問題児たちが異世界から来るそうですよ?~箱庭に訪れる冬~   作:bliz

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なんとか二週間以内に更新できた。
オリジナルゲームって何でこんなに難しいんですかね……
後半少しグダった気がする……

それでは、本編をどうぞ!


狼と戦乱

扉を抜けて気がつくと俺は森の中にいた。辺りは背の高い木に囲まれていて、空からは雪が降ってきていた。

とりあえずゲーム内容を確認するために周囲を見渡してみると地面に契約書類が落ちていた。

 

「勝利条件と敗北条件ともに明記なしか……。とりあえず何回か書かれてる“巡る“って言葉に気をつけて、“冬を終わらせよ“を仮定の勝利条件として動くか」

 

文面には他にヒントになりそうなものもあったが、情報の少ない今はどれをどう解釈すればいいのかわからない。

 

「とりあえず森抜けるか。……ゲーム盤が森だけだったら面倒だな」

 

森を抜けるために歩き始めると少しずつ風が強くなっていく。それに伴って、降っていた雪が徐々に吹雪へと変わっていく。少し鬱陶しくなってきて、その上寒くなってきたので操って自分に当たらないようにしようとするが、

 

「…………操れない。となると、これはゲームのルールか、俺以上の力が働いているのかのどちらかだな」

 

操ることができない。更に、今ギフトを使ってみてわかったのが、ギフトの感じがペストと戦う前に戻っていたことだ。まあ、あの力を使えるようにするための試練なので疑問はない。

雪や氷で壁を作ることも考えたが、雪では視界が塞がれ何が起こるのかわからず、氷もこの先で補充することができる保証がない。なので、このままにする。

そのまま寒さを耐えながら十数分ぐらい歩き続けると森の出口に着き、そこからは街が見えた。

街には門のようなものがあり、そこには『黄昏へと続く街』と書かれていた。

 

「…………何だよこれ、嘘だろ」

 

俺は街に入るとすぐに自分の目の前に広がる光景を疑う。そこでは大勢の人が殺しあい、それによってできた死体に狼が群がっていた。

この中に入っていくのは気が引けるが、今は少しでも情報が欲しいので仕方なく街を進む。

 

「……ちっ、流石に放っといてくれるわけはないか!」

 

何事もなく進めるのが一番だが、そういうわけにもいかず、剣を持った街の人が襲ってくる。

この人に対して恨みがあるわけではないので、殺さないように降り下ろされた剣をかわし、できた隙をついて蹴飛ばす。

一人に見つかったのを皮切りに、他にも何人も襲いかかってくる。人数が増えると同じ手は使えないのでギフトカードから剣を取り出し、迫ってくる剣を弾き飛ばすことで無力化する。

 

「……これは隠れた方がいいかもな。そこまで理性を保ててなさそうだし何やってくるかわからない」

 

今は余裕をもって対処できているが、このまま戦い続けると疲労して辛くなっていくのが目に見えている。

 

「とは言ったものの……どうするか」

 

全員が家の外で争っているのなら中に入るだけでいいが、そんなこともなく家の中からも怒声や悲鳴が聞こえてくる。

こんなとき空中に逃げられればどれだけよかったことか。

 

「…………あ、屋根に上ったらいいだけか」

答えは簡単だったことに気がつき、雪で足場を作り屋根に乗る。

 

「一先ずは落ち着けたし、状況の確認か」

 

少しでも情報を得るため下の様子を観察すると、争っている人達の服装が二種類あり異なる服の人が殺しあっていることに気がつく。

 

「二つのグループが争ってるみたいだな。てことはリーダーがいる可能性が高そうだし、いるなら……あれか。文献とかあるとありがたいんだけどな」

 

リーダー格の人がいそうな場所を探すと、街の両端に大きな建物が二つあった。とりあえずその片方を目指すが、そこは敷地が広く途中からは建物がない。従って、戦乱の中を進むしかなくなる。

襲いかかってくる人達を無力化しながら進んで行くと一際たくさんの人が集まっている場所に着く。そこには他とは装備から違う人が槍で大勢の人を相手取っていた。その身体中に傷が刻まれ、どれだけ戦い続けていたかがわかる。

 

「さて、どうするかな。別に助ける義理もないけど、何か聞けるかもしれないしとりあえず助けてみるか。襲われたら返り討ちだ」

 

ここで建物の中に入る選択肢もあったが、今までとは状況が異なるので無視することもできない。それに、あの男からはさっき襲いかかってきた人とは違って強い意思のようなものが感じられる。

輪の中心に飛び込むため俺は囲っている人の肩を飛び移っていく。そして、着地するのと同時に後ろから男を襲おうとしていた剣を受け止める。

 

「助っ人参上。ってとこか? おい、あんた。こっち半分は相手するからそっちは頼む。俺は敵じゃない」

 

