問題児たちが異世界から来るそうですよ?~箱庭に訪れる冬~   作:bliz

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 結局一月近く空いてしまってすいません。これも全て急に増えた課題のせいです。
 今回は久しぶりに戦闘もなく説明とかも少ない回なので書いてて楽しかったです。その代わりというわけではありませんが時間や場所が変わる回数が多目なのでご注意ください。

それでは、本編をどうぞ!



つかの間の休息

 巨人達の二度の襲撃から一夜明け、俺は寝たいのを我慢しながら集合場所に向かっていた。というのも、ジン君にヘッドホンをどうにかするから

集まってくれと言われたからだ。

 

「あー、戦況的に仕方ないとしてもやっぱ調子乗りすぎたよな。……眠い」

 

 今はいつもなら起きていられる時間なのだが、

昨日陽炎と勝負している間に調子に乗って必要以上にギフトを使ったせいで疲れが残ってしまい凄く眠い。

 なんとか部屋に戻って寝たい欲求に打ち勝ち集合場所に着くと、そこにはジャックと耀達、そして仮面を着けた見慣れない女性がいた。

 

「ジャック、その人は?」

 

「彼女は、クイーン・ハロウィンの寵愛を受けた騎士顔亡き者(フェイス・レス)!どうか親しみを込めてフェイスと呼んでやってください」

 

「なるほど、昨日最前線で巨人と戦ってたのはあんたか。雰囲気からして普通の人間とは違う」

 

 フェイス・レスから感じ取れる雰囲気はまさに強者のそれで、まともに正面からやりあえば敵わないことがわかる。

 

「クイーン・ハロウィンの寵愛者……なるほど、世界の境界を預かる星霊の力を借り、ヘッドホンを召喚するわけですね?」

 

「ヤホホ、その通りです!」

 

「召喚って言うけど、ヘッドホンをピンポイントなんて可能なのか?俺達を呼び出せてるから可能だとは思うけど」

 

「一応は可能です。しかし、そのために一つ問題点があります」

 

 ジン君の言葉にさっきまで嬉しそうだった耀の表情が曇り始める。

 

「その問題って何?」

 

「今回やろうとしているのは皆さんの時のように召喚するのではなく、星の巡りを操って因果を変えるーーーつまり、耀さんが初めからヘッドホンを持ち込んでいた。そういう形での召喚です。なので、耀さんがヘッドホンを持っていないといけません」

 

「……それなら大丈夫。家に十六夜のと同じメーカーのヘッドホンがあった」

 

 問題が解決し、耀の表情は再び明るいものに戻る。

 

「本当でございますか!?」

 

「うん。父さんはビンテージ物だって言ってた。あれなら十六夜も許してくれるはず」

 

「お父様のものを持ち出しても大丈夫なの?」

 

「うん。父さんも母さんも行方不明だから」

 

「ご、ごめんなさい。そうとは知らず……」

 

「はい、暗い空気はそこまで。今日はあれやる予定なんだからそこで色々話せばいいだろ?」

 

「……そうだね」

 

「ええ」

 

 微妙に空気が重くなりそうだと思った俺は二人の話に割り込み強引に話題を変える。あれと言うのは陽炎達と一緒に親睦会をすると言うものだ。というのも、十六夜が今日中に来れることになったので折角なら皆で食事でもしようということになったからだ。

 

「ヤホホ、それでは場所を移動しましょうか。既に準備は整っています」

 

 ジャックとフェイス・レスに先導されて螺旋階段を登りしばらく歩いて地表に出ると、そこには何か描いてあった。

 

「あれどこかで見たことあるな…………あれか、黄道の十二星座の紋章か。そういや星の巡りを操るとか言ってたな」

 

 描いてあるものをよく見ると、そこには黄道の十二星座の紋章が描いてあった。俺がこれを覚えているのは昔星座占いをよく見ていたからとかいう理由だったりする。

 

「で、これってどういう理論で召喚するんだ?」

 

