問題児たちが異世界から来るそうですよ?~箱庭に訪れる冬~   作:bliz

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だ、大丈夫だ。まだ25日だ。
ということで、ギリギリにクリスマスネタを投稿です。
実は昼過ぎに思い付いて急いで仕上げました。
……まだ書きたいネタがあるけど、クリスマスを過ぎちゃ意味がないしな。

では、どうぞ!


番外編 問題児たちの箱庭ライフ
ー番外編ー ノーネームの聖なる夜


今日はクリスマスイブ、いつのまにか馴染んでいるキリストの誕生日の前日だ。

こんな日は街に遊びに行ったり、パーティーをしたりするものなのだ。

だが、俺と十六夜は……………………森の中を走りまわっている。

 

「あーっ、くそっ。こいつらどんだけいるんだよ。何個捕まえたら終わるんだよ!」

 

「ほんとだぜ、一時間ぐらいやってるのにまだ終わらねえ」

 

事の発端は昨日、白夜叉にゲームを紹介してもらいに行ったことに遡る。

 

~~~~~

「なあ、せっかくだからクリスマスパーティーやらないか?」

 

「あら、いいわね」

 

「でも、クリスマス用の物とかないよ」

 

「その辺は白夜叉がなんとかしてくれるだろ。準備して十分後に集合な、サウザンドアイズに行くぞ」

 

そして俺達がサウザンドアイズに着いて目にしたものは…………イルミネーションで飾り付けられた店舗だった。

 

「「「「……クリスマス感が半端ない」」」」

 

店の前で呆然としていると店員さんが出てくる。

 

「あなた達ですか。いつもなら追い返すところですが、今はあなた方に用があります。中へどうぞ、オーナーがお待ちです」

 

何も聞かされず白夜叉の部屋へと連れていかれる俺達。

 

「おお、よく来たな。今少し困っておってな、おんしらに頼みたいことがあるのだ」

 

「内容は?それによって考える」

 

「実はな、見ての通りサウザンドアイズはクリスマス仕様なのだが、明日販売する分の商品が足りなさそうでな。その補充を頼みたいのだ」

 

「補充した商品の一部をもらうことってできるか?できるなら受けていい」

 

「それぐらい問題ない。補充した量が多ければ多いほどおんしらの取り分も増えるようにしよう」

 

「決まりだな。それで、どうすればいい?」

 

「ゲームを私が紹介する。それをクリアしてくれればいい。それと、ゲームは男二人でクリアしてくれるかの。そっちの二人には別のことを頼みたい」

 

俺達は紹介状を受け取り、ノーネームに帰った。

 

 

翌日、紹介された場所に行くと三種類の難易度の設定された契約書類があった。

 

『ギフトゲーム名 ”プレゼントを追いかけろ!”

 

・クリア条件 フィールド内のプレゼントを全て回収する

 

・敗北条件 プレイヤーの降参

 

・補足事項 捕まえたプレゼントは別の場所に転送されます。

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。 ”サンタ連盟” 印』

 

 

「難易度は三つ。上がるごとに数が増えるみたいだな。どうする?」

 

「愚問だな、一番上に決まってるだろ。貰えるのが多い方がいいし、何よりそっちの方が面白そうじゃねえか」

 

「それもそうだな。それじゃ、ゲーム開始といきますか!」

 

落ちているのを回収すると思っていた俺達の想像はスタート直後に裏切られる。

森に転送されると、そこは雪に覆われたもみの木がたくさん生えていて、その合間を飛び回る何かが見える。

 

「……まさか、あれを捕まえろってことか?」

 

「そうみたいだな。ゲーム名に“追いかけろ“ってあったぐらいだしな」

 

それから一時間追いかけ続け、今に至る。

~~~~~

 

「飛び回るだけならいいんだけどな。……誰だよ、雪玉投げてんのは!」

 

追いかけているとどこからか雪玉が飛んでくる。

威力自体はたいしたことないのだが、そっちに気をとられると、プレゼントを見失ってしまう。

 

「十六夜、どうする?埒が空かないんだが」

 

「木が邪魔だな。それさえなければ……」

 

「……木が邪魔?どかせばいいか!」

 

「ナイスだぜ。幸い禁止事項とかも書いてねえし、問題ないだろ」

 

「ちょっと待ってろよ…………できた」

 

俺が作ったのはとてつもなく大きいブーメランだ。

普通なら重すぎて投げられないが、十六夜なら大丈夫だろう。

 

「いけるか?」

 

「誰に向かって言ってやがる。この程度問題ねーよ。そんなことより、強度と切れ味は大丈夫なんだろうな」

 

「それこそ問題ねえよ。その点だけに注意して作った結果がこのサイズだし」

 

「まあいいか。それじゃあいくぞ……オラアッッ!」

 

十六夜の投げたブーメランは森の木を根こそぎ切り倒し、返ってきた頃には一面が倒木だらけだった。

 

