問題児たちが異世界から来るそうですよ?~箱庭に訪れる冬~   作:bliz

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お久しぶりです。というかほんとにすいませんでした!
投稿期間に間が空いてしまいました。
これも全てキャラの名前が決められない自分と面白すぎるチャットのせいです。
はい、自業自得ですね。でも、今年は受験生なのでこれからはペースが落ちると思います。……今でも落ちますが

それでは、本編をどうぞ!


新たな?出会い

空には一切の雲がなく晴れ渡った天気のいいある日、俺は街に来て賭けをしていた。

今日は街全体での開運イベントの最中で、あちこちに占い師がいて、ゲーム内容もほとんどが運の絡むものばかりだ。

 

「そうだな……俺は二枚で」

 

俺がやっているのはポーカー。トーナメント形式で対戦していき、順位に応じた商品がもらえる。そしてこのトーナメントは優勝者を予想した賭けが行われていて、その掛け金も商品に含まれる。ただし、このトーナメントには普通と違う所が一つある。

それは、勝負は一つの対戦につき四回で二勝二敗の場合は両方が負けるというものだ。優勝が決まるのは残りが一人になった時か、全員が負けた時、後者の場合はその時点での順位で決まる。

つまり、復数人の同時優勝がありえるのだ。

 

「私は三枚ね」

 

今は準決勝で俺の対戦相手は飛鳥だ。もう一つのテーブルでは十六夜と耀が対戦している。

 

「それにしても、何で四人揃って同じこと考えるかな……」

 

「それは当たり前よ。どうせギャンブルをするなら特大のでするに決まってるじゃない」

 

今日はこういう日ということで、俺達は四人で運任せのゲームをしている。それは全員が同じ金額を持ち、一人一つずつゲームに参加して最後に所持している金額が多い奴が勝ちというものだ。

そして俺達は四人とも同じゲームを選んだというわけだ。

そして今は俺が二勝一敗だ。

 

「それじゃあオープンといくか。フルハウスだ」

 

俺のカードはクイーンが三枚、6が二枚のフルハウスだ。

 

「私まだ見てないから一枚ずつめくっていいかしら?」

 

「どうぞ。……最初三枚違うのが出ればいいのに」

 

飛鳥は一枚ずつゆっくりとカードをめくっていく。

一枚目はクローバーのジャック。。二枚目はハートのジャック。三枚目はハートの10。そして、四枚目はダイヤのジャック。

 

「後はこの一枚次第ってわけね」

 

「ジャックかジョーカーならフォーカードで飛鳥の勝ち。それ以外なら最高がジャックが一番上のフルハウスだから俺の勝ちだ」

 

「それじゃあ最後の一枚をめくりましょうか」

 

飛鳥は最後の一枚に手をかけ、ゆっくりとめくっていき後少しめくれば何のカードかわかる瞬間、

 

その手を離してカードを伏せた。

 

「おい、何で伏せてんだよ」

 

「あら、よくあるじゃない。重大な情報を発表するときに溜めに溜めて一旦間を置く。これ一回やってみたかったのよ」

 

「……はぁ、それじゃあもういいだろ。早く捲ってくれ」

 

「わかったわよ」

 

そう言うと、飛鳥は最後のカードを全く溜めずスッと捲る。本当にやったみたかっただけらしい。

そして、最後にカードに描かれていたのはスペードのジャックだった。

これで俺達はお互いに二勝二敗になった。

 

「引き分けね。優勝はあの二人のどちらかね」

 

「いや、あっちも引き分けで四人同時優勝も……あれ? どうなってもノーネームとしては儲けじゃないか、これ」

 

そんなことを言っていると隣のテーブルの方でも決着がつく。結果は向こうも引き分けで優勝は四人同時となった。

賞金をもらい俺達は四人揃って戦果の報告をする。

 

「と言っても、賞金は山分けだし後は賭けのほうか。どうせ三人とも自分に賭けてたんだろ? 」

 

実はこのトーナメント、出場者が賭けるのも可能で俺は自分に賭けていた。

 

