夕刻の少年の夕影、鮮明になって   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。

それではどうぞ。


第3話 蘭の居場所

思いがけない形で夏々と再会した数日後の放課後。巴、ひまり、つぐみの3人で帰ってた時の事……

 

「なあ……最近の蘭、やっぱり元気ないよな?」

「うーん……」

 

それは蘭の事だった。

巴曰く、蘭が偶にフラっとどこかに行って、授業に戻らないという話をA組の友達から聞いたとの事。

 

「もしかして蘭ちゃん、具合が悪いのかな?」

「それが、保健室には居ないらしいんだ」

「それじゃあ、どこに行ってるんだろう?」

 

心配そうな表情のつぐみ。ひまりの疑問に巴は分からないと言った。この場には居ないモカも蘭が居る場所は知らないらしい……

 

「……明日、蘭ちゃんに直接聞いてみようよ」

「ああ、そうだな」

 

とりあえず明日、本人に訊いてみようという事にしたのであった。

 

 

 

 

「う~ん……結局、蘭が授業中どこに行ってるのかも、悩み事があるのかも分からなかったね……」

「……そうだな。蘭はなかなか思ってる事を言わないからなあ……」

 

後日の羽丘女子学園の中等部、2-Bの教室にて。

蘭が授業中にどこに行ってるのかもわからずじまいだった。登校中、本人にそれとなく訊いてみたが、逆に微妙な空気になってしまい、今に至る。

 

「モカちゃんは、蘭ちゃんから何か聞いてない?」

「んー……特に」

 

つぐみの言葉にモカも当人からは何も聞かされていないそうだ。

 

「あーんもう! モヤモヤする! どうすればいいんだろ~」

「あっ、次の授業って科学室じゃなかったっけ?」

「やば、急がないと!」

 

ここで次の授業の場所が移動教室だという事に気づく。

 

「ごめん、先に行っててー。ちょっと探し物~」

「おっけ! 私達で適当にごまかしとくから、早く来なよ~」

 

遅れて行くからと言うモカに自分達でなんか理由をつけとくねと言って、教室を出るひまり達。

 

「……さて。探し物は見つかるかな~」

 

そんな事を思いながら、モカが教室を出ようとした時……

 

「およ? モカちゃんだー」

「あれー、ナナー? 何してるのー?」

「この学校に依頼があって、ちょうど終わったから、ちゃんと授業やってるかなーと思って覗きに来たー♪」

 

なんと見慣れない制服姿をした夏々と遭遇したのだ。

しかも今回はひょっとこのお面ではなく、糸目をした狐?のお面を被っていた……

 

「およよ? 蘭ちゃん達は居ないのー?」

「蘭は隣のA組だよ~。ひーちゃん、トモちん、つぐは先に科学室に行ってもらってるよー」

「あり? 蘭ちゃんA組なの? さっきA組の教室をチラッと覗いたけど、蘭ちゃん()()()()()よー?」

 

首を傾げながら答える夏々の口から驚きの事実が。なんと現在進行形で蘭がA組の教室に居ないとの事。モカもA組を覗いてみると確かに蘭が居なかった。

 

「うーん……あれ?」

「あ、蘭ちゃんだ」

 

すると階段付近で蘭の姿を確認した。

 

「……もくひょーを肉眼で確認。これより尾行を開始する~」

「こちら夏々。対象の蘭ちゃんを確認、作戦名『ステルス・すぃんかんせぇーん』を開始するー」

 

昔から波長が似てるモカと夏々は、早速とばかり蘭に見つからないよう、こっそりと尾行するのであった。

 

 

 

 

「……」

「らーんー?」

「蘭ちゃーん?」

 

モカと夏々が蘭の尾行をすると、彼女は屋上に居た。そしてタイミングよく蘭に声を掛けた。

 

「……モカ? それに夏々? え、な、なんでここにいるの? 授業中じゃ……それに夏々だって別の学校じゃ……」

 

当然、蘭は2人の姿を見て驚く。

 

「その言葉、そっくりそのまま蘭にお返しするよ~」

「あ、あたしは、別に……!」

「これこれ、モカちゃんも蘭ちゃんの事を言えないからねー? うりうりうり~」

「いひゃいよー、ナナー。……えへへ~、もっとやって~」

「……(心なしか、モカ……嬉しそうな顔してるし。なんか……ズルい)」

 