「それじゃあとっとと回収するか」

 

「いや、終わったぞ。ほら」

 

俺が指差した方からは雪でできた壁が迫ってきていた。

その壁に押され、残りのプレゼントが集まってくる。

 

「最後があっけなかったが、まあいいか」

 

「ああ、さっさと帰ってパーティーの準備しようぜ」

 

俺達は景品を受け取り、サウザンドアイズに戻ってくる。

 

「なあ、十六夜。俺は幻覚を見てるのか?」

 

「奇遇だな、俺も同じことを考えた」

 

そこには…………サンタのコスプレをした飛鳥と耀がいた。しかも、ミニスカートという。

 

「………………お疲れ様」

 

「おかえり」

 

「耀、これはどういうことだ?」

 

「白夜叉が昨日言ってた私達への依頼、これを着て売り子をすることだったんだ。……この格好どうかな?」

 

「似合ってる。マジで可愛い」

 

「そ、そんなこと急に言わないでよ!」

 

耀が照れて顔を真っ赤にする。聞いてきたのはそっちだ、と思ったが言わないでおくことにする。

ミニスカのサンタの衣装で照れている耀を見ていられるだけで満足だからだ。

 

「なにやら騒がしいと思ったら帰ってきておったのか。どうだったのかの?」

 

「この通り、大量だ」

 

俺と十六夜は持っていた荷物を見せる。

 

「それでは、取り分はこのぐらいでどうじゃ?」

 

「いいのか?こんなに」

 

白夜叉の渡したのは持って帰ってきた分の半分ぐらいの量だった。

 

「これだけあれば十分じゃよ。それに、その二人のお陰で売上が増えたからの。その分も入っておる」

 

「それじゃあ帰って準備するか」

 

「そうね」

 

「そうだな」

 

「早く帰ろ」

 

 

 

 

 

ノーネームに帰ってきた俺達はパーティーで何をするかを相談していた。

 

「ケーキは確定だよな」

 

「子供達にプレゼントをあげるのもいいわね」

 

「何かイベントあったほうがいいよね」

 

「黒ウサギの一発芸とかどうだ?」

 

「「「それだ!!」」」

 

「ま、案考えるのはこれぐらいにしといて、今日は飾り付けの準備でいいだろ」

 

「そうね、料理は明日でも大丈夫でしょう」

 

「そういや、誰が料理するんだ?」

 

「リリとレティシアだけじゃ大変そうだし、俺らの中で料理できるやつが手伝ったほうがいいんじゃないか?飾り付けは子供達にも手伝ってもらったらいいだろうし。それじゃあ料理できるやつ挙手」

 

手を挙げたのは俺と耀、十六夜だった。

 

「料理できないの私だけなの?」

 

「吹雪ができるなんて意外」

 

「こっち来るまでは一人暮らしだったからな、だいたい作れるぞ。後、甘いもの好きだからお菓子も作れるし。俺は十六夜ができるほうが意外なんだが」

 

「俺のは趣味の範疇だ。色々やってたら出来るようになってただけだ」

 

「それじゃあ三人に料理を任せていいかしら?私は飾り付けをしておくから。…………別に気にしてなんてないもの……別に」

 

「そ、それじゃあ飾り付け作るか」

 

 

 

 

 

あれから飾り付けを作り、今は厨房で料理を作っている。

 

「なあ、ケーキの飾り付けさ、クリーム塗るところまでは俺達でやって、後は子供達にやってもらわないか?その方が楽しめるだろ?」

 

「いいですね!きっと皆喜んでくれますよ」

 

「俺はケーキやるけど、誰か手伝ってくれないか?」

 

「私がやる」

 

「それじゃあ俺と耀でケーキを作るから、料理は任せた。飾り付けまで終わったら手伝うから」

 

俺と耀は大量のスポンジを焼き、一つ一つクリームやチョコを塗っていく。…………一つを除いて。

 

「それ塗らないの?」

 

「黒ウサギにプレゼントを作ってやろうと思ってな。後で十六夜達を呼んでからやろう」

 

「わかった。それじゃあ子供達呼んでくるね」

 

少しして、耀が子供達を連れて戻ってくる。

 

「それじゃあ四人一組で飾り付けを始めて。乗せすぎると食べるの大変だから程々にね」

 

「それじゃあ私達もやろっか」

 

俺達も二人で相談しながらケーキの飾り付けをする。

 

「ここはこっちのほうがいいんじゃないか?」

 

「それじゃあここはこれ?」

 

「そうだっ!あれ作るか。ちょっと飾り作ってくるから子供達のこと任せた」

 

作業台に向かい、目的の飾りを作っていく。

あと一つをどうするか考えている時に耀がやってくる。

 

「なに作ってるの?」

 

「これなんだけど、あと一つが上手くできなくてな」

 