俺は返事を待たずに軍勢の中に飛び込む。さっきの人が襲ってくる可能性も捨てきれないが、その時は全員倒して進めばいい。

軍勢の中に入ると、近くにいた人を蹴飛ばし、その後ろにいた数人もまとめて吹き飛ばす。それによってできた隙を襲おうと横から突き出された剣をギリギリでかわし、下から手首を蹴りあげ剣を離させる。それから少し同じようなことを繰り返していると、周囲から一斉に剣が降り下ろされる。

 

「そういうのはいいけど…………甘いっ!」

 

武器を薙刀に換え、その場で一回転することで

全員をまとめて吹き飛ばし、すぐに武器を剣に戻し走り出す。これからは今みたいなことをされないように常に走り回り、相手に連携を取りにくくさせる。

そのまま戦い続けどれぐらい経っただろうか、日が落ちた頃にようやく戦闘が終わる。

 

「ハァ、ハァ……とりあえず乱入したけど、あの人やられてたら意味ないよな」

 

戦い続けフラフラになりながら男が生きているかを確認すると、少し離れた所で座り込んでいるのが見えた。少し身動きをしているので死んでいるわけではなさそうだ。

とりあえず隣まで行きそこに座る。

 

「あんた、大丈夫か? 」

 

「君は誰だ? 」

 

「俺は白銀吹雪。旅の者だと思っといてくれ」

 

「……なぜ助けた」

 

「完全な善意……と言いたいところだけど、聞きたいことがあったからな。俺は少し前にこの街に来たんだが、皆様子がおかしいからその理由が知りたい。俺が見たあんた以外の人は理性がなさそうだった」

 

「私にも理由はよくわからないが、参考になるかもしれない。この街のことを教えよう。……この街は少し特殊でな。街の住人の全員が太陽か月を信仰している。街の中央を基準に私達のいる側が月を信仰し、反対側が太陽を信仰している。そして住人が争わないようにお互いが相手の神具を保管することで抑止力にしている」

 

「その神具ってのは?」

 

「…………助けてもらった礼だ。案内しよう」

 

男は立ち上がるとさっきまで戦っていたのを感じさせないしっかりした足取りで歩き出す。俺もなんとかそれに続く。

 

「そういえば、ここに来る途中で狼を見たがあれはこの街では普通なのか? 」

 

「以前はそうでもなかったな。街の中で争いが起き始めてからは見かけるようになった。大方、争いで流れた血の匂いにつられてきたんだろう」

 

「……ん? それなら何でここの敷地の中には一匹もいなかったんだ?」

 

「理由は知らないが、ここには狼が入れないようにする結界のようなものが張ってある。……着いたぞ」

 

男に連れられて着いたのは大きな部屋だった。その部屋にはいくつもの石盤があった。

とりあえずその石盤を見て回ると気になることが書いてあった。それは『空に黒き太陽のぼりしとき、光の輪とともにまどわす者あらわる』、『太陽を追いし者いずれ太陽を飲み込み世界を終焉へと導く』というのだ。

 

「これは言い伝えみたいなものか? 」

 

「ああ。内容は知らないが向こうの屋敷にも同じようなものがあるはずだ」

 

「それで、神具はこれなのか? 」

 

「いや、そこの奥にある」

 

男が指差した先には球があった。それは大小二つの大きさがあり、表面には太陽が彫られていた。

 

「……これが神具か。少し持ってみてもいいか?」

 

「構わない」

 

「それじゃあ失礼して」

 

俺はとりあえず大きな方の球を手に取ってみる。重さは見た目に反して軽く、まるで中身がなく、空洞になっているみたいだ。一先ず大きい方を置いて次に小さい方を手に持ってみると、そちらはしっかりとした重さがある。

 

「この大きな方って何でできてるんだ?見た目よりもかなり軽いんだけど」

「それは私にもわからない。代々この街に伝わっているものだから知っている者がいるかどうかも怪しい」

 

「とりあえずもう少し調べてみるか」

 

もう一度大きい方を手に取り、今度は細かく観察してみる。それが半分ぐらい終わったその時、部屋にあった時計の音が鳴り響き、それに合わせて急に意識がなくなっていく。

 

「くそっ…………何……なんだ……これは」

 

それに抗うこともできず、俺は意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

「……寒っ、まるで外にいるみたいな…………ちょっと待て、ここ最初にいた森か?」

 

寒さによって意識が覚醒した俺はまるで外にいるかのような感じに、周囲の様子を伺う。すると、そこはどこか見覚えのある森だった。

 

「……確か俺は大きな方の球を調べてて、時計の音が鳴ってそれで…………くそっ、何にも思い出せない……仕方ないし街行くか」

 

このままここにいても埒が空かないので、もう一度街へと向かうため立ち上がり歩き出すと何かを蹴る。足元は雪に覆われているので掘り返してみるとそこにはあの大きな球があった。

