前回の続きになります。
サブタイをほんのちょっとだけ変えました。
それではどうぞ。
翌日の羽丘女子学園の中等部、2-Bの教室にて。
「私、今日部活あるから、行くね! じゃーねー!」
「アタシは今日、商店街で祭りの太鼓の練習があるんだ。つぐは、生徒会だっけ? モカ。悪いけど蘭の様子、見てきてもらえないか」
「ごめんね……」
放課後。モカ以外の3人はそれぞれ用事があり、蘭の様子を見てきてほしいとモカに頼み込む。
「ほいほーい。了解。じゃーねー」
3人を見送り、蘭が居ると思われる屋上に向かうモカなのであった。
◇
「うーん……何かいい言葉は……えっと……」
「らー……ん……?」
「……(何か書いてる……? スケッチでもしてるのかなあ?)」
屋上に着いたモカが蘭を見つける。しかし何かを書いてる様子だった。なので、そーっと近づいて見る事に。
「……」
「らーんー」
「わっ!? も、モカ!?」
「何書いてんの~?」
「あ、こ、これは、ダメ……っ!!」
モカに気づいた蘭は咄嗟に何かを後ろに隠した。
「どれどれー? 『この思い、声を枯らして叫ぶ、ここが私の
「な、夏々!? よ、読まないで……っ!!」
「あっ、ナナだ~」
「やほやほー♪」
……のだが、何時から居たのか何故か蘭の後ろに夏々がおり、蘭が隠したノートをひょいと取り、読み上げ始めた。突然の事に二重の意味で驚く蘭。モカはそんなに驚いてないが。
「ねーねー、モカちゃんも読んでみてよ♪ 凄いよコレ♪」
「えーと? 『届く事のない
「返してっ!!!!」
そしてトドメとばかりに……
「「『冷たいコンクリート、打ちつける
「それ以上はダメっ!!!」
夏々とモカが同時に読み上げる。一通り読んだ2人は蘭にノートを返す。当人は顔が真っ赤だが。
「蘭~。これ、どーしたの?」
「……実は……」
モカがそう訊くと、蘭は事情を話し出した。
◇
「自分の気持ちを詩にしてぶつけてた、って事? ほうほう、なるほどね~」
「そうだけど……そう言われるとマジ、恥ずかしいんだけど」
「恥ずかしがる蘭ちゃん、可愛いねー♪ なでなでしてあげようか?」
「いや、しなくていいから!」
「いやいや~。蘭の気持ちが手に取るように分かる良い詩じゃないの~」
今日も狐のお面を被ってる夏々。蘭としては、2人の時にやってほしいというのが本音だが。モカは面白そうに見ているが。
「あたし、国語得意だからさ。筆者の気持ちを述べよ、みたいな問題めっちゃ得意なんだよね~」
「モカちゃん、昔から国語は得意だったよねー」
実際に夏々も小学生の時に、国語で分からないところはモカから教えてもらった事がある。
「それに蘭ちゃんも大変なんだなーって」
「えっ?」
「なんかこう……ムムムって感じな顔してたよ。最初、ストレスでもあるのかなって思っちゃったんだよ?」
夏々曰く、蘭が屋上に来る前から居たらしく、昼寝をしようかなと思ってたところ、蘭が深刻そうな顔でノートに書き込んでいたので、ストレスでも溜め込んでいるのでは?と思ったそうだ。
「別に恥ずかしがる事もないと思うけどなー。あたしだったら『つらーい、なんかたべたーい』しか出てこないもん」
そして夏々に続くようにモカも口を開く。蘭は自分の気持ちをこうやって詩にできてるじゃん?と付け足しながら。
「蘭の気持ちが晴れるなら、これからも詩にぶつけていけばいいと思うよー」
「そーそー」
「うん……ありがと」
そう2人にお礼を言った時の蘭の表情は、多少なりとも楽になったように見えた。
「たまには、あたし達にも言ってほしいけどね~」
「何か言った?」
「ううん。独り言~」
「……(ま、ボクはモカちゃんの独り言、聞こえちゃってるけどねー)」
蘭には聞こえてないようだが、夏々にはキッチリとモカの独り言は聞こえていた。
「てか、さっき国語得意って言ってなかった? なのに詩は書けないの?」
「読み解くのと書くのはまた別なんだよ~。わかってないなあ」
「はいはい、そーだね」
「蘭ちゃん、例えるとアレだよ。こしあんと粒あんみたいな感じ」
「いや、その例えもどうなの……?」
その日の放課後は3人で過ごしたのであった。
読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。