……耀にも言われたし……」

 

無意識の内に考えてしまっていることをどうにか変えられないか考えるがなかなかいい方法が見つからない。

 

「……というか、方法を考えてもダメだよな。これは俺自身の問題だし、……考え方を変えるしかないか。……でも、この考えを変えるって言われてもな……」

 

「どうしたの?難しい顔してるけど」

 

「おっ、耀か。ちょっと考え事してたんだよ」

 

思考の海に沈んでいたところで耀に声をかけられ現実に戻ってくる。

いつのまにか会場まで戻ってきていたみたいだ。

 

「なに考えてたの?」

 

「……ちょっとな。……例えばさ、あることに対して、“これはこういうものだ“って考えてる人がいるとする。この人の考え方は簡単に変えられると思うか?」

 

「……変えられない、かな。そういうのは積み重ねだし、だからこそ今まで続いてきたんだと思う。でも、簡単なきっかけで“変わる“こともあるんじゃないかな。それの新しい一面を見つけるとか」

 

「…………そっか、そうだよな。……積み重ねがあるから今がある、か」

 

耀の言葉で頭がスッと楽になる。

 

「……無理やり変えようとする必要はないよな。今できることを全力でやる、変わったらその時に考えて、また全力でやる。それだけでよかったんだ」

 

「解決した?」

 

「ひとまずだけどな。……ありがとな、耀」

 

礼を言いながら耀の頭を撫でる。

 

「…………どういたしまして」

 

 

 

 

 

ちょっとしたオマケ(メタ注意)

 

「ねえ十六夜君、さすがに今出ていくのはダメよね?」

 

「ああ、出会っただけなら弄っても良かったんだが何かあったみたいだからな」

 

「それよりも、私の出番って…………」

 

「久しぶりだな。あの二人の絡みが多いのと、集まったら人数多いから自然と……」

 

「……もっと出番が欲しいわ」




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