 目の前でフェイス・レスが儀式を始め、特にやることもないので黒ウサギに今起こっていることの解説を求める。

 

「それはですね、クイーン・ハロウィンの力で世界の境界を崩し、黄道の十二宮の力でそれを安定させる複合術式を用いて箱庭に来る前の耀さんの行動に干渉するのです」

 

「これって結構時間かかるんだよな?終わったら起こしてくれ……もう限界」

 

「吹雪さん!?」

 

「そんじゃあ、おやすみ」

 

 黒ウサギの解説を聞き、本格的にやることがなくなってしまったせいで再び睡魔が俺を襲い始める。今は抗う理由も特にないので狼を呼び出して布団代わりにして、その上に寝転がるとすぐに俺は意識を手放した。

 

 

 

~~~~~

 

 そんなやり取りを耳にしながら耀は一心にヘッドホンのことを考える。今は

今日中に十六夜が来るということと、協力してくれている仲間の為にも失敗させるわけにはいかないという考えが耀を突き動かしていた。

 やがて儀式が進んでいき、耀の意識が二カ月前、つまり箱庭に来る前までに戻された。

 

 

 

「ありがとね、三毛猫」

 

 三毛猫の持ち込んできた招待状を受け取り、ヘッドホンを付けていることを確認してそれを開けようとした耀はその手を止める。

 

「……ここで開けなかったらたどうなるんだろ?」

 

 ふと湧いて出た疑問に耀は考え込む。

 

(これを開けなかったら私が箱庭に行くことはなくなるんだよね……そしたら色んな経験や思い出もなくなっちゃうのかな……改めて考えると、ほんとにいろいろあったよね。何があったっけ……)

 

 耀は自分が箱庭に召喚されてから今の自分の状況に至るまでに何があったのかをゆっくりと思い返す。

 

(呼び出されたらいきなり上空からだったよね。それからガルドに喧嘩を売って……その時に吹雪と飛鳥が友達になってくれるって言ってくれたんだっけ。それからは……変態(白夜叉)に会って、グリーとも友達になって……その後はペルセウスとのゲームもしたよね……あの時は吹雪がレティシアを庇って……吹雪は時々無茶するから心配なんだよね。ペストの時もそうだし、一人でゲームに挑んだ時もボロボロで帰ってきたし……でも、私も吹雪に色々と助けてもらってるんだよね……ジャックとのゲームだったり、ラッテンの時のことだったり……今回も私の為に動いてくれたし……)

 

 ここまで考え、耀はある事実に気がつく。

 

(私、吹雪との思い出がいっぱいあるんだね。夏祭りにも行ったし、一緒にゲームもしたし。それに、私が辛いときはいつもそばにいてくれた。だからかな?最近は吹雪と一緒にいると安心するんだよね……狼に乗せてもらったときとか……吹雪の背中大きかったなあ。直接見たときも……)

 

「あれは事故だから!」

 

 何か考えんでいると思ったら急に叫び、顔を真っ赤にして必死に何かを忘れようと顔を振る耀に対し、少し離れていた三毛猫が心配そうに近寄ってくる。

 

「あ、ごめんね。心配させちゃったね。私は大丈夫だよ」

 

 三毛猫を安心させ、耀は再び考え始める。

 

(この思い出がなくなっちゃうのは嫌だ。今回みたいに迷惑かけたり、辛くなったりすることもきっとあると思う。それでも、これからも皆と、吹雪と色んなことをしていきたい。それに、吹雪と約束したもんね。また花火を見ようって、勝手にいなくなったりしないって…………私、さっきから吹雪のことばっかり考えてない?)

 

 そこまで考えが至ったとき、耀は以前玲華に言われたことを思い出す。

 

(ここまで意識しちゃってるってことは……やっぱり私、吹雪のことが……好き……なんだよね)

 

 一度自覚し、その上で自分の最近の言動を思い出すと耀の気持ちは更に確かなものになっていく。

 

(やっぱり私は吹雪のことが好きなんだ。だから一緒にいると安心するし、ヘッドホンのときも特に吹雪には疑われたくないって思ったんだ。吹雪に会えなくなるなんて嫌だ!これからも色んな思い出を作りたい)

 

 新たな気持ちと共に招待状を開けた耀は再び箱庭へと旅立った。

 

 

 

 

 

 時は昼過ぎ。十六夜とレティシアはフィル・ボルグの丘陵に到着していた。

 

「ヤハハ、こいつはすげえなおい。北側とはまるで真逆で面白そうじゃねえか!こいつは我慢しろって方が無理だな。つーことで行ってきてもいいか?」

 

「黒ウサギ達に伝えた時間よりも早く着いたからな。それぐらい問題ないだろう」

 

