「何処の誰ジウムのものでしょうかね…?」
「お前の枕下から出てきた。よってお前のだ」
「これにはエーギルの海よりも深い事情が…」
テキサスは激怒した
かの従者がこのようないかがわしい本を見つけてくださいと言わんばかりにわかりやすく枕元に置いて挑発して来るこの態度を身をもって罰せねばならぬと決意した
きっとこの男には倫理がわからぬのだろう。
女に縁のない生活をしてきた弊害でこのような愚かな行為をしてしまったのだ。
そう、思っているだろう。このお嬢は
「この本で何をするつもりであったか、言え!」
「言えるかッ!!ナニするしか使わんでしょそんなの!!」
クッソ〜、エロジウムめ!なぜ事前に言ってくれなかったんだ、おかげで読む前に見つかってしまったではないか!!
「何か申し開きは?」
「…読めずに、自分を慰められないのが残念です」
「ほう、お前はこの本に載せられた大きな乳と尻で下品な女が好みなのか」
「好み…とは答えかねます。男の子とは、皆、狼であると同時に耐え難きを耐え、欲望を発散し今という刹那を生きる社会的な生き物なのです…あ、狼っていうのはループスじゃなくて生物学的な揶揄ね」
「ほう、狼か。なるほどなるど」
え、何を納得したんですか今の適当で嘘の説明を。このお嬢そういうとこだぞホンマ好き。ははは、愛いお方だ、お嬢。これからも忠義に励み…
テキサスが自身の装備に手をかけ外した
ポーチや剣のホルスターが床に落ちる
近づきながら見せつけるように衣服を脱ぎ始めた
何してるんですかこの人?
「え、あの、お嬢?」
「なんだ」
「どうしてお召し物を…」
「邪魔だからな、着たままのがいいか。あとでシてやろう」
「後で、シてやろう…後でシてやろう!?」
上着を脱ぐと以外にも可愛らしいブラが現れた
「ま、待て! チェリーニア…チェニー、俺の話を聞いてくれ!」
「本に載ってる女よりは実が無くて不満だろうが」
「いえ、十二分に良き体付きにございます」
「そうか、ありがとう」
「いやあの、そうじゃなくて…」
ショートパンツとタイツも脱いで遂に下着姿になった
「お、お、おじょ、おじょっ」
「観念しろ、ヒューズ…」
「こ、こう言うのは愛し合うもの同士で行われる行為で…」
「ヒューズ…私はお前を愛している…お前は、違うのか…?」
「い、いえとんでもない!私、オルブライト・ヒューストンは貴女様のことをお慕いしております!!!家族として、仲間として━━━」
「ありがとう…まぁ、違おうがなんだろうがお前は、この私がブチ犯す」
「ワ゛ーーーーーーーーーーーーーーッ!! 各方面の方々に殺されるッ!!!!!!!」
「お前の素人童貞は私が殺す」
「私でも時に何気ない言葉で傷つくことはあるんです!!」
オルブライト・ヒューストン、恋人がいない歴は年齢と同じ男であった。
断じて彼は同性愛者ではないし性的快楽に興味がないわけではないがそういったものとはあまり縁がなかっただけなのだ。
マフィアになりたての頃、そういった店でしたことはあったがどうにもハマらず付き合いで稀に行くが昔行ったそれっきりだった。
「ヒューズ、私の初めてをお前にやる…お前が初めてじゃないのが残念だが、最後になると考えれば前向きになれるな」
「まってまってまって」
「待たない」
「そんな」
ついに下着を解き生まれたままの姿へとなり彼を押し倒した
「お、おじょ…」
「いつまでもうるさいぞ」
お嬢は乱暴に━━━━━━━━━
飛び起きるとそこは見慣れたロドス艦での自室で外は薄暗く据え置きの時計は3時を指している。
なんという夢を見てしまったのだろう、僅かに響く艦隊の駆動音を感じ置いていたボトルの水を飲み込むと部屋を見渡す。
当然テキサスの姿もないし、枕元にいかがわしい本などない。
エリジウムとは確かに仲が良くなってきた間柄だがエロジウムなどと呼ぶほど親しくなった覚えはないしそんな本を貸し借りすることもない。
寝るか、明日も早いし。と再び布団を被り眠りに入る。
次第に意識が落ち始め再び夢の中へと誘われた━━━
「ヒューズ」
あられもない姿の、幸せそうな表情のテキサスと相対していた
またか!!!
