三下とテラの日常   作:45口径

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短いですが初投稿です、ザーロ戦書くのめんどくさいい…がんばります…


三下とジルヴァ

『そっちに向かって誰かがすごいスピードで近づいてるよ。派手な服装で、マフィアの若旦那〜って感じの』

 

「…レオン?」

 

ミズ・シチリアと対面すべく向かう道中で別の位置から見張りをしていたエクシアから通信が入った。

レオントゥッツオが、その姿を彼らに表した。

そしてそれに続くように、まるで巡り合わせたようにディミトリたちが合流した。

 

レオントゥッツオは決心していた。

アルベルトと対峙した時、あの名も知らぬ洗車工の言葉、自分がこれまでやってきたことの間違いを経てどうするかを。

 

広い大通りの両側にディミトリとラヴィニアが立っている。

ここは分岐点。ファミリーを、全てを捨てて成就の可能性が僅かすぎる崇高な理想に賭けるか。戻る道を。

そして彼は選び、ラヴィニアの方へ向かって歩き出した。

 

「それが、お前の答えなんだな…?」

 

「あぁ。俺はもうベッローネのリーダーじゃない」

 

「……何を言っているのかわかってるんだよな、レオン」

 

ディミトリは問い詰めた。

どんな崇高な理由があれどベルナルドが裏切った事実、レオンまでもが裏切り見捨てるのかと。

 

これが彼の答えだ、仲間であり、幼馴染であり、最も信頼していたディミトリを、共に育ち、多くを共にしてきた家族たちをも裏切り選んだ。

 

父親が残した火種を消さないように、今こそ平和を叶えるために。

彼は家族だった男を真っ直ぐ見つめ、答えた。

 

「どこまで行っても、裏切ることが定めであるなら……長く苦しむより、一瞬の痛みの方がマシだろ、ディーマ」

 

その瞬間、突如として全員に悪寒が走った。

 

 

多くの人影がぞろぞろと近づいてくるのは言うまでもなくウォラックと彼が率いるロッサティのメンバー達だ。

 

それらと対峙しテキサスは剣を抜いた。

この場においてはもはや言葉など何の意味を持たない。

彼女を前にウォラックたちが前から取り囲むように広がった。

 

「チェリーニア…てめぇ、何をしてるのかわかってるんだろうな?」

 

テキサスただひとりを捉えていたはずの視界に違和感を感じだ直後、目の前からの殺気を感じ剣を振り抜くと金属がぶつかり合う音が響き渡る。

 

「何がチェリーニアだ、馬鹿野郎!!結婚前の生娘を呼び捨てにするんじゃねえ、てめぇ!!」

 

「ぐっ…この野郎ッ!!」

 

突如ウォラックに怒号と手斧で襲いかかったヒューストンの手斧と鍔迫り合いになりテキサスの追撃が入る前にそれを弾いて距離をとった。

 

「余計なことを言うな」

 

「これは失礼、お嬢」

 

2人が冗談を交わしながら構え直しウォラックとその手下が睨みつける。

 

「…また会うとはな、どのみち俺たちは殺し合うしかないようだな…」

 

「そうとは限らない。ただ帰ればいい、家にな」

 

「ほざけ!!」

 

一気に駆け出しこの2人の裏切り者たちを消すために、駆け出し手にもつ武器で始末してやろうとした。

 

ヒューストンとテキサスを分断させ一対多数で追い込みをかける。

しかしそれもほとんど意味を成していない

 

テキサスはこの後に及んでも手加減していた。

眼前に迫る刃を瞬きもせず躱わし隙間を縫うように駆け抜け一瞬で数名を行動不能にした。

 

ヒューストンには彼女ほどの素早さも柔軟さも無い、しかしそれは彼女に及ばないだけでありあの巨体から繰り出される繊細な手捌き、そして剛腕。

襲いかかる刃を受け流し捕まえ間接を極める。

それを盾にし銃で足を撃ち抜き続け集団をひとりずつ潰す。

格闘と銃撃を織り交ぜた殺陣、しかも彼もまたなるべく殺さぬよう配慮していたのだ。

 

ウォラックがテキサスと剣を交え、ヒューストンは構成員たちの相手をし続ける。

当然ウォラックの援護に向かおうとする構成員を銃撃と投げナイフで阻止している以上、彼の援護をすることはできない状況に持ち込まれていた。

 

「クルビアからも、シラクーザからも逃げおおせて、悪びれもなくノコノコ顔出しやがって…ふざけた話とは思わねえのか?」

 

「…この土地にはまだ救いがあるらしい。だから逃げるのをやめた、それだけだ」

 

「逃げるのをやめたから、帰ってきたってか……じゃあ、あんたについて行って死なせた連中にも言ってやったらどうなんだ!」

 

鍔迫り合いをしながらウォラックは八つ当たりにも近い言葉を投げかける。

渾身の力を込めて剣を叩きつけると彼女は下がり距離が少し開いた。

 

「……だ、そうだ」

 

「死んでないぞ。悲しいことにな」

 

首を向け言い放った先には構成員たちを全て倒して呑気に立っているヒュートンが戯けたように返した。

 

「それに、私からすれば勝手に裏切られたり、ジョヴァンナに手を下さざるを得なかった理由を押し付けられたり…この地は何でも私に押し付けたがる」

 

「俺もそこまで恥知らずじゃねえよ」

 

「何が馬鹿野郎。てめえのボスを闇討ちしようとした時点で話にならねえ。マフィア構成員の風上にも置けねえ、恥知らずどもが」

 

ヒューストンは元マフィアとして、今もなお同じ者に仕える者としてこの男が許せなかった。

ウォラックと2人は対峙した時、彼は気づいていた。

もう勝ち目は万が一もないだろうと。

 

「それに感謝して欲しいぜ! 俺はてめえらの代わりに手を下すっていう役割を担ってやったんだぜ?」

 

「あ…? てめぇがドンをやったってのか!?」

 

「あぁ俺だとも、俺はオルブライト・ヒューストン、死をも騙す男だ!!」

 

「ヒューストン…なるほどな、そう言うことか…やってくれたな、この三下のクソロクでなしめ…!」

 

「ありがとよ、この忌み地で初めて褒められたよ」

 

「さて払ってもらうぞ。その代償をな」

 

ウォラックが駆け出すも一瞬だった。

ヒューストンがその一撃を正面から防ぎテキサスがその脇をとった。

繰り出された剣の柄で深い一撃が入り力が抜け崩れ落ちた。

 

「…お前ら…ろくな死に方しねぇぞ」

 

「俺にとって死は人生の答え合わせだ」

「私にとって死は理想の到達点とも言える」

 

最後の抵抗か、あるだけの力を振り絞りどちらかを道連れにしようとしたが彼らの手加減した蹴りの方が早く炸裂し、数メートル吹き飛び今度こそ動かなくなったウォラックを見下ろした

 

「……行く前に一つ言っておくことがある」

 

「俺もだ」

 

「私より先に死ぬなよ?その前にお前の嫁を見たい」

「俺より先に死ぬなよ?キミの旦那を見るまで死ねん」

 

ふたつの拳は強くぶつけ合った

 

「楽しみにしてる」

 

「余計なお世話だ」

 

2人は駆け出し先に送ったラヴィニアたちと合流を急いだ

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