「そんじゃ、行ってくるぜ」

 

 南側の大自然を十分に感じた十六夜は祭りを楽しむ為に市場へとやった来た。前日に巨人族が襲撃したとは思えない活気に十六夜は少し驚かされる。

 

「さて、まずは何するか」

 

 何があるのかを確認するために辺りを見ていた十六夜に何かがぶつかる。十六夜が下を向くと、そこには水色の髪の少女がいた。

 

「あ、ごめんなさい」

 

「ヤハハ、気にすんな」

 

「でも、ぶつかっちゃったのはあたしだし……」

 

「なら、今手に持ってるそれを売ってるところまで案内してくれ。それでチャラだ」

 

「わかった!それじゃあ行こ!あたしは黄咲玲華、よろしくね!」

 

「俺は逆廻十六夜だ。」

 

 そう、十六夜にぶつかった少女は玲華だった。一人でいる理由は言うまでもなく迷子である。

 

「玲華はどこのコミュニティに所属してんだ?」

 

「あたしはね、フェアケラソスってところ。十六夜は?」

 

「俺はノーネームだ」

 

「ノーネームか、あたしの知り合いもそうだよ」

 

「その知り合いってのはどんなやつなんだ?」

 

「えっとね……えげつない、かな」

 

「ヤハハ、俺のコミュニティにもいるぜ!案外同じやつだったりしてな」

 

「あはは、そんな偶然あるわけないでしょ!」

 

 まさか同じ人物のことを言っていると思わない二人は名前を確認せずにそのまま話を進めていく。

 

「どうかしたか?」

 

 玲華が何かを少しの間じっと見ては会話に戻ってくることに気づいた十六夜はそのことについて尋ねる。尋ねられた玲華は少し気まずそうにしながらそれに答える。

 

「あの綿菓子食べたいなあって思って……でも、案内してる途中だし」

 

「別にそれぐらい構わねえよ。子供に無理させて何かを食おうなんて趣味は持ち合わせてねえしな」

 

「あたしは子供じゃないもん!」

 

「それじゃあ綿菓子はいらないな」

 

「綿菓子は食べるもん!」

 

 まさか目の前の少女が17歳だと思わない十六夜は、大人に憧れる子供だろう程度に思いながら玲華の反応を流す。

 

「待ってるからとっとと買ってこい」

 

「すぐ戻ってくるからね!」

 

 その言葉通り、玲華は両手に綿菓子を持ち満面の笑みを浮かべながら戻ってきた。

 

「そういや何で一人でいたんだ?」

 

「途中までは妹と一緒だったんだけどね、気づいたらはぐれちゃってて」

 

「心配しねえのか?」

 

「わりといつものことだからね、お互い慣れちゃってるもん。だから気にせず色々と見てたもん」

 

「それで周りばかり見て俺にぶつかった、と」

 

「うぅ、ごめんね」

 

 主語を飛ばしながら話しているせいでお互いの認識の間に違いがあることに気がつかない二人。十六夜は玲華の妹が迷子になっていると思い込んでいて、目の前の玲華が迷子になっている側だとは全く思わない。

 

「んで、目的の店までは後どれくらいだ?」

 

「えーっとね……あれ!」

 

 玲華の指差した先には行列があった。

 

「そんじゃあここでお別れだな」

 

「ねえ十六夜、まだ一緒にいてもいい?」

 

 まさかそんな言葉が返ってくると思っていなかった十六夜は少し不思議そうな顔をする。

 

「約束があるからそれまででいいなら問題ねえよ。だが、なんでだ?」

 

「こういうのを知らない誰かと回るのも楽しいなって思ってね。あたしも約束があるからそれまでだよ」

 

「そうかよ」

 

 十六夜はそれ以上は何も言わず列に並び、玲華もそれに続く。それから少しして、目当ての物を手に入れた二人はそれを食べながら並んで歩いていた。

 

「そういや玲華の妹ってのはどんなやつなんだ?」

 

「えっとね、いつもマイペースだけど可愛い妹だよ。あたしが妹に見られるのばっかりなのは納得いかないけどね」

 

「その妹の方が大人っぽいんじゃねえのか?」

 

「……皆に言われる。はい、この話題終わり!ちょっと買うものあるから付き合って!」

 

 自分で言って悲しくなってしまった玲華は無理矢理空気を変え、十六夜の手を引いて歩き出す。十六夜の連れてこられた先は肉や野菜を売っている店だった。

 

「……何でお前ら一緒にいるんだよ。というかどういう状況だ、これ」

 

 店に入ろうとした矢先、そこから出てきた人物の一言によって二人は固まった。

 

 

 