またこの手の夢か、欲求不満になっているのかヒューストン!しかも相手がお嬢などと、恥を知らんかこのうつけめ、しかし今回は夢とわかってのこと、ならばやることなど簡単だ。
起きるか、ないしは夢の中でも三下のヒューストンを貫くまで
お嬢に服を着せ━━━
「ヒューズ〜!」
「ヒューズは〜ん、こっち見てや〜!」
「ヒュ、ヒューズ…!」
「ヒューズ、こっちを見て」
聞き知った声達が四方八方から響く。当然、ペンギン急便の同僚達だった。
勘弁してください、ウソだろなんで知り合いしかいねぇんだよこの夢は。
気まずいだろ同僚のいかがわしい夢なんて、頼むからせめて知らない奴にしてくれ。
わちゃわちゃと抱きつかれ引っ張られるその光景は男としては楽園だろう、しかし彼にとっては相手が悪かった。
まるで快楽に溺れさせようとする魔物達に見えて仕方がなかった。
感じるはずのない良い匂いと柔らかい感触を感じそのまま━━━
『…ズ、ヒューズ。お〜い』
今度は頭の中に響くような声と騒音。
なんだ、この声は、それに意識を向けた時現実に引き戻された。
意識がはっきり覚めるとけたたましく鳴り響くアラームと端末から聞こえる声。
アラームを止め端末から聞こえる声に耳を傾けると相手はエクシアだった。
「…もしもし」
『あ、やっとまともになった!』
「え、どう言うことですか?」
『ていうか声すごいことなってるけどもしかして寝起き?』
「そうです…」
『やっぱり! 聞きたいことあって電話したらアタシたちの名前呼んで『なりません〜!』とか言ってたよ?』
「はぁ…なる、ほど?」
『テキサスの時が1番すごかったけど夢でも見てた?』
「まぁ、そう言うことで…」
『ふーん、まぁいいや。今度聞かせてよ』
「了承しかねます、仕事あるんでこれで」
『じゃあね〜』と通話を切り時間を見るとなかなかに危ない時間だった。
急いで準備を済ませて出発する、今日から数日ドクターの秘書業務があり時間的には問題ないが引き継ぎがある以上早めに出て前任者と交代しなければならない。
「はぁ…」とため息をついたのはふと頭に思い浮かんで夢の中のテキサスだ。
顔はいいのだから相手はすぐ見つかるだろう、早く彼女を幸せにしてやれる男と結ばれるのを見てもっと気楽に生きたいものだ。
そんなことを考えながら部屋を出て行った。
食堂にて、トレーに乗った食事をもそもそと食らっていると陽気な声色で声をかけられた。
「ヒューストンじゃないか!ここいいかい?」
「おっ、アンタがペンギン急便の人か」
「これはこれは、失礼しますよ」
エリジウムを始め行動予備隊のノイルホーンにミッドナイトがやってきた。
なんだかんだで話しながら食事をしているとエリジウムが話題を振る、ヒューストンの今日の悩みのタネについて的確な話題だった
「目にクマがあるけど、寝不足かい?」
「まぁな…夢見が悪くてよ」
「おいおい、大丈夫か。ドクターの秘書業務なんだろ?」
「失礼だが、俺は夢の内容が気になるね」
ミッドナイトの言葉を聞いて全員の顔を見た
しかしテキサスについていけるかは怪しいメンバーだったと判断し大きいため息が出た
「え、なになに。どうしたの?」
「特にお前はキツイと思うぞ、エロジウム」
「え、なんだって?」
しばらくの間、エロジウムという不名誉な渾名がロドスの中でしばらく擦られることになった。
あとやっぱりエクシアには淫夢を見ていたのがバレていた
しばらくの間滅茶苦茶揶揄われたが別の話
これはあったかもしれない、彼らの日常