問題児たちが異世界から来るそうですよ?~箱庭に訪れる冬~   作:bliz

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暫くバトル書いてたせいでこの手の話を書く感覚が……
それなのに書いててお前らほんとに付き合えよと叫びたくなるのは一体……

それでは、本編をどうぞ!


戦いのその後!

ペスト戦の日の夜? に俺は目を覚ます。

ベットで眠っていたのであれから誰かが運んでくれたみたいだ。

 

「とりあえず起き……ん?」

 

起き上がろうとして左手が動かないことに気づく。いや、正確には動かせるが上に何かが乗っていて動かせないと言った方が正しい。

とりあえずそっちを見てみると耀が俺の左手を握ったままベットに頭を乗せて眠っていた。

俺が起きるのを待っていてくれたのだろうか。

 

「このままじゃ風邪ひきそうだな」

 

耀を起こさないように手を外し、ベットを降りる。次に耀を抱えてベットに寝かせて布団を掛ける。

 

「これで大丈夫だろ。とりあえず外に出るか」

 

扉から出るのも面倒なので窓から外に出て、建物の屋根に乗る。外は少し寒く、まだ眠っていた頭が一気に覚醒していく。

空を見上げてみるとそこには輝く星空と満月があった。いつもと同じものなのに今日はやけに輝いて見えるのは魔王に勝った余韻からなのかそれとも、俺が変わったからだろうか。

 

「それにしても、俺のギフトってどこまでできるんだろうな」

 

ペストと戦ったときの感じを思い出して思うのはこのギフトにはまだできることがありそうなことだ。

 

「それも試練をクリアしたらわか………………ちょっと待て、イヴェールは俺のコミュニティとか言ってたけど、名前聞いてないよな。……探してみろってことかよ……」

 

どうやらそんな簡単に事は運ばないらしい。

あの時コミュニティの名前を聞かなかった自分を殴ってやりたい。

 

「…………とりあえず白夜叉に頼んで……他に上層にコネがありそうな知り合いいたかな…………」

 

「私に手伝えることある?」

 

「……とりあえず耀に今のところは何も…………あれ、いつからいた? 」

 

「今来たところ」

 

どうやってコミュニティを探すかを考えるのに集中しすぎていて耀が近くに来ていたのに気がつかなかったようだ。

 

「そういえばさ、俺ってどれぐらい寝てた? 」

 

「数時間かな。今はまだペストと戦った日だよ」

「そっか。それと、これ着るか? 夜だから寒いし」

 

俺は耀にロングコートを差し出す。耀の格好はいつものような格好なので見ているこっちが寒くなりそうだ。

 

「いいの? 」

 

「大丈夫。ギフトのお陰なんだろうけど寒さにはかなり耐性があるし」

 

「そうなの? でも、吹雪のを借りて私だけ着てるのもなんだか悪いよ」

 

「別に平気だから、耀が着といてくれ」

 

「でも…………あ、そうだ。こうしたらいいんだ」

 

何かを思い付いたらしい耀は俺の隣に座ると距離を詰めてくる。

 

「……えっ、ちょっと待っ……」

 

俺が困惑しているのを気にせず耀は近づいてきて、最終的には体が触れあうぐらいの所に座る。

 

「あの~、耀さん? これはいったい」

 

「これだけ近かったら二人で羽織るぐらいはできるでしょ? 」

 

その言葉で俺は耀の意図を理解する。自分だけ着るのは悪いから二人で羽織ればいいんじゃないかということらしい。

気遣いはありがたいのだが、これだけ近くにいられると正直結構恥ずかしかったりする。

 

「それは私もだけど、こうすれば寒くないでしょ? ダメかな? ……………………それに吹雪とこうしてるだけでも暖かいし」

 

「…………ま、まあ、いいか。今最後に何か言った? 」

 

「……言ってない」

 

久し振りに考えてることを読まれ、その上聞いてきた耀が至近距離で上目遣いで首をかしげるので完全に動揺してしまう。そのせいで最後に何か言ったような気がしたのだが気のせいだったみたいだ。

 

「……ねえ、吹雪。私達が助けにいったとき何かなかった? 一瞬ボーッとする前と後でなんだか違った感じがしたんだけど」

 

「違ったっていうのは? 」

 