 

「何でこれが……丁度いい、昨日調べられなかった分を調べるか」

 

昨日調べられなかった残りの部分を調べていき、最後に他の箇所と微妙に感触が違うところを見つける。その感触はいつも触っているような感じに近い。

 

「氷だなこれは。感触が変えてあるけどたぶん間違いないはず。てことは……お、やっぱり割れた」

 

凍っている部分にギフトを使い、氷を割る。すると、そこには親指が少しかかるかどうかの窪みと小さな亀裂があった。

中身がないような軽さ、指がかかるくらいの窪み、そして亀裂、俺はこの三つからある可能性に思い当たりそれを実行することにする。窪みに指をかけ思い切り力を込める。すると、球が割れた。中を見てみると予想通り何もなく、空洞になっていた。

 

「ここまでは予想の範囲内だとして……これがどうクリアに絡んでくるかだな。石盤の意味も考えたいけど先にもう一つの神具を見に行くか」

 

街を目指して歩き始めて数分、何かに囲まれている気配を感じる。

 

「街の人は違うだろうし……狼だな。縄張りに入ったのか。このまま囲んでくれてるだけなら…………はぁ、そんな訳ないか。とりあえず吹っ飛べ」

 

立ち止まり状況を確認し、再び歩きだそうとすると前後から挟むように狼が飛び掛かってくる。俺は手榴弾を取り出し、その二匹に当てるの同時に周囲の狼にも当たるように投げる。

手榴弾が爆発しそれによって舞い上がった雪が収まると、そこには十匹程の狼がいた。遠くを見てみるとその倍くらいの数が気絶していた。

 

「やるなら相手になるが、どうする? 」

 

手榴弾を手に持ちながら狼に呼び掛けると、それが通じたのかそれとも怯えたのかはわからないが狼たちが踵を返し始める。

 

「……進むか」

 

狼がもういないのを確認してから歩きだすと、昨日のように強い吹雪が吹き始める。

これに対してどうすることもできないのは昨日わかっていて、今日は狼のこともあるので視界を確保しておくために尚更壁を作ることができない。

そのまま寒さに耐えながら歩き続けると街の入り口に着く。

恐らく昨日と同じ所から入っていると思うので何も観察せず街に入る。

 

「そう言えば昨日は入ってすぐに襲われて……またお前か」

 

昨日のことを思い出していると、同じ人に襲いかかられ既視感を覚えながら対処する。同じように蹴飛ばした後雪で足場を作り屋根に乗る。その時の足場の生成速度がいつもよりも遅かった気がするが気のせいだろう。

そのまま昨日とは逆の屋敷に行こうとして下が騒がしいことに気づく。様子を見てみると狼がこちらに向かって吠え、なんとかして屋根に上ろうとしていた。

 

「確か、屋敷には狼避けの結界があるとか言ってたはず……そこまで逃げるか」

 

俺は屋根の上を全速力で駆け抜ける。屋根の上を狼が追ってくる気配はないが、チラッと下を伺うと少し離れた所を追ってくるのが見えた。

そのまま走り続け屋敷の敷地に入ると後ろを振り返る。結界の効果は本当だったようで、狼たちは見えない壁に阻まれるような形で足止めされていた。

 

「屋敷の構造が同じだと信じるしかないか」

 

ここにある神具と石盤を確認するために昨日案内された道を思い出しながら屋敷の中を進む。その途中で戦闘になりそれを倒し、更に少し道に迷いながらなんとか神具が保管してある部屋に辿り着く。

先ずは部屋にある石盤の内容を確認する。その中には向こうで見たのに近く、対比しているかのようなものがあった。それには『空に赤き月のぼりしとき、憎しむ者あらわる』、『月を追いし者いずれ月を飲み込み世界を終焉へと導く』と書かれていた。

 

「神具はやっぱり球か」

 

神具を確認すると予想通り大小二つの球があり、二つとも表面には月が彫られていた。ここまで同じようにしてあるのならもしかしてと思い大きな球を調べる。すると、太陽が彫られていたのと同じように凍っている部分があり、それを割ると窪みと亀裂が出てきた。

 

「てことは、これも開くんだろうな」

 

これだけ同じにしてあるならこれも開くはずというほぼ確信に近いものに従って球に対して力を加える。その結果は予想通りでこの球も開いた。それを確認すると俺は球をギフトカードにしまう。恐らくこの球がゲームクリアに絡んでいるので、後一つを手に入れるためもう一度あの屋敷に向かう。

 

「ゲームの考察は向こうに着いてからだな」

 

考察よりも球の回収を優先して俺は動き出す。




今回のゲームは神話を基に作ったけど、元ネタバレるかな? それだとクリア方法もある程度はわか……らないか。

感想、評価よろしくお願いします。
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