三下とテラの日常   作:45口径

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これでソラちゃん編は一旦終わりなので初投稿です
ちょっと大事なこと書くの忘れてたんで追加したところあります、許してくださいなんでも…


三下と頼れる先輩 その3

「さーてソラ先輩! 突然始まったカーチェイスですけど準備はいいですかァ!?」

 

「わわわっ!?」

 

ヒューストンの運転はまるで絶叫アトラクションを彷彿とさせる運転だった

車列の隙間を縫うように走らせ見事にぶつけることなくパスしていく

助手席に乗ったソラからすればとんでもなかったが通りが少なくなった頃には少し安心したがまだまだ追っ手が来ている

 

「ソラ先輩」

 

追っ手を見ていたソラが呼ばれ振り向くと服の内側に隠していたホルスターから拳銃抜き器用にガンスピンをしてグリップ側を差し出していた

 

「コレ使えます?」

 

「…やってみる!」

 

「そうこなくっちゃ!」

 

拳銃を受け取り少しだけ身を乗り出し拳銃を構えた

左右移動は大きくなくなったが動く車両に対して当てるのは至難の技だ

ソラは戦闘面においては素人同然であり拳銃の扱いも難しいだろう

 

以前少しだけ練習がてら使ってみたがなかなか当たらず、マネージャーにも物騒なことをするなと注意されてしまい以降触って来れなかったが今はそんなことを考えている場合ではない

その場の勢いに任せろと彼女は自分を鼓舞する

 

狙いを定め一発の銃声が響くと街並みに呑まれるよう、弾丸は当たらず消えゆく

 

「あ、中の弾まだゴム弾にしてないんで人に当てたらやばいっすよー」

 

「それ先に言ってよ!」

 

思わぬ言葉に怒鳴るように返す同時に追っ手からも銃撃が帰って来た

 

「うわわわわわっ!」

 

「ソラ先輩!」

 

器用なことに運転しながらソラを引っ掴み車内に戻した

そのおかげなのか、敵の射撃もヘタクソなのも幸いし当たることはなかった

 

「次のカーブでドリフトした後、追って来たアホどもにブチ込め! カーブで動きが止まる瞬間がチャンスだ!」

 

「…りょーかい!」

 

戦闘など専門外だが先輩として後輩の期待に応えて見せる

ソラも入ったばかりだがペンギン急便の一員だ、コレぐらいの修羅場を超えずして憧れであるテキサスに届くものか

託された拳銃をギュッと強く握りしめる

 

宣言通り見事なドリフトを決め直進を始めたと同時に大きく見を乗り出し箱乗りの状態で構える

 

「力を入れすぎるな、照準器の凸凹と高さを合わせろ、そして絞るように引き金を引け!」

 

言われた通り込めすぎていた力を少し抜き照準を合わせて、引き金をすこしずつ絞るように弾き続ける

 

まだだ、たった今追ってもドリフトを行い追いつこうとしているが少し左右に揺れる

真っ直ぐになったその瞬間を撃つ

 

その瞬間ソラの五感の一部に変化が起きる

身に浴びていた風を感じず、音も静かすぎるほどなくなり、開いていた片目は異常なほど、相手が見えていた

 

見える、照準器がぼやけ始め鮮明に撃つべきタイヤにフォーカスしたとき、追っ手との距離は近いように錯覚する

 

車体が直進に移り始めたその瞬間、引き金は絞り切られた

 

乾いた銃声を響かせ硝煙は風に攫われる

風を切り裂き弾丸は吸い寄せられるように当たる

 

車がバーストし大きく左右に触れると追従していた仲間のごと巻き込んで頓挫した

 

みるみると離れてゆく追っ手を呆然と眺めてから車内に戻ると少し息を荒くし脂汗を垂らしていたがすぐに治まりヒューストンは拳を差し出して来ていた

 

ソラは一瞬きょとんとした表情を浮かべるが笑顔でその拳に自分の小さな拳を当てた

ごつごつとしていて大きな拳の強さを感じながら席に座り直した彼女に声をかけた

 

「流石です。歌って踊れて銃を撃てる、頼りになる先輩ですな!」

 

「ふっふーん、もっともーっと期待に応えるからあげるから期待してね、新人くん!」

 

ソラから手を少し上げると応えるようにヒューストンはハイタッチを交わす

乾いた心地いい音が車内に響き渡る

 

先ほどまでの出来事の熱はまだ覚めない

帰るまでが、彼らの仕事だ




次誰をやるかはダイスか気分で決めときます…
感想と評価と誤字訂正指摘お待ちして書いてます…
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