問題児たちが異世界から来るそうですよ?~箱庭に訪れる冬~   作:bliz

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お久しぶり?です。
なんとか一月ちょっとぐらいの間隔で投稿できました。
後期に入って課題が増えてきて辛いです。何で英語の授業で動画編集しなきゃいけないんだ……

それでは、本編をどうぞ!


決戦前日

 個人的に色々とあった夜が明け、俺、玲華、楓、飛鳥はアンダーウッドの地下にある修練場へとやってきていた。

 

「で、俺に用って言ってたけど用件は?」

 

「吹雪君の狼を貸してほしいの。今の私にできることからやりたいから」

 

「そういうことか。それなら慣らしてから実戦に近い感じでやったほうがいいか……楓、相手とバフ頼めるか?」

 

「大丈夫だよ~」

 

「狼は……100ずついたら大丈夫だろ」

 

 俺はギフトカードから狼を200匹ほど出し、飛鳥と楓に100匹ずつ預ける。

 

「そういえば吹雪、何であんた狼しか作らないの?性格的にもっと色んな種類増やしそうなんだけど」

 

 ここまで場の成り行きから黙っていた玲華の質問に、飛鳥もそういえばという表情をして俺のほうを見てくる。

 

「種類を増やしすぎると俺の頭が追いつかないんだよ。何種類かはできなくもないけどまだ精度が微妙だから実戦では使いたくないし」

 

「それじゃあ、何で狼にしたの?」

 

「それは身近にモデルがいるからだな。さて、準備も終わったぞ」

 

 話すのと平行して進めていた準備が終わり、地下修練場にはさっきまでなかった透明な岩や段差、壁などが出来上がっていた。

 

「玲華、後は任せる。ステージの細かい調整は狼に指示出せばできるから」

 

「メニューはあたしが決めればいいの?」

 

「ああ。いけそうならペストとか混ぜてもいいぞ」

 

「オッケー。で、あんたは上行くの?」

 

「そうだな。最近近接やってなくて鈍ってるだろうし」

 

「ほどほどにね~」

 

 楓が心配しているのは俺の体よりもアンダーウッドに与える影響のほうだ。というのも、今ここにいない十六夜と陽炎は地上で規模のおかしい殴りあい(手合わせ)をしているので、俺もそこに混ざろうとしているからだ。

 ちなみに、なぜ地上でやっているのかというと二人揃って地下じゃ狭いと言ったからだ。お前たちはなぜ手合わせに広さを求める……

 

「んじゃ、行ってくる」

 

 

 

 

 

 

 三人と別れ、地上に出た俺は狼の背に乗って一際大きな音がしている場所へと向かっていた。その場所はそこの上空だけが雨雲に覆われている。それだけで今向かっている場所の状況が想像できてしまい、少し頭が痛くなってくる。

 

「これに混ざるのかよ……」

 

 目的の場所までやって来たが、そこでは予想通り手合わせをしているとは思えない光景が広がっていた。空からは常に雷が落ち、時折岩の散弾が放たれたかと思えばそれに対抗するように雷が走りそれらを消し飛ばす。

 手数で押すしかない俺にはどうしようもない光景に現実逃避しかけるが、耀を助けに行くのに力が及ばないなんてことにならないようになんとか気を持ち直す。

 

「とりあえずあいつら止めるか……この辺一帯にでかいの落とせばいけるだろ。氷星の軌跡(アイスミーティアー)!」

 

 雷が落ちている範囲全域をカバーするサイズの氷塊を作り、それを落下させる。混ざる前のこの段階でアンダーウッドの環境への影響がヤバそうなことをしているが、先に二人のほうが影響のありそうなことやってるし大丈夫だと信じる。

 そんなどうでもいいことを考えていると雷と岩の散弾が止み、俺の落とした氷が地面に落ちる前に二つに砕かれる。

 

「吹雪、何してくれんだよ。せっかくいいところだったのによ」

 

「俺も混ぜろ。で、十六夜は?」

 

「もうすぐ来るんじゃね?」

 

 すぐに俺の所へ来た陽炎とこんなことを言っている内に十六夜がやって来る。

 