~~~~~

 

 ヘッドホンの召喚が終わって起こされた俺が見たのはフェイス・レスと話している耀、そしてその頭の上にあるネコミミヘッドホンだった。それから何があったのかを聞き、とりあえず親睦会の準備をしながら代わりの物を探そうということになり、一緒にいる十六夜と玲華に出会うという今の謎の状況に至る。

 

「十六夜、お前何でいるんだよ。予定の時間はもう少し後だろ」

 

「俺もそう思ってたけどな、お前の寄越した奴が予定よりも早く来たからな。というかお前、どこであんなのと知り合いやがった」

 

「その辺は後で話してやるよ。で、何でお前らが一緒にいる?」

 

「早く着いたからな。それで先に祭りを楽しんでたらぶつかられた」

 

 十六夜の言葉で俺は大体の状況を察してしまう。どうせ迷子になった玲華が周りばかりを見て、十六夜に気づかずにぶつかったのだろう。

 

「はぁ……おい玲華(チビロリ)。お前周りばっかり見ててぶつかっただろ」

 

「うん。というか誰がチビロリよ!このニブチン鬼畜男!!」

 

「おい待て、何て言いやがった!」

 

「落ち着けお前ら。そもそもお前ら知り合いなのか?」

 

「……そういえば。吹雪、十六夜と知り合い?」

 

「ああ。玲華は箱庭に来る前からの幼馴染み。十六夜はノーネームの仲間だ。ノーネームの規格外とか人外とか噂されるのはこいつだな」

 

 俺の説明を聞いた二人は顔を見合わせると、急に笑い始めた。

 

「あはは!ほんとに一緒だった!」

 

「ほんとだぜ。まさか一緒だとはな」

 

「あ、お姉ちゃんだ~」

 

「あ、楓!」

 

 こんなことをしているうちに店から楓、陽炎、耀、飛鳥が出てくる。

 

「見たことねえ顔が二人いるな。そいつらも知り合いか?」

 

「ああ。こっちが玲華の妹の楓で、それが脳筋バカ(蒼海陽炎)だ」

 

 どうせ後で自己紹介する予定なので、陽炎と楓を軽く紹介する。陽炎のほうがかなり雑なのはわざとだ。

 

「これは間違われてもしかたねえな」

 

 十六夜が玲華と楓を見ながら言った言葉で俺達全員が何のことを言っているのかを理解する。

 

「ちょっと!!何で皆納得してるのよ!」

 

「「容姿、普段の言動その他諸々含めれば当然。というかいつものこと」」

 

