夕刻の少年の夕影、鮮明になって   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。
サブタイをほんのちょっとだけ変えました。

それではどうぞ。



第4話 蘭とモカと夏々の居場所

翌日の羽丘女子学園の中等部、2-Bの教室にて。

 

「私、今日部活あるから、行くね! じゃーねー!」

「アタシは今日、商店街で祭りの太鼓の練習があるんだ。つぐは、生徒会だっけ? モカ。悪いけど蘭の様子、見てきてもらえないか」

「ごめんね……」

 

放課後。モカ以外の3人はそれぞれ用事があり、蘭の様子を見てきてほしいとモカに頼み込む。

 

「ほいほーい。了解。じゃーねー」

 

3人を見送り、蘭が居ると思われる屋上に向かうモカなのであった。

 

 

 

 

「うーん……何かいい言葉は……えっと……」

「らー……ん……?」

「……(何か書いてる……? スケッチでもしてるのかなあ?)」

 

屋上に着いたモカが蘭を見つける。しかし何かを書いてる様子だった。なので、そーっと近づいて見る事に。

 

「……」

「らーんー」

「わっ!? も、モカ!?」

「何書いてんの~?」

「あ、こ、これは、ダメ……っ!!」

 

モカに気づいた蘭は咄嗟に何かを後ろに隠した。

 

「どれどれー? 『この思い、声を枯らして叫ぶ、ここが私の居場所(ステージ)』、『冷たい金網に絡まる紅い感情の渦』……?」

「な、夏々!? よ、読まないで……っ!!」

「あっ、ナナだ~」

「やほやほー♪」

 

……のだが、何時から居たのか何故か蘭の後ろに夏々がおり、蘭が隠したノートをひょいと取り、読み上げ始めた。突然の事に二重の意味で驚く蘭。モカはそんなに驚いてないが。

 

「ねーねー、モカちゃんも読んでみてよ♪ 凄いよコレ♪」

「えーと? 『届く事のない叫び(思い)が黄昏の空に消えていく』」

「返してっ!!!!」

 

そしてトドメとばかりに……

 

「「『冷たいコンクリート、打ちつける情熱(パトス)』……?」」

「それ以上はダメっ!!!」

 

夏々とモカが同時に読み上げる。一通り読んだ2人は蘭にノートを返す。当人は顔が真っ赤だが。

 

「蘭~。これ、どーしたの?」

「……実は……」

 

モカがそう訊くと、蘭は事情を話し出した。

 

 

 

 

「自分の気持ちを詩にしてぶつけてた、って事? ほうほう、なるほどね~」

「そうだけど……そう言われるとマジ、恥ずかしいんだけど」

「恥ずかしがる蘭ちゃん、可愛いねー♪ なでなでしてあげようか?」

「いや、しなくていいから!」

「いやいや~。蘭の気持ちが手に取るように分かる良い詩じゃないの~」

 

今日も狐のお面を被ってる夏々。蘭としては、2人の時にやってほしいというのが本音だが。モカは面白そうに見ているが。

 

「あたし、国語得意だからさ。筆者の気持ちを述べよ、みたいな問題めっちゃ得意なんだよね~」

「モカちゃん、昔から国語は得意だったよねー」

 

実際に夏々も小学生の時に、国語で分からないところはモカから教えてもらった事がある。

 

「それに蘭ちゃんも大変なんだなーって」

「えっ?」

「なんかこう……ムムムって感じな顔してたよ。最初、ストレスでもあるのかなって思っちゃったんだよ?」

 

夏々曰く、蘭が屋上に来る前から居たらしく、昼寝をしようかなと思ってたところ、蘭が深刻そうな顔でノートに書き込んでいたので、ストレスでも溜め込んでいるのでは?と思ったそうだ。

 

「別に恥ずかしがる事もないと思うけどなー。あたしだったら『つらーい、なんかたべたーい』しか出てこないもん」

 

そして夏々に続くようにモカも口を開く。蘭は自分の気持ちをこうやって詩にできてるじゃん?と付け足しながら。

 

「蘭の気持ちが晴れるなら、これからも詩にぶつけていけばいいと思うよー」

「そーそー」

「うん……ありがと」

 

そう2人にお礼を言った時の蘭の表情は、多少なりとも楽になったように見えた。

 

「たまには、あたし達にも言ってほしいけどね~」

「何か言った?」

「ううん。独り言~」

「……(ま、ボクはモカちゃんの独り言、聞こえちゃってるけどねー)」

 

蘭には聞こえてないようだが、夏々にはキッチリとモカの独り言は聞こえていた。

 

「てか、さっき国語得意って言ってなかった? なのに詩は書けないの?」

「読み解くのと書くのはまた別なんだよ~。わかってないなあ」

「はいはい、そーだね」

「蘭ちゃん、例えるとアレだよ。こしあんと粒あんみたいな感じ」

「いや、その例えもどうなの……?」

 

その日の放課後は3人で過ごしたのであった。




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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