「おい吹雪、いいとこだったのに止めるとはどういうつもりだ?」

 

 どうやらかなりいいところで止めてしまったらしい。しかし、それならそれで言いたいことが一つできる。

 

「なあお前ら、俺が止めなかったらどうしてた?」

 

「「迷わず全力の一撃をぶつけてたぜ!」」

 

「……アホか」

 

 予想通りすぎる二人の答えに思わず俺は頭を抱える。

 

「心配すんなよ。前にお前とやったときみたいにゲーム形式で保護してあるから問題ねえよ」

 

「あ、ならいいか」

 

「吹雪、お前俺達のことを何だと思ってたんだよ」

 

「こういうことはあんまり考えない脳筋問題児」

 

「「その喧嘩買った!お前が言うな鬼畜問題児が!」」

 

 おかしい、思ったことを言っただけなのに二対一の構図が出来上がってゲームの準備が進んでいく。

 気がついた頃には二人がさっきまでやっていたゲームに俺の名前が加わり、俺と向かい合って二人が並んで立っている。お前ら、これルール的にはバトルロイヤルだからな?戦略的には間違ってないけど、お前らを同時に相手とかほんとシャレにならないから。

 

「もう近接戦どうのこうのとか言ってる場合じゃないな、これ。全力でいかないとボコられるし」

 

 軽く近接戦の感覚を戻そうという目標は諦め、二人の相手をするために準備を終わらせる。

 

「じゃあ、行くぜ!」

 

「っ!いきなりこれかよ!」

 

 ゲームの開始と同時に十六夜が向かって来るのを確認するのと同時に俺はその場から横っ飛びで全力で離れる。すると、その直後にその場所に陽炎の落とした雷が落ちてくる。パッと思いついた中で一番相手にしたくない形できたことに舌打ちしながら、用意していた手を使う。

 

凍てつく大災害(アイス・ディザスター)!後、これと、こいつもくらっとけ!」

 

 巨人達相手に使った技と同時に、いたるところで破片で攻撃するタイプといつもの手榴弾を爆発させる。

 流石の十六夜もこの状況で無理に突っ込んできたりはせず、回避に専念している。

 

「後は足を奪……っ、そんなにうまくいくわけないか!」

 

 お返しと言わんばかりに陽炎が俺を狙って雷を

落とし始める。あいつらの初手からこの流れは予想できていたので予定通り狼の背に乗って移動してそれを避ける。

 

「予想の内の一つとはいえ、良くない流れだよな……」

 

「のんきにそんなこと言ってる場合かよ!おらあっ!」

 

「くそっ!ほんと嫌な方に予想が当たるな!」

 

 陽炎の攻撃に意識を割き、そのせいで攻撃の密度が薄くなったところを抜けた十六夜が俺の後ろを取り、蹴りを放ってくる。

 俺はそれを狼から飛び降りてそれを避けるが、すぐに十六夜の追撃の拳が迫ってくる。とっさに手元に剣を二本作ってそれをクロスさせてガードするが、剣は砕かれそのまま威力を殺しきれず吹き飛ばされる。

 

「お前が来るなら……後ろだろ!」

 

 俺は飛ばされながらももう一度手元に剣を作り、それを自分が飛ばされている方向に向かって投げる。その結果として舌打ちが聞こえたのを確認しながら後ろに雪でクッションを作り、後ろへの勢いを殺す。

 

「やっぱ足を奪わなきゃ無理だな」

 

「させるかよっ!」

 

 次の手を打とうとした矢先、突如真横に陽炎が現れる。俺は咄嗟に手榴弾を爆発させ、それと同時にしゃがむ。すると、さっき陽炎が現れたのと反対側から放たれた陽炎の回し蹴りが俺の頭上を掠めていく。

 そのまま反撃しようとするが既にそこに陽炎の姿はなく、辺りを見渡してみると俺から少し離れた所にいる十六夜の隣に並んで立っているのを見つける。

 

「お前ら!いきなりなんてことしやがる!」

 

「「自重せずにやり返した奴が言うんじゃねえよ!」」

 

「じゃあ吹雪!第二ラウンド開始といこうぜ!」

 

