問題児たちが異世界から来るそうですよ?~箱庭に訪れる冬~   作:bliz

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なんとか一週間ちょっとで更新できました。

最近、序盤の方の話をリメイクしようかと思いうようになってます。
リメイクと言っても、地の文を増やしたり、原作そのままだった部分のアレンジをしたりというぐらいですが。
やる場合はご報告します。

それでは、本編をどうぞ!


最終決戦開始!

吹雪が去った後飛鳥と耀、ラッテンは向かい合っていた。

 

「それじゃあ、私達の戦いを始めましょうか」

 

「その前に、あなたは今までどこにいたのかしら? 初日に捕まえたはずなんだけど」

 

「助けられたのよ。ラッテンフェンガーのコミュニティにね」

 

その言葉を聞いてラッテンは飛鳥の傍にいる小さな精霊を睨む。

 

「……そう。それじゃあ尚更容赦できないわね」

 

「結構よ。それで倒せないならこれからやっていけないもの」

 

「飛鳥、私はどうしたらいい?」

 

「そうね、火龍をお願いできるかしら。シュトロムは私が倒すわ。ラッテンは狙えるならその時にってことで」

 

「わかった」

 

方針が決まった飛鳥と耀が動き出し、ラッテンもそれに合わせて火龍とシュトロムを操る。

先に仕掛けたのはラッテン。火龍のブレスを耀に向けて放つ。

しかし、耀は危なげなく回避して火龍に近づき、そのまま顎の辺りを殴る。すると、火龍は意識を失い地面へと落ちていく。

 

「まず一体」

 

耀が顎の辺りを殴ったのはそれによって脳震盪を起こすためである。

「これで落とせるなら連続でいけそうかな」

 

今の要領で火龍を無力化することができることがわかった耀は、近くにいた火龍に向かっていく。 急に近づいてきた耀に反応することが出来なかった火龍は一瞬で意識を刈り取られ、反応できたとしても攻撃をかわされて無力化されていく。

耀は近くにいた火龍を無効化し終わり、別の火龍を探していると少し離れた所に一団を見つける。そこにいる火龍達はブレスの用意をしていた。どうやら、かわせない量を浴びせればいいんじゃないかということらしい。

 

「…………そうだっ! 」

 

何かを思い付いた耀は位置を調節しながら火龍に向かって飛んでいく。そして、ある距離まで近づいた瞬間、火龍の口から一斉にブレスが放たれる。ブレスは混ざり合い、一本の巨大な熱線となって耀に迫る。

しかし、耀はそれを大きく上昇することで回避し、そのまま火龍に接近して吹雪から借りたハンマーを使いまとめて何体かを地面に落としていく。

 

「別に、同士討ちにならないなら少しは荒くても問題ないよね? 」

 

そんな物騒なことを呟く頃には近くにいた火龍達は全て地面に落とされ小さな山が出来上がっていた。

 

「飛鳥に合流した方がよさそうだね」

 

飛鳥達のいる所から少し離れてしまっていた耀は元の場所へと戻る。

 

 

 

そして、飛鳥の方はかなり順調だった。

 

「まとめて倒しなさい、ディーンっ!」

 

飛鳥の命令に答えるようにディーンは手に持つハンマーを振るい、シュトロムを次々と倒していく。

シュトロムは連続で出現しているのだが、ディーンの圧倒的攻撃力に対抗することが出来ずすぐに倒される。

 

「順調だけど、キリがないわね。早くラッテンを倒さないと。ラッテンは………………えっ?」

 

ラッテンを探していた飛鳥は目を疑った。

それもそのはず、時計塔の上で笛の音を奏でていたラッテンが急に飛んできた炎に包まれたのだから。

その方向には、ブレスを放っている火龍とそれをかわした耀の姿があった。

 

「…………今はラッテンに集中しないと」

 

飛鳥は何が起こったのか知りたい気持ちを抑え、ラッテンに意識を向け直す。

 

「あら、ここまで来ちゃったのね」

 

「ええ、あなたを倒さないと終わらないもの」

 

炎から出てきたラッテンは今あった出来事を気にしていないようだが、飛鳥はその表情から少しの苛立ちを感じていた。

 

「何をイラついているのかしら? オバさん」

 

「誰がオバさんよ! 」

 

飛鳥の煽りに乗るラッテン。悪魔だろうと年齢は気になるらしい。

 

「生意気な小娘。お仕置きが必要らしいわね」

 

その言葉とともにシュトロムが飛鳥の周囲を取り囲む。

 

「行きなさい! 」

 

シュトロムが一斉に飛鳥に襲いかかる。

 

「迎え撃ちなさい。ディーンっ!!」

 

しかし、ディーンによって次々とその数を減らしていく。結局、シュトロムの攻撃が届くことはなかったが、飛鳥はラッテンを見失ってしまう。

 