人の事は言えないんだぞ~と言いながら、モカの髪を両手でわしゃわしゃする夏々。その光景を見て複雑な蘭。

 

「蘭ちゃんが元気ないってモカちゃんから聞いたよ? クラス替えしてから、あんまり授業にも出てないんだって?」

「……クラス替えは、関係ないよ」

 

蘭の様子がおかしい事は、尾行中にモカから聞いてた夏々。

 

「あり? そうなの? モカちゃん達は蘭ちゃんとクラスがわかれて寂しかったんだって。蘭ちゃんは違うのー?」

「……さ……みしい……かも、しれない……」

「ん。みんな一緒。ボクも蘭ちゃん達と離れてた時期は寂しかったんだぞ?」

 

狐のお面を被ってるせいか夏々の表情は分からないが、少なくとも蘭とモカを心配しているような声色だった為、それだけは理解できた。

 

「……ところでモカは、授業出なくていいわけ?」

「大丈夫じゃないけどー……ナナも居る事だし、モカちゃんはナナに甘える事にする~」

「……そっか」

「あり? ボクに拒否権は?」

「「ないよ」」

「ひっどーい。じゃあボクももう少しだけここでゆっくりするー」

 

そんなこんなで3人で屋上で過ごす事にするのであった。

 

 

 

 

「もぉーっ! モカが授業に来ないから、フォローするのめちゃめちゃ大変だったんだからあ~!」

「いやあー、すまんすまん」

 

放課後の通学路にて。ひまり達に授業に来なかった件を現在進行形で問い詰められてるモカ。

 

「まったく……探し物って、最初から蘭の事を探すつもりだったんだろ? それならそう言ってくれればいいのに」

「すまんてばー。いやー、蘭を探そう思った矢先にナナと遭遇しちゃいましてー」

「えっ!? 夏々君、来てたの!?」

「うん。授業が終わった後、ハンググライダー?みたいなので帰ってたよー」

「「「ハ、ハンググライダー……?」」」

 

いやあ~、帰る時のナナの行動には驚きましたな~と話すモカ。まず入れ違いとはいえ、3人は夏々が学校に来ていたのにも驚いたが。

 

「けど、ひとまず蘭ちゃんがどうしてるか分かって良かったね」

「まあ、な。けど、これからどうするのがいいんだろう」

 

蘭が元気がない理由は分かったが、これからどうすればいいのかという解決案が浮かばない。

 

「前と比べたら私達、蘭だけじゃなくて、夏々とも一緒の時間って減ったよね……授業中は流石に一緒に居られないしなあ。まず夏々が他校だし」

「前は私達、ずっと一緒だったもんね」

 

つぐみが自分がもし、クラスが別になったら寂しい気持ちになると思うと付け足しながら、ひまりにそう返す。

 

「うーん、そうだよね。……一緒の時間をもっと作れたらなあ……何か6人でやってみるとか?」

「例えば?」

 

ひまりの案にモカが首を傾げながら訊く。

 

「う、うーん……同じ習い事を始める、とか……?」

「いや、小学生の頃じゃないんだから……まず夏々が続かなそうって言うだろ」

「あー、確かに……」

 

巴がそれはないだろと言う。『えー、続かなそうだし、ヤダよー』と言う夏々が容易に想像できた。

 

「毎日絶対一緒に帰る!」

「ごめん、部活ある日とかは無理かな……」

「つぐ~、ナナが別の学校なの忘れてない~?」

「あっ……」

 

つぐみの案も前提として夏々が居ない為、どうしようもなかった。

 

「モカ、何かいい案ないか? 蘭と夏々も賛成してくれそうな……」

「うーん……みんなで一緒に授業、サボる?」

「そ、それはダメ!!!」

「ですよねー……」

 

授業をサボるというモカの案をひまりは却下した。巴とつぐみもそれはちょっと……という顔をしてる。

 

「あ! わかった! 土日は絶対一緒に遊ぶ!」

「「「平日は……?」」」

「あっ……」

 

これ以上の案が浮かばす、とうとう溜息をついてしまう4人。

 

「みんなで一緒に居る事って、こんなに難しい事だっけ~……!?」

 

ひまりのその言葉を聞いた3人も更に悩むのであった。




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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