「なんだろう上手く言えないけど……ちょっと変わったっていうか吹っ切れたっていうか、何かが解決したっていうのかな。……ゴメンね、変なこと聞いて」

 

「……別に、耀が言ってることは間違ってないよ。というか当たってるし」

 

「えっ?」

 

俺はあの空間であったことを耀に話す。

 

「……そっか、そんなことがあったんだ」

 

「まあな。それにしても、あの時の感覚は何だったんだろうな」

 

「あの時? 」

 

「ペストの風を凍らせようとした時のこと。あの時は隣に耀がいてくれることを意識したら力が沸いてきたんだよ」

 

「……そういえば私も。最初は不安だったけど吹雪が隣にいてくれるって考えたらできる気がしてきたよ」

 

「偶然…………じゃないよな」

 

偶然で片付けることができそうなことではあるのだが、俺にはそうは思えない。何か俺達の知らない何かが関係していると言われたほうがまだ納得できる。

 

「まあ、今考えてもわからないし白夜叉とかに聞いてみたほうがいいか」

 

「そうだね。……吹雪……ありがとね」

 

「急にどうしたんだよ」

 

「ラッテンの時のお礼ちゃんと言えてなかったから」

 

「別にお礼を言われるほどのことじゃないし、お礼を言わなきゃいけないのは俺だ。助けてくれてありがとな」

 

「飛鳥も言ってたけど、お礼なんていらないよ」

 

「それじゃあお互い様だな。……それにしても、耀って意外と大胆だよな」

 

「……えっ?」

 

「……いや、ラッテンの時だって抱きついてきたし今だって……」

 

「……あ、あの時は……嬉しかったから」

 

どうにか誤魔化そうとする耀の顔は既に真っ赤だ。その様子が可愛らしく、もう少し弄りたくなる。

 

「それじゃあ……」

 

「もうっ! 止めてよ! 恥ずかしいんだから」

 

「はいはい。この話はやめるから」

 

「…………今度一つお願い聞いて。それで許す」

 

「……わかったよ」

 

どうやら弄りすぎたようだ。でも、むくれている耀もそれはそれで……

 

「意外って言えば私もかな」

 

「俺が? 」

 

「うん。第一印象とはかなり違ったから。最初は自由気ままで自己中心的な感じかなって思ったけど」

 

「ちなみにそう思った理由は? 」

 

なぜそうなったのか気になる第一印象だったので耀の話に割り込む。

 

「皆岸に上がってるのに一人だけそのまま寝ようとしてたから」

 

「…………ああ、成る程」

 

聞いてみると心当たりがありすぎた。もし俺が耀の立場なら絶対にそう思うと断言できる。

 

「話を戻すよ。最初はそんな感じで、印象が変わったのはレティシアの時かな。吹雪の話を聞いて仲間思いだなって思ったけど、少し危なそうな感じもしたんだよ。それで、今回で更に変わったかな。私のことを慰めてくれて、手伝ってくれて、それで優しくて頼りになるなって思って。後は、容赦がなくてえげつないかな」

 

「なんか、凄く恥ずかしくなってくるんだけど。……最後のが無ければ。それで、耀から見た今の俺はどうなんだ? 」

 

「優しくて、頼りになって、仲間思いで、気が利いて、それで敵には容赦がなくて、問題児で、私の最高の仲間だよ」

 

「……めっちゃ恥ずかしいんだけど」

 

耀の俺への印象を聞いていると、だんだん恥ずかしくなり、最後には限界に達する。

 

「吹雪は私のことをどう思ってるの?」

 

「言わなきゃダメか? ………………はぁ、わかったよ」

 

こう言うことはあまり言いたくないので抵抗するが、耀のこちらを見る圧力に負け、話すことになる。

 

「そうだな……第一印象は耀とほとんど一緒だな。初対面の黒ウサギの耳を引っ張るぐらいだし。印象が変わったのは……俺もレティシアの時か。目が覚めたら耀がいて、泣いて抱きついて俺のことを心配してくれて優しい子なんだなって。後は、普段静かな感じなのに祭りとかになると年相応にはしゃいで可愛いなって思ったりも。それで、周りとの違いを気にするぐらい繊細な部分もあったり。……本当に第一印象ってあてにならないな」

 

「そうなんだ。………………私のこと可愛いって……」

 