「「「もちろん」」」

 

「となると、レート次第ってわけか。俺はこれだけだ」

 

「俺はこれだけだぜ」

 

「私はこれだけね」

 

「私はこれだけ」

 

全員が同時に賭けで手に入れた方の賞金を取り出す。数えてるみと俺が一位、次に飛鳥、その次に耀、最後に十六夜だった。

 

「……なんか、勝ったけど複雑な気分だな」

 

「どうして?」

 

「だってさ、配当が高いってことは賭けた人数が少ないってことだろ? 十六夜は……うん、色々と目立ってるからな。知名度が高そうだな」

 

こういう対等な条件で賭ける立場な場合、大抵は第一印象で勝ちそうなやつに決めることが多いはずだからだ。

 

「さて、そこでへこんでるのは放っておいてこれからどうしましょうか」

 

「そうだな、解散して自由行動でいいんじゃねえか? 」

 

「私お腹すいた。ご飯食べてくる」

 

「俺はいくつかゲームしてからにするか。お嬢様は? 」

 

「私もゲームをしてからね」

 

三人は思い思いの方向に向かって歩き出す。

 

「……とりあえず何か食べるか」

 

そして俺がやって来たのは食べ物を売っている店が多く集まっているエリア。そこには多くの屋台があり、普段見慣れた店もあれば見たことない店もある。

どれから食べるか考えているとフラフラと色んな店を見ている耀を見つける。

 

「よっ。どれを食べるか悩んでるのか? 」

 

「どの順番で制覇するか考えてた」

 

「……お、おう。それじゃああれ食べてゲームをしないか?」

 

俺が指差したのはたこ焼きを売っている屋台。そこには『名物 ロシアンたこ焼き!』と書かれていた。七個入りで一つだけ激辛が入っているらしい。

 

「ルールは?」

 

「交互に一つずつ食べていって先に辛いのを引いた方の負け。勝負は三回。ただし、ラスト一個に残った場合はその勝負はノーカン」

 

「残ったたこ焼きはどうするの? 」

 

「黒ウサギへの土産にすれば問題ない。別に食べてもいいけど」

 

「商品は? 」

 

「勝者に昼飯を奢る」

 

「乗った」

 

勝負が成立してから耀が屋台を制覇するとか言ってたことを思い出す。別に、勝てば問題ない。

 

 

数分後……

 

 

「何であんな露骨にフラグ立てたんだろ」

 

結果は一勝二敗五分け。そして今は耀に連れられて屋台を回っているところだ。既に出店している数の半分くらいは制覇しているはずなのだがその勢いは全く衰えない。そのお陰でポーカーの賞金がものすごい勢いで減っていく。

 

「はい、吹雪。これもよろしく」

 

俺は耀が買ってきた食べ物を雪で空中に作った台の上に置いていく。それを俺に合わせて移動させているので大量の食べ物を持って重たいとかいうことはない。それでも、積まれている量を見た周りの人はかなり驚いているけど。

耀はそれからも買い続け、屋台を制覇した頃には文字通り食べ物の山が出来上がっていた。

 

「これ全部食べるのか? 」

 

「もちろん。あ、吹雪も食べる? 」

 

「そりゃな。待ってる間に色々買ってつまんでたけど、目の前にこんなのがあったら食べるしかないだろ」

 

「それじゃあ食べようか。いただきます」

 

「いただきます」

 

俺はとりあえず目の前にあった肉まんのようなものを手にとって食べる。

 

「ん? 耀、肉まん何種類買ったんだ?」

 

俺がこう聞いた理由は、三つ程食べるとその味が全て違ったからだ。

 

「え~っと、確かそれは肉まんの中に色んな調味料とか入れたのだったかな? 何種類かは聞いてない」

 

「つまりゲテモノや外れも入ってると?」

 

「たぶんね」

 

そのまま二人で食べ進め、十五分ぐらいで食べ物はなくなった。結局、今日売っていた食べ物のほとんどに運の要素が含まれていて俺達は二人揃っていくつかの外れを引いた。

 

