三下とテラの日常   作:45口径

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シラクザーノのレビューと理性回復の暇つぶしです
シラクザーノ編は色々この作品の設定を見直してから書くか…って感じです


あったかもしれない日常
【あったかもしれない日常】三下と麻雀


━━━これはあったかも知れない日常

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見てろ、二度とSNSが出来ねえようにしてやる」

 

「待って待って! 乱暴は良くない!!」

 

「…今度はなんなん?」

 

「これこれ」

 

ヒューストンは激怒した

ソラは大慌てで止めている

クロワッサンのまたかという表情でエクシアは端末の画面を見せるとそこにはSNSでペンギン急便に対するアンチコメントが投稿されているのを見せた

 

「あー…まぁ居るわなこういうやつ」

 

「ヒューズちょっとムキになりすぎだってば」

 

「私もアイドルやっててそういう人いっぱい居るから気にしても仕方ないって!」

 

「止めないでくだせぇソラ先輩!! 皆様に下品なコメント書いた恥れ者の下の口を上につけてやると決意したんです」

 

「なにいってるか全然理解できないけどロクでもないのは確か!」

 

ぐいぃとソラが引き摺られるように止めるが止め切れはしないだろう

 

「なんか久々に麻雀したくない?」

 

「今の流れでなんでそうなるん?」

 

アジトの隅に少しだけ埃を被った雀卓と牌をエクシアが指指す

 

「ソラ〜、ヒューズ〜、とりあえず半荘しない?」

 

「今の状況でいうことなの!?」

 

「4人必要だからやろうよ〜、負けたら罰ゲームね〜!」

 

エクシアがソファーで足をバタつかせながらねだるように言うとヒューストンも止まった

 

「不詳ヒューストン、お相手の方をさせていただきます…」

 

雀卓につき埃をはらい牌を混ぜ始めた

ソラを除く3人は手慣れていてある程度混ぜると山を積み上げていった

一方ソラは麻雀の経験はあまりなく精々多少の役を知っている程度だった

覚束ない手つきで山を積み上げサイコロを振りドラを表示して山から牌を取り手配を作った

 

「じゃあ4位の人は1位の命令を聞くってことで!」

 

「前回はソラはん最下位やったけ?」

 

「私、麻雀まだそんなにやったことないんだよ〜」

 

「大丈夫っすよソラ先輩、勝てる勝てる」

 

山から牌を取り不要牌を切る小さな音と楽しくお喋りをしながら局は進んでいく

 

「あ!それロン!」

 

ソラがヒューストンの切った牌が当たり牌であり自分の手配を倒す

 

「えーっと、リーチ、タンヤオとピンフ…あとドラが1個で…やった! 満貫で8000点!」

 

「おっ、ツイてるねソラ!」

 

「やりますやん!」

 

「ソラ先輩、3色と裏ドラ忘れてるっす」

 

「え?」

 

数え忘れていた役とリーチという役の効果でさらに点数が乗る

 

「リーチ、タンピン三色、ドラ1と裏ドラ2つで倍満っすね」

 

「えぇっと…つまり…」

 

「倍満じゃん! 東1局ですごいじゃん!」

 

「えぇ!? いきなりめっちゃ点差できてもうたやん!」

 

「いや〜流石っす! やられちまったなー!」

 

「やったやった!ありがとうテキサスさん〜!」

 

かつてテキサスから教えてもらった役を作っただけだったがとても大きい点数だと知りはしゃぐソラ

局は順調に進んでいく、そこへ次の仕事の打ち合わせで不在にしていたエンペラーとテキサスが帰ってきた

 

「あ、ボス!」

 

「お帰りなさい!」

 

「二人ともお疲れ様や」

 

「お帰りなさいませ、どっかで代わります?」

 

「おう、とりあえずその半荘終わらせろ」

 

「私はいい、皆でやっててくれ」

 

2人はヒューストンの後ろから、時に全員の手牌を見るためにぐるりと回るが特に口出しもしない

 

 

「ツモ!」

 

最後の一局、エクシアのツモで終わった

しかし最初に開いた大差は縮まらずソラ、エクシア、ヒューストン、クロワッサンという結果になった

 

「やった、初めて1位になった!」

 

「はいクロワッサン、罰ゲーム!」

 

「嫌やぁ〜〜〜!!!」

 

盛り上がりは最高潮に達していた

後ろではどうやらエンペラーとテキサスがなにやら賭けをしていたらしいが「ほらみろ、賭けになってねえじゃねえか」とエンペラーの声が僅かに聞こえてきた

 

罰ゲームを決めている時に「ちょっと行ってきます」と一言済ましエンペラーと交代した

 

 

 

 

 

「ふいー」

 

外で煙草に火をつける

龍門の歓楽街から少し離れたここは遠めに見える灯りを煌びやかに映す

 

「ん」

 

「はぃっ…ほ…ほら…よ」

 

続くように現れたテキサスが煙草を要求しそれを差し出してライターを受け取り火をつける。

最近メンバーから丁寧な言葉を止めろと言われテキサスは特に厳しくしていた

それを受けヒューストンも適応しようとしては居るがなかなか順応できない最近の悩みだった

 

テキサスがライターを返し煙を吐き出す

 

「優しいじゃないか」

 

「…なにが…で」

 

思わず出そうになった丁寧語を押し殺しできる限り馴れ馴れしく返した

テキサスはフッ、と笑い続ける

 

「してたんだろ?」

 

「なんのことやら」

 

ヒューストンはイカサマをしていた

あまり麻雀の楽しさを理解しきれてないソラに対して自分は手を最初から作らずソラを押し上げることに徹していた

 

「握り込みにぶっこ抜き、すり替えと河拾いにキャタピラ、エレベーターに空リーチ、積み込みと見本市だな」

 

「見咎められなきゃサマじゃないし、もう牌も崩したから証拠なんてないですぜ」

 

当然ソラに勝たせるには自分もある程度牌が必要だ、故にイカサマで牌を変えて全力で支援をしていた

 

「後ろから見てたんだから全部わかる。多分エクシアあたりも気づいてるんじゃないか?」

 

「実は姉御からは目配せもらってたんでね」

 

エクシアも実は一枚噛んでいたのだ

彼女はすぐに彼の動きを察知軽くウインクをし通しというイカサマもしていた

彼女とは初めてとはいえ中々上手く行ったようだ

当たり牌と有効牌のやり取りを会話の節々に忍び込ませ雀卓の下で牌の受け渡しで行いどんどんソラに差し込んでいたのだ

 

結果哀れなクロワッサンが出来上がっていたのだ

 

「なるほどな」

 

「これでソラ先輩も立派な雀士ってことで」

 

「次はイカサマなしで勝負するといい。私に1位で勝ったらご褒美をやるぞ」

 

「…その言葉、忘れたはナシ…ですぜ」

 

吸い殻を捨て2人は中に戻りまた負けたクロワッサンとソラが交代し新たに半荘が始まった

結果はエンペラーの一人勝ちで終わった

 

こうして、夜は更けてゆく

朝日が昇る頃には雀卓で突っ伏して寝ているクロワッサンと各々眠りにつく

 

後日イカサマと知りクロワッサンに滅茶苦茶追いかけられるもシラを切りながら逃げるヒューストンが目撃されたとか無いとかそれは別のお話




UAや評価、お気に入り登録ありがとうございます!
一応まだそこそこ書く気はあるので気が向いたら投稿していきますのでよろしくお願いします…

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