 結局、このまま俺達は日が暮れ始めるまで戦い続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

「……いよいよか」

 

「だな」

 

「なにしんみりとしてんのよ。というか、お菓子食べないの?」

 

「お前はほんとに頭の中お菓子だらけだな」

 

「そんなことないわよ!」

 

「否定できないよね~」

 

 夜になり、それぞれの明日に向けた準備も終わったので、俺達四人は誰が言い出した訳でもなく集まって話していた。俺が雪で座る場所を作り、その上に玲華がお菓子をたっぷりと広げている。

 

「で、玲華。飛鳥は大丈夫そうか?」

 

「大丈夫よ……あ、次これ……最後の方はあたし達が入って……チョコ食べて……ペストちゃん達も入れてやったけど……クッキー……問題なさそうよ?最後は思考加速せずにやってたもん」

 

 俺からの質問に玲華はお菓子をパクパクと食べながら答える。玲華の言っている思考加速とはその名前のとおり思考速度を上げたり、脳の演算速度を上げて複雑な計算を行ったりすることだ。俺が楓に頼んでいたバフがこれのことだ。ただし、これを使いすぎると反動で頭が痛くなるが。

 

「お姉ちゃん~、お行儀悪いよ~」

 

「お菓子だからいいの!……で、……あんたたちはどうなのよ?」

 

 楓の注意を気にせず、お菓子をリスのように頬張ったまま玲華が俺達に尋ねてくる。

 

「実戦の感覚は戻ったし問題ない。かなり疲れたけどな」

 

「俺は完璧だぜ。遠近両方やれたしな」

 

「そりゃあれだけ派手にやれば完璧よね。一時アンダーウッドがパニックになりかけたんだからね。巨人の襲撃だとか、天変地異だとか」

 

 玲華の嫌味を聞き、普通の人から見た俺達の戦場を想像してみると確かに騒ぎになってもおかしくない。

 

「玲華、お前個人は大丈夫なのか?」

 

「もちろんよ!飛鳥ちゃんの相手もしてたし、お昼過ぎに切り上げてから調整もしたしね」

 

「ちょっと調整して残りお菓子タイムとかじゃねえよな?」

 

「ちょっと!どういうことよ!皆でお風呂入ってご飯食べて、お菓子食べてから調整したけど、そんなことはないわよ!」

 

「調整しながらお菓子食べてたけどね~」

 

「「はぁ……」」

 

「楓!余計なこといわなくていいから!」

 

 案の定お菓子を食べてから調整を行い、その上飴を食べながらといつも通りすぎて俺と陽炎は顔を見合わせて溜め息をつく。

 

「なんか、こうして四人で話すのも久々だな」

 

「お前が何も言わずにいなくなるからだろ」

 

「悪かったって。まさか手紙開けたら異世界だなんてわからないだろ普通」

 

「せっかく箱庭に来たんだから皆でゲームしたいよね~」

 

「そうね。こんな命のかかった魔王のゲームじゃなくてもっと楽しいやつ!」

 

「「反応するのはいいけど、食う手は止めろよ!」」

 

 いつものこととは言え、お菓子を食べる手が止まらない玲華に対して俺達は思わず突っ込みを入れてしまう。

 

「まあ、その為にもだ。このゲームは絶対にクリアしないとな」

 

「だな。吹雪、明日しくじんなよ?」

 

「お前こそ。巨人を討ち漏らすなんてことすんじゃねえぞ?」

 

「わかってるって」

 

「ほら、あんたたち。その辺にしときなさいよ。全員うまくやる、それでいいでしょ?」

 

「そうだね~」

 

 

「んじゃあ、まあ、あれだ」

 

 俺はここで一度言葉を切り、改めて三人の顔を見てから言おうとしていた言葉を続ける。

 

「いつも通り、よろしくな」

 

「おう」

 

「もちろん!」

 

「は~い」

 




 次回から本格的にゲーム攻略が始まりす。ざっくりと動きは決まってますが、具体的にどうなるかはキャラ次第なので遅くなるかもしれないです。
あ、一人?だけろくな目にあわないキャラは確定してます。ボコボコにされるかと。

今回も読んでいただきありがとうございました。
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