「耀、これからどうするんだ? 」

 

「特には決めてない。散歩しながら気が向いたらゲームする感じかな」

 

「俺も一緒に行っていいか?」

 

「うん。それじゃあ行こっか」

 

歩き始めて少しして、どのゲームに参加するか話していたその時、

 

「お待ちなさい。そこのお二人さん」

 

急に呼び止められ振り返る。そこにはローブをかぶり机の上には水晶玉といういかにも占い師らしい格好をした人がいた。

 

「何か用か?」

 

「私は占いをやっていてね、折角だから二人の相性を占ってあげようと思ってね」

 

「どうする? なんか胡散臭いけど」

 

「いいんじゃない? 特に用事があるわけじゃないし」

 

「決まりのようね。それじゃあまずは私を疑ってるあなたに私が未来を見えることを教えてあげる」

 

そう言うと占い師は一つの封筒を取り出し、それを耀に渡す。

 

「私が手を加えてないことがわかるようにあなたが見張っていてちょうだい。中身に未来が書いてあるわ」

 

「何が書いて…………えっ?」

 

中身を見た耀の反応は何これ? という表現が合うものだった。

 

「バラしちゃだめよ。それじゃあ占う為にあなたのーー」

 

占い師はそこで一度区切り、次を言うまでに間を作る。俺は何を聞かれるのかわからず身構える。

 

「今までに食べた食べ物の数を教えてもらえるかしら」

 

「わかるか!! 何聞かれるか心配して身構えてた俺がバカだったよ!」

 

「あら、そんなこともわからないの? 自分が命を頂いたものの数もわからないなんてあなたって最低ね」

 

「ならお前はわかるのか?」

 

「わかるわけないじゃない」

 

「くそ野郎!」

 

一通りの流れが終わった頃には俺は肩で息をしていた。おかしい、何で占うだけでこんなに疲れるんだ。

 

「それで、書いてる内容は当たってたかしら?」

 

「一応当たってはいるけど……」

 

耀が俺に見せてくれた紙にはこう書かれていた。『あなたは突然叫び相手を罵倒するでしょう』と。

 

「……確かに当たってはいるけどさ、これはな……」

 

「あら、当たっていることには変わりないじゃない。それに、これは余興みたいなものよ。本命はこれから。まず私と握手してもらえるかしら」

 

「別にいいけど」

 

占い師は右手を差し出し、俺は言われた通りに握手する。

 

「俺はどれくらいこうしてれば? 」

 

「別に問題はないでしょ? しばらく付き合ってもらうわ」

 

そう言うと占い師は手を握る力を強めたり弱めたりしてくる。俺もお返しに強弱をつけて握り返す。それをやってみると占い師の手が小さく、子供のような感じがする。

 

「あんた何歳だ?」

 

「あら、女性にそんなことを聞くの? まあ、あなたと同じかそれ以上よ」

 

それからも会話をしながら握手を続けていると、耀が俺と占い師の間に割って入る。その声が少しイライラしているのは気のせいだろうか。

 

「ねえ、いつまで続けるの?」

 

「もう占えたわよ」

 

占い師はあっさりと手を離す。まるで耀が割り込むのを待っていたみたいに。

 

「私はいいの?」

 

「ええ」

 

「それで、結果はどうなんだ?」

 

「ちょっと待ってね。今から紙に書くから」

 

「それじゃあ俺にも紙をくれ。お礼に一つ予言をしてやるよ」

 

「どうぞ」

 

俺はもらった紙に俺の予想が当たっている場合に起こることを書く。

 

「書けたわ。どうぞ」

 

「俺もだ。あとついでにこれもやるよ」

 

占い師は紙を耀に渡し、俺は紙とたこ焼きを机の上に置く。

 

「耀、行くぞ」

 

「え、いいの? あれって……」

 

「いいからいいから」

 

俺は少しだけ足早にその場から耀を連れて離れる。

 

「耀、そのもらった紙何も書いてないんじゃないか? 」

 

「えっ? 何で吹雪そんなことがわか……ほんとだ」

 