「鈍感と脳筋は黙ってて!!」

 

「ごめん、私も納得した」

 

「私も間違えてしまったものね」

 

「楓~、皆が苛める~」

 

「お姉ちゃん~、お菓子だよ~」

 

 味方が誰もいないことがわかった玲華が楓に泣きつき、それを楓がお菓子を使って宥め始めたので耀がヘッドホンの話を切り出す。

 

「吹雪、俺はもうちょっと色々と見てくるから終わったら呼んでくれ」

 

「悪ぃな」

 

 空気を読んだ陽炎が理由を付けて場を離れる。それがあいつなりの気遣いだとわかっているので俺はそれに礼を言う。

 

「十六夜、実はねヘッドホンのことなんだけど……」

 

「三毛猫が自供でもしたのか?」

 

「十六夜、知ってたの?」

 

 十六夜がヘッドホンを盗んだ犯人を知っていたことに俺達三人は驚きを隠せない。

 

「ほぼ確信に近い推測だけどな。風呂場に毛が落ちてたからな。これじゃあ探偵気取りもできやしねえよ」

 

「何で言わなかったの?」

 

「調べてる時に吹雪から春日部の参加日程について聞いたからな。その時の様子も聞いてりゃ単独犯だってのはわかる。少し待てば行けるんだから黙っといたんだよ。それにあれは知り合いの素人が作ったものだからな。そこまでこだわっちゃいねえよ」

 

「十六夜、実は……」

 

 耀はギフトカードからヘッドホンの残骸を取り出す。

 

「ほんとにごめんなさい。十六夜のヘッドホンを壊しちゃって。必ずお詫びはするから」 

 

「別に気にはしねえよ。むしろこっちに来てあんだけ色々やって壊れてなかったのが不思議なくらいだ」

 

「でも……」

 

「それなら、お詫びの品に期待しとくからな。ちゃんと俺を楽しませるものを用意してくれよ?」

 

「……うん。わかった」

 

「さてと、それじゃあ移動するか。おーい、お前ら、そろそろ行くぞ!今から行けばいいぐらいだろ」

 

「おい待て、何するか俺は聞いてねえぞ」

 

 俺は十六夜と玲華が一緒にいるという事態のせいで結局親睦会をすることになっているのをまだ伝えていなかったことに気がつく。

 

「親睦会を兼ねて皆で食事でもしようってなってな。今はその買い出し中だったんだよ」

 

「で、その食事ってのは?」

 

「こんだけ自然が雄大なんだ……もちろんバーベキューに決まってるだろ」

 

 

 

 

 場所を移動し、準備が出来て肉などを焼き始めて時間ができたので俺達は話を始めていた。

 

「さて、この中で自己紹介がいるのは楓と十六夜とバカぐらいか」

 

「おい待て、誰がバカだこら」

 

「反応してる時点でバカであってるな。楓、最初任せていいか?」

 

「大丈夫だよ~。私は黄咲楓って言いますぅ。コミュニティはフェアケラソスですぅ。よろしくね~」

 

「んじゃ、次は俺がいくか。俺は蒼海陽炎、コミュニティはラウトグロームだ。吹雪とは一番付き合いが長いな」

 

「じゃあ最後は俺か。俺は逆廻十六夜、粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれ」

 

「……お前、またそれかよ」

 

「最初の自己紹介と一緒ね」

 

「なんだか懐かしいね」

 

「さて、そろそろ早いやつは焼けそうだしここからは食いながらフリートークだな」

 

 俺の言葉に皆はいくつかのグループに分かれる。まずは陽炎と飛鳥、楓と玲華と耀、俺と十六夜になった。

 

「で、お前は何で俺なんだよ」

 

「もちろん、何でボレアスとなんて知り合いなのか聞いてないからな」

 

「そういやさっきも言ってたな。前に試練を受けに行ったって言っただろ?ボレアスはあそこのコミュニティに所属しるからな……あ、そういやあれも言っとかないといけないのか。そのコミュニティ、ネージュグラースのリーダーをやってるから」