話している間はそうでもなかったが、話終わって自分の言ったことを思い出してみるとかなり恥ずかしくなってくる。

 

「それじゃあ、今の私をどう思ってるのかも聞きたいな」

 

「動物が好きで、仲間思いで、繊細で、いつも俺のことを支えてくれて、問題児で、俺の最高の仲間だよ。……後は可愛い女の子かな」

 

「……これは恥ずかしいね。……………………最後のは卑怯だよ」

 

聞いていた耀の顔は真っ赤で、俺の顔もたぶん真っ赤になっているだろう。

それから暫くは恥ずかしさのあまりお互いに話すことが出来ず、無言が続いた。

 

「よぉ、お二人さん」

 

「ちょっと、十六夜君。いくらおもしろそうな現場に遭遇したからってすぐに行くのをやめなさいよ」

 

「ヤハハ、それもそうか。あのままの方が面白くなる可能性もあったしな」

 

これからどうしようかと悩んでいた時に十六夜と飛鳥がやって来る。あの雰囲気が変わったのはありがたいが、正直ろくなことになる気がしない。

 

「やっぱり、十六夜君から聞いた通りね」

 

「ちょっと待て。十六夜、何の話をした? 」

 

「別に、お嬢様がいなかったときのことを話しただけだぜ。まあ、あの話をしないわけはないけどな」

 

「…………十六夜、もしかして休戦初日のあれ? 」

 

「もちろんだぜ」

 

恐る恐る確認した耀に十六夜は笑って答える。俺はとりあえずその内容を思い出してみる。確か……その前日の交渉中に耀と話して朝に……

 

「お前っ! あれ話したのかよ」

 

「話さないとでも思ったか? 」

 

「……そうだった。お前はそういう奴だ」

 

「それにしても意外だったわね。春日部さんがあんなことを言うなんて」

 

「あ、あれは十六夜が無理矢理に 」

 

飛鳥のからかいを耀が慌てて否定しようとするが、今のこの二人にそれは逆効果だ。

 

「私も見てみたかったわ。今度やってもらおうかしら」

 

「ちなみにその相手は? まさか俺なわけ」

 

「吹雪君に決まってるじゃない」

 

「……だよな」

 

「どうせならこれから毎日春日部があれで起こすのはどうだ? 」

 

「それいいわね」

 

「……頼むからこっちの身にもなってくれ。それに耀だって、なあ?」

 

耀に同意を求めるが反応がない。どうしたのかと思って見てみると顔を真っ赤にしてボーッとしていた。どうやら思考が追い付いていないみたいだ。

 

「お前ら、頼むから帰ってくれ。疲れたからゆっくりさせてくれ」

 

「十六夜君、今のは春日部さんと二人でゆっくり過ごしたいから帰ってくれってことでいいのよね? 」

 

「それなら邪魔しちゃ悪いな。お邪魔虫はとっとといなくなるか」

 

勝手な解釈をして更に場を荒らし、二人は去っていく。

 

「荒らすだけ荒らして帰ってったな。厄介極まりない嵐だ。さて、おいっ耀!あいつら帰ったぞ」

 

とりあえず未だにボーッとしている耀の肩を持って揺すり、意識を引き戻す。

 

「……あれ、私何してたんだっけ」

 

「ちょっと眠くなってたんじゃないか? さっきも寝てたし」

 

事実を伝えてももう一度顔を真っ赤にすることが目に見えているので誤魔化すことにする。

 

「……そうかも。私眠たくなってきちゃった」

 

「それじゃあそろそろ寝るか。……あ、そうだ。耀、これからもよろしくな」

 

俺は立ち上がり、耀に手を差し出す。

 

「どうしたの急に? 変なの」

 

「さっきお互いにどう思ってるか話したし、改めて言っといてもいいかなって」

 

「そうだね。吹雪、これからもよろしく」

 

立ち上がった耀は返事と共にこちらを向いて微笑み、手を握る。月明かりに照らされているその顔はいつもよりも眩しく輝いて見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後少し話していると耀が眠ってしまい、ベットまで運ぼうとしているのを十六夜達に見つかりからかわれてしまった。




次からはたぶんオリジナルの章になると思います。章と言っても数話で終わると思いますが。
その関係で遅れるかもしれません。でも、出来るだけ早く投稿する予定です

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