夕刻の少年の夕影、鮮明になって   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。

それではどうぞ。



第1話 曇天

遡る事、3年前。羽丘女子学園(はねおかじょしがくえん)の中等部での始業式……

 

「クラス替えって、毎度の事ながら緊張するよね……」

「えーっと……うえはら、うえはら……あっ!! B組だ! つぐも巴も一緒!」

 

自分達の名前を見つけ、やったあ~!と喜ぶひまり。

 

「ホントだ! やったっ。よろしくな!」

「よかったあ~……! よろしくね!」

「いえーい。あたしも一緒~」

 

なんとモカも同じB組だとの事。

 

「蘭は? 蘭もB組なのか?」

「蘭は……」

「……」

 

その結果はというと……

 

 

 

 

「はあ……まさか、蘭だけ別のクラスになるなんてな~……」

 

帰り道。話題は始業式でのクラス替えについて。蘭だけがA組だったのだ。

 

「だな。アタシ達は小学校の頃からずっと同じクラスだったのに」

「記録更新ならずか~」

「……」

 

4人とクラスが別なのがショックだったのか、蘭はずっと寂しそうな表情をしていた。

 

「蘭ちゃん、元気だして! A組とB組なら、体育の授業とか一緒だし! 今まで通りお弁当も一緒に食べようよっ」

「別に、落ち込んでなんかない……」

 

つぐみの言葉に蘭はそう返すが、やはり気にしてるようだった。

 

「ほら、私達でA組に遊びに行くからさっ。大丈夫大丈夫!」

「ん……」

 

すると何かを思い出したか、モカがこんな事を呟いた。

 

「クラス替えで思い出したんだけどさ~、ナナと連絡がつかなくなったのもこんな日だったよね~……」

「「「「……」」」」

 

それは5人が小学生を卒業する間近に音信不通になってしまった男の子の幼馴染み、夕月夏々(ゆうづきナナ)の事だった。彼と連絡が取れなくなった時期がクラス替えだったのは今でも憶えてる。

 

「夏々君、元気にしてるかなぁ……」

 

実は中学1年になって落ち着いた頃、5人で彼の家を直接訪ねてみたが、家自体が無くなっており、そこからは完全に音信不通なってしまい今に至る。

彼に会いたい。会って文句やら色々と言ってやりたい。

 

そんな風に寂しい想いをしながらも5人は歩いて行くと公園近くの自販機にてとある光景を目撃する。

 

「……」

 

ひょっとこのお面を被った学生?がそこに居たのだ。パッと見た感じ、5人と同い年に見えなくもないが……

 

「あの人、ひょっとこのお面を被ってるけど、トモちんみたいにお祭り好きなのかな~?」

「そうかもしれないけど……だとしても、時季外れもいいところだろ!?」

「あの人、何してるのかな……?」

「小銭が入らないのかな?」

「そういえば、あの自販機、一部の飲み物がIC専用になった筈だけど……」

 

明らかに場違いな外見にコソコソと話す5人。

どうやら、あの学生は自販機に小銭を入れる場所を探してるようだ。しかし蘭の言う通り、あの自販機は一部の飲み物がIC専用になっているのだ。

 

「ねーねー、この自販機って小銭使えるー?」

 

すると、ひょっとこのお面を被った学生が5人に話しかけてきた。突然の事に驚いたが、その人物の声はどこか聞き覚えがあった。

 

「およ? もしかして、蘭ちゃんにモカちゃん、トモちゃん、ひーちゃん、つぐちゃん?」

 

更に首を傾げながら、自分達の名前を呼ぶひょっとこのお面を被った学生。

 

「……え? もしかして……夏々?」

「んー? そうだよー、ボクだよー」

「「「「「……」」」」」

 

蘭が確認すると、夏々は呑気に答えた。しかもふざけたお面を被りながら答えるので……

 

「「「「「バカあぁぁ!!」」」」」

 

とりあえず音信不通になっていた目の前の幼馴染みを怒鳴る5人なのであった。




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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