「しまった……ラッテンは」

 

飛鳥がラッテンを探し始めた瞬間、辺りに銃声が鳴り響く。

自分よりも上の位置から銃声が聞こえたので上を向いた飛鳥はラッテンを見つける。

 

「捕まえなさい!」

 

ディーンは命令通りにラッテンを捕まえる。

それと同時に飛鳥の隣に耀が降りてくる。そして、その手には銃が握られていた。

 

「今のは春日部さんが?」

 

「うん。上手くいくかわからなかったけど結果オーライだね」

 

「あなた、本当にいい場面で邪魔してくれるわね。さっきのこともあるのに」

 

「あれ当たったんだ。当たらないと思ってた」

 

二人の会話を聞いて飛鳥はある可能性に至る。

 

「…………もしかして、さっきラッテンを襲った炎って」

 

「私が誘導した。私が避ける前の場所の延長線上ににラッテンがくるようにして」

 

「今だって邪魔が入らなければそこのお嬢さんをやれてたのに。どうしてくれるのよ」

 

「だから邪魔した」

 

耀は飛鳥を襲おうとしていたラッテンを銃で牽制していた。

 

「……春日部さんはすごいわね」

 

「ううん。吹雪がこれを貸してくれてなかったら無理だった。それと飛鳥、今はラッテン」

「……そうね」

 

飛鳥はディーンに指示をだしラッテンを解放させる。

 

「どういうつもりよ? 」

 

「私なりのリベンジがしたいのよ。貴方に一曲だけ奏でるのを許可します。私に服従しているこのディーンを魅了してみなさい」

 

「本気で言ってるのかしら? 」

 

飛鳥の提案にラッテンは目を丸くする。

 

「もちろんよ。一週間前のネズミの件の借りを返したいのよ」

 

「それで勝負の内容がこれ?」

 

「ええ。あなたの最も得意とする、あなたの譲れない部分で打ち破ってこそだもの」

 

「そこまで言われて乗らない訳にはいかないわね。ここで降りたら悪魔の名が廃るもの」

 

「それじゃあお願いするわ」

 

「それでは、幻想曲“ハーメルンの笛吹“。ご静聴ください」

 

ラッテンは曲を奏で始める。その曲は今まで火龍を操るのに用いていたものとは異なり、聞く者を魅了し、どこか幻想的で美しい音色だ。

 

「一曲分という約束だったわね」

 

しばらくするとラッテンが演奏を終える。そのまま演奏を続けることもできたのだが、勝負のルールに従う。

少しすると耀と飛鳥の意識か戻ってくる。

 

「すごくいい曲だった。こんな形じゃなかったからずっと聞いてたかった」

 

「ええ、こんな形で会ったことを悔やむわね。音楽家として出会えていればもっと良かったわ」

 

「ありがとう。最後の演奏でそう言ってもらえて満足よ」

 

最後という言葉通り、ラッテンの体が消え始める。

 

「どうして? 」

 

「さっきの演奏は私の全力だった。ボロボロの体だったから霊格がもたなかったのよ」

 

「……そう。本当に残念だわ」

 

「そうだ。あなたたちにこれを渡すわ」

 

ラッテンが渡したのはグリムグリモワールハーメルンの旗印が刻まれた指輪だった。

 

「これは私達のマスターへの忠誠の証よ。それでは、ご静聴ありがとうごさいました」

 

その言葉とともにラッテンの姿が消える。

 

「……行こう、飛鳥」

 

「ええ」

 

そして二人も最終決戦の場所へと向かう。

 

 