「私に任せて。これは私の方ができると思う」

 

「それじゃあ任せた。俺は子供達の方に行ってくる」

 

子供達が飾り付けをしている所に来て様子を確認すると、ほとんどが出来上がっていた。

 

「それじゃあ、出来た子から会場の飾り付けに戻ってくれていいからな。後は俺がやるから出来たケーキは机に置いといてくれ」

 

子供達は続々と会場の飾り付けに戻っていく。

全員が戻った頃には片付けも一段落した。

 

「それじゃあ十六夜の方でも手伝うか」

 

そう思って十六夜の方に向かうと、ほとんど料理は完成していて後は仕上げるだけだった。

 

「……手伝いはいらないな」

 

「それなら会場手伝ってこいよ」

 

「……その前にあれ完成させたほうがいいな。十六夜、ケーキの飾り付けやるから厨房に残っといてくれ。俺は飛鳥呼んでくる」

 

「もういるわよ。春日部さんが呼びに来たの」

 

「そろそろ作った方がいいかなと思って」

 

「ナイスだ耀。それじゃあ始めるか」

 

四人揃ったので黒ウサギの為のケーキの飾り付けを始める。

四人で意見を出しながらだったので時間がかかってしまったがパーティーには間に合った。

 

 

 

 

 

「「「「メリークリスマス!!!」」」」

 

夜になってパーティーが始まる。

全員で鳴らしたクラッカーが鳴り響く。

会場はきらびやかに装飾され、クリスマスの雰囲気によく合ったものだ。

外では巨大なクリスマスツリーが輝いている。これはゲームで切り倒した木をもらって飾り付けたものだ。

 

「いやー、なんとかなって良かったな」

 

「ほんとだぜ、結局ギリギリだったしな」

 

「こうして楽しんでるのだからいいじゃないの」

 

「そうだよ。二人はもっと楽しんだほうがいいよ」

 

そう言った耀の皿にはたくさんの料理が盛られている。

 

「……ほんとに楽しんでるな」

 

「「人に言えないけどな(ね)」」

 

……そう言う俺の皿にもたくさんの料理が盛られているのだが。

 

「ケーキを持ってきましたので自分で飾り付けたのを食べてくださいね!!」

 

黒ウサギが言うと子供達がそこに向かって走っていく。

 

「俺達も食べるか」

 

「私たちの分もあるのかしら?」

 

「もちろん。かなり凝ったからな」

 

俺は飛鳥と十六夜に作ったケーキを見せる。

 

「こいつはスゲーな俺達の人形が乗ってるぜ」

 

「大変だったんだからな」

 

ケーキの上には俺達四人を砂糖で作った人形があり、その周りにはそれぞれをイメージした飾り付けがしてある。

 

「私の周りはイチゴが多いわね。……赤かしら?」

 

「俺の周りはチョコと砂糖の三日月だな。夜と月ってところだな」

 

「俺の周りは耀がやってくれたんだが、クリームをメインにしてたから雪だろうな」

 

「私の周りは動物の人形が多いね」

 

「皆さんもケーキを食べられているのですね」

 

話している所に黒ウサギがやってくる。

 

「黒ウサギの分もあるぞ。俺達で飾り付けたんだ」

 

「ありがとうございます!!黒ウサギの人形がありますね。それではいただきます!」

 

説明も聞かずに食べる黒ウサギ。

 

「そのケーキはブラックチョコで普段を、中のスポンジをイチゴでピンクにして怒ったときを表現してる。…………ちなみに当たりの部分は中のイチゴを唐辛子で作ったから」

 

「……えっ??」

 

時既に遅し、黒ウサギの顔がみるみる赤くなっていく。

 

「「「「イエェェイ!!」」」」

 

「言っただろ?黒ウサギは一発で当たりを引くって」

 

「ほんとに当たるとはね」

 

「流石黒ウサギ」

 

 

 

 

こうして楽しい時間は過ぎていく。

俺は皆から離れたところからそれを見ていた。

 

「どうしたの?皆から離れたところにいるけど」

 

一人だけ離れていた俺を心配して耀が近づいてくる。

 

「いや、こういう雰囲気を外側から眺めてみるのもいいなって思ってさ」

 

「……そうだね。皆が笑っているのは見ていて嬉しいもんね」

 

「あーあっ、もうちょっと早く計画しといた方がよかったな」

 

「どうして?」

 

「耀や皆にプレゼント選びたかったし。今渡せてたらいいんだけどな」

 

「……私はもう貰ってるよ。吹雪と、みんなと過ごしている今が最高のプレゼントだよ。形がある物じゃなくても私にとっては最高のプレゼントだから」

 

「……そうだな。そのプレゼントを貰ってるのは俺もだな。でも、来年は渡せるようにするか」

 

「期待してるよ」

 

聖なる夜のパーティーはまだ続いていく。




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