半信半疑の耀は封筒を開けてその中を確認する。案の定、その中身は白紙だった。

 

「吹雪、あの紙に何書いたの?」

 

「たぶんすぐにわかるからお楽しみだ」

 

俺は後ろから聞こえてくる足音と叫び声を聞きながら耀に答える。

そのすぐ後、後ろから何かが跳躍したような音と『お姉ちゃん!』と叫ぶ声が聞こえ、直後にその何かが壁にぶつかる音がする。

 

「……やっぱりか」

 

そこに倒れていたのは水色の髪の小さな女の子。身長は150cmくらいだ。

 

「久しぶりだな。玲華(大親友)

 

「吹雪……もしかして」

 

「ああこいつが前から言ってた幼馴染みだ」

 

「待ってよ~、お姉ちゃん」

 

そんな声と共にやってきたのはここに倒れていいるのとは違い背の高い緑色の髪の女性。しかし、こっちに着く直前に男達が現れて取り囲む。

 

「ねえねえ、俺達とどっか行かない?」

 

「俺達が奢るからさ。ご飯でも行こうよ」

 

「えぇ……そんなこと言われても……」

 

どうやらナンパされたらしい。

 

「吹雪、どうするの?」

 

「あいつらにはボコられてもらうか…………おい、いつまで寝てんだ妹がナンパされてるぞ」

 

「うっさい、言われなくても」

 

そう言うと玲華は男達に近づいていく。

 

「ちょっと、あんた達何してるの?」

 

「ああ? お子様に用はねえんだよとっととお家に帰りな」

 

「そうだぜ。俺達はこっちの姉ちゃんに用があるんだ。子供に用はねえよ」

 

「……あいつら、終わったな」

 

俺は、男達が言ってはいけないワードを二回も言ったのを聞いて男達の末路を想像する。

 

「何で?」

 

「あいつさ、自分が姉なのに外見がロリなせいで妹に見られることが多いからそのこと気にしてるんだよ。だから、子供とかお子様とか言われると大抵キレるんだよ」

 

「……吹雪、もしかしてこうなるのわかってて行かせた?」

 

「サア、ナンノコトダカ。ほら、そろろだぞ」

 

視線を男達の方に戻すと玲華は肩を震わせていた。あれは完全に頭にきてるサインだ。

 

「…………あんた達、よくも人のことを外見がロリだとか、胸がないとか、言動も味覚もお子様だとか色々言ってくれたね」

 

「いや、俺達そこまでは……」

 

「あ、ああ。ただお子様とか言っただけで……」

 

「また言った! もう容赦しない。死ね!」

 

数秒後、そこにいた男達は全員吹き飛ばされ人でできた山が完成していた。

 

「……なんかすごいね」

 

「……正直ここまでなるとは思ってなかった。とりあえず移動するか、人集まってきてるし」

 

俺は二人を呼び、集まってきた人に紛れて移動し、近くにあった喫茶店に移動入った。

 

「お前な、あそこまでしなくてもいいだろ」

 

「お子様とか言うあいつらが悪い。というか吹雪、ああなることわかってて行かせたでしょ?」

 

「サア、ナンノコトダカ」

 

「はぁ、もういい。それじゃあ自己紹介したほうがよさそうね。あたしは黄咲玲華。で、こっちが妹の」

 

「黄咲楓ですぅ」

 

「私は春日部耀。よろしく」

 

「よろしくね耀ちゃん」

 

「よろしくですぅ」

 

パッと見た感じ三人とも問題なく仲良くなれそうなので俺は安心する。

 

「で、二人ともコミュニティはどこだ?」

 

「あたしはフェアケラソス」

 

「アルセヴェントですぅ」

 

「ネージュグラースのあたし達バージョンってところよ」

 

「なるほど。となると、コミュニティ間で連絡できるようにしといたほうがいいか」

 

「もう準備してあるよ~」

 

「流石、楓はやっぱりしっかりしてるな」

 

「ちょっと、それどういう意味よ」

 

「まあまあ、気にするなって。で、予言は当たってただろ?」

 