 

~~~~~

 

ヴェーザーを十六夜に任せた俺はペストと黒ウサギ達が戦っている所へとやって来た。

 

「黒ウサギ、助っ人に来たぞ」

 

「あなた、何で平気なのよ」

 

俺の状態を見たペストが驚く。自分のかけたギフトがとういうものかを把握しているからこそ尚更だろう。

 

「俺だってわかってないさ。ギフトを無効化してるみたいなんだけど自覚ないし」

 

「クスッ、面白いわねあなた。気に入った 、あなたも私に従えるわ」

 

「残念だが、そいつは無理な相談だ。このゲームに勝つのは俺達だ」

 

「そう、それじゃあ無理矢理従えるしかないわねっ! 」

 

俺とペストは同時に動き出す。俺は剣を構えて近づき、それと同時に気付かれないように武器でペストを囲む。それに対するペストは黒い風を放つ。どうやら迎撃するつもりらしい。

俺は風をかわしてペストに近づき、連続で斬りつける。ペストはそれを風で受け止め、間に合わないものは逸らすことで対処する。

 

「前のときから思ってたけど、風で剣を受け止めるってどういうとこだよ」

 

「さあね。できるものは仕方ないじゃない」

 

「ギフトってことで納得しとくしかないか。それじゃ、くらっとけ! 」

 

俺は周りに準備しておいた武器を何回かに分けてペストに向かって放つ。

ペストは風を使って一回目を全てを止めるが、波状攻撃をしているので何回も襲いかかってくるのに対処しなければならない。

対処しきるのは無理だと判断したペストは自分の周囲を風で覆いドームのようなものを作る。次の瞬間、そのドームを衝撃が襲う。

 

「それやられたら意味ないか」

 

俺はドームに当たった武器を回収する。そして、その武器が完全になくなった後、ペストがドームを解除する。

 

「やっぱり外の状況がわかるのかよ」

 

「当たり前よ。そうじゃなきゃ私が不利になるだけじゃない」

 

「ま、当たった武器がなくなっただけ(・・)解いてくれたからラッキーだったけど」

 

「どういうことよ」

 

俺の言い回しに疑問を感じたペストに答える代わりに空を指差す。

そこには、迫ってきている大きな氷塊があった。

 

「やってくれるわね! 」

 

これは上空からできる範囲で加速させた物なのでかなりの勢いになっている。

ペストは間に合う範囲で上空に壁を作り、受け止めようとするが、勢いを完全に押さえることができない。

 

「ま、本命はこっちだけどな! 」

 

俺は氷塊を抑えようとしているペストの下側から巨大なハンマーをぶつける。

上だけに集中していたペストの不意を突くことに成功し、防御されることなく当たる。

打ち上げられたペストは吹き飛ばされるが、しばらくして空中で留まる。

 

「これでもあんまり効いてなさそうだな」

 

「流石に不意討ちは効くわよ」

 

そう言いながらペストが口から血を吐く。

しかし、その量はほんの少しであり致命傷には至っていないことを示していた。

 

「あなた、えげつないって言われない? 」

 

「前に言われたことはあるけど……」

 

「でしょうね。あなたって目的の為に徹底して行動してるもの。相手を誘導して自分に都合のいいように動かしたりだとか。でも、そのえげつなさも私の為に使ってもらうことになるわね」

 

「……だから、勝つのは俺達だって言ってるだろ。…………黒ウサギ、切り札をいつでも使えるようにしとけ」

 

俺は一度ペストから離れ、黒ウサギ達の所に戻り、ペストに聞こえないように話しかける。

 

「でも、まだ十六夜さん達が……」

 

「わかってる。発動は十六夜達を待ってからでいい。でも、十六夜達が来る前に本当にヤバい状況にならないわけじゃない。だから、その為の保険だ。時間稼ぎがいるなら俺がやる」

 

「いえ、黒ウサギも戦います。相手はタイムオーバーを狙っているなら積極的には動かないはずです。ですから、攻撃の数を増やして防御させ続けるのが得策かと」

 

「わかった。それじゃあ、行くぞ」

 

俺と黒ウサギはペストに向き直る。

動き出そうとするが、ペストの様子が変化したので少し様子をみる。

 

「ヴェーザーとラッテンがやられた…………私のせいね。やめた、白夜叉以外皆殺しよ ! 」

 

どうやらヴェーザーとラッテンがやられたらしい。

 

「どうやら十六夜達が上手くやってくれたみたいだな。だが、こっからが正念場だな。ああなったら何やってくるかわからない」

 

「はい。出来る限りは吹雪さんに対処をお願いします。黒ウサギはあっちに集中します」

 

「了解…………うおっ、マジかよ」

 

ペストの様子を確認した俺は驚く。それは空の殆どが風で黒で塗りつぶされていたからだ。

そして、その風からは今まで以上の嫌な感じがする。

 

「……本当に皆殺しにする気だな。でも、そいつはやらせねぇ!!」

 

俺は出来る最高の速度と強度で雪で壁を作り、風を抑えようとする。

 

「無駄よ、その程度では止められない」

 

「そんなのは関係ない。出来るか出来ないかじゃない。俺はやってみせる。それだけだ」

 

「……そう、それじゃああなたも一緒に死になさい! 」

 

ペストは風を街中に放とうとし、俺はそれを抑え込もうとする。どうにかして拮抗することは出来ているが範囲が広すぎて俺の体力がみるみるなくなっていく。

 

「辛そうね。諦めたらいいのに」

 

「ハァハァ…………諦める……かよ。俺が諦めたら……皆が……死んじまうだろうが」

 

こうしている間にもペストの風は勢いを増し、所々壁を貫き始める。俺は気合いでその部分を補いなんとか抑える。

 

「…………俺が……守るんだ……」

 

「限界ね……先にあなたから殺してあげる」

 

ペストが俺に向かって死の風を放つ。俺はかわそうとするが、既に限界がきているので体が動かない。

 

「吹雪さん!」

 

黒ウサギの叫び声が聞こえる。

しかし、俺にはそれに反応する余裕も残っていなかった。




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