 

「は?」

 

「まあ、コミュニティの運営とかは任せてるけどな」

 

「お前が祭りの前にしばらくいなかったのはそういうわけか。だが、二つのコミュニティに所属なんてできるのか」

 

「形としては俺個人の傘下ってことになってるから問題ねえよ」

 

「そうかよ。じゃあ何か面白い話でもしろよ」

 

「随分いきなりだな、おい」

 

 十六夜の無茶ぶりに答えようとするわけではないが、話題がないのも事実なので何かないかと考え、俺は絶対に十六夜が食いつく話題を思い出す。

 

「いいものがあるぞ。陽炎が飛鳥に告白した、本人いわく一目惚れらしい」

 

「そいつはおもしれえな。で、返事は?」

 

 俺の提供した話題に十六夜は目に見えて食いつく。

 

「保留だとさ。今陽炎が飛鳥に話してるのもそういう理由だろうな」

 

「じゃあ、弄ってくるか」

 

「じゃあ俺はあっち行くか」

 

 十六夜が陽炎の方へ行ったので俺は耀達の方へとやって来た。

 

「あ、吹雪。話は終わったの?」

 

「まあな。ネタを提供したらああなった」

 

 俺が陽炎達の方を指差し、それを見た三人はネタが何なのかを理解する。

 

「あんた、あれ言ったの?」

 

「十六夜だけ知らないのもあれかなと思ってな」

 

「吹雪、本音は?」

 

「そっちのほうが面白くなりそうだと思った」

 

「飛鳥ちゃんとも喋りたいしあっち行ってくるね。あのままだとオーバーヒートしそうだもん。楓も行くよ」

 

「は~い」

 

「……もう、変に気を使わなくてもいいのに」

 

 耀が何かを呟いたが俺はその内容を聞き取ることができなかった。

 

「あいつらと何話してたんだ?」

 

「えっと………玲華達と初めて会ってからその後にあったことかな」

 

 耀はなぜか顔を僅かに紅くしながら俺の質問に答える。

 

(流石に吹雪のことを好きだってことで弄られてたなんて言えないよ……でも、ちょっとぐらい頑張ってみてもいいかな)

 

「ねえ吹雪」

 

「ん?どうした?」

 

「ヘッドホンを召喚するときにね、私箱庭に召喚されるあの時まで戻ったんだ。その時に考えたんだよ。もしも手紙を開けなかったらどうなるんだろう、箱庭でのことが全部なかったことになるのかな、って。それで何があったか考えてたら約束を思い出したんだよね」

 

「約束?」

 

「ほら、私達の歓迎会の時の。今みたいに星を見ながら話してたでしょ」

 

「ああ、あれか。そういやあの時は陽炎達(あいつら)が召喚されるかもとか言ってたな」

 

 耀に言われて俺は歓迎会の時に話していた内容を思い出す。確か箱庭に来たことを公開しているかと聞かれ、それに答えるように耀と約束をしていたはずだ。

 

「うん。折角だから改めて言おうかなって思ってね。吹雪、私の前からいなくなったりしちゃダメだからね。私は吹雪がいないのなんて嫌だよ。これからも色々やりたいんだから」

 

 耀は顔を紅くしながらもしっかりと俺の方を見ながら言葉を紡ぐ。

 

(今はこれぐらいだけど、いつかはきっと……)

 

「……おう。わかった」

 

 改めて考えると流れとはいえかなり恥ずかしいことを言っていたことに気づかされる。しかも耀のことを少し意識してしまっていることもあり、今まで以上に聞いていてはずかしくなってしまう。

 

「ほら、食べ物取りに行こ」

 

「そうだな」




そろそろロリっ子の方も更新しないとな~と思い始めてます。未定ですがもしかすると、ロリっ子に関してのアンケートをするかもしれません。

今回も読んでいただきありがとうございました。
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