「うん。完璧だったよ~」

 

玲華は楓が手に持っている紙を取ると、その内容を確認する。

 

「え~っと、辛いものが苦手なお子様には壁が立ちはだかるでしょう? …………吹雪っ!!」

 

「いや、事実だろ」

 

「それであのたこ焼き置いたの?」

 

「こいつなら確実に先に食べると思ったからな。で、辛かったら飛びかかってくると思ったから壁作ったら見事に引っ掛かったわけだ」

 

「お姉ちゃん、完全に遊ばれてたよ~」

 

俺はこういうのには必ず乗っかってきそうな奴がいないことに気がつく。

 

「そういや、陽炎(あのバカ)は一緒じゃないのか?」

 

「一緒に来たんだけどね。こっちに着いたらりあえず別行動ってことになって、私達二人とあいつとに別れた」

 

「まあ、あいつなら大丈夫だろう」

 

「一番付き合い長い吹雪が言うなら問題ないね」

 

「そう言えば吹雪、何で占い師の正体がわかったの?」

 

「ああ、それか。一つは歳を聞いた時の答え。俺の年齢と同じかそれ以上って言ったからな。俺の歳を知ってるだけでかなり絞られる。もう一つは俺が箱庭に来る前に読んでた小説と同じようなことをしたからな。後、楓一人だけじゃこんなことはやらないからな。というわけでこの二人というわけだ」

 

「そうなんだ」

 

「それじゃあ吹雪、あたし達はこれからガールズトークするからあんたはあっち行ってて。暇ならこれでも読んどいて」

 

俺が渡されたのは『生○会の二心』。

 

「……お前なぁ、さっきネタにした小説渡すなよ」

 

「別にいいでしょ。元ネタでも読み返してればいいじゃない」

 

「……はぁ、わかったよ」

 

俺は席を立つと隣のテーブルに移動し、渡された本を読まず、自分の持っていた手帳を開く。これはイヴェールの書斎にあった物で、俺のギフトについて何かわかれば、と思って持ってきたのだ。

 

「さてと、ギフトについて書いてるといいけど……」

 

俺はパラパラとページをめくり目当ての内容を探す。それはすぐに見つかり、俺はそのページを読み始める。そこに書かれていたのは冬の体現者に関することだった。

 

「このギフトは通称四季シリーズの一つ。他にも春、夏、秋が存在する。四季の名を冠していることから普通のギフトとは異なる点がある可能性がある。このギフトの本質は恐らく……ここまでか」

 

文字はそこで途切れていてこのギフトに関することは他には書かれていない。

俺は更にページをめくり絆のギフトについて書かれているページを見つける。

 

「発現条件は不明。同じシリーズのギフトを所持、または共通のアイテムを持っていると発現する可能性が上がるかもしれないが推論の域は出ない。このギフトは一人で所持していても効果は表れない。能力発動の鍵は所持者どうしの強い思いである可能性が高い…………こっちはここまでか」

 

情報が少ないのはここまでしかわからなかったからか、この手帳以外の物にまとめてあるのかどちらかだろう。

 

「強い思い、か……信頼でいいなら四人でいたときは常に発動してたんだろうな」

 

手帳を読み終わり、時間が余ったので俺は渡された本を読むことにする。

 

 

 

 

 

~~~~~

時は少しだけ遡りガールズトークの場では。

 

「それじゃあ、ガールズトークを始めよっか」

 

「何を話すの? 」

 

「決まってるでしょ。コイバナよ 」

 

「えっ、でも私そんなのないよ」

 

「そんなこと言われても、ねぇ? 」

 

「うん」

 

意味ありげな視線をかわす玲華と楓。二人の間では何か共通の認識のようなものがあるようだ。

 

「二人揃って何?」

 

「うーん、ここは爆弾落としてみてもいいかな」

 

「爆……弾……?」

 

「ぶっちゃけた話、耀ちゃんって吹雪のこと好きなの? 異性として」

 

「ふぇ? ………………そ、そ、そんなことない! 私が吹雪のこと……確かに、いつも助けてくれるし、優しいけど……」

 

耀は突然の質問に驚き、少しして内容を理解すると慌てふためく。

 

「それじゃあ吹雪のこと嫌い?」

 

「そんなわけない! 」

 

「 (これってたぶん気づいてないだけよね?) 」

 

「 (うん。そうだと思うよ~) 」

 

耀の返答で大体のことを察した二人はアイコンタクトでお互いの考えを確認する。

 

(このままじゃあれだし、ちょっとぐらい背中押してあげようかな。吹雪の方はあの話読んだらちょっとぐらい察するでしょ)

 

「ねえ、耀ちゃん。例えばの話だよ。吹雪が誰か自分の知らない女の人と一緒にいたらどう思う?」

 

「…………嫌、かな?……羨ましいのもあるけど」

 

「それじゃあ耀ちゃんは自分がそこにいたいと思う?」

 

「…………思う」

 

「それなら、ある程度の答えは見えてくるんじゃないかな? 私から言うのはこれだけ。楓は? 」

 

「お姉ちゃんと一緒だから大丈夫だよ~」

 

玲華に言われたことを踏まえて耀は自分が吹雪のことをどう思っているかを考える。

 

(……私、本当に吹雪のこと好きなのかな? 確かに吹雪といると楽しいし、一緒にいることも多い気がするけど……吹雪は私のことどう思ってるんだろう……)

 

「そこまで悩まなくてもいいと思うよ~」

 

「そうそう。こういうのはゆっくり答えを出せばいいんだから」

 

「……うん」

 

「それじゃあこっからは普通におしゃべりしよっか」

 

それから三人は前にいた世界のことや、箱庭に来てからのことの話で盛り上がった。

 

「日も暮れてきちゃったし、そろそろお開きにしよっか。楓、吹雪呼んできて」

 

「そうだね」

 

「は~い」

 

~~~~~

 

渡された本を読み終わり、これからどうしようかと考えていると楓に肩をポンポンと叩かれる。

 

「終わったよ~」

 

「お、そうか。それじゃあすぐに行く」

 

俺は机の上に置いておいた本を手に取って歩き出す。

 

「そういやあの話って…………いや、まさかな」

 

元ネタになった話はどんな内容だったかを思い出し、ある可能性が俺の頭によぎるが、流石にそれはないかと否定する。

三人に合流すると玲華が耀に何か耳打ちをしていた。

 

「頑張ってね耀ちゃん。何かあったら相談に乗るから」

 

「ありがと」

 

「ん? なに話してるんだ?」

 

「乙女の秘密よ。あんたは知らなくていいの」

 

「耀はともかく、お前はお子様だろうが」

 

「だから、お子様って言うな!!」

 

そう言いながら地団駄を踏む 。そういう行動がお子様と言われる原因だとわかってないのか?

 

「わかってないと思うよ~」

 

「……だよな」

 

「何よ、二人揃って」

 

「何でもないよ~」

 

「いや、何でも。やっぱり子供だな~と」

 

「何でもなくないじゃない! 」

 

久しぶりにこういうやり取りをして俺は昔を思い出す。昔はいつも四人でこんなことをしてたんだよな……

 

「それで、二人はこれからどうするんだ?」

 

「とりあえず色々と見て回るつもりだよ~」

 

「だから連絡してもいないかも」

 

「了解。まあ、次会うときまでに味覚が進歩してるといいけどな」

 

「そんなこと自分が一番わかってるわよ!」

 

「それじゃあ、またな。二人とも(大親友)

 

「ええ」

 

「うん」

 

それから二人と別れ、俺は耀と並んで歩いている。

 

「ねえ、吹雪」

 

「ん? どうした?」

 

「……吹雪って私の…………ううん、やっぱり何でもない」

 

「そっか。ならいいけど」




オリキャラの見た目のイメージは玲華が夜桜四重奏の七海アオ、楓が超電磁砲の佐天さんです。

それでは今回も読んでいただきありがとうございました。
感想、評価よろしくお願いします。
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